2012/07/17 アニメーション研究会
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映像心理学研究会・アニメーション研究会
合同研究発表会開催のご案内
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盛夏の候、益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、日本映像学会映像心理学研究会・アニメーション研究会の合同研究発表会を下記の如く開催いたします。
是非ご参加くださいますようご案内申し上げます。
映像心理学研究会・アニメーション研究会代表 横田正夫
■日時======================================
平成24年(2012年)8月4日(土曜日)
映像心理学研究会:13:00~15:00
アニメーション研究会:15:10~17:10
なお各発表者の発表時間は1時間の枠内でおこなわれます。40分を発表、15分を質疑応答、5分を次の発表の準備と致します。
■会場======================================
日本大学文理学部百周年記念館 会議室1
〒156-8550 東京都世田谷区桜上水3-25-40
交通アクセスマップ http://www.chs.nihon-u.ac.jp/access/
キャンパスマップ http://www.chs.nihon-u.ac.jp/wpchs/swf/map.html
■プログラム(映像心理学研究会)===================
13:00~14:00
表題: 撮影行為の日常化とその意識に関する考察
発表者:野村康冶(日本大学) 纓坂英子(駿河台大学)
要旨:カメラは、高画質化、高性能化という進化的な技術発展を遂げる一方で、操作の簡易化、低価格化といった汎化的な発展も遂げてきた。そして、撮影行為は専門的知識を持たない多くの人にとっても極めて身近な、日常的な行為となっていった。撮影行為の日常化を背景にしたカメラの使用状況や撮影行為に対する意識について、発表者らが行ってきた、ここ10年間の調査結果を報告する。また、そこから撮影行為に関する心理的意味を考察してみたい。
14:00~15:00
表題:映像体験の記述と分類に関する芸術心理学的研究
発表者:鈴木清重(立教大学)
要旨:映像心理学研究会での過年度の報告内容を踏まえ、映像体験の記述と分類に関する考察を紹介する。可能な限り具体例を紹介しつつ問題提起を行いたい。
[映像体験の記述]
映像の心理学的研究を行うためには、映像の体験を心理学的に記述する必要があるだろう。体験の記述を目的とした研究を行うには、記述の単位を見出す理論的検討が必要と考えられる。例えば、芸術を記述する単位として技術、技能、技法という3種類の記述単位を指摘できる。さらに、記述的研究では、記述の単位と視点の関係を考察する必要がある。映像をはじめ、芸術を記述する視点には、制作者、鑑賞者、研究者の3つを想定できる。本研究では、鑑賞者の知覚する事象を単位として動画像の知覚を考察できるか検討した。従来の心理学研究では、事象知覚の問題は知覚体制化と時間性の問題として議論されることがあった。また、従来の知覚体制化理論の分類には、静止画像の体験を基盤にうごきの体験を考察する点など、構成主義や間接知覚論の特徴もみられた。本研究では、動画像系列の知覚体制化という新しい理論的枠組みで、事象知覚のゲシュタルトを考察した。
[動画像の群化]
動画像系列に知覚される事象の記述を試みると、事象のゲシュタルト(事象の体制化)という概念を考察できる。動画像系列を観察するとき、動画像間に連続性を知覚できる場合がある。連続する動画像群は、一連の出来事を表現する場合がある。連続性とは事象の特性の一つであり、時間の体験を生む「連続と分凝」の感覚である。動画像系列に感じられる連続と分凝の程度に応じて、動画像間にまとまりが生じる。動画像間の連続と分凝として感覚できるまとまりが、系列内の個々の動画像や静止画像の意味を規定する場合がある。したがって、静止画像に基づき動画像系列の知覚を考察することは難しい。逆に、映像作品内に体験される事象の体制化を検討することにより、映像作品の体験を心理学的に記述できる可能性がある。動画像系列に知覚される事象のゲシュタルトという考えに基づき、知覚体制化理論の再構築を検討した。
[映像体験の分類]
動画像系列の知覚体制化理論に基づき、種々の映像体験に関する事例研究を行った。また、映像制作の体験を踏まえ、映像体験を分類する研究を試みている。例えば、「アニメーション」と呼ばれ得る作品の典型例、非典型例、境界例のうち、境界例に属すると考えられる事例を集めた実験的オムニバス作品を制作し、制作過程と鑑賞体験の関係を考察した。具体的な作品の制作事例から、「アニメーション」とは何かを考察した。2012年の日本での金環日蝕を撮影した実写動画像などの事例を紹介する予定である。
■プログラム(アニメーション研究会)===================
15:10~16:10
表題:“表現者”と“労働者”のあいだ―東映動画株式会社を例に―
ゲスト発表者:木村智哉(早稲田大学)
要旨:日本で最初に商業アニメーションの製作を持続的に行った企業である東映動画(現・東映アニメーション)株式会社を対象に、その諸々の変化を見ることは、商業ベースでアニメーションを作る意味を考えることにつながる。本報告は、既存の研究成果に加え、独自に行った労働組合への調査成果も用いて、同社の創業から約4半世紀の間の変化を、文化論と産業論の双方の観点から複合的に概観することにより、日本の商業アニメーション史について考察する一つの視点を提示することを試みる。
16:10~17:10
表題: 日韓の長編アニメーションの心理学的比較
発表者:横田正夫(日本大学)
要旨:2011年の同時期に韓国では「Green Days」、日本では「コクリコ坂から」が公開された。いずれも高校生の日常を描いているが、前者では心理的な問題は自身が自ら行ったごまかしの行為であり、後者は自分の知らなかった父親の一面と、もしかしたら兄弟かもしれない先輩に出会ってしまうことによる心の動揺が描かれていた。「Green Days」の高校生は交友関係の中で自身の尊厳を取り戻し、「コクリコ坂から」の高校生は母親や大人の援助を待って、心の問題が解決されたかにみえる。高校生の心の在り方が大きく異なって描かれていた。
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■参加申込
どなたでも参加できますが、資料作成の都合上、7月23日までに下記までお申し込み頂けますと助かります。
なお申込み無しでのご参加の場合、配布資料をご用意できない場合がございますので、予めご了承ください。
■参加申込・問合せ先:
日本大学文理学部心理学研究室
映像心理学研究会・アニメーション研究会代表 横田正夫
E-mail: myokota@chs.nihon-u.ac.jp
Tel: 03-5317-9720 Fax: 03-5317-9427
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