映像テクスト分析研究会 2025年度(通算第25回)研究発表会【3月30日】

2026/03/06 映像テクスト分析研究会

******************************
日本映像学会 映像テクスト分析研究会
2025年度(通算第25回)研究発表会 開催のお知らせ
******************************
日本映像学会会員各位

映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。
対面のみでの開催です。みなさまのご参加をお待ちしています。

日本映像学会映像テクスト分析研究会
代表 藤井仁子

■日時===========================
2026年3月30日(月曜日)17時(18時40分終了予定)
発表後に休憩をはさんで質疑応答あり
※発表に先立ち15時15分から参考上映を行ないます(82分)

■発表者==========================
梅本健司(早稲田大学大学院文学研究科修士課程、東部会員)

■会場===========================
早稲田大学 戸山キャンパス 36号館2階演劇映像実習室(283教室/定員60人)
〒162-8644 東京都新宿区戸山1-24-1
最寄り駅:地下鉄東京メトロ東西線「早稲田駅」、副都心線「西早稲田駅」
https://www.waseda.jp/flas/hss/access/

■表題・概要===============================
カップルから離れて── 『恐れずに』(1949年)の両義性について

 ワーナー・ブラザースでスター女優として活躍したのち、自身の独立プロダクション、フィルメーカーズで監督となったアイダ・ルピノは、1940年代後半から50年代初頭のハリウッドでは珍しい「議論を呼ぶ」題材──未婚の母、ポリオ、性暴力によるトラウマなど──を積極的に扱った。その姿勢は一定の評価を得た一方、物語におけるそうした問題の解決が最終的には異性愛規範や家父長制的秩序を補強するものになっているという指摘も繰り返されてきた。興味深いのは、こうした見方が、明確に批判的な立場をとるモリー・ハスケルやバーバラ・ケーニッヒ・クォートらだけでなく、比較的中立的なクレア・ジョンストン、さらにはルピノの先駆的な作家論を著したロニー・シェイブにまで共有されている点である。
 本発表では、ポリオに罹患した若い女性が療養施設でのリハビリを経て恋人のもとへ戻るまでを描く『恐れずに』(Never Fear、1949年)を取り上げ、先行研究で論じられているようにルピノ作品が保守的であるのかどうかを精査する。たしかに本作はヒロインの身体の回復と、一度破局した恋人との関係の修復がラストシーンで重なり、一見すると、デヴィッド・ボードウェルが指摘した、異性間の恋愛と他の領域の解決が一致するという当時のハリウッド映画の慣習に沿った結末を持つのだが、物語構造や演出を仔細に分析すると、カップルの関係を中心に置く語りから距離をとることで、その慣習からわずかにずれている側面が浮かび上がる。この「ずれ」に着目しながら、保守的にも慣習を裏切っているようにも読みうる『恐れずに』の両義性の意義を、古典的ハリウッド映画が根本的に抱える両義性との関わりから論じたい。

******************************

お問合せ先:
日本映像学会 映像テクスト分析研究会
代表 藤井仁子
〒162-8644 新宿区戸山1-24-1
早稲田大学文学学術院
e-mail: jinfujiiwaseda.jp