【中止】日本映像学会 映像心理学研究会・アニメーション研究会 日本アニメーション学会 心理研究部会 合同研究会【2月29日】

2020/02/22 アニメーション研究会

日本映像学会映像心理学研究会・アニメーション研究会、日本アニメーション学会心理研究部会の合同研究発表会開催中止のお知らせ

 2月29日(土)に開催を予定しておりました日本映像学会 映像心理学研究会・アニメーション研究会と日本アニメーション学会 心理研究部会との合同研究発表会ですが、新型コロナウィルスの感染拡大の状況を鑑み、まことに残念ながら中止とさせていただきます。
 発表のご準備を進めてきた登壇者の方々、ご参加を予定されていた方々には大変恐縮ではございますが、ご理解、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
 なお、感染状況の先行きが不透明であることから、延期等の予定は現時点で全て未定となっております。
 以上、よろしくお願い申し上げます。 (2020/02/22)
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日本映像学会 映像心理学研究会・アニメーション研究会
日本アニメーション学会 心理研究部会
合同研究会

日本映像学会映像心理学研究会・アニメーション研究会と日本アニメーション学会心理研究部会の合同究発表会を下記の通り開催いたします。どなたでも参加いただける会です。ご興味、ご関心がございましたら、是非ご参加くださいますようご案内申し上げます。
日本映像学会 映像心理学研究会・アニメーション研究会 代表:横田正夫
日本アニメーション学会 心理研究部会 代表:野村康治

■開催概要
 日時:令和2年2月29日(土曜日) 13:00~
 会場:日本大学文理学部3号館 3504教室
 http://www.chs.nihon-u.ac.jp/about_chs/campus_map/
 参加費:無料

■プログラム
〇日本映像心理学会アニメーション研究会
 13:00~15:00(質疑応答を含む)

 研究発表:野村建太+片渕須直
 「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の撮影について

〇日本アニメーション学会心理研究部会
 15:10~16:10(質疑応答を含む)

 研究発表:薮田拓哉
 題目:アニメ視聴による心理的体験の構造化および作品/視聴者要因に関する臨床心理学的研究 -アニメーション療法の開発に向けて-
 アニメ視聴によって人々はさまざま体験をするが、時に支えになる体験となるなど、援助的な側面も包含している。しかしアニメーションを心理的援助に応用する試みは行われておらず(横田,2019),基礎的な知見が少ないのが現状である。本発表では、臨床心理学の観点からアニメの心理的支援への活用可能性につながる研究を紹介する。研究1はアニメ視聴で経験する心理的体験を分類・構造化し、それに基づき,アニメ視聴による状態変容モデル,心理的体験モデル,「結ぶ,出会う,繋ぐ」プログラムといった心理的援助への活用モデルを生成した。次いで研究2は、その体験を生起させるのに必要な作品要因と視聴者要因およびそれらの適合,体験生起を妨げる阻害要因について検討した。研究2からは、体験の生起をめぐって作品制作と視聴の双方において着目すべき視点が得られた。本発表では,2つの研究の詳細を紹介し,「アニメーション療法」の可能性について議論したい。

〇日本映像学会映像心理学研究会・日本アニメーション学会心理研究部会 合同企画
 16:20~17:50(質疑応答を含む)

 パネル・ディスカッション「アニメーション -「イメージ」の伝達-」
 パネリスト:中村 浩
 題目:アニメにおける動きイメージのリアリティについて
 アニメ作家が作り出す動きには、その動きのイメージと統合された作家自身の身体図式が表現されている。そしてその鑑賞者においても、観察した動きが鑑賞者自身の身体図式に関連付けられることによって、それがよりリアルな動きとして知覚される。しかしこれは身体図式と視覚的に鑑賞される動きの統合によって形成された視覚図式がアニメ製作者と鑑賞者に共通であることを前提としている。ではこの図式はどのようなプロセスを経て形成されるのであろうか。リアリティの高い視覚図式の形成が、視覚刺激の身体図式への同化によって可能になることを発達心理学的観点から示したのがPiagetであるが、本報告では因果関係知覚の発達を題材とした研究結果を手掛かりとしてこのプロセスについて議論したい。

 パネリスト:佐分利奇士乃
 題目:イメージで語らない生態心理学と、イメージとしてのアニメーション
 生態心理学において私たちが視覚で環境を見るとき、脳内で作られるイメージや目にしたときの網膜に投影される像(イメージ)は必要無い。網膜は光学的配列を捉え、その配列そのものが視覚情報となるからだ。それは私たちの意識の外にあるもので、ヒトの状態や行為にかかわらず存在している。しかし、アニメーションは映像であり、本来のイメージの意味から考えてもイメージである。だから、アニメーションの作り手が見せたいものに情報が片寄ることがある。普段の何気ない動作を改めて絵画的なアニメーションで作ると、高畑勲が指摘していたような「異化効果」によって、観客が持っている「動きの印象」ではないディテールが知覚される。このとき、アニメーションは作り手が「引き写した環境と動きの事実」であるとともに「思い描いた」ものとして機能し、非常に力強い表現となる。

 進行:野村康治

■参加ご希望の方へ
 事前の参加予約は不要ですが、参加人数把握のため、2月28(金)までに下記までご一報いただけましたら幸いです。
■参加申込・問合せ先:
 日本大学文理学部心理学研究室(横田正夫)
 E-mail: myokotachs.nihon-u.ac.jp