第6回ヴィデオアート研究会【5月31日】

第6回ヴィデオアート研究会(ミニ研究会:5月31日)開催のお知らせ

日時:2014年5月31日(土)15:00-17:00
会場:co-lab渋谷アトリエ2F 会議室3
http://co-lab.jp/locations/shibuya-atelier/access_shibuya-atelier
(当日は入り口の鍵が施錠されております、お手数ですが遅れていらっしゃる方は下記瀧にご連絡ください)

内容:マデロン・ホーイカースを迎えて、70年代オランダヴィデオ黎明期から現代までについて

本研究会は、ヴィデオアートのアカデミックな研究と、制作や展示現場のフィールドワークを交互に行なう方針で発足されました。今回は来日中のオラ ンダのヴィデオアートの先駆者、マデロン・ホーイカースさんを急遽お迎えすることとなりました。当時のオランダの状況や、制作パートナーのエ ルザ・スタンスフィールドとのコラボレーションについてなど制作背景について参考作品上映と併せて研究会で伺いたいと思います。

(*当日会場に、20名程度の人数が御座います。参加希望の方は、下記連絡先、瀧までご連絡ください。)

パネリスト:マデロン・ホーイカース(ヴィデオアーティスト)
http://www.madelonhooykaas.net/

進行:瀧 健太郎 会員(ビデオアートセンター東京代表)

お問合せ:
日本映像学会ヴィデオアート研究会
代表 瀧健太郎
e-mail:taki.kentarou@ebony.plala.or.jp
ビデオアートセンター東京
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町42-6 co-lab 渋谷アトリエ内
tel:○8○- 4355-1721


報告:会報第167号(2014年7月1日)7頁

2014年度第2回(第11回)映像テクスト分析研究会【6月21日】

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日本映像学会 映像テクスト分析研究会 
2014年度第2回(11回)研究発表会 開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位
  
映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。
今回はヒッチコックの『ロープ』(1948)に関する発表2本です。
みなさまのご参加をお待ちしています。
  
日本映像学会映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之
   
■日時===========================================
2014年6月21日(土曜日)15:00開始~18:30(終了予定)
  
■会場===========================================
成城大学3号館1階312教室
(小田急線「成城学園前」駅北口より徒歩5分)
〒157-8511東京都世田谷区成城6-1-20
交通案内 http://www.seijo.ac.jp/access/index.html
  
■発表者・表題===============================
小河原あや(成城大学)
「ヒッチコック『ロープ』における長廻し移動撮影、映画空間、
精神の遍歴——バザン対ロメール&シャブロルの議論を再読する」 
木村建哉(成城大学)
「神を演じる「同性愛者/全体主義者≒共産主義者」:
(対抗)アンチ・クリスト映画としてのヒッチコック『ロープ』」
  
■発表要旨
小河原あや(成城大学)
「ヒッチコック『ロープ』における長廻し移動撮影、映画空間、
精神の遍歴——バザン対ロメール&シャブロルの議論を再読する」
ヒッチコックの『ロープ』は一本の映画全体を、基本的にカメラ移動と長廻しで撮影し、目立たないように8回のカットつなぎを入れて作られた作品である。この長廻しについて、アンドレ・バザンは古典的な切り返しの連続に過ぎないと批判した(“Panoramique sur Hitchcock”, 1950)。しかしバザンに反対したエリック・ロメールとクロード・シャブロルは、バザンが評価したウェルズらのディープ・フォーカスこそは、古典的な切り返しと同様に物語上重要な事物を観客が順に観ていく空間に過ぎないのであり、『ロープ』において新しいのは「時空間における連続性の感覚」なのだと論じた(Hitchcock, 1957)。これらの議論を再読しつつ、本発表は、『ロープ』の中で①一つの部屋から別の部屋へと主人公達が移動するところ、②切り返しに準じる仕方で諸事物・顔が映しだされて行くところ、③長廻しの中で実は「視線つなぎ」が為されているところ、の三つの映像表現を中心に分析する。それによって、長廻し移動撮影で構築される空間全体と、その中に生きる人物の精神とがいかに共鳴して示されているか、ひいては時空間の連続性が現実主義、サスペンス、そして主人公達の精神の遍歴といかに一体であるかを考察するのが、目的である。
 そこからさらに本発表は、1.バザンの議論が諸持物の均質的な存在という外面・身体性に焦点を当てているのに対して、ロメールとシャブロルは身体的存在の向こうに浮かび上がる精神の在り方を重視していること、2.バザンはそのような存在を論じる時に、基本的にフレーム構成を変えぬ一ショット内の空間を見ているのに対して、ロメールとシャブロルは存在と、フレームを変えていく空間との関係を問題にしていることに注目して、「映画とは何か」を空間の観点から問う。

木村建哉(成城大学)
「神を演じる「同性愛者/全体主義者≒共産主義者」:
(対抗)アンチ・クリスト映画としてのヒッチコック『ロープ』」
ヒッチコック『ロープ』(1948年)においては、既に多くの論者(e.g. ロメール&シャブロル、ドナルド・スポトー)が指摘しているように、ブランドン(ジョン・ドール)とフィリップ(ファーリー・グレンジャー)という二人の若い殺人者達が同性愛関係にあることは、プロダクション・コードを憚って暗示されるに止まっているにはせよ、かなり明瞭に見て取ることが出来る。
 これに加えて、発表者は、彼ら二人が、神を恐れず、自らが神に成り代わろうとする(神を演ずる)「全体主義者≒共産主義者」として表象されていることを明らかにする。
 発表者は更に、ヒッチコックが観客を感情移入へと導くのは、探偵役のルパート・カデル(ジェームズ・スチュアート)に対してではなく、殺人者二人に対してであること(言い換えれば、主人公はルパートではなく、彼ら二人であること)、又、殺人の罪責は本来ルパートにあり、殺人者二人にはないこと(主人公ではないにもかかわらず、映画の中心はルパートであり、言い添えればもう一人のある人物であること)が映画において示されていることを明らかにする。
 こうした分析を通じて、『ロープ』が、単に犯罪が露見して犯罪者達が処罰されることになる映画ではなく、むしろ反キリスト者(アンチ・クリスト)であることの不可避性(神を信じることの不可能性)と、にもかかわらず最終的にはアンチ・クリストであることの不可能性(神を信じずにいることの不可能性)とをともに描いた、(対抗)アンチ・クリスト映画であることが判明するであろう。

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お問合せ先:
日本映像学会 映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之
〒352-8558 埼玉県新座市北野1-2-26
立教大学現代心理学部映像身体学科
e-mail:hideyukin■rikkyo.ac.jp(■を@に変えて下さい)


報告:会報第168号(2014年10月1日)43頁

日本映像学会第40回大会(沖縄県立芸術大学)のご案内【6月7・8・9日】

日本映像学会第40回大会は沖縄県立芸術大学を主催校として、6月7・8・9日に開催されます。
詳しくは第3通信PDF
https://jasias.jp/wp-content/uploads/2014/05/JASIAS40_3rdInfo.pdf
をご覧ください。

なお、今後の最新情報は、大会実行委員会ホームページ
http://jasias-okinawa4.webnode.jp/
をご参照ください。

第5回ヴィデオアート研究会【5月24日】

第5回ヴィデオアート研究会(5月24日)開催のお知らせ

日時:2014年5月24日(土)13:00-16:00

会場:co-lab渋谷アトリエ2F 会議室3
http://co-lab.jp/locations/shibuya-atelier/access_shibuya-atelier
(当日は入り口の鍵が施錠されております、お手数ですが遅れていらっしゃる方は下記瀧にご連絡ください)

内容:イヴォンヌ・シュピールマン「マトリクス現象」「ヴァスルカの習作」
(『ヴィデオ 再帰的メディア』から)におけるヴィデオアート研究の分析

本研究会は、ヴィデオアートのアカデミックな研究と、制作や展示現場のフィールドワークを交互に行なう方針で発足されました。第三回でおこなった イヴォンヌ・シュピールマンの『ヴィデオ』から、技術的知識がないと比較的難解とされる部分の読解を行なうこととなりました。またアコンチ研究の際に見れなかった、デニス・オッペンハイムの作品の紹介も行なう予定です。

参加者は事前に資料をお渡しいたしますので、下記連絡先、瀧までご連絡ください。

予定出席者

パネリスト:
「マトリクス現象」(『ヴィデオ 再帰的メディアの美学』p.107-110)箇所について
河合 政之氏(東京造形大学・東北芸術工科大学非常勤講師)

「ヴァスルカの習作」(『ヴィデオ 再帰的メディアの美学』p.110-114)箇所について
角尾 宣信氏(東京大学大学院総合文化研究科表象文化論 博士課程)

進行:瀧 健太郎 会員(ビデオアートセンター東京代表)

お問合せ:
日本映像学会ヴィデオアート研究会
代表 瀧健太郎
e-mail:taki.kentarou@ebony.plala.or.jp
ビデオアートセンター東京
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町42-6 co-lab 渋谷アトリエ内
tel:○8○-4355-1721


報告:会報第167号(2014年7月1日)7頁

関西支部第72回研究会【5月10日】

日本映像学会関西支部第72回研究会(5月10日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第72回研究会を開催いたします。

日時:平成26年5月10日(土) 午後2時より
会場:神戸芸術工科大学 3号棟クリエイティブセンター2F (3204教室)

研究発表1:スクリーンの拡大とその余波 ―ワイドスクリーン映画の導入にともなう撮影様式の変化について
発表者:北浦寛之会員(国際日本文化研究センター)
要旨:日本の映画産業がライバルの新興映像産業であるテレビ産業の勃興に対して採った最大の技術的対策が、1957年より始まったワイドスクリーン映画の製作である。アメリカではすでに1953年に20世紀FOX社が、シネマスコープというワイドスクリーンの規格を公開し、日本でも、その技術を応用した東映スコープや東宝スコープといったスコープ映画が普及を見る。スコープ映画は従来の縦横比1:1.37だったスクリーンが、アナモフィック・レンズという特殊なレンズの効果で、縦横比1:2.35とおよそ1.7倍横に拡大したものであり、小さなテレビ画面では不可能な映像的興奮を観客に提供することで人気を獲得していった。
 しかしながら、こうしてテレビ産業との攻防の余波から誕生したスコープ映画は、映画製作においては大きく二つの問題を産み落としてしまう。第一に、構図の問題。従来のスクリーンでの仕事に慣れ親しんだ製作者の中には、スクリーンの拡大で、構図の取り方に戸惑いを覚える者がいた。第二に、奥行きの生成について。キャメラに装着されたアナモフィック・レンズの影響で、パン・フォーカスが困難になってしまったのだ。こうした問題に、映画製作者はどう挑んでいったのか。本発表では、ワイドスクリーン(スコープ映画)の導入により沸き起こった問題を踏まえながら、それにいかに製作者が対応し、新たな撮影スタイルを確立していったのかを考察していく。

研究発表2:「回遊する思考:山口勝弘展」からみる創造的行為について
発表者:八尾里絵子会員(甲南女子大学メディア表現学科)
要旨:本報告は、2013年10月に神戸芸術工科大学で開催した「回遊する思考:山口勝弘展」を軸に、山口勝弘の「今」について言及する。
 メディアアートのパイオニアである山口は、言わずと知れた前衛芸術家集団「実験工房」のメンバーの一人である。実験工房はここ数年、世界各地で再評価がなされており、回顧展の開催数も目立っている。しかしここでは、50年代から90年代の第一線で活躍した山口の姿ではなく、21世紀における現在進行形の表現活動に着目する。
 2001年、山口は突然脳卒中で倒れ、その後は不自由な身体となったにも関わらず、創作行為とその発表への意欲が滞ることはない。我々(*)は、2010年の山口からの一通の手紙をきっかけに、彼から直接依頼を受け作品制作に携わってきている。その共同作業を進める中で、山口の作品制作の初期段階における想像力とそれを展開するスピードの速さや、スケールの大きなモチーフ選びが極めて独創的である事に気付く。そしてこれこそが、山口の創造的行為の根源であると考え、それを展覧会の名称である「回遊する思考」と呼ぶことにした。
 この、創造のプロセスと新作を含む近年の作品群の表現傾向を互いにリンクさせながら、あえて近視眼的なアプローチからの分析を試みる。そして、実験工房時代の飽くなき探究心を85歳となった今もなお抱き続けるアーティストの実像に迫る。
(*)本研究は、JSPS科研費23520195による共同研究である。

会場:神戸芸術工科大学 3号棟クリエイティブセンター2F (3204教室)
兵庫県神戸市西区学園西町8-1-1
神戸市営地下鉄「学園都市」駅下車南に向かい徒歩五分 大学正門スロープを登り、守衛室を左に見てロータリーを横切り10段程の階段を上り左前方オレンジの壁のある建物(3号棟)
http://www.kobe-du.ac.jp/about/access/

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)


報告:会報第167号(2014年7月1日)4頁-5頁