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関西支部第92回研究会【12月12日】及び関西支部総会

2021/11/18 関西支部

日本映像学会関西支部第92回研究会(12月12日)のお知らせ(追補)

以前に案内いたしました日本映像学会関西支部第92回研究会につきまして、リモート(Zoom)を併用することにいたしましたので、お知らせします。関西支部以外の方でもご興味のある方はどうぞご参加下さい。
リモートでの参加を希望する方は、12月11日(土)までに下記メールアドレスにお名前とご所属を記入したメールをお送りください。追ってZoom招待メールを返信いたします。
eizoukansaigmail.com
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日本映像学会関西支部第92回研究会(12月12日)及び関西支部総会のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第92回研究会を開催いたします。関西支部会員に限らず多くの方の参加をお待ちしています。

日時:2021年12月12日(日)午後2時より4時頃まで。
会場:大阪大学豊中キャンパス 文法経講義棟 文11教室

研究発表1:メタ歴史家としてのホリス・フランプトン——「無限のフィルム」をめぐって
発表者:京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程 堀内大暉会員
要旨:
 ホリス・フランプトン(1936-1984)は、アメリカの実験映画を代表する映像作家であり、写真家、デジタルアートの先駆者としても広く知られている。また理論家としての顔をあわせもつフランプトンは、メタ歴史家を自称し、その特異な歴史観のもとで理論的な論考を多数発表している。
 フランプトンをメタ歴史家として捉える上で特に重要となるのが、1971年に発表された論考For a Metahistory of Film: Commonplace Notes and Hypothesesにおける「無限のフィルム(infinite film)」という概念である。「無限のフィルム」とは、歴史という時間軸に沿って、世界が潜在的に生み出すことのできるあらゆるイメージを含んだフィルムの存在を仮定することを意味する。そしてフランプトンは、この概念を通じて、映画と写真、あるいは映画とフッテージ間の差異を取り除くような、ラディカルな議論を展開している。
本発表では、フランプトンの様々な論考とマーク・B・N・ハンセンらの先行研究を参照することで、「無限のフィルム」という極めて特殊な概念の生成過程を追いつつ、その理論的射程を検討することを目的とする。また同時に、この概念が当時のフランプトンの映画であるZorns Lemma(1970)やCritical Mass(1971)において、如何に作用するのかについて考察する。

研究発表2:映像としての女性たちの満洲記憶 –田中絹代『流転の王妃』(1960)を中心に–
発表者:大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程 李潤澤会員
要旨:
 本発表では、世界映画史でも画期的な存在である日本初の「女だけで作る」劇映画、田中絹代監督の『流転の王妃』(1960)を以下の三つのステップによって検討する。
 第一に、映画『流転の王妃』の戦後日本大衆文化における位置付けを再定義する。日本女性監督のパイオニアとして知られている田中絹代が『乳房よ永遠なれ』(1956)から四年ぶりに多難を克服して『流転の王妃』を監督した際に直面したさまざまな問題を、映画史的文脈、日本の女性運動の文脈、冷戦期の中日交流という文脈を横断しつつ考察する。
 第二に、自伝小説『流転の王妃』(1959)に記録された原作者愛新覚羅浩の「個人の記憶」が映画化された際のアダプテーション的特徴を映像テキストの分析によって抽出した上で、同時代に行われた戦争・植民地支配をめぐる歴史闘争との関係をふまえて、本作品における満洲記憶の表象の語りを分析する。
 第三に、本作品と40余年の後にテレビ朝日45周年記念ドラマとして作られた『流転の王妃 最後の皇弟』(2003)と映画『赤い月』(2004)とを比較し、女性を主人公として満洲の歴史を扱う劇映画の変容に光を当てる。

※感染防止の観点より湯茶の用意はいたしません。何卒ご理解ください。

・研究会終了後、同会場にて2021年度日本映像学会関西支部総会を行います。4時半頃開始予定。

〒560-8532 大阪府豊中市待兼山町1-5 大阪大学文学研究科
最寄駅:阪急電車宝塚線・石橋阪大前駅(特急・急行停車)下車 東へ徒歩約15分
大阪モノレール 柴原阪大前駅下車 徒歩約15分
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/top

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内(大橋)
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
email:eizouosaka-geidai.ac.jp