2022/07/06 アナログメディア研究会
アメリカの実験映画のキーマン、ラリー・ガットハイムの初期3作品を日本初公開します。
ガットハイムの初期作品はアメリカの実験映画を語る上で重要な作品でありながら、そのほとんどは日本で紹介されていません。構造映画の影響を受けながら、風景と季節、カメラと被写体の相対的な関係を題材とした3作品を上映します。
上映後に西川智也氏による「Larry Gottheimとその作品」のレクチャーがあります。
【上映予定作品】
※上映作品は変更される可能性があります
■《Thought》(1970)
16mm/カラー/サイレント/7分
ガットハイムが作品全体を一つのカットで構成した最後の作品。それまでの作品は撮影技法や構図、作品の構造などのアイデアから制作していたが、この作品は作品の意味を意識して制作された。
■《Doorway》(1970)
16mm/白黒/サイレント/7.5分
ガットハイムの妻の陶器工房にある広いドアの片側から反対側に、ゆっくりとパンニングして撮影した作品。
■《Horizons》(1971-73)
16mm/カラー/サイレント/77分 ※デジタル上映を予定
長編4作品によって構成される『Elective Affinities(親和力)』の「序曲」に位置される作品。作家の生活圏を一年を通して撮影し、比較的短いショットをグループとして季節ごとにまとめた作品。
ラリー・ガットハイム Larry Gottheim
イエール大学で比較文学の博士号を習得した後、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校(ビンガムトン大学)英語学部で教鞭をとるかたわら、1960 年代後半から映像作品を作り始める。その後、実験映像作家のケン・ジェイコブズとともに、アメリカ初となる実験映画に特化した映画学部をビンガムトン大学に設立した。1960~70 年代に作られた初期の16 ミリ作品は、ニューヨーク州北部のランドスケープや季節を題材としたものが目立ち、作品を一つのカットで構成する作品や、長回しを使った作品が多い。ガットハイムの作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)やホイットニー美術館などのほか、ベルリン国際映画祭やニューヨーク映画祭など、数多くの映画祭やその他の上映施設で紹介されている。
https://film-makerscoop.com/filmmakers/larry-gottheim
講師:西川智也
映像作家/キュレーター。2003 年より映像作品を発表し、2007 年から映像キュレーターとして活動を始める。クアラルンプール実験映画音楽祭、アメリカ学生実験映画祭、トランジェント・ヴィジョンズ映像祭の設立メンバー。現在、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校映画学部の学部長を務める。
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ラリー・ガットハイム作品上映+西川智也氏によるトーク
●日時:2022年7月22日(金)
上映開始 19:00/開場 18:30
●会場:小金井 宮地楽器ホール 地下練習室2•3
(〒184-0004 東京都小金井市本町6-14-45)
https://koganei-civic-center.jp/map/
●映像学会会員資料代:1,000円
主催:アナログメディア研究会
https://www.facebook.com/analogmedia
協力:ミストラルジャパン
申込・問合せ:analogmediazoom[at]gmail.com(アナログメディア研究会)
※[at]を@に変えてください。