2025/08/09 映像心理学研究会
日本映像学会映像心理学研究会 共催イベントのお知らせ
日本映像学会映像心理学研究会では、日本生態心理学会が主催する“「周囲 surroundings」について考える -フレデリック・ワイズマン『視覚障害』上映会+平井 百香氏講演会『触覚に基づく視覚障害者の知覚と身体運動―インスタントコーヒーを作る動作に着目して―』-”を、日本認知科学会「身体、システム、文化」研究分科会、科学研究費補助金「日常生活行動における「活動切り替え」の生態学的研究」(23K02306)と共に開催することとなりました。
映像学的にも非常に興味深い内容かと思います。是非ご参加くださいますようご案内申し上げます。なお、ご参加を希望される場合は、下記「参加申込フォーム」にてお申し込みください。
日本映像学会映像心理学研究会 代表:横田正夫
「周囲 surroundings」について考える
-フレデリック・ワイズマン『視覚障害』上映会+平井 百香氏講演会『触覚に基づく視覚障害者の知覚と身体運動―インスタントコーヒーを作る動作に着目して―』-
《企画概要》
本研究会は、ヒトはどのように「周囲」を知覚しているのかという問いを、視覚障害という主題を通じて、映像学、建築学、生態心理学、身体論等の知見から学際的に探求する試みである。
第一部では、アメリカのドキュメンタリー作家フレデリック・ワイズマンによる 1986 年の作品『視覚障害(Blind)』 を 16 ミリフィルムで上映する。上映前には、簡単な作家紹介が行われ、作品の歴史的・文化的背景をふまえた鑑賞が可能となる。ドキュメンタリー作家のワイズマン作品は「見ること」そのものを問い返す力を持ち、新たな知覚の可能性を提示する。
第二部では、日本女子大学の平井百香氏による講演会「触覚に基づく視覚障害者の知覚と身体運動―インスタントコーヒーを作る動作に着目して―」を実施し、建築学的な視点に基づき、視覚障害者の知覚と身体運動の特性や、環境デザインが与える影響について実証的研究をふまえてお話いただく。その後のディスカッサントとして、生態心理学・視覚障害心理学を専門とする伊藤精英氏(公立はこだて未来大学)や障害者の雇用実態や支援について研究する渋谷友紀氏(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)との対話を通じて、多角的な視点から「周囲を知ること」について議論を深める。
記
■ 日 時:2025年9月16日(火)10:30~16:30
■ 場 所:日本大学芸術学部 江古田校舎東棟地下 EB-2教室
■ 参加費:無 料
■ 形 式:対面のみ
■ 参加申込フォーム:https://forms.gle/fqxiop2S9AvqFZJD7
※参加申込〆切は2025年9月9日(火)まで
■ スケジュール
《第一部》 司会:佐藤由紀
10:30~ フレデリック・ワイズマンとは誰か
10:40~13:10 フレデリック・ワイズマン『視覚障害』上映
13:10~14:00 休憩
《第二部》 司会:青山慶
14:00~14:05 オープニング
14:05~15:05 講演「触覚に基づく視覚障害者の知覚と身体運動―インスタントコーヒーを作る動作に着目して―」平井百香氏(日本女子大学)
15:05~15:15 休憩
15:15~15:30 ディスカッサント① 伊藤精英氏(公立はこだて未来大学)
15:30~15:45 ディスカッサント② 渋谷友紀氏(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構) 1
15:45~16:25 ディスカッション
16:25~16:30 クローズ
■ 内 容
●上映映画
・『視覚障害Blind』1986年/132分/カラー/16mm
・監督:フレデリック・ワイズマン
・撮影:ジョン・デイヴィー
・1984年の秋にアラバマ聾盲学校(AIDB)で行った撮影の結果、一本の映画にまとめることは不可能だと判断したワイズマンは、約九時間の長編としても成立する四部作として「Deaf and Blind シリーズ」を完成させた。第一部となる本作は、視力をもたない子どもたちの盲学校での日常を、技法的な編集を極力排して丹念に描き出していく(コミュニティシネマセンター)。
・フィルム提供:一般社団法人コミュニティシネマセンター
●講演会
・「触覚に基づく視覚障害者の知覚と身体運動―インスタントコーヒーを作る動作に着目して―」
・講演者:平井百香(日本女子大学)
・講演要旨 建築の分野において、行為と環境の関係は合わせ鏡のように捉えられてきました。環境の設えは人間の行為を誘発し、人間は行為を行いやすいように環境を改変するとされ、自宅ではこの関係が最も顕著に現れます。視覚障害者の自宅における家具や物の配置、行為中の接触の様子をみると、触覚を基準としたレイアウトのルールが存在していることが分かりました。 研究成果から着想を得て、天板にクレーター状の触覚的な手がかりを設け、食器の位置を固定できるようにデザインしたテーブルを開発しました。開発したテーブルと、天板がフラットなテーブルを用いて、視覚障害者が2種類のテーブルでインスタントコーヒーを作る実験を行い、テーブルデザインに応じた動作の特性を比較しました。生態心理学の分野で蓄積されてきた晴眼者のマイクロスリップに関する研究成果を参照しながら、視覚障害者の知覚と身体運動の特性や、環境デザインが与える影響について考察します。
■ 企画者:青山慶(岩手大学)・佐藤由紀(玉川大学)
■ 問合先:jcss.sig.bsc( at )gmail.com ※( at )をアットマークに修正してください。
■ 主 催
●日本生態心理学会
■ 共 催
●日本認知科学会「身体、システム、文化」研究分科会
●日本映像学会 映像心理学研究会
●科学研究費補助金「日常生活行動における「活動切り替え」の生態学的研究」(23K02306)
以上