日本映像学会第51回全国大会
2025年5月31日-6月1日
主催校:神戸大学
実行委員長:板倉史明
大会実行副委員長:桑原圭裕
日本映像学会第51回全国大会報告
実行委員長 板倉史明(神戸大学)
2025年5月31日(土)と6月1日(日)の2日間にわたって神戸大学六甲台第2キャンパスで開催された日本映像学会第51回全国大会は、二日とも晴天のなか実施され、総計200名以上もの参加者に恵まれた。57以上の研究・作品発表が実施され、近年最大の盛り上がりを見せたと言ってよい。事故などもなく無事に閉会を迎えることができたことは、半年前から準備をしてくださった大会副実行委員長の桑原圭裕先生(関西学院大学)、(以下、全員実行委員)東志保先生(大阪大学)、大橋勝先生(大阪芸術大学)、北市記子先生(大阪経済大学)、木下千花先生(京都大学)、田中晋平先生(日本大学芸術学部研究員)、中村聡史先生(日中文化芸術学院)、橋本英治先生、八尾里絵子先生(甲南女子大学)はじめ、関西支部の幹事、各セッションの司会者をご担当してくださった方々、そしてお手伝いいただいた大学院生の方々のお陰である。彼ら彼女らの献身的な協力がなければけっして本大会は成功しなかった。この場をお借りして改めて心からの感謝を申し上げたい。
大会テーマは「震災映像のデジタル・アーカイブと記憶の継承・活用」であった。初日に神大百年記念会館で実施されたシンポジウムは、阪神淡路大震災から30年目の節目を迎える本年に開催された。震災直後の映像を克明に記録したテレビ及びフィルム映像が残されており、ここ数年では、それらをインターネット上に無料公開するメディアが果敢な取り組みを進めている。本会シンポジウムでは、木戸崇之氏(ABCリブラ)、藤岡勇貴氏(サンテレビジョン)、そしてフィルムアーキビストのとちぎあきら氏 (元・国立映画アーカイブ研究員)がそれぞれかかわったインターネット上の震災公開サイトの成り立ちや権利処理の難しさ、そしてテレビ番組を無料でネット公開することの社会交渉のご苦労など、なかなか聞くことのできない重要な話を2時間以上にわたってお聞きすることができたことは幸運であった。
その後、瀧川記念学術交流会館1階で開催された懇親会にも100名以上の方が参加され、神戸大学生協が準備してくれたおいしい料理と、(一般財団法人神戸観光局)神戸コンベンションビューローが協力してくれた神戸のワイン10本がパーティーに花を添えてくれた。
また初日のシンポジウム前には12:00-12:30の間に、神戸大学・山口誓子記念館見学ツアーがひとつのエクスカーションとして開催され、神戸にゆかりの深い山口誓子氏の華麗な業績と作品について、山口誓子さんの甥御さんにあたる日本映像学会員・末永航氏の解説を40名ほどの会員が伺った。ご多忙のなか快くお引き受けくださった末永先生に心より感謝申し上げたい。
翌6月1日(日)は朝10時から17時前まで57本の研究発表・作品発表が実施され、熱心な発表と議論が繰り広げられた。
その後の反省会では、研究発表エントリー時に発表言語やレジュメの言語を明確に指定しておくことが混乱を生まない方法だという意見があった。
収支の赤字については、院生への謝金が思ったより高くなってしまった点と、国立大の場合は施設使用料を徴収されてしまうため、私立大学より割高になってしまうことも問題であった。赤字になったのはすべて実行委員長の板倉の責任であり、会員のみなさまに深くお詫び申し上げたい。このような仕事の経験が浅く、甘い見込みで進めてしまったことが一番の原因であり、深く反省している。会長はじめ理事のみなさまにこの場をお借りしてお詫び申し上げたい。
【詳細は、会報204号を参照】