2013/06/25 関西支部
日本映像学会関西支部第69回研究会(6月29日)開催のお知らせ
下記の通り日本映像学会関西支部第69回研究会を開催いたします。
日時:平成25年6月29日(土) 午後2時より
会場:京都工芸繊維大学 60周年記念館1階記念ホール(中央東門を入ってすぐ)
研究発表1:飯村隆彦の自己言及的作品について
発表者:京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科 博士後期課程 望月由衣
要旨:飯村隆彦(1937-)は、1960年代から個人で映像作品を制作し、さらにパフォーマンスやインスタレーションも制作している。飯村の作品の多くは、映写機、スクリーン、観客など、カメラ、モニター、撮影者、被写体、視聴者全てをひとつのシステムとして捉え、映像の基本的な構成要素である構造を提示し明らかにするような作品を制作している。本発表では、飯村のヴィデオ作品、パフォーマンス、インスタレーションに見られる自己言及性を考察する。
研究発表2:「口パク」と「アゴパク」――庵野秀明総監督『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(2012)にみる作画表現
発表者:関西学院大学 松野敬文
要旨:本発表は、庵野秀明のアニメーション作品における作画表現のあり方を、特に「口パク」ならびに「アゴパク」と称される、セル・アニメーション特有のキャラクターの口もとの動きに焦点を絞って考察するものである。その題材として取り上げるのが庵野が総監督をつとめたアニメーション映画シリーズ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の第3作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(2012年11月17日公開)である。
伝統的なセル・アニメーションと、その技法を引き継いだ現代日本の商業デジタル・アニメーションでは、キャラクターが発話するさいの口の動きは、一般的に「とじ口」「中あき口」「あき口」の3枚の「口セル」を用いた「口パク」と呼ばれる手法によって表現される。加えて、頭部のセルと口のセルとを別個に描く「口パク」の手法とともに、口の動きに合わせて下顎の輪郭線を動かす「アゴパク」の手法もまた、独自の発展を遂げてきた(「アゴパク」の名称は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 全記録全集』319頁における摩砂雪の記述に基づく)。
本発表では、『Q』の登場人物の口の動きに対する考察を通じて、セル・アニメーションの技法的な限界ないしは様式的な特徴としてこれまで看過されてきた「口パク」ならびに「アゴパク」の手法の具体例を提示するとともに、それらを自在に駆使する庵野秀明のアニメ作家としての独自性について、実例を参照しながら検討したい。
京都工芸繊維大学 〒606-8585 京都市左京区松ヶ崎橋上町
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以上
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