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関西支部第61回研究会【12月11日】

2010/11/22 関西支部

下記の通り日本映像学会関西支部第61回研究会を開催いたします。
会員の皆様には奮ってご参加下さいますようお願い申し上げます。

日時:平成22年12月11日(土) 午後2時より
会場:神戸大学 人文学研究科B棟132教室

研究発表1:「デジタル映像表現におけるレイヤーに関する研究――2Dと3Dをリンクするイメージ」
発表者:孟祥宇氏(京都精華大学・大学院芸術研究科・博士後期課)
要旨:コンピュータで映像を編集する時、単にカットの順番を並び替えたりするのは、当たり前だ。グラフィックデザイン・ソフトウェアが2Dイメージをレイヤーに分け、そして、映像合成ソフトウェアを使い、テキスト、グラフィックス、アニメーション、実写など、様々な素材をレイヤーの形式で読込んで、各レイヤーに時間軸を持たせることにより、新たな映像表現が可能になった。
また3Dソフトウェアが登場することにより、バーチャルリアリティ的な表現方法も注目が集まっている。リアル世界のモチーフを描いたり、写真を撮ったり、ビデオカメラで、撮影したりするのは、現実の立体空間を平面空間(2Dデータ)に変換するプロセスである。2Dデータをさらに、3Dバーチャル空間の中で再構成されることができる。
現在のデジタル映像表現におけるレイヤーは過去の視覚文化とアナログ時代の制作方法を継承している。「レイヤー構造」に関する理論的背景(歴史)、及び実践的な映像制作プロセスの特性を明確にすることが本論の目的である。

研究発表2:「瞬間、身体、連続ーアルベール・ロンドの写真実践について」
発表者:増田展大氏(日本学術振興会特別研究員、神戸大学博士課程後期課程)
要旨:19世紀末、「瞬間写真」など最新の技術開発を担ったアマチュア写真家、サルペトリエール施療院の患者を写真で「診断」する撮影技師、さらに、植民地の人々を写真によって計測した人類学写真家、これらの説明は、本発表が取り上げるフランス人写真家、アルベール・ロンドに与えられてきたものである。しかし、彼の存在はしばしば、ジャン=マルタン・シャルコーやエティエンヌ=ジュール・マレーといった世紀末の科学者たちの影に隠れ、等閑視されている。
本発表では、彼が写真の「科学性」を称揚するきっかけとなった連続写真の開発過程と、それによる身体の表象に着目したい。昨今のマレーや初期映画研究を比較参照しつつも、映画史やイメージ受容の議論に収斂するそれらとは異なる立場から、世紀転換期の写真と映画、瞬間と連続のあいだに位置する写真家ロンドの独自性、イメージと身体の関係性の析出を試みる。

支部総会 午後4時45分より
懇親会 午後6時頃より8時過ぎまで 会費:5000円程度  会場は当日案内いたします。

神戸大学 人文学研究科
〒657-8501 神戸市灘区六甲台1-1  Tel: 078-803-5507
アクセス:
阪急電鉄「六甲」駅、JR「六甲道」駅、阪神電車「御影」駅から
神戸市バス36系統「鶴甲団地」に乗車、「神大文理農学部前」で下車
詳しくは下記のサイトをご覧ください。
http://www.lit.kobe-u.ac.jp/access.html
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日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)


報告:会報第153号(2011年1月1日)6頁