2017年度第1回(第16回)映像テクスト分析研究会【6月24日】

2017/05/21 映像テクスト分析研究会

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日本映像学会 映像テクスト分析研究会
2017年度第1回(通算第16回)研究発表会 開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位
   
映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。
なお、公開時に成人指定を受けた作品がテーマであることをあらかじめご了承ください。
みなさまのご来場をお待ちしています。
  
日本映像学会映像テクスト分析研究会
代表 藤井仁子
  
■日時===========================
2017年6月24日(土曜日)16時開始~18時終了予定
発表後に休憩をはさんで質疑応答あり
※発表に先だち、14時45分より参考上映を行ないます(成人作品)
   
■会場===========================
早稲田大学 戸山キャンパス 36号館2階演劇映像実習室(283教室/定員60人)
〒162-8644 東京都新宿区戸山1-24-1
最寄り駅:地下鉄東京メトロ東西線「早稲田駅」、副都心線「西早稲田駅」
交通アクセス
https://www.waseda.jp/top/access/toyama-campus
キャンパス案内図
http://www.waseda.jp/top/assets/uploads/2016/10/20161020toyama_campus_map.pdf
*スロープは上らず、スロープと工事フェンスの間の狭い通路を抜けて31号館に
突きあたったところで右折し、正面の階段を上っていただくのが近道です。
(あるいはスロープを上がり、31号館と33号館の間を通って中庭を抜けてください。)
   
■発表者==========================
鳩飼未緒(早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程)
 
■表題・概要===============================
「SMの女王」の誕生――『花と蛇』と『生贄夫人』による谷ナオミのスター・イメージの構築

 縄がくいこむ白い柔肌、苦痛と恥辱に歪む表情――谷ナオミは『花と蛇』(1974)で日活ロマンポルノのスクリーンに主演女優として登場すると、1979年の引退までその圧倒的な肉体を武器に「SMの女王」として君臨しつづけ、今日でもロマンポルノのスターとして記憶されている。本発表では『花と蛇』、そして続けて谷の主演で製作・公開された『生贄夫人』(1974)に着目し、両作品が谷のスター・イメージを確固たるものにしたことを明らかにする。
 『花と蛇』は日活だけでなく、ピンク映画を除けば日本映画全体にとっても史上初の本格的なSM映画であった。先例が無いなか、SM小説の第一人者である団鬼六の原作を下敷きにしていながらも、脚本田中陽造、監督小沼勝が映画版を原作とは全く異なるコメディーとして仕上げたことは注目に値する。この戦略が幸いして本作は大ヒットを記録し、「SMもの」は愛好家以外の一般観客も取り込んで、1988年のロマンポルノ終焉に至るまで存続することとなった。しかし、このコメディー色の強さは他方で、『花と蛇』をSM映画としては「失敗作」にしてしまっていることは否定できず、また、谷のスター・イメージの形成を遅滞させたのだ。
 つづく『生贄夫人』は、団が離脱したものの、引き続き田中・小沼の布陣で製作された。ロマンポルノの「SMもの」の中でもとりわけ評価の高い本作が、谷をロマンポルノのスターとして確立させたのは必然であったことが、本発表を通じて明らかになるはずである。映画中、特に鮮烈な印象を与える二つのシーンの仔細な分析を通じて、鞭を打ち鳴らす支配的な「女王様」ではなく、被虐を堪え忍ぶヒロインを演じつづけた谷がなぜ「SMの女王」と呼ばれるに至ったのかを検討していきたい。この問いへの答えを得たとき、同時代的にロマンポルノを享受していたほとんどの男性観客は気付きえなかった女優谷ナオミの恐ろしさもまた、明らかになるだろう。

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お問合せ先:
日本映像学会東部支部 映像テクスト分析研究会
代表 藤井仁子
〒162-8644 新宿区戸山1-24-1
早稲田大学文学学術院
e-mail: jinfujii(a)waseda.jp