日本映像学会第6回大会
1980年11月15日‐17日
主催校:関西学院大学
実行委員長:小山義美
この大会の運営にあたった中心メンバーは、文学部美学研究室で映像を研究する教員と大学院・学部生であったが、美学研究室の全教員と大学院生の協力も得た。このような中で、パネル・ディスカッションに設定されたテーマは、「美と映像」であった。パネラーからの指摘もあったように、限られた時間枠、パネラーの多様な指向性の中で、「美」と「映像」を統一ある姿として論じつくすことは期待できない。しかし、狙いは別のところにあったように思われる。
見学会に設定されたのが、白鶴美術館と鉄斎美術館である。両館は共に、その所蔵品には定評があり、散策に適した館である。もう一つの見学会は華やかな宝塚歌劇であり、舞台裏という聖域も見学に含まれていた。
一方、大会の恒例ともなっている作品展は行われなかった。このことも創作部門を持たない美学研究室の性格の反映かもしれない。
研究発表
平野哲郎「ビジュアルコミュニケーションを目的とした写真に関する研究・第4報ぴんぼけの美」
伊藤紫英「ELECTROVISIONについて」
眞島正臣「大衆操作の近・現代史─映像の社会的影響の分析─」
山田幸平「エイゼンシュテイン以前」
及川 満「映像表現学の領域と考察の為の方法論について─統辞論と修辞論─」
松本俊夫「美的機能の構造と賦活原理」
池田光恵「Probation II(仮題)」
今井 滋「映像環境としての広場─II─広場における環境的装備と人間行動─」
研修報告
依田義賢 日本映像学会関西支部主催「敦煌・北京等 美術・映像調査研修報告」
シンポジウム(パネル・ディスカッション)「美と映像」
浅沼圭司、杉山平一、新田博衛、波多野哲朗(司会 今井 清)
エクスカーション
見学(A)宝塚歌劇と舞台機構の見学
見学(B)白鶴美術館・鉄斎美術館
(執筆・記録:深井 純)