2015年度第1回(第12回)映像テクスト分析研究会【11月28日】

2015/11/01 映像テクスト分析研究会

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日本映像学会東部支部 映像テクスト分析研究会
2015年度第1回(通算第12回)研究発表会 開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位

映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。
みなさまのご来場をお待ちしています。

日本映像学会東部支部 映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之

■日時===========================================
2015年11月28日(土曜日)15:00開始~18:00(終了予定)

■会場===========================================
立教大学 池袋キャンパス 5309教室(5号館3階)
〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1
JR各線・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線
「池袋駅」下車。西口より徒歩約7分。
交通アクセスマップ
http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/
キャンパスマップ
http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/campusmap/
*5号館はマップの右上隅です。

■発表者・討論者
発表者:木下耕介(群馬県立女子大学)
討論者:木村建哉(成城大学)

■表題・概要====================================
表題:パズル・フィルム、焦点化の限界、そしてもう一つの系譜
   ――クリストファー・ノーラン『メメント』を例に
概要:今日の英語圏での映画研究においてクリストファー・ノーランは、所謂“現代の作家監督”の一人として、間違いなく高評価を受けている。
このことは、今夏出版された論文集The Cinema of Christopher Nolanをはじめとして、彼の作品について非常に多数の文献、論文が著されていることからも明らかである。
このような状況を作り上げた要因のうちのひとつは、彼の映画作品に見られる複雑かつ独創的な物語構造だろう(例えば『インセプション』Inception (2010)、『プレステージ』The Prestige (2006)、そして『メメント』Memento (2000)など)。こうした複雑な物語構造を持つ映画を今日「パズル・フィルム」という名のジャンル・サイクルとして措定する研究者たちは、皆一様にノーランに重要なポジションを割り当てている。
また彼の作品には、ある面ではこの物語構造に支えられる形で、非常に多様な方法論からの分析が寄せられている。精神分析批評、ジャンル批評、社会文化的批評、メディア生態学的分析、歴史的詩学(historical poetics)的分析などがその例に挙げられる。
こういった状況を踏まえつつ、本発表では、物語論の古典的概念である「焦点化(focalization)」の理論モデルとノーランの『メメント』の物語構造を突き合わせることで、新たな議論の糸口を探る。こうすることで、「焦点化」概念の理論的限界――というよりも「焦点化」概念が暗黙の裡に対象として想定してきた特定の種類の物語テクストの形式的限定性とそれ以外の種類の物語テクストの歴史的存在――を明らかにし、理論的改案の方向性を探るとともに、そういった「それ以外」のテクストの、物語映画における系譜ないし歴史的出現の典型例としての『メメント』の意義を検討することを試みる。
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お問合せ先:
日本映像学会 映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之
〒352-8558 埼玉県新座市北野1-2-26
立教大学現代心理学部映像身体学科
e-mail:hideyukin@rikkyo.ac.jp
mobile: 〇8〇-3770-5972


報告:会報第173号(2016年1月1日)16頁