第51回全国大会-ご挨拶
大会テーマ:「震災・映像・アーカイブ」
会期:2025年5月31日(土)、6月1日(日)
会場:神戸大学
日本映像学会第51回全国大会
大会実行委員長 板倉史明

次回の第51回日本映像学会大会は、2025年5月31日(土)と6月1日(日)に、神戸大学六甲台第2キャンパスで開催させていただくこととなった。短時間で開催にご賛同いただいた会員諸氏、特に関西支部のみなさまに心から感謝申し上げたい。
神戸大学は2017年度にも同じキャンパスで大会を実施しており、会員諸氏のなかには「ああ、あの坂道の多いところか」と体感で記憶している方も多いだろう(当時大会実行委員長だった前川修さんによる超人的な差配がなければ実現しなかったであろう!)。六甲山の中腹にキャンパスがあるため、イノシシやサルに遭遇する可能性もゼロではないが(遭遇したらゆっくり後ずさりで逃げましょう)、キャンパスから見渡せる神戸の街並みの美しさは毎日見ていても飽きないくらいだ。
その美しい街並みが一瞬にして崩壊してしまったのが、1995年1月17日早朝に発生した阪神淡路大震災だった。来年は震災から30周年という節目の年を迎える。阪神淡路大震災では6000人以上の方が犠牲となり、当時の神戸大学の学生や職員だった方々も40名以上亡くなっている。阪神淡路大震災以降、テレビをはじめとする各映像メディアや各個人が、震災の情報と被災状況をどのように記録し、誰に向かって伝えるのかという責任とモラルが問われはじめたように思う。阪神淡路大震災時に携帯電話を持っていた人はまだ少数派であったが、2011年3月11日の東日本大震災以降の震災では、各自がスマホでリアルタイムの映像をSNSで発信しており、それが迅速な避難や救助に貢献したことは間違いない。しかし同時にプライバシーの問題やPTSDの倫理的な判断基準が求められるようになった。
近年、過去の震災映像を自由に閲覧できるインターネット上の震災映像アーカイブが次々と開設され、研究や教育に活用されはじめている。そこで今回の大会テーマとして、「複数の震災映像アーカイブから浮かび上がる映像メディアの役割と倫理(仮)」として、震災と映像メディアの制作・上映・放送・公開・研究・教育に関わる私たちが、未来に生きる人たちのためにできることを議論するきっかけになればと願っている。

会期 2025年5月31日(土)、6月1日(日)
会場 神戸大学
〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1
第51回大会実行委員会
委員長 板倉史明 (神戸大学)
副委員長 桑原圭裕 (関西学院大学)
委員 東志保 (大阪大学)
委員 大橋勝 (大阪芸術大学)
委員 北市記子 (大阪経済大学)
委員 木下千花 (京都大学)
委員 田中晋平 (日本大学芸術学部研究員)
委員 中村聡史 (日中文化芸術学院)
委員 橋本英治
委員 八尾里絵子 (甲南女子大学)