アジア映画研究会(第3期第20回)共催イベントのお知らせ【10月13日】

2023/09/20 アジア映画研究会

アジア映画研究会(第3期第20回)共催イベントのお知らせ

日本映像学会アジア映画研究会は10月例会として、下記のとおり神奈川大学主催国際交流イベント「『ルオルオの青春』上映会+ディスカッション」に共催します。
(10月座長:秋山珠子(神奈川大学))

『ルオルオの青春』上映会+ディスカッション
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台所のダンス 居間のファンタジー
――パンデミック下の開かれた密室
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日時: 2023年10月13日(金)
13:30-15:10 『ルオルオの青春』(2023)上映+舞台挨拶
15:20-17:00 ディスカッション
会場: 神奈川大学みなとみらいキャンパス1F米田吉盛記念ホール
ゲスト: 洛洛(ルオルオ)(『ルオルオの青春』監督)、李新月(リー・シンユエ)(編集、監督、映画祭コーディネーター)
ディスカッサント:ミツヨ・ワダ・マルシアーノ(京都大学大学院文学研究科)
司会・通訳:秋山珠子(神奈川大学外国語学部中国語学科)
主催: 神奈川大学外国語学部中国語学科
共催: 日本映像学会アジア映画研究会、JSPS基盤研究(C) 23K00224「パンデミック時代の非公式文化生産―中国インディペンデント・ドキュメンタリーの位相」(研究代表者 秋山珠子)
協力: 山形国際ドキュメンタリー映画祭
*参加無料、申込不要

詳細はこちらから
https://m.facebook.com/events/1433348180542282

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開催趣旨:
世界を覆ったパンデミック下、隔絶された空間のなかで、異なる国や地域の人々の想像/創造はどのように発露し、どのようにシェアされていったのでしょうか?
今回お招きするのは、コロナ禍後、本格的な映像制作を始めた二人の中国人女性映像作家。退職後カメラを手にした洛洛(ルオルオ)氏は、父と孫娘をケアする日常を豊かな表現の場に変える連作ドキュメンタリーで2度にわたって山形国際ドキュメンタリー映画祭入選を果たし、李新月(リー・シンユエ)氏は、洛洛監督作品の編集や自身の映像制作を行いながら、個人映像の新たなプラットホームとして注目を集めるオンライン映画祭「母親影展」の企画・運営に携わっています。世代も居住地域も隔たったかれらは、コロナ禍の厳しい都市封鎖のなかでどのように出会い、どのように想像/創造を共有していったのでしょうか?
洛洛監督最新作『ルオルオの青春』(2023)を手がかりに、パンデミック以降の表現と共創のアクチュアリティを、ミツヨ・ワダ・マルシアーノ氏をディスカッサントに迎え、新たな視点から探索します。
上映作品:
『ルオルオの青春(洛洛的青春)』(中国/2023/93分/監督:洛洛/山形国際ドキュメンタリー映画祭2023 アジア千波万波公式出品)

父や孫の世話を焼きながら10代の頃の日記を手繰るルオルオ。仲間と繋がり、家族を巻き込みながら、コロナ禍で引きこもった家に「表現の喜び」が溢れる。

登壇者:
⚫︎ 洛洛(ルオルオ)
1962年四川省米易県に生まれ育つ。同世代の女性の多くがそうであるように、結婚、出産、仕事、子育て、老親の介護、退職というコースをたどったのち、2019年、アートコレクティブ「CCDワークステーション」と出会い、民間の記憶を記録する「メモリープロジェクト」に参加。2020年初め、映像撮影と編集を学び始め、デビュー作『ルオルオの恐れ』(2021)を制作、山形国際ドキュメンタリー映画祭アジア千波万波に入選。『ルオルオの青春』(2023)は、「ルオルオの人生」シリーズ第2作。

⚫︎ 李新月(リー・シンユエ)
1996年生まれ。2018年まで湖北省の大学に通い、卒業後は北京で編集アシスタントを務め、2020年に故郷ハルビンに戻り、以後同地で活動を続ける。2021年に「CCDワークステーション」へのオンライン参加を機に個人映像制作を開始、2022年に『ルオルオの青春』の編集およびオンライン映画祭「母親影展」の企画・運営に参加。現在監督デビュー作『新月』を制作中。

⚫︎ ミツヨ・ワダ・マルシアーノ
京都大学文学研究科教授。『ニッポン・モダン―日本映画1920・30年代』 (2008)、『デジタル時代の日本映画』(2010)、『「戦後」日本映画論』(編著、2012), 『〈ポスト3.11〉メディア言説再考』(編著、2019)、『No Nukes―〈ポスト3・11〉映画の力・アートの力』(2021)、Japanese Filmmakers in the Wake of Fukushima (2023) など出版多数。現在は女性によるドキュメンタリー映画の分析に取り組みながら、映画史の読み替え作業に取り組んでいる。

⚫︎ 秋山珠子
神奈川大学外国語学部中国語学科准教授。1990年代初めより中国語圏の映画監督・美術家らと多く親交を結び、研究・通訳・翻訳を通して彼らの活動に伴走する。編著に『華語独立影像観察』1「特集=現代日本と中国インディペンデント映画のコネクション(1989–2020)」(共編著、2021)、訳書に『侯孝賢の映画講義』(侯孝賢著、みすず書房、2021)、字幕翻訳に『鉄西区』(共訳、王兵監督、2003)他多数。