第37回映画文献資料研究会【7月25日】

2015/07/03 映画文献資料研究会

第37回映画文献資料研究会のお知らせ

日本映像学会映画文献資料研究会では下記の如く研究例会を開催いたします。会員の皆様のご参加をお待ちしています。

日 時:2015年7月25日(土) 15時~17時
場 所:日本大学芸術学部江古田校舎東棟4階S404教室
      西武池袋線江古田駅下車、徒歩5分。(東京都練馬区旭丘2-42-1)
      アクセスマップ http://www.art.nihon-u.ac.jp/information/access.html

発表者:韓承甫(ハン・スンボ)会員(日本大学大学院博士後期課程)
テーマ:「『ひき逃げ』と『女の中にいる他人』にみる成瀬巳喜男の特徴―物語から隔離する成瀬演出」
 成瀬の作品は、『浮雲』(1955)で代表されるメロドラマ、『めし』(195をはじめとする夫婦物、『鶴八鶴次郎』(1938)のような芸道物など多様なジャンルに見なされることが可能であるにも関わらず、かけ離れて「異色作」として扱われている作品が二つある。その作品とは『女の中にいる他人』(1966)と『ひき逃げ』(1966)であるが、異色と言われるのは今までの成瀬映画と全く違うジャンルであるためである。しかし、「成瀬映画」を分析するときに、「日常生活の描写に卓越した監督」、「小市民の映画」、「抒情的な映画」、「主に女性が出て来る映画」など、「成瀬調」から離れることによって、成瀬巳喜男の演出が浮かび上がる。本研究発表は『女の中にいる他人』と『ひき逃げ』、二つの「異色作」に現れている成瀬演出の特徴と、他の「異色ではないふつうの」成瀬映画と通じ合う普遍的な成瀬演出の特徴を見出すことを目的とする。

問合せ先:日本映像学会映画文献資料研究会代表 田島良一
       〒176-8525東京都練馬区旭丘2-42-1
       日本大学芸術学部映画学科内
       TEL 03−5995−8220・8944


報告:会報第172号(2015年10月1日)53頁