日本映像学会映像心理学研究会・アニメーション研究会合同研究発表会【2月11日】

2018/02/07 アニメーション研究会

日本映像学会
映像心理学研究会・アニメーション研究会合同研究発表会のご案内

日本映像学会映像心理学研究会・アニメーション研究会の合同究発表会を下記の要領で開催いたします。是非ご参加くださいますようご案内申し上げます。

日本映像学会映像心理学研究会・アニメーション研究会 代表:横田正夫

■開催概要

日時:平成30年2月11日(日曜日) 午後2:00~6:00
会場:日本大学文理学部百周年記念館会議室2
http://www.chs.nihon-u.ac.jp/about_chs/campus_map/
(東京都世田谷区桜上水3-25-40)

■プログラム

第1部 アニメーション研究会(2:00~3:00)

2:00~3:00
アニメの感情の谷
横田正夫会員(日本大学)

アニメに描かれる物語では、主人公がある出来事によって激情を誘発され、異世界に行ってしまったり、無意識に陥ったり、さまざまな心理的な反応が生ずる。例えば、マンガの原作とアニメ化された「進撃の巨人」では、主人公は、巨人と戦う訓練を経て、巨人と戦えると過信した時に、巨人と戦うことになり、初戦で巨人に食べられてしまう。この時には「駆逐してやる」という断片的な意識はあるもののもとの人間の意識は失われている。つまり感情の谷に落ちている。そしてこの谷から出るためには自らの力で出ることはできず、友人が外から声をかけてやる必要があった。感情の谷から抜け出るのは、難しい。このように感情の谷をひとつの図式として当てはめると、物語の構造が分かりやすい。そして感情の谷に落ちること、ならびにそこから出てきたときには感情の谷に落ちる以前よりも人格が高まっていると描くのが、日本でヒットしているアニメの基本構造になっている。

第2部 映像心理学研究会(3:10~5:20) 

3:10~4:10
造形力に頼らないアニメーション制作実習課題の検討
野村建太会員(日本大学)・野村康治会員(松蔭大学)

 アニメーション制作実習課題を行うにあたり、課題対象者の造形力が問題となることがある。将来アニメーターを目指し、デッサンなどの専門教育を受けている場合はその限りではないが、初等中等教育過程の生徒や高等教育過程でも絵を描かない分野の学生に対し、アニメーション制作実習課題を行う場合、造形力の基礎がないことを前提に実習課題を設定する必要がある。将来アニメーターにならない場合でも、アニメーションの動きを理解出来る人材を育成することを目的に、アニメーション制作実習課題の検討を行う。
 発表者は日本大学芸術学部映画学科でアニメーションを教えているが、画力にばらつきがある学生を対象としたアニメーション制作の教育、特に動きの制作を習得する初歩として、カットアウト人形を使用した歩きのアニメーション制作課題を課している。学生には、人形の体の部位と関節の数を指定し、人形を制作してもらう。撮影方法やデータ提出方法の規定を提示し、撮影は自宅で行ってもらう。完成した映像は、講評会で見ながら問題点を指摘し、何度か作り直す。毎回の講評会では、自身が制作したアニメーションを自己評価してもらい、各段階に制作された映像は第三者にも評価してもらうことで、データを収集し、実習課題の有効性の調査も行っている。また、その調査を行いながら授業内容のブラッシュアップを行っている。
 大学で行っている実習課題の他に、小・中学生を対象としたアニメーションのワークショップを複数回行った経験から、課題対象や環境に合わせて実習課題を行う方法を検討する。

4:20~5:20
笑いの力
阿部恒之氏(東北大学大学院文学研究科心理学講座)

2012年から,哲学・ 国文学の研究者と共に,復興の狼煙ポスタープロジェクトのポスターに写った東日本大震災の被害者の「顔」を巡って議論してきました。私は,知覚心理学的アプローチから,怒り顔と笑顔の持つ「魅力」を考えてきたのですが,今回は,笑顔のほうを中心にして,笑いの発する「力」についてお話しさせていただこうと思います。
高笑いと共に登場する黄金バット。黄門さまの呵々大笑。『ワンピース』の初登場シーンで笑いながら登場する強面キャラクター。密かに笑い方の訓練を受けていたデロリンマン。笑いの力を自覚的に用いたニューヒーロー・オールマイト・・・多くの娯楽作品における笑いを取り上げながら,笑いという感情の表出が有する異質な強さを考えてみたいと思います。

5:20~6:00 質疑応答

■参加申込

どなたでも参加できますが、資料作成の都合上、2月9日(金)までに下記までお申し込み頂けますと助かります。

■参加申込・問合せ先:

日本大学文理学部心理学研究室(横田正夫)
東京都世田谷区桜上水3-25-40
E-mail: myokota@chs.nihon-u.ac.jp
Tel: 03-5317-9720 Fax: 03-5317-9427