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関西支部第70回研究会【12月14日】

2013/12/03 関西支部

日本映像学会関西支部第70回研究会(12月14日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第70回研究会、支部総会を開催いたします。

日時:平成25年12月14日(土) 午後2時より
会場:大阪大学豊中キャンパス
    全学教育推進機構講義棟(旧共通教育講義棟)A棟 1階A102

研究発表1:時代劇映画の演出の特色 -山中貞雄を中心に-
発表者:岡田彰仁会員(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了)
要旨:山中貞雄の「河内山宗俊」 が製作された1936年(昭11)は、サイレントからトーキーへの移行が大幅に進められた時期であり、翌年(’37)まではトーキー化が完了していたといわれている。昭和11年度の日本映画封切本数は521本であったことを考えると、物語の素材を小説や戯曲に求めたのも理解できる。そんな中、山中は前進座のレパートリーであった「河内山宗俊」を映画化するが、同時期に製作された伊丹万作の「赤西蠣太」に比べると、作品批評では山中の評価が高かった。とりわけ山中は撮影技術を主にした演出に腕をふるい、伊丹は登場人物の性格に重点をおいた演出を行っていると批評されている。実際、山中は作中人物の心理を表現するに当って、その表情を直接捉えることはせず、T字セットと照明効果を巧みに利用して、人物の感情や心理を際立たせるといった手法をとっている。
 本発表は山中と伊丹の作品に加え稲垣浩の作品も取り上げ、山中の映画演出について考察する。あくまで過去の批評の刷り直しではなく、批評されていない部分を重点に、山中の演出を明らかにしたい。

研究発表2:メディアのスピリチュアルな役割について-日本と韓国における『ハイジ』-
発表者:朴紀昤(パク・キリョン)会員(韓国中央大学先端映像大学院)
要旨:スイスの作家ヨハンナ・スピリが書いた『ハイジ』(1880~1881年)はこれまで多数の国で翻訳されてきた。また、さまざまなメディアの形で変容されてきた。もっとも知られているテレビ用アニメーション『アルプスの少女ハイジ』は、1974年日本で放映されて以来、社会的・文化的観点から取り上げられるようになっている。さらに、そのアニメーションは韓国でも1976年放映され、やはり翻訳された原作より、知られている。『アルプスの少女ハイジ』には、原作と異なる設定がみられるが、一方では、原作の精神が継承されているといえる。このようなメディア間の差異と類似性がメディア拡散のエネルギーになっているのではないか。本発表をとおして、日本と韓国におけるスピリの『ハイジ』を、メディアの変容という観点から考察し、そのアニメーションの役割について考えてみる。

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大阪大学豊中キャンパス:大阪府豊中市待兼山町1-5
TEL:06-6850-6410 (三宅研究室)
アクセス:阪急石橋駅、または大阪モノレール柴島駅下車 徒歩15分程度
周辺地図・キャンパスマップ:
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/toyonaka/toyonaka.html
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研究会終了後(午後4時30分頃)同会場にて支部総会を行います。

また午後6時頃より懇親会を催します。会費5000円程度、会場は当日お知らせします。(阪急石橋駅近辺を予定しています。) 皆様の参加をお待ちしています。

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)


報告:会報第165号(2014年1月1日)12頁