2023/01/15 アジア映画研究会
アジア映画研究会(第3期第15回)公開イベントのお知らせ【2月1日-4日】
「イラン映画を福岡の宝物に(AIFM)」プロジェクト東京上映会
モフセン・マフマルバフ監督作品セレクション
デジタルリマスター版上映とオンライントーク
◎会期:2023年2月1日(水)~2月4日(土)
◎会場:アテネ・フランセ文化センター(御茶ノ水・水道橋)
◎料金:webページ参照
※「日本映像学会会員」または「アジア映画研究会会員」は無料。当日受付にて別添「日本映像学会会員 アジア映画研究会会員の皆様」に必要事項を記入して提出ください。
【開催趣旨】
アジア映画研究会は本年度3回目の公開イベントとして、「イラン映画を福岡の宝物に(AIFM)」プロジェクト実行委員会、アテネ・フランセ文化センターと共催で「モフセン・マフマルバフ監督作品セレクション デジタルリマスター版上映とオンライントーク」を開催します。
アジアフォーカス・福岡(国際)映画祭(1991~2020)で上映されたアジア映画の収集と保存を行い、日本とアジアの国々との文化交流の一翼を担って来た福岡市総合図書館。そのコレクションの中には多くのイラン映画の名作が含まれています。映画祭が終了した現在、その志を継続すべく立案されたのが「イラン映画を福岡の宝物に(AIFM)」プロジェクトです。今回は、福岡市総合図書館に寄託・寄贈されることとなったモフセン・マフマルバフ監督の4作品をデジタルリマスター版で上映。マフマルバフ監督のオンライントークも予定しています。なお、最終日には、アボルファズル・ジャリリ監督の『グリーン、ホワイト、レッド—イラン映画の歴史を求めて』を特別上映します。当研究会はオンライントーク等の運営に参加します。
主催:「イラン映画を福岡の宝物に(AIFM)」プロジェクト実行委員会
アテネ・フランセ文化センター
共催:日本映像学会アジア映画研究会
協力:福岡市総合図書館
コミュニティシネマセンター
映画美学校
スモールトーク
web頁&チラシ画像:http://www.athenee.net/culturalcenter/program/ma/makhmalbaf.html
【スケジュール】
2月1日(水)
14:20 『サラーム・シネマ』(90分)
16:20 『ワンス・アポン・ア・タイム、シネマ』(92分)
18:00 トーク:四方田犬彦(映画誌・比較文学研究者)
19:30 『パンと植木鉢』(78分)
2月2日(木)
14:40 『タイム・オブ・ラブ』(70分)
16:20 『サラーム・シネマ』(90分)
18:00 トーク:市山尚三(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)
19:30 『ワンス・アポン・ア・タイム、シネマ』(92分)
2月3日(金)
14:30 『パンと植木鉢』(78分)
16:20 『ワンス・アポン・ア・タイム、シネマ』(92分)
18:00 トーク:ショーレ・ゴルパリアン(映画プロデューサー)
19:30 『サラーム・シネマ』(90分)
2月4日(土)
15:30 プレゼンテーション:山口吉則(「イラン映画を福岡の宝物に(AIFM)」プロジェクト代表)/特別上映『グリーン、ホワイト、レッドーイラン映画の歴史を求めてー』(75分)
17:30 『タイム・オブ・ラブ』(70分)
19:00 オンライントーク:モフセン・マフマルバフ(映画監督)
司会:石坂健治(日本映像学会アジア映画研究会代表)
【監督プロフィール/作品解説】
モフセン・マフマルバフ(Mohsen Makhmalbaf)
1957年にテヘランの貧しい下町に生まれる。弁護士である義父の影響を受けて15歳で高校を中退し、パーレビ王朝打倒の反体制運動に加わる。17歳の時に警察官から銃を奪おうとナイフで襲い逮捕される。未成年であったため死刑を免れ、イスラム革命で釈放されるまで4年半の獄中生活を送る。革命後は政治活動から離れて文化活動に転じ、作家、ラジオ・プロデューサー、映画監督として活躍。革命後のイラン映画ニューウェーブの創始者の一人となる。
イラン政府による検閲に抗議し、2005年の大統領選挙後にイランを離れる。現在、映画監督、脚本家、プロデューサーとして活躍し、世界で最も影響力のある映画監督の一人である。2015年に第72回ベネチア国際映画祭でロベール・ブレッソン賞を受賞。
作家としては「イランのスタインベック」とも呼ばれ、著書に『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』『闇からの光芒 マフマルバフ、半生を語る』(共著)等がある。
主な映画作品は『ボイコット』(85)『ザ・ペドラー/行商人』『サイクリスト』(89)『タイム・オブ・ラブ』(91)『ワンス・アポン・ア・タイム、シネマ』(92)『サラーム・シネマ』(95)『ギャッペ』(96)『パンと植木鉢』(96)『キシュ島の物語(99)『カンダハール』(01)『独裁者と小さな孫』(14)
『タイム・オブ・ラブ』TIME OF LOVE
1991年/カラー/70分/DCP
脚本・編集・監督:モフセン・マフマルバフ
撮影監督;マームード・カラリ
音響:ジャハンギール・ミルシェカリ
出演:シバ・ゲレデ、アブドルラフマン・パレイ、マンデレス・サマンジラール、アケン・トゥンジ、ジャラール・コスローシャヒ
主人公グゼルをめぐる3つの恋愛物語。グゼルと夫であるタクシー運転手、グゼルの愛人とある老人の4人が同様なシチュエーションからスタートして、それぞれの心の世界の変化によって全く異なった物語へと展開していく。トルコのイスタンブールで撮影され、95年のカンヌ映画祭「ある視点」部門で上映された。
『ワンス・アポン・ア・タイム、シネマ』ONCE UPON A TIME, CINEMA
1992年/カラー/モノクロ/92分、英語タイトル/DCP
脚本・編集・監督:モフセン・マフマルバフ
撮影監督:ファラジ・ヘイダリ
音楽:マジッド・エンテザミ
メイクアップ:アブドラ・エスカンダリ
音響: アーマド・アスカリ
出演:エザトッラー・エンテザミ、メーディ・ハシェミ、モハマド・アリ・ケシャヴァルズ、アクバル・アブディ、ファテメ・モタメドアーリヤ
1900年、ガージャール朝の第5代国王の時代にイランに映画が紹介される。映画を見てヒロインに恋をした国王は、スクリーンから飛び出してきた女優を追いかけ回し、俳優になることを熱望するが…。喜劇仕立ての映画の中にイラン映画史における名作の断片をふんだんに取り入れ、イラン映画の歴史に対してオマージュを捧げた作品。
『サラーム・シネマ』SALAAM CINEMA
1995年/カラー/81分(日本上映版90分)/DCP
脚本・編集・監督: モフセン・マフマルバフ
撮影監督:マームード・カラリ
音響:ネザムディン・キアエ
音楽:シャハルダッド・ロハニ
出演:アザデ・ザンゲネ、マリアム・ケイハン、フェイゾラ・ゲシュラギ、ハミド・ゲシュラギ、ハムド・ゲシュラギ
マフマルバフ監督が「映画生誕100年を記念して俳優志望の人々を題材とした映画を作る」と新聞に公告を出すと、オーディション当日数千人の人々が殺到して大混乱となる。監督は既にその模様を撮影し始めていたのだ。参加者は監督の前で、歌い、泣き、笑い、機関銃乱射により倒される演技をしていく。
『パンと植木鉢』A MOMENT OF INNOCENCE
1996年/カラー/78分/DCP
監督・脚本・編集・出演:モフセン・マフマルバフ
撮影監督:マームード・カラリ
音響:ネザムディン・キアーイ
音楽 :マジッド・エンテザミ
出演:ミルハディ・タイエビ、アリ・バクシー、アマル・タフティ、マリアム・モハマド・アミニ、モハラム・ゼイナルザデ
マフマルバフ監督は高校を中退してパーレビ王朝打倒の反体制運動に加わり、17歳の時に警察官から銃を奪おうとナイフで襲うが失敗し逮捕される。監督と警察官本人が、20年前に二人の人生を運命的に結びつけた重要な事件を映画で再現する。個人史、ドキュメンタリー、フィクションの絶妙な組み合わせによる作品。
『グリーン・ホワイト・レッドーイラン映画の歴史を求めて』GREEN,WHITE,RED
2015年/カラー/75分/DCP
監督/脚本/編集:アボルファズル・ジャリリ
撮影監督:メーディ・イルベイギ
音響:モスタファ・ファゼリ
スチル:キアン・アバスアバディ
出演:マーヤ・デヘガニ、ファルディン・シャーホセイニ
主人公は映画大学の最終学期に在籍しており、卒業論文の準備をしなければならない。彼女はボーイフレンドを故郷に訪ねて、彼が持つイラン映画史の本をすべて借りてテヘランに戻る。列車の中で本を読んでいると、革命前からの映画史における傑作のシーンが次々と目に浮かんでくる。2015年に釜山映画祭が企画した作品の完全版。
アボルファズル・ジャリリAbolfazl Jalili
1957年イラン中央部のサヴェー生まれ。70年代から8ミリで自主映画製作を始め、イランテレビに入ってドキュメンタリーや短編映画を作る。第3作の『かさぶた』(87)で注目を集め、後にイラン映画を代表する監督のひとりとなった。主な作品に『春へ』(85)『ダンス・オブ・ダスト』(92)『7本のキャンドル』(95)『トゥルー・ストーリー』(96)『少年と砂漠のカフェ』(01)『ハーフェズ ペルシャの詩』(2007)。
※全作品日本語字幕
※全作品デジタルリマスター版
※トークは本特集のチケットをお持ちの方はご入場になれます。
※先着順/入替制(整理券は当日初回の20分前から販売いたします)
会場&お問合せ:
アテネ・フランセ文化センター(御茶ノ水)
東京都千代田区神田駿河台2-11 アテネ・フランセ4階
(JR/地下鉄 御茶ノ水・水道橋駅より徒歩7分)
TEL.03(3291)4339(13:00―20:00)
http://www.athenee.net/culturalcenter/
Email:infor@athenee.net
入場申込書は、下記よりダウンロードください。
https://drive.google.com/file/d/1zefIth504ca2fzkKCteH189ivVyBjpWG/view?usp=share_link