アジア映画研究会(第3期第21回)開催のお知らせ【12月5日】

2023/11/08 アジア映画研究会

日本映像学会会員 各位

《日本映像学会アジア映画研究会(第3期第21回)開催のお知らせ》

アジア映画研究会(第3期第21回/通算第54回)を下記の通り開催致します。
日時:2023年12月5日(火)18:00 – 20:00
ZOOMによるオンライン開催:事前申込制
申し込み締め切り:12月1日(金)
下記 URL より所定のフォームにご記入の上、お申し込みください。
https://docs.google.com/forms/d/1TlERjKcX6Jn3gtmxb55nUftgsIKM9vXpck2YAGHlMCU/edit

期日が近づきましたら、ミーティングIDなどを改めてお知らせする予定です。

【内容】
①発表(40分+討議)
萬宮健策(東京外国語大学)
「これは観てほしい!パキスタンの映画事情」
<発表要旨>
多言語多民族国家であるパキスタンの映画は、日本で上映されたことがあるごく一部の作品以外、ほぼ知られていないのではないか。本発表では、2000年代になって新たな段階に入ったといわれるパキスタンの映画事情を、印パ独立以降の状況と対比させつつ振り返り、その特徴を考える。また、日本で公開してもいいのでは、と思う作品をいくつか提案したい。

②発表(40分+討議)
南出和余(神戸女学院大学)
「バングラデシュ、アート映画のナショナリズムとグローバリズム」
<発表要旨>
1947年の印パ分離独立、1971年のパキスタンからの独立という近代以降二度の独立を経験してきたバングラデシュにおいて、映画は常に社会を示すツールを成してきた。映画の誕生においては現インド西ベンガル州と歴史を共有し、アート映画への造詣を維持しながら、東パキスタンからバングラデシュという枠のなかでは映画が「ベンガルムスリム」のナショナリズムを表象してきた。国内映画監督たちは映画監督としての登竜門の如く、誰もが一度は独立戦争を描く。21世紀に入ると、バングラデシュ海外移民の増加にともなって、映画は「バングラデシュ性(らしさ)」を維持しながらも、そのテーマやストーリーにおいてはグローバルオーディエンスが意識されるようになる。
日本で劇場公開されたバングラデシュ映画は未だ『メイド・イン・バングラデシュ』(ルバイヤット・ホセイン監督、2019年制作、2022年日本劇場公開)のみに限られるが、映画祭での上映作品は21本に及ぶ。これらの一部を紹介しながら、映画によるバングラデシュ社会のイメージ形成について考えてみたい。

【12月座長松岡より補足】

萬宮健策(まみや けんさく)氏は、東京外国語大学において実施されている映画の自主上映プログラム「TUFS Cinema」の南アジア部門において、藤井美佳氏(字幕翻訳家・アジア映画研究会会員)と共にこれまでにたくさんの作品を紹介してきました。下記サイトをご参照いただければと思いますが、研究会の直後にも、パキスタン映画とバングラデシュ映画の上映が予定されています。よろしければ、お申し込みの上お運び下さい。
https://www.tufs.ac.jp/tufscinema/

南出和余(みなみで かずよ)氏は、神戸女学院大学において学生たちと共に、大阪アジアン映画祭で上映されるバングラデシュ映画の字幕翻訳を担当してきました。『メイド・イン・バングラデシュ』もそのうちの1本で、パンドラの配給により、岩波ホールの最終年上映作品の一つとして昨年4月16日に公開されました。映画の公式サイトのアドレスアドレスを付けておきますので、予告編をぜひご覧下さい。
http://pan-dora.co.jp/bangladesh/

◎皆様方のご参加をお待ちしております!(12月座長:松岡環/アジア映画研究会代表:石坂健治)