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アジア映画研究会(第3期第29回)開催のお知らせ【8月6日】

アジア映画研究会会員/日本映像学会会員各位
「日本映像学会アジア映画研究会(第3期第29回)開催のお知らせ」

アジア映画研究会(第3期第29回)を下記のとおり開催します。
日時:2025年8月6日(水)19:00~20:30  ZOOMによるオンライン開催

下記URLより事前登録してください。会議前日にミーティング参加に関する情報の確認メールをお届けします。
https://forms.gle/REhhS7aAPXb2ndW89

報告1:「中国の無声映画における民族音楽の実践と聴覚的現代性」
報告者:宋振華(SONG Zhenhua/北京大学芸術学院博士課程・本学会員)
要旨:1920年代後期から1930年代初頭にかけて、中国の無声映画は急速に発展し、映画音楽の実践は重要な文化現象となった。とりわけ上海の一部映画館では、外国映画の上映経験を踏まえて、民族音楽を中国産映画と結びつける試みが展開された。その中でも、呂文成らによる広東音楽の活用は特筆に値する。本発表では、民族音楽が無声映画にいかに
導入され、それが後の中国映画音楽にどのような影響を与えたかを考察する。「聴覚的現代性」という概念を手がかりに、この実践が近代中国における文化的変容といかに関係していたかを明らかにする。さらに、左翼映画運動との連関にも注目し、民族音楽が政治的意味を帯びた映画音楽として果たした役割についても検討する。

報告2:『李安の華語映画における視線のポリティクス』(2025年3月)について 
報告者:陳悦(CHEN Yue/中国東南大学芸術学部 講師)
要旨:本書は、台湾出身で華語映画の巨匠である李安(アン・リー)の作品を対象として、ジェンダーとフェミニズムの視点から、映画の中の諸空間に登場する人物の視線のポリティクスを軸に、スクリーンに隠秘・提示される欲望や権力関係を検討した上で、映画における視線権力の構造を明らかにしようと試みである。同時に視覚装置としての映画の特徴を視野に入れ、映像技法の分析を採用し、映画のテクスト精読を通して、李安の華語映画に対する新たな解読を図った。

皆様のご参加をお待ちしております。
8月座長:韓燕麗

映像人類学研究会第10回研究会【8月9日】のお知らせ

日本映像学会映像人類学研究会第10回研究会(2025年8月9日)のお知らせ

下記の通り、日本映像学会映像人類学研究会第10回研究会を、対面とZoomでのオンラインの同時ハイブリッドで開催いたします。
今回は、社会派ドキュメンタリーの第一線で活躍される大島新氏をお招きします。『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』『国葬の日』など、日本政治や社会構造の核心に迫る作品を手がけてきた大島氏。その視点と語り口は、現代日本における「記録」と「表現」の可能性を私たちに問いかけます。
今回は、これらの代表作を振り返りながら、大島氏がどのような思いで映像を制作してきたか、そして、今後の映像のあり方についても語っていただく予定です。若手研究者や学生、現役制作者の方も含め、幅広い方々のご参加をお待ちしています。

概要:現在、日本社会は分断や無関心、情報の過多と空洞化といった課題に直面している。政治への距離感や公共性の揺らぎが広がる中で、ドキュメンタリーは「記録」と「表現」の両面から社会と個人をつなぎ直す力を持っている。
大島新氏は、こうした時代の空気を鋭く捉えながら、政治家の葛藤や市民の声を丁寧にすくい上げる作品を発表してきた。『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』『国葬の日』は、いずれも現代日本の民主主義のあり方を問い直す連作であり、観る者に「自分はこの社会の一員としてどう関わるのか」という根源的な問いを投げかける。
第10回研究会では、これらの作品を振り返りながら、大島氏がどのような視点で社会と向き合い、どのような方法で映像を構築してきたのかを探る。とりわけ、政治や公共性をテーマにしたドキュメンタリーが、今なぜ必要とされるのか。その必然性を、制作者自身の言葉で紐解いていく。
当日は、大島氏と主催者によるトークセッションを中心に、制作秘話や現場での葛藤、表現の選択について語っていただく。後半には参加者との質疑応答・意見交換の時間を設け、映像表現の可能性と社会との接点について、共に考える場とする。

日時:2025年8月9日(土)14時00分〜16時00分(予定)
形式: 対面とZoomによるオンラインの同時ハイブリッドで開催
場所:桜美林大学東京ひなたやまキャンパス(東京都町田市本町田2600-4)
https://www.obirin.ac.jp/access/tokyohinatayama/
*オンラインでの参加を希望される方には、研究会前日の18時までにZoomの招待を送らせていただきます。
参加費:無料
どなたでも参加できます。学生さんも歓迎です。
お気軽にお申し込みください。若手制作者、若手研究者の方で興味がある方も是非ご参加ください。
参加申し込み方法:下記 Googleフォームからお申し込みください。ご質問、ご不明点がございましたら、以下のメールでお問い合わせください。参加者リスト作成などの準備のため、締め切りは一週間前の2025年8月2日(土)18:00厳守とさせていただきます。
Googleフォーム:https://forms.gle/8FF6dq2vqCm2uxjc8
メールでお問い合わせ: visualanthropology2021gmail.com

ねらい:大島新氏は、テレビと映画の両領域で長年にわたりドキュメンタリー制作に携わり、社会や政治、個人の葛藤に鋭く迫る作品を発表してきた。『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』『国葬の日』など、現代日本の民主主義や公共性を問い直す作品群は、単なる記録を超えて、観る者に「自分自身の生き方」を考えさせる力を持っている。
本研究会では、大島氏がどのような視点で被写体に向き合い、どのような意図をもって作品を構築しているのかを探る。また、テレビと映画という異なるメディアの特性や、編集・構成における表現の違いについても考察する。
さらに、ドキュメンタリーにおける「公共⇔個人」のバランス、そして「作家性」や「芸術性」がどのように作品に反映されるのかを検討する。日本と海外のドキュメンタリー文化の違いにも目を向け、映像表現の可能性を広く考察する場とする。
現役の制作者、研究者、学生、そしてドキュメンタリーに関心を持つすべての人にとって、創作の動機や倫理、表現の自由について考える貴重な機会と位置づける。

ゲストスピーカー略歴:大島新(おおしま・あらた)
ドキュメンタリー映画監督・プロデューサー・テレビディレクター
1969年神奈川県藤沢市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、1995年にフジテレビ入社。『NONFIX』『ザ・ノンフィクション』などの番組でディレクターを務めた後、1999年に退社しフリーに。以降、『情熱大陸』(MBS)や『課外授業 ようこそ先輩』(NHK)など、数多くのテレビドキュメンタリーを手がけた。
2009年に映像制作会社「ネツゲン」を設立。映画監督としては『シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録』(2007)、『なぜ君は総理大臣になれないのか』(2020)、『香川1区』(2021)、『国葬の日』(2023)などを発表。政治や社会に鋭く切り込む視点と、被写体との距離感に配慮した誠実な映像づくりに定評がある。
2024年より東京工芸大学芸術学部教授を務めている。

司会・パネリスト:本研究会代表・田淵俊彦(桜美林大学)
運営:中垣恒太郎(専修大学)・西野毅史(桜美林大学)

式次第(予定)
14時00分〜 開会の挨拶、映像研究会のこれまで(第1回~第8回)の活動報告
14時15分〜 ゲストスピーカー・大島新氏とのトークセッション(対面)
15時15分〜 参加者との意見交換
16時00分頃 終了予定

映像人類学研究会代表:田淵俊彦

関西支部第103回研究会【7月5日】

日本映像学会関西支部第103回研究会(7月5日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第103回研究会を開催いたします。関西支部会員に限らず多くの方の参加をお待ちしています。

日時:2025年7月5日(土)午後2時より4時頃まで
会場:関西学院大学上ケ原キャンパス F号館102教室

研究発表1:トリュフォー映画における偶発性
発表者:関西学院大学 安部孝典会員 
要旨:
本発表は、フランソワ・トリュフォー(François Truffaut, 1932-1984)の長編第一作『大人は判ってくれない』において、主人公アントワーヌが少年鑑別所で精神科の女医から聞き取り調査を受ける場面の分析から始め、他のヌーヴェル・ヴァーグの作品を参照しながら、トリュフォー映画における偶発性の積極的な取り込みについて一考察を加えることを目的とする。
 前述のシーンでは、まず監督のトリュフォー自身がアントワーヌ役のジャン=ピエール・レオー(Jean-Pierre Léaud, 1944- )に個人的な質問を投げかけ、その反応を映像に収めた後、トリュフォーの声だけを女医役の女性のものに吹き替えるという手間をかけている。ここでは、トリュフォーとレオーの間に構築された擬似的な親子関係から、内緒話のような親密さが醸し出され、アントワーヌの受け答えの内容には、物語上のアントワーヌとしての人生とそれを演じる生身の俳優レオー、さらにはアントワーヌ=レオーに監督トリュフォー自身の経験が混同されている。
 こうした撮影時の偶発的なものの取り込みは、アントワーヌ・ド・ベックやアラン・ベルガラらの先行研究が明らかにするように、初期ヌーヴェル・ヴァーグの作品に散見される。トリュフォー映画以外でも、たとえばジャン=リュック・ゴダールの『勝手にしやがれ』(1960)やエリック・ロメールの『獅子座』(1962)では、街頭での隠し撮りが多用され、道行く人が好奇の目でカメラや俳優の方を見やる姿がそのまま作品内に取り込まれている。
 さらに、トリュフォー映画における子どもの即興演出については、アンドレ・バザンの批評を介したネオレアリズモ映画との関係、そして街頭での野外撮影における偶発性については、トリュフォーが敬愛するジャン・ルノワールの『素晴らしき放浪者』(1932)や『ピクニック』(1936)などの影響を指摘できるだろう。
 本発表では、これまでに漠然と即興演出と言われてきたヌーヴェル・ヴァーグのひとつの特徴を、トリュフォー映画における偶発性の取り込みという観点からあらたに捉え直し、その作家主義的な意義を明らかにしたい。

研究発表2:伊藤高志の映画におけるカオスと秩序――空間とリズムをめぐって
発表者:四天王寺大学 松井浩子会員
要旨:
本発表は、伊藤高志(1956–)の作品に通底する「空間」への関心に着目し、初期の構造映画と近年の劇映画における空間表現の差異と連続性を明らかにすることを目的とする。分析の中心には、実質的なデビュー作『SPACY』(1981)と最新作『遠い声』(2024)を据え、アンリ・マルディネの空間=リズム論を理論的枠組みとして援用する。
 『SPACY』においては、映像が逃れることのできない透視図法を基盤としつつも、その構造を循環的に撹乱することで画面の中に飲み込まれるような閉鎖的空間が構成される。そこでは、永遠に消失点へ到達しないさまよいが視覚化されており、マルディネが語る方向を失ったカオスの空間として捉えうる。一方、『遠い声』では、登場人物を伴いつつも物語性を抑制した構成のなかで、空虚な風景が横断される。拡がる風景空間のなかを、人物たちは依然としてあてどなさをさまよい続ける点において、初期作との連続性が見出せる。マルディネは、このような空間に秩序をもたらすものとして「リズム」の概念を提示する。
 本発表では、両作品に描かれるカオス的空間と、その中で異なる仕方で形成されるリズムに注目し、作品ごとの空間的差異と、その根底に流れる空間観の持続を考察する。

会場:関西学院大学上ケ原キャンパス F号館102教室
交通アクセス:https://www.kwansei.ac.jp/access/uegahara
キャンパスマップ:https://www.kwansei.ac.jp/cms/kwansei/pdf/about/campus/nuc_map_2025.pdf

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
email:eizouosaka-geidai.ac.jp

アナログメディア研究会主催:実験映画を観る会vol.14 【6月22日】

アナログメディア研究会主催 実験映画を観る会 VOL 14 6月22日 14時から上映

実験映画を観る会VOL.14
渡辺哲也と1970年代の実験映画
“再撮影映画は映画の構造を検証する”
 渡辺哲也は、1970年代に活動した美術家・映像作家である。この時期は現代美術で映像をつくることが流行し、渡辺もそうした作家の一人だったが、映像を本職とした点が他の美術家と異なっていた。1970年代の実験映画では、写真やフィルムをコマ撮りすることが流行しており、渡辺の映画も再撮影に特徴づけられる。映像によって映像を撮影するメタ的な視点が、映画の構造を検証したのである。今回の特集では、渡辺哲也の実験映画と再撮影による同時代の実験映画を上映することで、1970年代の実験映画をめぐる状況を振り返ってみたい。
日時:2025年6月22日(日曜日) 14時から上映
場所:小金井市中町天神前集会所
   (〒184-0012東京都小金井市中町1丁目7-7)
 https://www.mapion.co.jp/phonebook/M13007/13210/21331137107/
 武蔵小金井駅南口から徒歩約14分
参加資料代:1000円(当日現金でお支払い下さい)
 参加は予約制です。予約フォームにご記入ください。
 https://forms.gle/V516Yg4XZ9U9Zs1u9
【上映作品】
渡辺哲也『エマルジョン・シー』1972年、11分
渡辺哲也『ウォール・シー』1972‐1973年、12分
渡辺哲也『クロッシング』1974年、3分
渡辺哲也『コーヒーを飲む』1975年、15分
奥山順市『LE CINÉMA 映画』1975年、5分
奥山順市『映画の原点original of motion picture』1978年、4分
居田伊佐雄『オランダ人の写真』1976年、7分
居田伊佐雄『プレパラート』1977年、12分
瀬尾俊三『フィルム・ディスプレイ』1979年、6分
(すべて16mm)
【スケジュール】
13:45 開場
14:00~16:30 上映、解説
16:30~16:45 休憩
16:45 トーク&質疑応答「1970年代の実験映画」 (西村智弘)
17:30 終了予定
主催:日本映像学会 アナログメディア研究会

上映会のイベントページ
 https://www.facebook.com/events/1187533439777305/
 https://www.facebook.com/analogmedia
 https://twitter.com/analogmedia
8ミリフィルム小金井街道プロジェクト
 http://shink-tank.cocolog-nifty.com/perforation/
 https://twitter.com/8mmfkkp

2025年度 第1回 日本映像学会「映像アーカイブ」研究会【6月21日】

2025年度 第1回 日本映像学会「映像アーカイブ」研究会
〈映像アーカイブに関する講演および広島市映像文化ライブラリー見学〉

 広島市による公立フィルム・アーカイブ施設である〈広島市映像文化ライブラリー〉の見学および映像文化専門官・森宗厚子氏(映像学会会員)による講演を伺うという企画です。同館は1982年に日本の地方自治体が初めて設けた公立フィルム・アーカイブであり、2026年度の移転により現施設は10月から休館となるため今回の見学は貴重な機会となります。旧来型の35mmフィルムによる名作映画コレクションに重きを置いた上映事業を主とするフィルム・アーカイブであり、また戦後にCIE映画の流れを汲んで文部省が全国地方自治体の図書館に設置を促した社会教育施設「視聴覚ライブラリー」の機能も併せ持ち16mmフィルム等の市民団体上映会向け貸出業務も行っています。なお、森宗氏は2024年に同館に着任する以前にも、国立映画アーカイブ(2020~24)や川崎市市民ミュージアム(2015~18)にてフィルム・アーカイブにおける上映事業を中心に従事してきました。
ご関心のある方はどうぞ奮ってご参加ください。尚、講演を行う部屋の大きさ上、申込人数が10名に達した時点で締め切りとさせて頂きます。また、参加は会員に限定させて頂きます。この点どうぞ御了承のほど宜しくお願いいたします。参加申込フォームの「ご所属」欄に、所属支部(東部支部、中部支部、関西支部、西部支部)もご記入下さい。
申込者には当日の集合場所などを追ってご案内致します。また、定数に達して参加をお断りする場合には6月15日(日曜日)までに連絡いたします。申込後のお問い合わせは〈wadamarciano.mitsuyo.6wkyoto-u.ac.jp〉にお願いします。

【日時】2025年6月21日(土)14:30-17:00(その後、懇談会を予定)

【会場】広島市映像文化ライブラリー(広島市中区基町3-1)

【参加費】参加費無料(懇親会は別途)

【参加方法】参加を希望される方は、以下のフォームからお申し込みください。
https://forms.gle/XktCkgixaPyVJhzr7

【定員】事前予約制/予約締切:6月14日 ※定員に達し次第、申込を締切します。
10名

【プログラム】
趣旨説明:ミツヨ・ワダ・マルシアーノ(京都大学)
講演:森宗厚子(広島市映像文化ライブラリー 映像文化専門官)
・研究会講演(1階試写室にて)14:30~16:00
・施設見学(映写室・ホール・収蔵庫)16:15~17:00
・懇談会(近隣の飲食店にて)17:30~19:30頃 ※任意参加

【使用言語】日本語

【共催】広島市映像文化ライブラリー、日本映像学会映像アーカイブ研究会

プロフィール:森宗厚子
フィルム・アーキビスト、映画研究者。広島市映像文化ライブラリー映像文化専門官として、上映企画及び映画保存に携わる。1972年京都市生まれ、89年より自主上映や映画館に従事し、97年よりフィルムアート社の編集部を経て、2001~10年東京フィルメックス事務局に勤務。2015~18年川崎市市民ミュージアム映画担当学芸員、2020~2024年国立映画アーカイブ上映室特定研究員を経て2024年4月より現職。

メディア考古学研究会(第4回)開催のお知らせ【6月24日】

メディア考古学研究会(第4回)開催のお知らせ【6月24日(火)】

日本映像学会メディア考古学研究会(第4回)を下記のとおり開催いたします。館内入場無料、事前予約などはございませんので、会場に直接お越しください。皆様のご参加をお待ちしております。

開催日時:2025年6月24日(火)17:30~19:00(17:00会場)
開催場所:大阪大学中之島芸術センター3階スタジオ(大阪市北区中之島4丁目3-53)
入場料:無料(予約不要・先着順)

*****
「映像メディア論講義・特殊講義VI—メディア考古学からみた日本の映像文化―」特別講義・上映会および日本映像学会メディア考古学研究会第4回研究発表会
『よみがえる紙フィルム映画―日本の新旧アニメーション夢の競演』

【概要】
1930年代、国内の映画館で映画のトーキー化がはじまり、はじめてのフルカラーアニメーションがアメリカから輸入されました。人々が日本製のフルカラートーキーアニメーションも見てみたいと思いはじめた頃、その願いを叶えるべく販売されたのが、この「紙フィルム映画」です。家庭向けの玩具ゆえにこれまでほとんど知られていなかった戦前のフルカラーアニメーションが、紙フィルム研究プロジェクト(バックネル大学)のご尽力による最新のデジタル技術で、今ここに生き生きとよみがえります。また当時の製作技法で再現製作された、かねひさ和哉氏による最新のアニメーション作品を、修復された当時の家庭用「トーキー」映写機でご覧いただきます。現在と過去が交錯するアニメーション、一夜限りの夢の競演です。

【スケジュール】
1.特別講義・上映会の趣旨とその歴史的意義:福島可奈子(大阪大学大学院人文学研究科助教/中之島芸術センター兼任教員)
2.デジタルでよみがえる日本の紙フィルムについて:エリック・フェーデン(バックネル大学映画・メディア学部教授)
3.紙フィルム映画デジタル上映+生演奏(デュオ夢乃(木村伶香能(箏)玉木光 (チェロ))
4.よみがえった「家庭トーキー發聲映寫器」による新作紙フィルムアニメーションの上映:山端健志(板橋区立教育科学館研究員、武蔵野美術大学大学院博士後期課程)、かねひさ和哉(アニメーション作家・アニメーション研究家)

主催:大阪大学大学院人文学研究科芸術学専攻アート・メディア論コース
共催:日本映像学会メディア考古学研究会
協力:紙フィルム研究プロジェクト
協賛:柳井イニシアティブ、公益財団法人徳間記念アニメーション文化財団(三鷹の森ジブリ美術館)

問い合わせ先:
日本映像学会メディア考古学研究会
代表・福島可奈子
korogattahotmail.co.jp

アジア映画研究会(第3期第27回)公開イベントのお知らせ【6月17~20日】

アジア映画研究会(第3期第27回)公開イベントのお知らせ【6月17~20日】

「イラン映画を福岡の宝に」(AIFM)プロジェクト                   
モフセン・マフマルバフ監督『川との対話』特別上映会             
Special Screenings: Talking with Rivers by Mohsen Makhmalbaf

会期:2025年6月17日(火)~20日(金)
会場:アテネ・フランセ文化センター(東京都千代田区神田駿河台2-11アテネ・フランセ4階)
料金:webページ参照 ※日本映像学会会員は入場無料(受付にて申告ください)
主催:「イラン映画を福岡の宝に」(AIFM)プロジェクト、アテネ・フランセ文化センター
共催:日本映像学会アジア映画研究会
協力:福岡市総合図書館、コミュニティシネマセンター、映画美学校、株式会社スモールトーク

【概要】
イランの映画作家モフセン・マフマルバフ監督が、混迷する世界に向けて発信した近作『川との対話』を特別上映。これに関連してハナ・マフマルバフ監督の最新作『苦悩のリスト』、モフセン・マフマルバフ監督とアフガニスタンをつなぐ伝説的な劇映画『サイクリスト』、さらにはマフマルバフ監督がイラン映画史上の問題作と評価するドキュメンタリー映画『あの家は黒い』をマフマルバフ監督からのオリジナルメッセージを併映して上映します。

【タイムテーブル】
6月17日(火) 
16時40分 ビデオメッセージ「マフマルバフ監督『あの家は黒い』を語る」『あの家は黒い』『川との対話』(計83分)                          
18時30分 『苦悩のリスト』(67分)
      トーク:石坂健治(日本映像学会アジア映画研究会代表)
      山口吉則(「イラン映画を福岡の宝物に」(AIFM)プロジェクト代表)

6月18日(水) 
17時10分 『サイクリスト』(83分) 
19時00分 ビデオメッセージ「マフマルバフ監督『あの家は黒い』を語る」『あの家は黒い』『川との対話』(計83分)

6月19日(木)                                 
16時40分 ビデオメッセージ「マフマルバフ監督『あの家は黒い』を語る」『あの家は黒い』『川との対話』(計83分)
18時30分 『サイクリスト』(83分)
      トーク:ショーレ・ゴルパリアン(映画プロデューサー)

6月20日(金)
17時20分 『苦悩のリスト』(67分)
19時00分 ビデオメッセージ「マフマルバフ監督『あの家は黒い』を語る」『あの家は黒い』『川との対話』(計83分)

※作品解説・監督プロフィールなど詳細はwebページ参照
https://umbarsec.sslspace.jp/www.athenee.net/culturalcenter/program/ma/makhmalbaf2025.html

2025年度 研究会活動費助成の公募について(応募締切:2025年6月23日12:00)

日本映像学会 会員各位

 平素より日本映像学会にご参加およびご協力いただきありがとうございます。映像にかんする研究・活動の活性化を図るために、研究会が企画・運営する本年度の研究活動に対して研究会活動費助成の公募をおこないます。有意義と期待される研究活動や、継続的な研究活動を続けている研究会、および新規発足の研究会による研究活動の奨励を目的とします。「2025年度研究会活動費助成申請書」に必要事項を記入の上、応募期限までにご提出ください。
 応募された「研究会活動費助成申請書」については審査委員会による研究・活動計画内容、実施の実現性などについて厳正な審査のうえ、助成対象となる研究・活動計画を決定します。

〆切は2025年【6月23日(月)12:00まで(厳守)】となっております。
みなさまのご応募お待ちしております。

日本映像学会 研究企画委員会

詳細のご案内や本年度の申請フォーマットは、以下よりダウンロードしてご使用ください。
2025年度研究企画委員会による研究活動助成について」.pdf
2025年度研究会活動費助成申請書」.xlsx
日本映像学会 研究会活動費助成 予算書」.docx
[参考]「日本映像学会 研究会活動費助成 決算報告書」.docx *研究会活動費の運用についての報告書式

会報第203号を発行しました。

会報第203号(2025年5月15日)を発行しました。
以下のPDFよりお読みください。

JASIAS_NewsLetter203
会報203号

PDFがウィンドウに表示されない(画面が真っ白や真っ黒等)ときは、
ウィンドウ右下端のサイズ調節をマウスで動かして調節してみてください。
ウィンドウの幅のサイズが会報の幅のサイズより大きいときなどに、
PDF表示画面が出ずに真っ白や真っ黒の画面になることがあります。
また、文字が一部しか表示されないときは、URL表示のそばにあるリロードボタンをクリックしてみてください。


会報への会員による投稿につきましては以下の投稿規定をお読みください。

日本映像学会 会報 投稿規定(2017年10月 理事会決定)

1.投稿資格

(1) 投稿の時点で正会員の資格を有していること。

(2) 投稿者本人が執筆者であること。共著の場合は、投稿者が筆頭執筆者であり、必ず他の共著者全員の承認を得た上で投稿しなければならない。

2.投稿内容

(1) 映像に関する研究を推進し、広く映像文化の向上に寄与するもの(「日本映像学会会則」第2章第4条にもとづく)。

(2) 未発表のもの。二重投稿は認めない。投稿者自身の既発表論文や口頭発表と関連がある場合には、そのことを必ず明記すること。

(3) 投稿者は、自らが著作権を有しない著作物や図版などを引用するに際しては、著作権法(第32 条第1項)が定める引用の条件に則って行なうものとし、必要な場合はその著作権所有者の許諾を得なければならない。

3.字数

(1) 字数は自由(1ページは2,400字程度・複数ページも可)

(2) 図版を添付する場合には、図版の大きさを文字数に換算し、全体の文字数に含める。

4.体裁

(1) 完成原稿であること。

(2) メール本文に、題名、執筆者名、住所、電話番号、Eメールアドレス、所属等を記すこと。なお、総務委員会が原稿を確認し、事務局からEメールで「原稿受付」の通知をする。

5.提出方法

(1) 電子データをメール添付で事務局に送信すること。

(2) メール本文にOSの種類とソフト名(Wordもしくはテキスト)を明記すること。

6.投稿先

E-mail: officejasias.jp

7.校正

著者校正は初校のみとし、以後は総務委員会が行なう。

8.著作権

会報に発表された研究報告等の著作権は日本映像学会に帰属する。他の著作に転載する場合には、事務的な手続きのため、事前に文書等で学会に連絡し、転載する際に、会報への掲載に関する基本的な書誌情報を明記すること。

9.締切

投稿は随時受け付ける。

10.その他

(1) 掲載の可否については、総務委員会が決定する(一部改稿を求めることもある)。また、「採否の通知」は事務局からEメールで送信する。

(2) 投稿原稿掲載部分はPDF電子版会報の内としてホームページ上で一般公開

以上


第3回 「映像身体論」研究会【6月15日】

第3回 日本映像学会「映像身体論」研究会「奥まで触れて──映画にみる接触へのクィアな欲望」

本研究会は、近年興隆する映像身体論の潮流を検討し、従来の美学・芸術学が対象化してこなかった「brain tingles(脳のうずき)」や「head orgasm(頭のオーガズム)」等の映像がもたらす「快/不快」情動、あるいはインターフェイスの視/触覚的側面について理解を深めることを目的とし、多様な学術分野から代表的な論者をお招きして、意見交換を進めてまいります。

第3回オンライン公開研究会では、異性愛規範の「磁場」において不可視化された欲望と接触との関係や、映画空間内で触感的イメージを喚起する映像技法について、金沢大学の久保豊先生から「奥まで触れて──映画にみる接触へのクィアな欲望」と題するご講演をいただく予定です。ご関心のある方はどうぞ奮ってご参加ください。

【日時】2025年6月15日(日)14:00-16:15(日本時間)
【会場】オンライン(無料)
【参加方法】
参加を希望される方は、名前、所属を明記の上、下記アドレスまで問い合わせください。
head.orgasmgmail.com

【定員】
20名(※先にお申し込みの方を優先的にご案内いたします。)

【プログラム】
趣旨説明:難波阿丹(聖徳大学)
講演:久保豊(金沢大学)

14:00-14:30 趣旨説明:難波阿丹(「映像身体論」研究会代表、聖徳大学)「クィア映画批評における触感的イメージ」
14:30-15:30 講演:久保豊(金沢大学)「奥まで触れて──映画にみる接触へのクィアな欲望」
15:30-16:15 質疑応答

【使用言語】日本語
【主催】日本映像学会「映像身体論」研究会
【助成】科研費「触覚的な「快」情動によるアテンション管理の研究:ASMR動画を題材として」(研究代表:難波阿丹、研究課題番号24K15927)