第19回大会[1993年]報告

日本映像学会第19回大会
1993年6月5日‐7日
主催校:九州産業大学
実行委員長:藤井克美

 第19回大会は、九州の地としては第4回大会を九州芸術工科大学で行ってから15年ぶり、2回目の開催でした。遠隔地の大会としては、多数の研究発表と参加者があり、活気ある大会となりました。12名の研究発表は2日にわたって2つの分科会で行い、7名の映像作品は大会期間中、AV教室にて常時上映しました。シンポジウムでは、特に地方文化としての映像の在り方と現状、そして今後の新しい展開を中心に模索いたしました。エクスカーションには多くの参加者があり予想以上の盛況ぶりでした。大会の準備や運営につきましても、初めての大会受け入れで何かと心配でしたが、西部支部の皆様の協力を得て、無事終了することができました。今大会を開催するにあたって、ご指導、ご協力いただきました役員、委員の方々、そして遠方よりご来福されたました会員の皆様に感謝申し上げます。

研究発表
楠かつのり「動画から静止画を抜き出して見る」
横田正夫・野村康治「アニメーションにおける動きの心理学的分析」
小出正志「アニメーションの分類に関する一考察」
芝野治郎「マルチメディア情報と人間のアクセス・パターンに関する一考察」
長 幾朗「美術、デザイン教育におけるマルチメディア導入に関する試案」
伊奈新祐「インタラクティブ・システムとビデオ・インスタレーション~ビデオ・サウンド・インスタレーションの試み~」
浜下昌宏「NON UT PICTURA PHOTO:ジョージア・オキーフの花の絵をめぐる絵画・写真比較論の試み」
吉川信雄・上野和男「真版画の環境と方法~写真と人体のコントラスト~」
牧野 守「大正期(1910’s~1920’s)の映画詩について─映像と言語におけるクロスメディアの史的考察─」
那田尚史「失われた文化─戦前の小型映画」
黒岩俊哉「ビジュアルコミュニケーションにおける波動としての映像の考察」
高野 徹「映像から知覚する奥行き感と現実との差異に関する考察」

作品発表
風間正・大津はつね「フォトグラム作品・La Nuit Remue(夜は動く)Par Un Tunnel(トンネルを抜て)」
黒坂圭太「個人都市」
吉川信雄「竹林都市~ゾンド~」
池田光恵「巫女祖 BARIDEGI」
串山久美子「A-Lifeの庭」
黒岩俊哉「Go Round Scapes」
ほしのあきら「あけくれて春」
楠かつのり「framing lag」
長谷川哲「The Takataru Fire Falls」

記念講演
「メディア社会と現代写真」
九州産業大学教授 小久保彰

シンポジウム
「地方文化としての映像」
永井朔・亀井章・大庭清明・濱崎好治・都築政昭

エクスカーション
長崎オランダ村ハウステンボス・吉野ヶ里遺跡・見学

(執筆・記録:藤井克美/会報第84号より)