2014年度第1回映像テクスト分析研究会【4月12日】

2014/03/24 映像テクスト分析研究会

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日本映像学会 映像テクスト分析研究会
2014年度第1回研究発表会 開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位

映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。みなさまのご来場をお待ちしています。

日本映像学会映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之

■日時==============================
2014年4月12日(土曜日)14:00開始~18:00(終了予定)

■会場==============================
立教大学 池袋キャンパス 1203教室(本館[1号館]2階)
*正門を入って正面の建物です。
〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1
JR各線・東武東上線・西武池袋線・
東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線
 「池袋駅」下車。西口より徒歩約7分。
交通アクセスマップ
キャンパスマップ

■発表者・表題・概要===============================
発表者①:河野真理江(立教大学大学院博士後期課程)
表題:『君の名は』論――「すれ違い」メロドラマの通俗性とマゾヒズムについて
概要:1950年代から1960年代にかけて、「すれ違い映画」と呼ばれた映画群は、日本映画における「メロドラマ」のなかでもとりわけポピュラーな存在であったと言える。映画『君の名は』が、その先駆的かつ象徴的な作品であることは疑いようがない。しかしそうした大衆文化史的な重要性のみならず、『君の名は』は、日本映画に限定されないメロドラマ映画、とりわけすれ違い(missed meeting)を主題とする作品が持つ強力な通俗性を考慮するうえでも、興味深い問題を提示する。この映画は、賞賛であれ、非難であれ、あらゆる観客の感情を動揺させ、なんらかの強い印象で惹き付けた。
本発表では、『君の名は』三部作のテクスト分析を通じて、メロドラマ映画におけるこのような通俗性が、登場人物のマゾヒズム的なパフォーマンスや、それを観る観客のマゾヒズム的な経験と関連している可能性について議論する。

発表者②:中村秀之(立教大学教授)
表題:歴史の関を越える――『虎の尾を踏む男達』(1945/1952)の神話・事実・寓意
概要:黒澤明の『虎の尾を踏む男達』が撮影中に敗戦を迎え、完成後もGHQから上映を禁止されて公開まで数年を要した事情は、監督自身の著作『蝦蟇の油』の内容が「事実」と見なされ、そのまま流布してきた。しかし、その記述の肝心な点のほとんどは他の当事者の証言や同時代の記録と食い違っている。本発表の前半では、複数の関連資料にもとづいて「神話」を解体し、特に製作の開始は「八月十五日」以後の可能性がきわめて大きいことを示す。次いで、このようなコンテクストを踏まえて『蝦蟇の油』の当該部分に徴候的読解を施し、映画『虎の尾を踏む男達』との間テクスト的連関について仮説的な視点を提示する。そして発表の本体である後半では、具体的なテクスト分析を通して、この映画に特有のイメージの運動全体が天皇や国家をめぐる「寓意」的な解釈に開かれていることを論じる。

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お問合せ先:
日本映像学会 映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之
〒352-8558 埼玉県新座市北野1-2-26
立教大学現代心理学部映像身体学科

報告:会報第167号(2014年7月1日)7頁