映像テクスト分析研究会 2022年度(通算第22回)研究発表会【3月29日】

2023/03/01 映像テクスト分析研究会

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日本映像学会 映像テクスト分析研究会
2022年度(通算第22回)研究発表会 開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位

映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。
対面のみでの開催です。みなさまのご参加をお待ちしています。

日本映像学会映像テクスト分析研究会
代表 藤井仁子

■日時===========================
2023年3月29日(水曜日)15時30分開始〜17時30分終了予定
発表後に休憩をはさんで質疑応答あり
※発表に先立ち13時から参考上映を行ないます(日本語字幕あり、VHS画質、126分)

■発表者==========================
藤井仁子(早稲田大学)

■会場===========================
早稲田大学 戸山キャンパス 36号館2階演劇映像実習室(283教室/定員60人)
〒162-8644 東京都新宿区戸山1-24-1
最寄り駅:地下鉄東京メトロ東西線「早稲田駅」、副都心線「西早稲田駅」
https://www.waseda.jp/flas/hss/access/

■表題・概要===============================
これはシナトラではない——伝記映画としての『抱擁』における俳優とキャラクターの相克

 戦後の低迷期を乗り越え鮮烈な復活を遂げた1950年代のフランク・シナトラにとって、最大の収入源が実は映画とテレビであったという事実はあまり注目されることがない。なかでも1957年に主演したチャールズ・ヴィダー監督『抱擁』(The Joker Is Wild)は、親友だったコメディアン、ジョー・E・ルイス(1902-1971)の伝記を原作とし、自ら映画化権を買ってパラマウントに売りこんだほどのシナトラにとって特別な野心作だった。今日ではもっぱら主題歌「オール・ザ・ウェイ」によってのみ記憶されているこの魅力的な細部に満ちたフィルムで、シナトラはもちろん主人公のルイスを演じているのだが、奇妙なことにそこにはシナトラその人の実人生が嫌でも二重写しになってくる。さらには〈影〉の主題、イメージと身体の分離の問題が絡んでくることで、事態はますます錯綜していくだろう。本発表は、フィクション映画における俳優の身体イメージと想像上のキャラクターとの競合関係にかんするジャン=ルイ・コモリのよく知られた議論を踏まえ、その特殊な一ケースとして『抱擁』を分析することを目指す。そして何より、これほど見応えのある一作がアメリカでも日本でもまともに評価されていない(ソフト化もされていない!)という現状への憤りを、一人でも多くの参加者と共有したいと願う。

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お問合せ先:
日本映像学会 映像テクスト分析研究会
代表 藤井仁子
〒162-8644 新宿区戸山1-24-1
早稲田大学文学学術院
e-mail: jinfujiiwaseda.jp