2014/09/16 中部支部
中部支部2014年度第1回研究会(9月27日)開催のお知らせ
下記の通り、中部支部2014年度第1回研究会を開催いたします。
講演ゲストとして、「ビッグデータ」と社会との関わりという新領域でご活躍の首都大学東京、渡邉英徳氏をお迎えします。
お誘いあわせの上、多数の皆様のご来場をお待ち申し上げます。また、学会員以外の方がた、他の支部会員の方がたの参加も歓迎いたします。入場は無料です。
記
日時:2014年9月27日(土)
会場:静岡産業大学 SSU磐田駅前学舎
〒438-0078 静岡県磐田市中泉一丁目6番地16(JR磐田駅北口徒歩2分,天平のまち4F)
TEL 0538-37-0161
http://www.ssu.ac.jp/department/management/facilities_ekimae.html
主催:日本映像学会中部支部
共催:静岡産業大学
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■ 講演:渡邉英徳氏(首都大学東京システムデザイン学部准教授)
http://labo.wtnv.jp/
■ 講演タイトル:「データを紡いで社会につなぐ」
■ 講演内容:
注目を集める「ビッグデータ」と社会の関わり方を考察し、「ビッグデータ」がどのように社会に活用されていくべきかを、著書『データを紡いで社会につなぐ』の内容に添って、「東日本大震災アーカイブ」から近作「台風リアルタイム・ウォッチャー」などこれまでの仕事を振り返って解説する。
■ プロフィール
情報アーキテクト.情報デザイン,ネットワークデザインを研究.「ナガサキ・アーカイブ」「ヒロシマ・アーカイブ」「東日本大震災アーカイブ」などを制作.沖縄県事業「沖縄平和学習アーカイブ」では総合監修を担当.講談社現代新書『データを紡いで社会につなぐ』などを執筆。
http://www.huffingtonpost.jp/hidenori-watanave/
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■ スケジュール
13:00 受付開始
13:30 あいさつ(静岡産業大学学部長)
13:35-14:35 研究報告(2件)
休憩
14:50-15:50 講演(渡邉英徳氏)
15:50-16:30 ディスカッション
16:45 支部総会
終了後 懇親会(浜松駅近辺)
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■ 研究報告1:葉口英子会員(静岡産業大学)
タイトル:アニメ映画『AKIRA』の音楽と映像の符合を読み解く
要旨:日本のテレビアニメ、劇場版アニメが国外でも広く受容され、高い評価を得るようになって久しいが、日本の劇場版アニメが世界に認知されるきっかけとなった作品として挙げられるのが、1988年に公開された大友克洋原作・監督の『AKIRA』である。
本作品は、近未来都市を舞台に繰り広げられる複雑な物語が、鮮やかな色彩とともに繊細な線描とスピード感溢れる密度の高い映像表現で示される。この『AKIRA』の斬新な映像表現は、実写映画にも少なからず影響を与えたという話は有名だ。また一方で、作品全編にわたって鳴り響く芸能山城組(以下、山城組と表記)の音楽・音響効果も独特な作風で、その迫力ある映像と相まって一層の臨場感を与えるものとなっている。本作品が国内外でも高く評価される理由は、映像表現のみならず音楽表現の質の高さを印象づけるものであったからだといえよう。
本作品で基調となる音楽は、バリ島のガムランやケチャ、日本の能や声明をはじめとする発声法や器楽演奏に着想を得て、当時のシンセサイザーやレコーディング技術を駆使し、斬新な発想と手法でもって制作されたものだ。そして、これら『AKIRA』の音楽・音響効果は、作曲・指揮・音楽監督を担当した山城祥二率いる山城組の音楽活動に依るところが大きい。
本報告では、『AKIRA』の映像と音楽の関連について、特に音楽表現の側面から読み解くことを目的とする。まず『AKIRA』の音楽を担当するまでの山城組の音楽活動に着目する。次に作り手の言説を通じて、音楽の制作過程、音楽と映像の編集過程をみる。最後に作品からいくつかの場面を紹介し、音楽と映像の相乗効果を確認する。以上の手続きから『AKIRA』と山城城二(山城組)の邂逅の背景にあった経緯と両者の符合とはいかなるものであったか説明したい。
■ 研究報告2:黒田皇会員(大垣女子短期大学)
タイトル:山県市アニメーション作成・活用事業への参加報告と考察
要旨:岐阜県山県市では、市内企業のイメージや認知度の向上、市内企業間の連携促進、域外企業との新たなビジネスの創出を支援することで、市内企業の成長を促し、市民の雇用の確保を図ることを目的とした「BtoBマッチングサイト構築及び活用事業」の運営に向けた準備をしている。
その一環として、市内の水栓バルブ関連企業を全国へPRするために、岐阜水栓バルブ発祥を題材としたアニメーションを作成することとなった。それは、岐阜県より補助金の出る緊急雇用創出事業の一環である為、4名という少人数かつ、アニメーション制作未経験者を含む人員の構成となった。
本発表では、アニメーション指導の活動記録をまとめ、その映像教育における可能性について考察する。
アニメーションは「シナリオ、絵コンテ、レイアウト、原画、動画、彩色、コンポジット、編集」と多数の工程が必要なため、今回は少人数ということで、1人が負担する領域は多岐にわたることとなった。
発表者は、スタッフ教育、環境指導(人員配置、設備、作業フロー)など制作のベース作りから作画の作品管理(品質・工程管理)までを担当した。特に作業フロー構築とスタッフ教育、作業領域の設定に注意を払った。大人数で制作する場合、一人の作業領域を制限し、一律に作業工程を割り振り進めているが、今回は、独自の作業領域を設定したことにより、質の標準化が可能となった。また、「教育プログラム」を準備し、指導したことで、一層の質の標準化を進め、情報の共有化をスムーズにした。
一連の活動を通じて、「教育プログラム」を準備し、作業領域を設定するなどの措置を講じたことで、少人数でのアニメーション制作の可能性の広がりを考察出来た。
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お問合せ:
日本映像学会中部支部 和田伸一郎
http://jasias-chubu.org/wp/
以上。
日本映像学会中部支部
代表 伏木 啓
〒470-0196 愛知県日進市岩崎町竹の山57
名古屋学芸大学メディア造形学部映像メディア学科内