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2025年度 研究会活動費助成の公募について(応募締切:2025年6月23日12:00)

日本映像学会 会員各位

 平素より日本映像学会にご参加およびご協力いただきありがとうございます。映像にかんする研究・活動の活性化を図るために、研究会が企画・運営する本年度の研究活動に対して研究会活動費助成の公募をおこないます。有意義と期待される研究活動や、継続的な研究活動を続けている研究会、および新規発足の研究会による研究活動の奨励を目的とします。「2025年度研究会活動費助成申請書」に必要事項を記入の上、応募期限までにご提出ください。
 応募された「研究会活動費助成申請書」については審査委員会による研究・活動計画内容、実施の実現性などについて厳正な審査のうえ、助成対象となる研究・活動計画を決定します。

〆切は2025年【6月23日(月)12:00まで(厳守)】となっております。
みなさまのご応募お待ちしております。

日本映像学会 研究企画委員会

詳細のご案内や本年度の申請フォーマットは、以下よりダウンロードしてご使用ください。
2025年度研究企画委員会による研究活動助成について」.pdf
2025年度研究会活動費助成申請書」.xlsx
日本映像学会 研究会活動費助成 予算書」.docx
[参考]「日本映像学会 研究会活動費助成 決算報告書」.docx *研究会活動費の運用についての報告書式

会報第203号を発行しました。

会報第203号(2025年5月15日)を発行しました。
以下のPDFよりお読みください。

JASIAS_NewsLetter203
会報203号

PDFがウィンドウに表示されない(画面が真っ白や真っ黒等)ときは、
ウィンドウ右下端のサイズ調節をマウスで動かして調節してみてください。
ウィンドウの幅のサイズが会報の幅のサイズより大きいときなどに、
PDF表示画面が出ずに真っ白や真っ黒の画面になることがあります。
また、文字が一部しか表示されないときは、URL表示のそばにあるリロードボタンをクリックしてみてください。


会報への会員による投稿につきましては以下の投稿規定をお読みください。

日本映像学会 会報 投稿規定(2017年10月 理事会決定)

1.投稿資格

(1) 投稿の時点で正会員の資格を有していること。

(2) 投稿者本人が執筆者であること。共著の場合は、投稿者が筆頭執筆者であり、必ず他の共著者全員の承認を得た上で投稿しなければならない。

2.投稿内容

(1) 映像に関する研究を推進し、広く映像文化の向上に寄与するもの(「日本映像学会会則」第2章第4条にもとづく)。

(2) 未発表のもの。二重投稿は認めない。投稿者自身の既発表論文や口頭発表と関連がある場合には、そのことを必ず明記すること。

(3) 投稿者は、自らが著作権を有しない著作物や図版などを引用するに際しては、著作権法(第32 条第1項)が定める引用の条件に則って行なうものとし、必要な場合はその著作権所有者の許諾を得なければならない。

3.字数

(1) 字数は自由(1ページは2,400字程度・複数ページも可)

(2) 図版を添付する場合には、図版の大きさを文字数に換算し、全体の文字数に含める。

4.体裁

(1) 完成原稿であること。

(2) メール本文に、題名、執筆者名、住所、電話番号、Eメールアドレス、所属等を記すこと。なお、総務委員会が原稿を確認し、事務局からEメールで「原稿受付」の通知をする。

5.提出方法

(1) 電子データをメール添付で事務局に送信すること。

(2) メール本文にOSの種類とソフト名(Wordもしくはテキスト)を明記すること。

6.投稿先

E-mail: officejasias.jp

7.校正

著者校正は初校のみとし、以後は総務委員会が行なう。

8.著作権

会報に発表された研究報告等の著作権は日本映像学会に帰属する。他の著作に転載する場合には、事務的な手続きのため、事前に文書等で学会に連絡し、転載する際に、会報への掲載に関する基本的な書誌情報を明記すること。

9.締切

投稿は随時受け付ける。

10.その他

(1) 掲載の可否については、総務委員会が決定する(一部改稿を求めることもある)。また、「採否の通知」は事務局からEメールで送信する。

(2) 投稿原稿掲載部分はPDF電子版会報の内としてホームページ上で一般公開

以上


第3回 「映像身体論」研究会【6月15日】

第3回 日本映像学会「映像身体論」研究会「奥まで触れて──映画にみる接触へのクィアな欲望」

本研究会は、近年興隆する映像身体論の潮流を検討し、従来の美学・芸術学が対象化してこなかった「brain tingles(脳のうずき)」や「head orgasm(頭のオーガズム)」等の映像がもたらす「快/不快」情動、あるいはインターフェイスの視/触覚的側面について理解を深めることを目的とし、多様な学術分野から代表的な論者をお招きして、意見交換を進めてまいります。

第3回オンライン公開研究会では、異性愛規範の「磁場」において不可視化された欲望と接触との関係や、映画空間内で触感的イメージを喚起する映像技法について、金沢大学の久保豊先生から「奥まで触れて──映画にみる接触へのクィアな欲望」と題するご講演をいただく予定です。ご関心のある方はどうぞ奮ってご参加ください。

【日時】2025年6月15日(日)14:00-16:15(日本時間)
【会場】オンライン(無料)
【参加方法】
参加を希望される方は、名前、所属を明記の上、下記アドレスまで問い合わせください。
head.orgasmgmail.com

【定員】
20名(※先にお申し込みの方を優先的にご案内いたします。)

【プログラム】
趣旨説明:難波阿丹(聖徳大学)
講演:久保豊(金沢大学)

14:00-14:30 趣旨説明:難波阿丹(「映像身体論」研究会代表、聖徳大学)「クィア映画批評における触感的イメージ」
14:30-15:30 講演:久保豊(金沢大学)「奥まで触れて──映画にみる接触へのクィアな欲望」
15:30-16:15 質疑応答

【使用言語】日本語
【主催】日本映像学会「映像身体論」研究会
【助成】科研費「触覚的な「快」情動によるアテンション管理の研究:ASMR動画を題材として」(研究代表:難波阿丹、研究課題番号24K15927)

アナログメディア研究会主催:実験映画を観る会 vol.13【4月20日】

実験映画を観る会 VOL.13
IKIF 特集上映 
“光の遊戯:素材と技法のアニメーション実験工房”

IKIF(石田木船イメージ・ファクトリー)は、東京造形大学の学生だった石田園子と木船徳光が1979年に結成したユニットである。初期の頃は主に、アニメーションの自主グループ「アニメーション80」で活動した。さまざまな素材と多様な技法による実験的なアニメーションに特徴があり、立体作品やパフォーマンスなど発表形態もさまざまである。また早くからコンピュータグラフィックスに着手し、さまざまな作品の3DCGを手がける。昨年のイメージフォーラム・フェスティバルでも特集が組まれたが、今回の特集ではより多くの作品が含まれており、すべてがフィルムによる上映となる。二面スクリーンの『回転AB』も二台の映写機で上映する予定である。

日時:2025年4月20日(日曜日) 14時から上映
場所:小金井市中町天神前集会所
(〒184-0012 東京都小金井市中町1丁目7-7)
https://www.mapion.co.jp/phonebook/M13007/13210/21331137107/
武蔵小金井駅南口から徒歩約14分

参加は予約制です。予約フォームにご記入ください。
https://forms.gle/4MNjTPQDmEASedvM8

参加資料代:1000円(当日現金でお支払い下さい)

【上映作品】
『ZOO Ⅱ』 8ミリ / 4分 / 1980年
『M氏の3333』 8ミリ / 3分 / 1980年
『CIRCLE』 8ミリ / 4分 / 1981年
『FACE』 8ミリ / 3分 / 1981年
『走馬灯(一)』 8ミリ / 3分 / 1982年
『転化(1)』 8ミリ / 3分 / 1983年
『アニメーション百科 1980-83』 8ミリ / 5分 / 1980-83 年
『SCRIBBLE BOARD砂鉄3』 8ミリ / 2分 / 1986年
『回転AB』 8ミリ二面映写 / 2分 / 1983年
『乱PART2 RADIANCE』 16ミリ / 9分 / 1982年 
『石化(一)』 16ミリ / 6分 / 1982年 
『カメラオブスクラ3』 16ミリ / 3分 / 1984年 
『DIM』 16ミリ / 4分 / 1984年 
『(二)海の底/At the bottom of the sea』 16ミリ / 3分 / 1985年 
『阿耳曼陀羅(二)』 16ミリ / 5分 / 1986年 
『流砂/QUICK-SAND』 16ミリ / 6分 / 1987年 
『SIGN』 16ミリ / 4分 / 1990年 
『スクリーン・トーン・ミュージック』 16ミリ / 5分 / 1992年 

【スケジュール】
13:45 開場
14:00~14:30 上映、解説
16:30~16:45 休憩
16:45 トーク&質疑応答 (聞き手:西村智弘)
17:30 終了予定

主催:
日本映像学会 アナログメディア研究会
https://www.facebook.com/analogmedia
https://twitter.com/analogmedia2022
8ミリフィルム小金井街道プロジェクト
http://shink-tank.cocolog-nifty.com/perforation/
https://twitter.com/8mmfkkp

2025年度 春期新規研究会登録申請について(応募締切:2025年4月30日12:00)

日本映像学会 会員各位

平素より日本映像学会の活動にご参加・ご協力いただき、ありがとうございます。
日本映像学会では会員のみなさまに活発な学会活動をおこなっていただくため、2025年度春期の新規研究会を募集します。
従来の研究会にない枠組みでのご活動を検討されている方、映像学への新たな視点をお持ちの方、是非ご申請ください。

〆切は2025年【4月30日(水)12:00まで(厳守)】となっております。
みなさまのご応募お待ちしております。

日本映像学会 研究企画委員会

詳細のご案内や申請フォーマットは、以下よりダウンロードしてご使用ください。
2025年度春期_新規研究会登録申請について.pdf
新規研究会登録申請書.xlsx

2024年度 西部支部研究例会・総会ご案内【3月30日】

【日本映像学会西部支部 2024年度 研究例会・総会のご案内(2025年3月30日(日)開催)】

下記のとおり日本映像学会西部支部2024年度研究例会・総会を開催いたします。
万障お繰り合わせの上ふるってご参加ください。

日時:2025年3月30日(日)14:00~

(「研究例会」14:00~、そのあと「総会」も予定しております。)

場所:九州産業大学芸術学部17号館6階 デジタルラボ601
(九州産業大学アクセス https://www.kyusan-u.ac.jp/guide/summary/access.html

プログラム(予定)
1)発表者:坂口将史 (日本経済大学 経営学部 准教授)
タイトル:「特撮を見る」というフレームワークがもたらす映像認識

2)発表者:趙瑞 (九州産業大学 芸術学部 准教授)
タイトル:『New Animation Art』の概念整理とその技術・芸術的意義 ― アルスエレクトロニカを基盤とした考察

3)発表者:黒岩俊哉 (九州産業大学 芸術学部 教授)
タイトル:実験映像インスタレーション「存在の証明」シリーズ─構造映画における実験的アプローチの考察

・研究例会終了後、同会場にて2024年度日本映像学会西部支部総会を行います。

映像テクスト分析研究会 2024年度(通算第24回)研究発表会【3月28日】

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日本映像学会 映像テクスト分析研究会
2024年度(通算第24回)研究発表会 開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位

映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。
対面のみでの開催です。みなさまのご参加をお待ちしています。

日本映像学会映像テクスト分析研究会
代表 藤井仁子

■日時===========================
2025年3月28日(金曜日)17時(19時40分終了予定)
各発表後に質疑応答あり

■会場===========================
早稲田大学 戸山キャンパス 36号館2階演劇映像実習室(283教室/定員60人)
〒162-8644 東京都新宿区戸山1-24-1
最寄り駅:地下鉄東京メトロ東西線「早稲田駅」、副都心線「西早稲田駅」
https://www.waseda.jp/flas/hss/access/

■発表1 17:00~17:50
中村秀之(東部支部会員)
幾重にも時は折られて――『河内山宗俊』(1936年)の〈雪の場〉のテクスト分析

『河内山宗俊』(1936年)の〈雪の場〉(と呼んでおく)については、比類なく美しいショットの出現と物語の決定的転換の生起という2つの特長が(それぞれ蓮實重彥氏と藤井仁子氏によって)正当に語られてきた。本発表ではさらに進んで、そこに居るのに無視されがちな広太郎(市川扇升)という人物に焦点を合わせ、この場面の遥かに特異な実相を明らかにしたい。まず、脇の人物でしかないように見える広太郎の作品全体における中心性をアダプテーションとステージングの二面から簡潔に立証する。これを踏まえて〈雪の場〉の映像と音響を詳細に分析し、そこで(慣習的技法におさまらない方法によって)複数の異質で不定形な時間が折り重ねられる、という言語化が容易でない効果の解明を企てる。さらに、その重層的な時間性と広太郎のライトモチーフと呼べる〈水の三態〉との結びつきを指摘し、素材の指示性に関する理論的考察を手短に経由して、件の雪の動きの映画的力能を論じる。

■発表2 18:00~
堅田諒(北海道大学大学院文学研究院専門研究員/東部支部会員)
演技の実験――ジョン・カサヴェテス『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』をめぐって

『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』(The Killing of a Chinese Bookie, 1976, 以下『ブッキー』)は、ジョン・カサヴェテスがベン・ギャザラを主演に迎え、自身のフィルモグラフィーにおいて初めてギャング映画の要素を取り入れて制作した作品である。従来の研究では、『ブッキー』をギャング映画として評価し、その完成度の低さを批判する論調が主流であった。一方で、カサヴェテス自身は、前作『こわれゆく女』のインディペンデントな制作に限界を感じ、本作において「人間的、芸術的経験の別の領域を扱い」、「知的な実験」を試みたかったと述べている。この発言を踏まえるならば、『ブッキー』は単なるギャング映画ではなく、カサヴェテスが初期から実践してきた俳優重視の映画制作を、新たな視点から探求する試みだったと考えられる。本発表では、この仮説をもとに『ブッキー』を演技論・パフォーマンス論の観点から再考する。具体的には、銃撃を受けて傷を負うギャザラ演じるコズモの身体とそのパフォーマンス、さらに作中に虚構内虚構として導入されているストリップクラブ「クレイジー・ホース・ウェスト」の分析を通じて、カサヴェテスの俳優演技に関する実践の意義を明らかにする。

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お問合せ先:
日本映像学会 映像テクスト分析研究会
代表 藤井仁子
〒162-8644 新宿区戸山1-24-1
早稲田大学文学学術院
e-mail: jinfujiiwaseda.jp

中部支部2024年度第3回研究会【3月14日】

中部支部では、下記の通り中部支部 第3回研究会を開催いたします。
中部支部会員に限らず、多くの方の参加をお待ちしています。

今回は、1件の研究発表の他に、8校・11作品による学生作品のプレゼンテーションを実施します。
皆様のご参加をお待ち申し上げます。

https://jasias-chubu.org/wp/
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2024年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第3回研究会
日時:2025年3月14日(金)(13:30 開始予定)
会場:椙山女学園大学 星が丘キャンパス メディア棟127教室
・*正門より入り直進、右手の赤い柱があるメディア棟にお越しください。
・学部棟の入口はグランドフロア(GF)とカウントされております。
・127教室(1F)は、階段もしくはEVをご利用の上、お越しください。
開催方式:対面

◎研究会スケジュール
13:00 – 研究会受付開始
13:30 – 開会あいさつ
13:35 – 14:05 研究発表
(1件 / 発表20分、質疑応答5分 予備時間5分)
 休憩
14:15 – 15:45頃 学生作品プレゼンテーション I
 休憩
16:00 – 17:30頃 学生作品プレゼンテーション II

 - 終了後 – 20:00 メディア棟4F学生控室にて懇親会を予定 –

◎研究発表
「クレショフ効果」に関する実験的研究
鈴木 清重|愛知淑徳大学

要旨:
「クレショフ効果」は、映画編集の原理となっている心理学的現象と考えられます。しかし、どのような現象といえるか未解明な点も多く(鈴木, 2003)、学術的な検討の余地が残されていると考えられます。
 本研究では、クレショフ効果に関する検討課題を整理することを目的に、発表者自身の実験心理学的研究の成果(鈴木, 2021, 2024 他)を中心に、現在までの研究の状況を概観いたします。

◎学生作品プレゼンテーション
<参加校>(8校)
愛知県立芸術大学 / 静岡文化芸術大学 / 情報科学芸術大学院大学(IAMAS) / 椙山女学園大学 / 中部大学 / 名古屋学芸大学 / 名古屋芸術大学 / 名古屋文理大学

作品については特設サイトをご参照ください。(11作品)
学生作品プレゼンテーション_2024

学生プレゼンテーションでは、各大学20分以内の発表と質疑応答(5分程度)を行います。
当日、プレゼンテーション内で作品の上映も行われますが、時間の都合により全編を鑑賞できない作品もあると思います。
事前に上記の特設サイトに掲載された作品の視聴を推奨します。

◎補足情報
日本映像学会中部支部 幹事会
※幹事メンバーのみ
会場:椙山女学園大学 星が丘キャンパス メディア棟1F123学生控室
時間:12:30 – 13:00

◎会場へのアクセス
「椙山女学園大学 星が丘キャンパス」
地下鉄東山線「星ヶ丘」下車、6番出口より徒歩5分
正門より直進右手の赤い柱の建物にお越しください。
https://www.sugiyama-u.ac.jp/univ/access/index.html

<お車でお越しの方>
学内には来客用駐車場はございません。
お車でお越しの際は、近隣の星が丘駐車場(星が丘三越・星が丘テラス併設 https://www.hoshigaoka-terrace.com/access/)もしくは、近隣のコインパーキングをご利用ください。

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研究会は入場無料、学会員でない方も聴講可能です。
興味がありそうな方にお知らせいただければ幸いです。
このメールも転送を歓迎します。ご活用ください。

以上、よろしくお願いします。

日本映像学会 中部支部事務局
email: msaitonuas.ac.jp (齋藤)

関西支部第102回研究会【3月8日】

日本映像学会関西支部第102回研究会(3月8日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第102回研究会を開催いたします。関西支部会員に限らず多くの方の参加をお待ちしています。

日時:2025年3月8日(土)午後2時00分より4時30分頃まで。
会場:神戸大学 六甲台第2キャンパス 眺望館1階Vルーム

研究発表1:ビル・ヴィオラの初期作品における時間
発表者:国立民俗学博物館 望月由衣会員
要旨:
 本発表は、ビル・ヴィオラ(1951-2024)の初期作品における、音と映像の関係を時間という観点から考察することを目的とする。ヴィオラは、1951年にニューヨークに生まれ、1972年に初のヴィデオによる作品を発表する。ヴィオラが制作を始めた頃は、様々な作家がヴィデオを使った作品の制作を始めた時期であった。当時学生だったヴィオラは、学内や学外でヴィデオに触れて、自身の作品の制作を始めた。ヴィオラは同時代の作家たちと同様に、ヴィデオの技術を習得し、ヴィデオの特徴の中でも時間について考えるような作品を多く制作した。またヴィオラは音についても関心が高く、学生の頃からバンド活動を行っており、ナムジュン・パイクの作品についても、時間の構成だけでなく、そこにリズムを生じさせていることを指摘している。
 本発表で考察をする作品は、シングルチャンネルのヴィデオ作品である《移動》(1976)と《歯と歯の間に》(1976)である。《歯と歯の間に》は、「For Songs」という4作品が収録されている作品集の中の1作品である。考察をする2作品は、ヴィオラの初期作品の中でも、音が特徴的な作品である。《移動》は、ゴングの音が響き、《歯と歯の間に》では、男性の叫び声が聞こえる。ヴィオラの発言を手がかりに、初期ヴィデオ作品における音と映像の関係を時間という観点から分析し、それが音によって映像と生成されるイメージをつなぐという関係であることを論証する。

研究発表2:映画はどのように日本野球を表したか:占領期を中心にした考察
発表者:神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート・学術研究員 大谷晋平会員
要旨:
 本発表は、映画と近代スポーツの連関を体系的に明らかにする大きな狙いを持ちつつ、占領期に映画が野球をいかに民主主義イデオロギーのイメージとして機能させようとしたのかを明らかにするものである。
 本発表の背景は下記の通りである。
 1872年にアメリカ人教師のホーレス・ウィルソンが第一大学区第一番中学校にbaseballを伝えて以来、日本では今日まで野球は人気スポーツとして位置付けられてきた。ただ、その歴史を紐解くと、大学スポーツの黎明期において教育との関わりから野球の有害性が語られたり、反対に、野球は武士道と結びつくものとして肯定的に語られたりしながらさまざまに意味が付与されてきた。さらに、戦時には敵性スポーツとして制限されることもあったが、戦争が終わると民主主義イデオロギーを体現するものとしてGHQに後押しされて日本の映画業界も関わりながら本格的にプロ野球が花開いていく。
 そうした、時代の流れによって多様に読まれ方が変容した野球の展開には必ずメディアが関わっていた。その中でも特に映画は、競技を表象するメディアとしても、また、1950年代を中心に映画業界のプロ野球経営参入という産業面においても、戦前から戦後、そして現代に至るまで深く関わっている。すなわち、その時々における野球の読み解かれ方を背景としながら、映画は野球とイデオロギーの連関や日本プロ野球運営の歴史にも組み込まれてきたのである。
 しかし、これまで日本の映画と野球の関わりについて体系的に論じられることはほとんど無かった。そこで、本発表ではそうした体系的な研究構築を睨みながら、イデオロギーと映画、野球が編み直されていく時期――占領期――に注目する。そこでは、CIEの映画検閲資料や、戦前から戦後にかけてのスポーツ論評にも触れながら、武士道イデオロギーの体現から民主主義イデオロギーの象徴として野球の持つ意味が変容させられる歴史的流れを抑え、野球に付随するイデオロギーのイメージを描く映画表現がどのようなものであったのかを明らかにする。

研究会会場:神戸大学 六甲台第2キャンパス 眺望館1階Vルーム
交通アクセス https://www.kobe-u.ac.jp/ja/site/access/
最寄駅からのアクセス https://www.kobe-u.ac.jp/ja/campus-life/general/access/rokko/#station
構内マップ https://www.kobe-u.ac.jp/ja/campus-life/general/access/rokko/rokkodai2/
 キャンパス・マップの99番(一番手前、海側)が眺望館

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内(大橋)
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
email:eizouosaka-geidai.ac.jp

写真研究会 2024年 第14回研究発表会開催のお知らせ【3月22日】

日本映像学会写真研究会 第14回研究発表会

▼開催概要
日時
2025年3月22日(土) 13:30開始  17:00終了予定(日本時間)
場所
同志社大学今出川キャンパス 良心館RY208教室、およびリモート配信
参加方法
*事前申し込み制

上記会場にての対面とリモート配信でのハイブリッド方式で開催いたします。会場参加、リモート参加とも、こちらのフォームからお申し込み下さい。いただいたメールアドレスに参加方法をお知らせします。

▼報告者・報告内容
■研究発表1
半田ゆり(コロンビア大学大学院美術史専攻/バーク日本美術研究センター)
「小川一真撮影の文化財写真と明治における日本美術史概念の成立」

■研究発表2
宋釗(復旦大学新聞学院大学院ジャーナリズム&コミュニケーション専攻)
「宣伝における反復と変化――写真壁画『撃ちてし止まむ』の分析を通して」

■研究発表3
五十嵐美憂(大阪大学大学院人文学研究科芸術学専攻)
「福島晶子の「男性ヌード」を振り返る」

▼報告の要旨
■研究発表1
半田ゆり(コロンビア大学大学院美術史専攻/バーク日本美術研究センター)
「小川一真撮影の文化財写真と明治における日本美術史概念の成立」
 明治期の日本人写真家・小川一真(1860-1929)は、米国での写真スタジオ勤務を終えて日本に帰国した1884年以降、仏教関連の貴重な文化財や日清・日露戦争、明治天皇の大喪儀など、国家規模の重要な出来事を撮影する事業を次々に委託され、これに従事した。これまで写真史の領域では、小川の多岐にわたる業績が網羅的に研究されてきたが、明治政府の国家事業として撮影された彼の写真の政治的意義に関しては詳細な検討が待たれている。一方、近年進展の著しい英語圏の明治美術研究においては、写真はしばしば非芸術として議論の対象から除外されるか、その主要な作品とはみなされておらず、日本美術史上の展開において写真は統合的に議論されてこなかった。
 そこで本発表は、小川一真が明治20年代に撮影した文化財写真の分析を通じて、彼の写真が明治期に試みられた日本美術史概念の確立に不可欠であったことを論ずる。1888年から89年にかけて京都・奈良に所在する仏教寺院を中心に行われた近畿宝物調査において、小川は唯一の写真師として宮内庁に任命され、廃仏毀釈運動のために荒廃・散逸の危機に直面していた仏像・仏具等の撮影を行なった。この時撮影されたコロタイプ写真は帝室博物館に収蔵され、岡倉天心(1863-1913)らが創刊した美術研究誌『国華』や、後に1900年のパリ万国博覧会に出品された最初の日本美術史の書籍『Histoire de l’art du Japon』に用いられることとなる。小川の文化財写真は、明治政府が推し進めた「日本美術史」の視覚化において、鍵となる役割を担っていた。また、小川が米国・ボストンの写真スタジオで1882年から84年にかけて習得したコロタイプ技法および1887年に福島県白河で米国人天文学者らと行なった皆既日蝕撮影が、これら文化財写真の撮影に必要な技術的素地を用意した。さらに、近畿宝物調査に先んじて1872年に行われた壬辰検査において、横山松三郎(1838-1884)が撮影した文化財写真との比較を行うことで、明治期の文化財調査における写真使用の歴史的変遷とその意義を検討する。
 明治政府による写真使用は、文化財保存・日本美術史推進の文脈にとどまらず、明治天皇をはじめとする皇族の肖像や植民地の開拓記録など多岐に及んだ。その多くを手がけた小川の検討を通じ、日本初期写真史研究の更なる展開が期待される。

■研究発表2
宋釗(復旦大学新聞学院大学院ジャーナリズム&コミュニケーション専攻)
「宣伝における反復と変化――写真壁画『撃ちてし止まむ』の分析を通して」
 1943年、日本陸軍省は第38回陸軍記念日に関わる一連の活動を実施したが、これらの活動の中心で展開されたのは、陸軍省情報部が策定した「撃ちてし止まむ」という決戦標語であり、これによって対外侵略を鼓吹し、民族感情を煽ることを目的としていた。この当局の呼びかけに、社会の各分野における管理者や実施者は、新聞、雑誌、建築物、講演などの様々なメディアを通じて積極的に応えた。なかでも、写真作品として広く知られているのは、1943年3月10日に東京日本劇場の正面に掲出された、金丸重嶺が撮影、山端写真研究所が制作した写真壁画であった。この写真壁画は当時の民衆に未曾有な視覚体験をもたらした。それは3点の写真原板を合成して作られたフォトモンタージュであった。本発表では、関連作品の比較を通じて、戦時中にロシアから伝来した独特な表現手法としてのフォトモンタージュが、次第に国家に奉仕する創作手段へと変化し、表現上の独特性を喪失していったことを検証した上で、それがフォトモンタージュの文脈における転換点にあったことを主張する。
 これまでの研究では、その写真壁画を独立した作品として論じており、さまざまなメディア、作品の間でどのような相互影響が生じたのかという問題や、その帰結に関する研究は、十分ではなかった。本発表は、戦争期の宣伝において同一イメージが繰り返し使用される問題について議論する上で、D・I・カーツァー(David I. Kertzer、1948-)が提唱した「儀式行為」(Ritual Action)の概念とジュディス・ウィリアムスン(Judith Williamson、1954-)が提唱した「トーテミズム」(Totemism)の概念を用いて、陸軍記念日を中心とした宣伝活動を分析する。その分析を通して、国家主導の宣伝活動においてイメージが社会環境を形成する要素の一つとなること、そして受容者がイメージを解釈することによって自己のアイデンティティを補完・強化するとともに社会動員という巨大な儀式に参加すること、および視覚や聴覚、さらには身体の規律化を通じて前線と銃後の境界が曖昧になることを明らかにする。

■研究発表3
五十嵐美憂(大阪大学大学院人文学研究科芸術学専攻)
「福島晶子の「男性ヌード」を振り返る」
 福島晶子(1943–)は1968年から69年にかけ「男性ヌード」で大きな話題を集めた写真家である。しかし、彼女の存在と作品は現在の写真史に全く姿を留めていない。本発表はその背景を考察したうえで、福島の作品と思想の再評価を試みるものである。
 福島は日本大学芸術学部写真学科を卒業後、商業写真家として活動していた。かねてから男性ヌードを撮影したいという思いをもっていた福島は、機を得て1968年5月、男性向け週刊誌『週刊プレイボーイ』の企画で「男性ヌード撮影会」を行うこととなる。そして翌6月には同誌巻頭で《海から来たレオ》と題した男性ヌード作品4点を掲載した。当時前例のない、男性のヌード写真を若い女性が撮影したという事実に注目が集まり、福島は一躍時の人となる。『週刊女性』、『週刊新潮』など複数の週刊誌に福島に関する記事が書かれ、福島の回想によればいくつかのテレビ番組にも取り上げられたという。さらにその話題は大衆文化の領域を超え、写真界の中枢にも届いていた。『日本カメラ』1968年8月号の「特集 ヌードフォト その撮影と鑑賞」には、「男性存在の原型を写す」と題された福島の男性ヌード論が掲載されている。
 しかしながら、大衆誌において注目されたのは作品ではなく福島自身だった。記事は福島の人物や私生活、あるいは福島の被写体となった男性に好奇の目を向けたものが大半で、作品の内容に言及される機会はほとんどなかった。また、上記『日本カメラ』に福島の作品は掲載されていない。発表者の調査の限り、他のカメラ誌にも、福島の作品が掲載され何らかの評価を受けた痕跡は見あたらない。これらのことから、大衆誌ではゴシップとして消費され、写真界からはほぼ黙殺された結果、福島の作品は正当な評価を受ける機会を得られないままに忘却されてしまったと考えられる。
 福島は男性身体固有の魅力や「美しさ」に対する確たる思想をもっていた。それに基づいて作品を制作するのみならず、『日本カメラ』や『婦人公論』といった媒体でそれを書き表した。「美」とはそれまで専ら女性の身体と結びつけられてきた観念であったが、男性の身体にもそれを見出し、積極的な表現を試みた独創性や先見性は高く評価されるべきだろう。また福島は、作品の制作において被写体との協働や被写体の主体性を重んじていた。この時代、女性のヌードが男性写真家の実験や革新、自己表現の場として利用されることの多いものであったことを思えば、福島の作品はヌード写真におけるジェンダーの非対称性と力関係の非対称性との双方を覆したものとして、極めて先駆的な試みであったと評価することも可能だろう。