2016/12/10 関西支部
日本映像学会関西支部第79回研究会(12月24日)開催のお知らせ
下記の通り日本映像学会関西支部第79回研究会を開催いたします。研究会終了後には支部総会、懇親会も予定しております。会員の皆様の参加をお待ち申し上げます。
日時:平成28年12月24日(土)午後2時より
会場:大阪大学豊中キャンパス・文法経研究講義棟 文11(1F)
(大阪府豊中市待兼山町1-5)
研究発表1:1940~60年代の特撮作品におけるアトラクション性をめぐる考察
発表者:京都大学大学院人間・環境学研究科 真鍋公希会員
要旨:現在、「物語の伝達」と「映像の提示」という映画の2つの機能の濃淡によって、映画史を「初期映画/古典映画/後期映画」(M. Hansen)と大きく3つに区分する認識が一般化している。日本映画でも、トーキーが定着した1930年代には物語伝達が映画の中心的な機能となったが、他のジャンルに比べて特撮作品では、映像を提示するアトラクション(T. Gunning)的側面が、制作・受容の両面で重要な役割を果たしていたといえる。
本発表では、まず特撮のアトラクション性の特徴として「イリュージョンの仕掛けに対する注意」を挙げ、その形成において、新聞や雑誌などの活字メディアが果たした役割を検討する。その上で、この観客性が、80年代以降のオタク的な「高文脈化」(永田大輔)に連なる性向として接続されうることを指摘する。
研究発表2:映画『東京の女』(1933)に現れる近代女性像描写——スタイル分析を中心に——
発表者:大阪大学大学院 文学研究科美学研究室 博士後期課程3年 閔スラ(ミン・スラ)会員
要旨:本発表では、小津安二郎監督が「近代日本の女性」という素材をナラティブ化するためにいかなるスタイルを取り組んでいるかが論議の中心になる。1933年公開作品『東京の女』を分析対象とし、本作品のヒロインであるちか子というキャラクターを巡って小津のスタイルがいかに活用され、意味を創出するのかを確認する。家庭(私的領域)と会社(公的領域)、そして夜の酒屋(第3の領域)という三つの区間を行き来するちか子は本作品にて近代女性像の全ての性質を見せている。この近代女性表象の圧縮とも言えるちか子を中心に考察することで、小津が言おうとした当時の女性像と社会像を、しいては「良妻賢母とは何か?」という問いを解きたい。
・支部総会 午後4時30分~ 同会場にて
・懇親会 午後6時頃~ 会費:未定(5,000円程度) 会場:阪急「石橋駅」付近「源樹や」石橋店(電話072-761-6236)下記URL参照
http://r.gnavi.co.jp/k263501/?utm_id=type-t_dsa_pc_04_g_lis
※大阪大学豊中キャンパス・文法経研究講義棟アクセス方法
阪急宝塚線・石橋駅東口下車、阪大石橋門を経て、徒歩25分。
モノレール大阪・芝原駅下車、阪大正門を経て、徒歩15分。
文法経済学部本館(キャンパスマップの②~⑤)西、言語文化研究科(キャンパスマップの①)南の道路側
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/toyonaka/toyonaka.html
以上
日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
email:eizou@osaka-geidai.ac.jp