2014年度第2回アニメーション研究会【3月29日】

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平成26年度第2回アニメーション研究会開催のご案内
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早春の候、益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、日本映像学会東部支部アニメーション研究会では、この度研究発表会を企画いたしました。
詳細は下記の通りです。参加申込みに関しては文末をご覧下さい。
どなたでもご参加いただけますので、是非ご出席くださいますようご案内申し上げます。

日本映像学会アニメーション研究会代表 横田正夫
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日時:2015年3月29日 15:00~17:50
場所:日本大学文理学部本館3階H305教室
    〒156-8550 東京都世田谷区桜上水3-25-40
    交通アクセス http://www.chs.nihon-u.ac.jp/access/
    キャンパスマップ http://www.chs.nihon-u.ac.jp/about_chs/campus_map/

プログラム:(ゲスト発表)
15:00~16:00
「視覚的な運動による素材感」
増田知尋氏・和田有史氏(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所)
要旨:われわれは視覚的な運動から、対象のかたさや弾力性など素材に関する性質を知覚することができる。本講演では、このような素材感を生じさせる動的な視覚的要因について、運動対象が静止対象に刺さる貫入運動の加速度や、主観的輪郭の誘導図形の振り子運動を体系的に操作した心理学実験を中心に紹介する。一連の実験により、貫入運動では運動対象の加速度変化により静止対象の“かたさ”判断が系統的に変化すること、また、主観的な面を生じさせる誘導図形の一部を振り子運動させたときの振り子間の時間差(位相差)の程度により主観的な面の素材感を伴う運動印象が変化することや、振り子運動の減衰や加減速により面の粘性や弾力性判断が変化することが示された。これらの結果と、材質と対象の変形に関する物理的な記述とを比較し、素材に関する知覚の特徴について検討する。

16:00~16:20 質疑応答

16:30~17:30
「アニメーションの動きについて」
竹内孝次氏(アニメーション・プロデューサー)
要旨:私は今回、成果物としての「原画」を、改めて言葉で定義することから始め、日本のアニメーション業界は「動き」というものを求めるのか求めないのか。そもそも日本のアニメで使われる「動き」とはなんなのかを考えてみたい。
その上で「アニメーション・ブートキャンプ」で行って来た実験的教育を経て感じた、「表
現するアニメーションを覚えるためには身体を動かす必要がある」という実感をみなさんに伝えたいと思います。
今まで気にかかって来た単語として「ミラーニューロン」がありました。そこに今回新たに「体を操る運動上達の3つの鍵」という朝日新聞の記事を目にし、このあたりは学のみなさんと意見交換をしたく思っています。

17:30~17:50 質疑応答

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■参加申込
どなたでも参加できますが、資料作成の都合上、3月28日(土)までに下記までお申し込み頂けますと助かります。
■参加申込・問合せ先:
日本大学文理学部心理学研究室(横田正夫)
E-mail: myokota@chs.nihon-u.ac.jp
Tel: 03-5317-9720 Fax: 03-5317-9427
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報告:会報第170号(2015年4月1日)8頁

関西支部第74回研究会【3月28日】

日本映像学会関西支部第74回研究会のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第74回研究会を開催いたします。

日時:平成27年3月28日(土)午後2時より
会場:関西学院大学大阪梅田キャンパス(K.G.ハブ スクエア大阪)1405教室

研究発表1:1970年代における「劇画」を原作とした映画の過剰さについて
              ~三隅研次・鈴木則文・伊藤俊也の作品を中心に~
発表者:関西学院大学 中村聡史会員
要旨:日本において映画と漫画との関係はきわめて興味深いものである。1940年代後半から1950年代、いわゆる手塚治虫に代表されるようなストーリー漫画は映画的手法を取り入れているとされ様々に議論されてきた。また近年の日本映画界における漫画を原作とする作品群は、毀誉褒貶にさらされてはいるが決して無視できるようなものではないであろう。
 しかしこのような映画と漫画との深い関係性はなにもストーリー漫画黎明期や近年の日本映画界に限ったことではなく、1970年代においても注目すべきものであったと考える。
 当時の日本において、映画も漫画もある種の転換期にあり、映画界ではメジャーである映画会社がその作品内容や表現をより過激な方向へと変更するようになり、漫画界においても「劇画」と呼ばれる性描写や暴力描写においてこれも過激な内容、表現を持った作品が支持を得るようになる。この「劇画」と映画が結びつき、「劇画」を原作とした映画が相当数制作され、それらの作品のいくつかはその過激さが過剰とさえ言えるものとなっている。本発表では、上記のような1970年代における「劇画」を原作とした映画の過剰さのあり様を三隅研次監督『子連れ狼 三途の川の乳母車』(1972年)、『子連れ狼 死に風向かう乳母車』(1972年)、鈴木則文監督『堕蘼泥の星 美少女狩り』(1972年)、伊藤俊也監督『女囚701号 さそり』(1972年)を分析することで考察していく。

研究発表2:エドワード・ヤンの映画における主体・視線のずらしと刹那的人生の倫理
発表者:近畿大学文芸学部 吉岡ちはる会員
要旨:エドワード・ヤンの映画は、通常であれば主人公と呼ばれる特定の人物の視点に固定されることを、悉く回避する。彼の映画の世界ではしばしば、物語を担う主体が、ひっきりなしに入れ替わる。また、当初は無関係に見えた人物たちが、様々な仕掛けによって結び合わされたり、当初はある関係にあった人物たちが、その関係性を変えさせられたりする。そのような人物の関係性や運命を司るのは、きわめて巧妙精緻に組み合わされた小道具たちである。戸口、電話、エレベーター、ガラスの反射等々。そのような仕掛けによってヤンは、人生の刹那的瞬間を鋭く捉え、それによって人々が翻弄される様相を描いている。そこではあたかも、細かい小道具たちこそが、人間の運命を決定する神のような存在となっている。しかし、そのような刹那性に人生を支配されているかのような人間たちを描くヤンの画面は、きわめてクールであることによって逆説的に、彼の倫理観を強力に表象するものとなる。本発表では、ヤン映画のそのような仕組みを分析していく。

(会場アクセス)
関西学院大学大阪梅田キャンパス(K.G.ハブ スクエア大阪)
〒530-0013 大阪市北区茶屋町19-19アプローズタワー14階
アクセス:阪急「梅田駅」 茶屋町口改札口より 北へ徒歩5分。
JR「大阪駅」御堂筋出口から徒歩10分、地下鉄御堂筋線「梅田駅」から徒歩7分、「中津駅」から徒歩4分。
http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access/index.html

以上
日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel:0721-93-3781(内線3327)


報告:会報第171号(2015年7月1日)4頁

中部支部2014年度第3回研究会【3月14日】

日本映像学会中部支部2014年度第3回研究会(3月14日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会中部支部2014年度第3回研究会を開催いたします。

日時:2015年3月14日(土)13:30〜18:00頃
会場:愛知淑徳大学長久手キャンパス(愛知県長久手市片平二丁目9)
11号棟1F ミニシアター
http://www.aasa.ac.jp/guidance/campus_guide/map.html
http://www.aasa.ac.jp/guidance/campus_guide/nagakute.html

◎スケジュール
 -13:30~13:35 開催校挨拶
 -13:35~14:05 第一部:山口良臣会員による講演
 -14:10~15:15 第二部:研究発表(2件)
 -15:30~18:00 第三部:学生作品プレゼンテーション
 -その後、学内にて懇親会

◎第一部:講演 13:35〜14:05

山口良臣会員(名古屋市立大学芸術工学部教授)
タイトル『装置あるいは仕掛けとしてのアート』
要旨:作品とは、なにかを感じるための、あるいはいつもとは違った経験をするための装置(仕掛け)だ、と考えてみる。

◎第二部:研究発表(2件)14:10〜15:15

吉村いづみ会員(名古屋文化短期大学生活文化学科教授)
タイトル『R. W. ポールが捉えた英国 ―イギリス初期映画の題材について』
要旨: ロバート・ウィリアム・ポールは、バート・エイカーズとともにイギリスに商業映画を導入した最初の英国人である。ポールが1896年から1900年に撮影したフィルムの題材の推移を、質的・量的に考察したところ、興味深い結果が得られた。
今回の発表では、五年間にわたりポールが撮影した主要な題材を経年的に見ていくことによって、イギリスにおける初期映画の特徴を提示し、ポールの映画が<親近感のある、帰属意識としての国民性(ナショナル・アイデンティティ)>の生成にどのように関与していたかを明らかにしたい。

今井瞳良氏(名古屋大学大学院文学研究科博士課程前期課程)
タイトル『居住空間イメージの戦後——1960年代団地映画における主婦を中心に』
要旨:団地は戦後の住宅不足を解消するために、1955年に設置された日本住宅公団によって、展開された。団地は1958年に『朝日ジャーナル』が作り出した「団地族」という言葉に象徴されるように、メディアによって形成されたイメージを伴って、人気を博していく。日本映画では、1960年前後から団地が登場するようになり、団地イメージ形成の一翼を担っていた。これまで、団地研究では、自治会が主婦たちを中心として展開されていたことが明らかにされてきた。また、映画の中の団地については、1970年代に登場する団地妻映画の主婦たちについての研究がなされている。本発表では、1960年代の団地映画において、主婦たちがどのように描かれていたのか考察する。団地の主婦たちは家電や住宅設備によって、立ち上がる身体を獲得するとともに、交流の場を階段や公園・集会場といった公共空間へと移していった。この身体と公共空間に着目して、『私は二歳』(市川崑監督、1962年)や『彼女と彼』(羽仁進監督、1963年)を分析することを通して、団地の主婦たちは母親であることに価値が与えられており、そうした主婦のあり方が政治性を持っていたことを明らかにする。

◎第三部:学生作品プレゼンテーション 15:30〜18:00頃

◉愛知淑徳大学
・character|アニメーション|2m|鈴木智捺(メディアプロデュース学部メディア表現コース 2年)
・rebirth|アニメーション|1m|佐野史織(メディアプロデュース学部メディア表現コース 2年)
・Tokoname night swim|アニメーション|6m|常滑ナイトスイム制作チーム(メディアプロデュース学部メディア表現コース 萩原ゼミ有志)

◉名古屋芸術大学
・INSIDE|映像作品|10m|山口諒 (大学院 同時代表現研究領域 1年)
・a Arched|映像作品|2m50s|和泉成彦 (デザイン学部デザイン学科メディアデザインコース 4年)
・日々を過ごすということ|映像作品|9m4s|田口愛子 (デザイン学部デザイン学科メディアデザインコース 2年)
・アイデンティティ•クライシス|映像作品|2m|村山季里子 (デザイン学部デザイン学科メディアデザインコース 4年)

◉名古屋学芸大学
・prct-0204|アニメーション|4m55s|足立一馬(映像メディア学科 3年)
・しいれめ|アニメーション|4m20s|森あおい(映像メディア学科 3年)
・pm 04:28|映像インスタレーション|5m(プレゼン用アニメーションの上映)|所遥菜(映像メディア学科 4年)

◉情報科学芸術大学院大学 [IAMAS]
・”Parking” HDⅡプロジェクトでの習作|映像|11m(プレゼン用)|伊藤大作(メディア表現研究科 1年)

◉静岡産業大学
・Attempt to iconographic representation of the character 2|インスタレーション|3m7s(ダイジェスト映像)|加藤誠(情報デザイン学科 4年)
・時の収束|映像作品(実写)|2m55s|大石雅人(情報デザイン学科 2年)
・モモタロウ|映像作品(アニメーション)|3m40s|松永大樹・奈加渉(情報デザイン学科 2年)

◉愛知県立芸術大学
・LANDMARKS|ビデオインスタレーション|24m(ループ)|中橋広光(デザイン専攻環境デザイン領域 4年)

◉椙山女学園大学
・去り行く芸|映像作品(ドキュメンタリー)|18m45s|井上知美(メディア情報学科 4年)

◎懇親会 終了後(学内にて)

◎会場へのアクセス

市バス
地下鉄東山線「本郷」2番のりばより名古屋市営バス「猪高緑地」行き乗車、
終点「猪高緑地(愛知淑徳大学)」下車(所要時間約15分)
http://www.aasa.ac.jp/guidance/map.html

お車の方
北門守衛室にて「映像学会中部支部」とお伝えいただくと、入場できます。

以上。

—–
日本映像学会中部支部
http://jasias-chubu.org/wp/
〒470-0196 愛知県日進市岩崎町竹の山57
名古屋学芸大学メディア造形学部映像メディア学科内


報告:会報第170号(2015年4月1日)15頁-16頁

アナログメディア・カンファレンス2015 [1895-2015 フィルムの現在(いま)]【3月21・22日】

アナログメディア・カンファレンス 2015
【1895-2015 フィルムの現在(いま)】
https://www.facebook.com/analogmedia
https://www.facebook.com/events/1584673901750960/

【プログラム】
● 8ミリフィルム新作集「グッバイ、ラボ。」
● 奥山順市作品集「フィルム三昧」Aプログラム

● 奥山順市作品集「フィルム三昧」Bプログラム 

● 鼎談「映画にとって奥山順市とは何か?! 」
〈フィルムパフォーマンス〉南俊輔「Experimental Projection」
● 8ミリフィルム新作集「 ! 8 – exclamation8 スペシャル」
● シンポジウム「フィルムの現在」〜映画フィルムの供給と制作について〜

● 16ミリフィルム新作集「FILM as FILM 」
● 対談「アナログメディアの可能性」金子遊×西村智弘
〈特別上映〉ペーター・クーベルカ「Dichtung und Wahrheit」(日本初公開)

【日時・会場】
■日程:3/21(土/祝) 22(日) 

■会場:阿佐ヶ谷美術専門学校 422・423教室 

https://www.asabi.ac.jp/access.php
東京メトロ丸ノ内線 新高円寺駅 徒歩 5分
■料金:1,000円/1プログラム(学生500円)
   
    2,000円/フリーパス(学生1,000円)

■ 主催: 日本映像学会 アナログメディア研究会 

https://www.facebook.com/analogmedia

e-mail:analogmedia2013@gmail.com 

■協力: 阿佐ヶ谷美術専門学校

【プログラム詳細】
1895年にリュミエール兄弟がシネマトグラフを一般公開してから120年。
2015年の現在、映画のメディアはどうなっていくのか? 
百年以上の間ほとんど唯一の手段だったフィルムは歴史の舞台から退場するのか。デジタルメディアはフィルム表現のすべてと取って代わることができるのか。
フィルムで作られた作品を検証し、フィルムで作品制作を続ける作家、批評家、研究者、
アーキビストたちが「フィルムの現在(いま)」を考察する。
フィルムを愛するすべての人と、そしてもちろん、デジタルを愛するすべての人へ。
日本映像学会アナログメディア研究会が若手映画作家などと共同で行う
研究会設立二周年記念企画。
 
■3/21(土・祝)
●13:00 8ミリフィルム新作集「グッバイ、ラボ。」
17作品 77分 ※印作品を除き、2013-14年作品、東京初上映
粗粒子の中の風景、フィルム表面を引っ掻いたシネカリグラフ、特殊自家現像、手作りピンホール装置、手回しシャッターと光の奔流、密着露光の煌き。光は物性と幻像の狭間、現象と物語の間隙を摺り抜け、8ミリ幅の深淵へとダイブする。
2013年9月、フジフィルムの8ミリフィルム現像サービス終了。8ミリと共に歩んできた福岡発の作家集団フィルム・メーカーズ・フィールド、関西のメタ・フィルム・マーヴェラスの呼びかけに寄せられた作品集からの短編セレクション。
8ミリの映像は、生まれ続ける。
1. 黒岩俊哉「Ma-no-Me」
2. 堀内孝寿「RINKAI」

3. 中原千代子「Sans Suite」
4. 香月泰臣「夜を狩る」

5. 山本宰「RE-MIX」

6. 宮田靖子「ひかりぬけて」
7. 荻原貴之「つながる」

8. 大橋勝「随に」

9. 堀内孝寿「LOST」
10. 山本宰「2014・11・15関
西上映のための作品」

11. 黄木可也子「ぼろ」

12. 宮田靖子「海月」

13. 川口肇「wired-glass」
14. 能登勝「2001-1979」※2011年作品 

15. 岡田彩希子「不眠」

16. 平田正孝「午睡のあとで」
17. 黄木優寿「くもわたるふねひとつ」
 
●14:40 奥山順市「フィルム三昧」Aプログラム
10作品 83分 全て16ミリフィルムによる上映
1960年代からフィルムを媒体とした映画の仕組みに着目し、ほとんどの映画作品をフィルムで制作し続ける奥山順市とは何か、を明らかにする上映プログラム。本企画で上映する18本147分の映画は全作品の半分にも満たないが、どれもフィルムでないと表現不可能な
ものばかり。新作のパフォーマンス2本も、フィルムが映画の媒体の基本であることを改めて教えてくれるはずだ。
1. 「Outrage(手ごめ)」(1970) 

2. 「No Perforations 16mm収録版」(1971) 

3. 「 Frameless 16 16mm版」(1971) 

4. 「紙映画 16mm収録版」(1972) 

5. 「我が映画旋律(My Movie Melodies)16mm版」(1980) 

6. 「MOVIE WATCHING」(1982)

7. 「浸透画」(1994) 

8. 「INGAの世界」(1994)

9. 「時の流れに乗せて」(1997)

10. 「サンドイッチ」(1988)
 
●16:20 奥山順市「フィルム三昧」Bプログラム
8作品 64分 全てオリジナルフォーマット上映およびライブパフォーマンス
1. 「Sync pic あっ!画を見てから音が聴こえる」16mm (2001)
2. 「現像処方 Dev-18」ビデオ (2005) 

3. 「まぜるな」16mm (2008)
4. 「エマルジョン・ペインター 16mmオリジナル版」(2009)
5. 「つなぎ目」ビデオ (2011) 

6. 「透かしてみれば」デジタル (2013) 

7. 「皮のフィルム」16mm (2015 )*新作ライブパフォーマンス
8. 「未現ゾーン・浸蝕」35mm (2015 )*手回し映写、新作ライブパフォーマンス
 
●18:00 鼎談「映画にとって奥山順市とは何か?! 」
奥山順市×南俊輔×太田曜(実験映画作家、アナログメディア研究会)

【パフォーマンス】南俊輔「Experimental Projection」(30分)
十代の頃から一貫してフィルムで作られる映画にこだわり、その仕組み、構造、成り立ちなどを半世紀に渡って作品化してきた日本実験映画界の重鎮、奥山順市。“奥山順市とは、映画にとって何なのか?”この問いを巡って若手とベテラン、そして奥山順市本人が語る!
奥山作品の秘密にどこまで迫ることができるのか?鼎談のオープニングには、改造映写機や傷付いたフィルムがノイズの不協和音を奏でる、南俊輔のフィルムパフォーマンスを上演。
奥山順市●1947年東京生まれ。実験映画作家、作品多数。代表作はアメリカ、日本各地の美術館、大学等に収蔵されている。
南俊輔●1985年北海道石狩市生まれ。現在、北海道教育大学大学院在籍。映写機という装置そのものや、映写技師による映写の工程、映像作品が完成へと向かっていく構造自体に着目し、8mmフィルムや映写機を素材にした作品を主に制作。
 
■3/22(日)
● 11:00 8ミリフィルム新作集「! 8 – exclamation8 スペシャル」
約40分 全て8ミリフィルム新作
石川亮ら若手作家の繋がりを軸に開催されている8ミリフィルムの自主上映企画「! 8 – ex
clamation8 (エクスクラメーション エイト)」過去数回に渡り、東京から国内各地で
巡回上映を展開し、フランスでも上映を行った。今回は本カンファレンスのためのスペシ
ャルバージョン、新作8ミリ特集を行う。
1. ムラカミヒロキ 「8milli-on」

2. 清成晋太郎 「Erasure/消去」
3. パクユンボン 「Park park」
4. 新宅謙吾 「Park 4 Nicole」
5. 宮本尚昭・山ミヤエ 「あす・満ち欠ける」
6. 石川亮 「GLOW Ⅱ」その他
 
●13:00「フィルムの現在」〜映画フィルムの供給と制作について〜
石川亮×マディ折原×末岡一郎(司会/アナログメディア研究会)

90年代、映像制作のフォーマットが電子メディアに移行しはじめた頃、海外の映像作家や映画祭ディレクターらは、「フィルムは(商業化から解放され)真のアート・フォームになった」と考えるようになった。それから四半世紀後の現在はまだアートフォームとして機能しているのだろうか?世界的には商業用フィルムの需要は限りなくゼロに近いものの、一方で映画フィルム文化を守るために再生産をはじめた企業もある。どうやら映画フィルムは今日のメディアでもあるのだ。
今回、若手映像作家であり、国立近代美術館フィルムセンター職員でもある石川亮氏と、映像文化研究家で、海外のフィルムカルチャーをレポートしているマディ折原氏をパネラーに迎えて、2015年のフィルムの状況を詳らかにしたい。
 
●14:40 16ミリフィルム新作集「FILM as FILM」
10作品 約70分 全て16ミリフィルムによる上映
16ミリフィルムで作られた実験映画の特集。その多くは、自家現像作品か、自家現像が関係した作品。宮崎淳 唯一の自家現像映画作品『心霊映画』は初上映から10年の時を経ての上映。奥山順市とともに日本の自家現像映画のパイオニア能登勝の新作は初公開、他にも大島慶太郎、徳永彩加ら若手作家の新作を上映。
1. 宮崎淳「心霊映画」(2005) 
2. 能登勝「夢代八」(2014) 

3. 水由章「BEYOND CONTROL」(2014) 
4. 末岡一郎「кинофрагмент」(2014) 
5. 太田曜「L’Image de la Pucelle 2」(2013) 
6. 川口肇「formosa-blue」(2015) 
7. 大島慶太郎「POP 70」(2015) 
8. 徳永彩加「光る女」(2015) 
9. 谷岡昭宏「ミートボールブーン」(2015) 
10. 伊藤隆介「悪魔との契約」(2013) 
 
●16:20 対談「アナログメディアの可能性」
金子遊×西村智弘(映像評論家、アナログメディア研究会代表)

【作品上映】ペーター・クーベルカ「Dichtung und Wahrheit」16mm 12分 (1996-2003) *日本初公開
デジタル化の加速する今日の状況のなかで、アナログメディアはどこに向かうのか。気鋭の映像作家にして批評家の金子遊氏を迎え、アナログメディアによる映像表現の可能性を問う。
対談に先立ち、全作品のビデオ化を拒む伝説の実験映画作家、ペーター・クーベルカの日本未公開作『Dichtung und Wahrheit』を特別上映!
金子遊●映像作家、批評家。ドキュメンタリーマガジン「neoneo」編集委員。劇場公開作に『ベオグラード1999』『ムネオイズム 愛と狂騒の13日間』。編著に『フィルムメーカーズ 個人映画のつくり方』『吉本隆明論集』(アーツアンドクラフツ)、『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(森話社)、他。

●フィルム・インスタレーション「フレームの中の動物たち」
【作品展示】谷岡昭宏「フレームの中の動物たち」8mmループ (2013) *423教室で期間中に展示
 
●18:00 懇親会 会費 1.000円(予定)

以上

日本映像学会アナログメディア研究会
代表 西村智弘
〒166-0011 東京都杉並区梅里1-3-3
阿佐ヶ谷美術専門学校(末岡一郎)


報告:会報第170号(2015年4月1日)10頁-11頁

研究会登録申請について(2015年度春期は4月30日締切)

研究会登録申請について

  研究企画委員会は、前理事会より引継ぎを受け、本学会に所属する研究会活動のさらなる活性化を促し、新規の研究会の発足を奨励しています。

 *研究会の登録申請は代表者の所属する支部、または所属する研究員が多数を占める支部に登録申請をおこなってください。なお、研究会内にさらに支部会などを組織する場合は、必要に応じて各研究会内部で調整をおこなってください。

 *研究会に配分される活動費は登録する支部予算の中から支給されます(配分額については各支部の裁量)。

 *研究会の申請時期は春期(4月末)、秋期(9月末)の年2回とします。

 *過去2年間以上にわたり実質的な研究会活動が見られない研究会は、研究活動に対する休止の正当な理由、存続の必然性の有無、研究会を構成する会員の意欲および、今後の研究活動の継続への意思などが問われます。

 研究活動の休止の理由などについて充分な説得力が得られない場合には、研究企画委員会・理事会の審議を経て本学会が公認する研究会としての承認が得られない場合があります。

 なお、その対象となった研究会は、2年間同一の会員が主宰する同名の研究会として申請することができなくなります(以上、2013年7月6日の理事会の承認事項)。

◎「研究会登録申請書」について

 新規に発足を希望する研究会、および申請内容に変更のある既存の研究会主宰者は、学会ホームページに掲載の記入票(研究会登録申請書.xls)に、必要事項を記入のうえ郵送、あるいは電子メール(送信先アドレス:jasias@nihon-u.ac.jp )にて、映像学会事務局・支部宛(登録を希望する支部)に登録申請を行なってください。

*2013年度より施行されている新制度にて、申請内容が理事会承認された研究会は、その内容に変更のある場合には、速やかに再申請を行ってください。なお、理事会承認後の研究会活動が継続している場合には、再申請の必要はありません。

*「研究会登録申請書」の記入内容については上記の記入票(研究会登録申請書.xls / URL https://jasias.jp/wp-content/uploads/2015/03/StudyGroupApplicationForm2015.xls )をご覧ください。

以上
日本映像学会研究企画委員会