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関西支部第83回研究会【3月24日】

2018/03/16 関西支部

日本映像学会関西支部第83回研究会(3月24日)開催のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第83回研究会を開催いたします。研究会終了後には懇親会も予定しております。会員の皆様の参加をお待ち申し上げます。

日時:平成30年3月24日(土)午後2時より
会場:大阪経済大学 E31教室(座席数168)

研究発表1:増村保造作品の、“妻”に対する男たち――『清作の妻』と『華岡青洲の妻』をめぐって
発表者:関西学院大学 中村聡史会員
要旨:増村保造の作品が、女性に対する強権的、暴力的、支配的なふるまいを示す、男性的あるいは男性優位的な側面を強く持ったものであるということは明らかなように思われる。なぜなら増村の作品において女たちは捨てられ(『親不孝通り』、『妻は告白する』、『妻二人』)、利用され(『黒の試走車』、『陸軍中野学校』、『しびれくらげ』)、飼育・調教され(『痴人の愛』、『盲獣』)、そして犯される(『赤い天使』、『セックス・チェック 第二の性』、『でんきくらげ』、『御用牙 かみそり半蔵地獄責め』)からである。にもかかわらず増村保造の作品は「印象としてはほとんどが女の映画というふうに見える」(山根貞男『増村保造 意志としてのエロス』)。それは増村保造が描く女性たちが、そうした男たちによる支配や暴力に対して必ずしも従順ではなく、時に抵抗し、時に反逆し、時には逆に支配するような、主体的で、強い女性であるからである。彼女たちは強烈で鮮烈な印象を鑑賞者に与え、これまでの増村をめぐる言説では、そうした「増村的女性」(そして、その象徴としての若尾文子)についてのものが中心的であった。つまり「増村的男性」が議論の中心となることは少なかったのである。
 本発表は、そうした状況をふまえたうえで『清作の妻』(1965年)および『華岡青洲の妻』(1967年)を取りあげ、女性主人公に対する男たち(“妻”の“夫”すなわち清作と華岡青洲)をとおした増村保造論を展開するものである。

研究発表2:実験工房におけるインターメディアの試み
発表者:大阪経済大学人間科学部 北市記子会員
要旨:本発表では、1950年代に活躍した前衛芸術家集団「実験工房」の活動に焦点をあて、多角的な視点からの分析を試みる。
 実験工房は、美術・音楽・舞台芸術・写真などの、既存の芸術の諸領域を横断的に融合する「インターメディア」の試みをいち早く実践したグループとして知られているが、新たなテクノロジーによって生み出された素材やメディアを積極的に表現に取り入れるそのアプローチは、現代のメディアアートに通ずるものである。こうした実験工房の活動について、今回は特に中心メンバーの一人である山口勝弘の動向や言説に照らし合わせながら分析を進めるが、そこでは前衛の旗手・岡本太郎が提唱する「対極主義」の概念との関連性が浮かび上がってくる。また、山口自身が真にインターメディアな表現として位置づけるオートスライド作品『試験飛行家W.S.氏の眼の冒険』(1953)に着目し、オーディオ・ヴィジュアルな表現を通して表出する先駆的思考(機械を通して人間を表現すること)について考察する。

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