アジア映画研究会(第3期第29回)開催のお知らせ【8月6日】

2025/07/09 アジア映画研究会

アジア映画研究会会員/日本映像学会会員各位
「日本映像学会アジア映画研究会(第3期第29回)開催のお知らせ」

アジア映画研究会(第3期第29回)を下記のとおり開催します。
日時:2025年8月6日(水)19:00~20:30  ZOOMによるオンライン開催

下記URLより事前登録してください。会議前日にミーティング参加に関する情報の確認メールをお届けします。
https://forms.gle/REhhS7aAPXb2ndW89

報告1:「中国の無声映画における民族音楽の実践と聴覚的現代性」
報告者:宋振華(SONG Zhenhua/北京大学芸術学院博士課程・本学会員)
要旨:1920年代後期から1930年代初頭にかけて、中国の無声映画は急速に発展し、映画音楽の実践は重要な文化現象となった。とりわけ上海の一部映画館では、外国映画の上映経験を踏まえて、民族音楽を中国産映画と結びつける試みが展開された。その中でも、呂文成らによる広東音楽の活用は特筆に値する。本発表では、民族音楽が無声映画にいかに
導入され、それが後の中国映画音楽にどのような影響を与えたかを考察する。「聴覚的現代性」という概念を手がかりに、この実践が近代中国における文化的変容といかに関係していたかを明らかにする。さらに、左翼映画運動との連関にも注目し、民族音楽が政治的意味を帯びた映画音楽として果たした役割についても検討する。

報告2:『李安の華語映画における視線のポリティクス』(2025年3月)について 
報告者:陳悦(CHEN Yue/中国東南大学芸術学部 講師)
要旨:本書は、台湾出身で華語映画の巨匠である李安(アン・リー)の作品を対象として、ジェンダーとフェミニズムの視点から、映画の中の諸空間に登場する人物の視線のポリティクスを軸に、スクリーンに隠秘・提示される欲望や権力関係を検討した上で、映画における視線権力の構造を明らかにしようと試みである。同時に視覚装置としての映画の特徴を視野に入れ、映像技法の分析を採用し、映画のテクスト精読を通して、李安の華語映画に対する新たな解読を図った。

皆様のご参加をお待ちしております。
8月座長:韓燕麗