2016/07/05 映像テクスト分析研究会
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日本映像学会 映像テクスト分析研究会
2016年度第1回(通算第14回)研究発表会 開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位
映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。
今回は、待望の大著『溝口健二論――映画の美学と政治学』(法政大学出版局)
を上梓された木下千花会員をゲスト講師にお招きします。
「『溝口健二論』補遺―方法論としての「自由間接話法」と『噂の女』―」
と題して講演をしていただき、質疑応答と全体討論を行います。
会員のみなさまのご来場をお待ちしています。
日本映像学会映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之
■日時===========================
2016年7月23日(土曜日)13時開始~17時30分終了(予定)
13時~14時30分 参考作品上映
14時40分~17時30分 講演、質疑応答、全体討論(途中休憩あり)
■会場===========================
立教大学 新座キャンパス 6号館3階N636教室
〒352-8558 埼玉県新座市北野1-2-26
最寄り駅:東武東上線「志木駅」、JR武蔵野線「新座駅」
交通アクセスマップ
http://www.rikkyo.ac.jp/access/niiza/direction/
キャンパスマップ
http://www.rikkyo.ac.jp/access/niiza/campusmap/
*6号館は上記キャンパスマップで左(野球場の右)にあります。
■発表者==========================
発表者:木下千花(京都大学)
■表題・概要===============================
表題:『溝口健二論』補遺―方法論としての「自由間接話法」と『噂の女』―
概要:『溝口健二論』は、1930年から没年の1956年までの溝口の映画作品を演劇や文学、絵画など他メディアおよび女性の身体性との関係において捉えることで、この監督の映画的言説を記述・分析する新たな方法を模索した。溝口にとって音響は、映画に当然あってしかるべき要素ではなく「映画=サイレント映画」に加えられた他ミディアムであった。この認識から、1930年から数年間に亘るトーキーとの格闘の結果として長回しや縦の構図が立ち上がってくる過程を間メディア的実践とみなし、映画史と深く切り結ぶことが可能になった。さらに、内務省と占領軍による検閲の痕跡を映画テクスト上につぶさに跡づけ、ミディアムの自己同一性を担保しつつ統御する装置としての検閲との折衝において、国民国家の情動的な核であるジェンダーとセクシュアリティの問題が掛金となっていたことを明らかにした。フェミニズムと女性嫌い(ミソジニー)の並存を溝口の映画に見出す同書が試みたのは、女性の身体と主観=主体性を異物として横領する映画的言説として提示することである。
ここでは、まず『溝口健二論』を「自由間接話法」を軸として整理することで、映画における語り(説話)、視線、「感情移入」、キャラクター概念などをめぐる議論との接続を図る。続いて、同書では本格的に論じることのできなかった『噂の女』(1954年、大映京都)をこの視座から分析し、映画史、歴史研究、映画理論、テクスト分析を結びつける方法論とその成果について、会場での討議の契機としたい。
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お問合せ先:
日本映像学会東部支部 映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之
〒352-8558 埼玉県新座市北野1-2-26
立教大学現代心理学部映像身体学科
e-mail:hideyukin(a)rikkyo.ac.jp
mobile: ○8○-3770-5972