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2019年度 西部支部研究例会および支部総会のご案内【2月12日】

2020/02/03 西部支部

2019年度 西部支部研究例会および支部総会のご案内

西部支部では、研究例会および支部総会を下記の通り開催いたします。研究例会終了後には支部総会、懇親会も行います。会員の皆様のご参加をお待ちしています。

日時:2020年2月12日(水) 15:00-18:00
会場:九州産業大学芸術学部17号館6階デジタルラボ601
(福岡市東区松香台2-3-1)
https://www.kyusan-u.ac.jp/guide/summary/access.html

スケジュール:
(1)研究例会 15:00-17:00
発表1:「アイソタイプ・アニメーションと同時代の情報アニメーションへのその影響ーフィリップ・ラーガンを中心として」
発表者:伊原久裕 (九州大学芸術工学研究院)
要旨:情報アニメーション(インフォアニメーション(Inform animation)とは,Nicoló Ceccarelli, Carlo Turriらが提唱した概念で,ダイヤグラムや地図,グラフなどを用いて情報を伝えることを目的としたアニメーションの1ジャンルを示す。このジャンルの典型のひとつにピクトグラムを用いた技法であるアイソタイプのアニメーションがある。アイソタイプのアニメーションは、第二次世界大戦中のイギリスで、ドキュメンタリー作家のポール・ローサのディレクションによって制作されたが、同時期のカナダにおいてもアイソタイプにきわめて類似したアニメーションがNFB(National Film Boards)から配給されていたことはあまり知られていない。制作者はフィリップ・ラーガン(Philip Ragan:1909ー1989)という名のアメリカ人であり、彼はNFBの責任者であった英国人ドキュメンタリー作家のジョン・グリアソン に依頼を受けて、およそ30本の短編アニメーションをNFBのために制作していた。発表者は、アイソタイプの影響に関する研究の一環として、この無名のアニメーション制作者について調査を行なっており、本発表では、現時点で判明している調査の報告を中心として、同時期のアメリカで軍事訓練用に制作されたUPA(United Productions of America)関連のアニメーションも取り上げつつ、アイソタイプ・アニメーションの影響の範囲,形態とその社会文化的意味について考案したい。

発表2:「実験映像『桜の心臓』について─考察と展開」
発表者:黒岩俊哉 (九州産業大学芸術学部)
要旨:『桜の心臓』は、発表者が2019年に制作した実験映像作品である。発表者のこれまでの作品の特徴は、合成技術から生まれる映像群(イマージュ)を契機として、さらにそれらを再合成することで、重層的かつ複雑なイマージュのまとまり(シーケンス)を構成し、映像表現の深度や強度を形成していくものであった。
ところが本作では、歌手 “よしお” の同名曲のプロモーション機能を備えることが前提と存在していた。そのため初期段階の制作アプローチが、これまでの表現のそれとは幾つかの点で異なっていた。それは、歌手や曲の世界感を、ある種の抽象的な映像言語を用いて表現する必要性が、当初から規定されていたことでもある。今回の発表では、発表者のこれまでの作品と本作との表現の違い解説し、それを同時に問題提起としながら、映像芸術と映像がもつ機能性について、作家の立場から考察する。
また、本作はこれまでに「黒岩俊哉映像個展『まなざしのパッセージ2019』」(2019年9月)と「三又中学校学校美術館」(2019年12月)において公開されている。映像と観客が接する「場」の重要性と、作品の自律性についても言及する。

発表3:「香椎宮境内でのビデオプロジェクションを活用した空間演出について」
発表者:岩田敦之 (九州産業大学芸術学部)
要旨:2019年9月、福岡市香椎宮で開催された観月祭にてビデオプロジェクション手法による空間演出を行った。神社での夜間イベントに合わせた演出が課題となり、幅広い世代の来場者が境内でのひと時をゆったりと過ごせるよう、自然の「ゆらぎ」や「うつろい」をテーマに空間演出を行った。本発表では、この活動の総括を行うとともに、今後の展開について報告する。

(2)支部総会:17:10-18:00
研究例会終了後、同会場にて開催。

(3)懇親会:18:15-
支部総会終了後、会場近くで懇親会を予定しています。

研究例会連絡先:
九州産業大学芸術学部(黒岩)