関西支部第73回研究会【11月29日】

日本映像学会関西支部第73回研究会(11月29日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第73回研究会および、2014年度支部総会を開催いたします。

日時:平成26年11月29日(土)午後2時より
会場:大阪芸術大学スカイキャンパス あべのハルカス24F

研究発表1:東日本大震災を題材とした作品制作 – その模索と試み
発表者:宝塚大学造形芸術学部 田中健作会員
要旨:2011年3月11日14時46分、牡鹿半島(宮城県石巻市)の東南東約130km、三陸沖深さ約24km地点を震源とする東日本大震災が発生した。マグニチュード9.0と国内観測史上最大規模の地震となり、地震に連動して発生した巨大津波は、東北地方の太平洋沿岸部に甚大な被害をもたらした。本報告は、発表者が継続的に取り組んでいる題材の一つである、東日本大震災を題材とした自身の作品制作とその取り組みに焦点を当てる。主に作品制作の動機から、取材活動、作品発表を行うまでの過程を、いくつかの具体的な事例を挙げながら考察していく。

研究発表2:映画『故郷』考
発表者:近畿大学文芸学部非常勤講師 石塚洋史会員
要旨:本発表は山田洋次が監督した『故郷』(1972年)に関する考察である。山田洋次は『故郷』より前に『家族』(1970年)を監督しており、この作品は高い評価を得た。そして『故郷』も高く評価された。本発表では『故郷』の分析に入る前に、『家族』を分析する。そして『家族』の評価が高い理由を考察しながらも、この作品が抱える問題点を指摘する。そして発表内容は『故郷』の分析に移る。確かにこの作品は『家族』のような激しい劇展開を持っているわけではない。しかし『故郷』は『家族』の抱える問題点を解決しており、その結果、『故郷』は映画の映画たる魅力に溢れている。「映画の映画たる魅力」とは抽象的な言い方である。単に発表者の個人的嗜好に合致しているから、発表者に対して「映画の映画たる魅力」を感じさせるのかもしれない。
 本発表においては、議論の偏りは避けられないだろう。しかし発表者は『故郷』が極めて重要な作品であると考えているので、議論の偏りを恐れず語ることにする。

大阪芸術大学スカイキャンパス
〒545-6090 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス24階
TEL. 06-6654-5557  FAX. 06-6654-5558
アクセス:近鉄「大阪阿部野橋」駅 西改札、JR「天王寺」駅 中央改札、地下鉄御堂筋線「天王寺」駅 西改札
地下鉄谷町線「天王寺」駅 南西/南東改札、阪堺電軌上町線「天王寺駅前」駅 よりすぐ
B1Fよりシャトルエレベーターをご利用ください。17F オフィスロビーにて、オフィスエレベーターに乗り換え
http://www.osaka-geidai.ac.jp/geidai/guide/campus/skycampus.html

研究会終了後(午後4時30分頃)同会場にて支部総会を行います。
また午後6時頃より懇親会を催します。会費5000円程度、会場は当日お知らせします。皆様の参加をお待ちしています。

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)


報告:会報第169号(2015年1月1日)14頁

第35回映画文献資料研究会【12月20日】

第35回映画文献資料研究会(12月20日)開催のお知らせ

日本映像学会映画文献資料研究会では下記の如く研究例会を開催いたします。会員の皆様のご参加をお待ちしています。

日 時:2014年12月20日(土) 15時~17時

場 所:日本大学芸術学部江古田校舎東棟2階E204教室
     西武池袋線江古田駅下車 徒歩5分
     アクセスマップ http://www.art.nihon-u.ac.jp/information/access.html

発表者:渡邉大輔会員(日本大学芸術学部研究員・映画史研究者)

テーマ:『1950年代日本の年少観客の映画受容をめぐる出版メディア文化との比較―「教育」と「消費」のあいだで』
「本発表では、1950年代前後の年少(子ども)観客の映画受容調査の一環として、当時、教育から娯楽にいたるまで多様な目的で現れつつあった年少児童向けの周辺メディア文化と映画の影響関係について検討する。特に、ここでは戦後児童文化を代表するマンガや絵物語などの出版メディアの動向や表象に注目したい。発表者が今夏、京都国際マンガミュージアム、大阪国際児童文学館で調査した成果を中心に、文献紹介を交えつつ報告を行う」

問合せ先:日本映像学会映画文献資料研究会
代表 田島良一(又は、鳥山正晴)
〒176-8525東京都練馬区旭丘2-42-1
日本大学芸術学部映画学科内
TEL. 03−5995−8220・8226(鳥山)

以上


報告:会報第170号(2015年4月1日)12頁

インターリンク:学生映像作品展[ISMIE]2014【京都会場/11月28・29・30日】

インターリンク:学生映像作品展[ISMIE]2014【京都会場/11月28・29・30日】上映のお知らせ

 映像表現研究会が主催する<インターリンク:学生映像作品展[ISMIE]2014>を先月末の東京会場に続いて、11月28日(金)29日(土)30日(日)の三日間にわたって京都会場(元・立誠小学校“立誠シネマプロジェクト”)にて実施致します。昨年同様に<京都メディアアート週間2014>のプログラムとして上映致します。
 他のプログラムは、ICAF実行委員会が主催する<インターカレッジ・アニメーション・フェスティバル(ICAF2014)>と今年で60回目を迎えた世界で最も歴史があり評価の高いドイツの短編映画祭「オーバーハウゼン国際短編映画祭」から二つのプログラムを上映します。ひとつは今年の“国際コンペティション部門の入賞作品集(5作品)”。もうひとつは、昨年15周年を迎えた“ミュージック・ヴィデオ部門のアンソロジー作品集(13作品)”です。

 会員以外の方々もお誘い合わせの上、ご来場いただければ幸いです。詳しくは、以下のウェブサイトにてご確認下さい。

http://www.kyoto-seika.ac.jp/kino/2014/index.html
http://d.hatena.ne.jp/e_h_kenkyu/

日本映像学会映像表現研究会
西部会代表 伊奈新祐
〒606-8588
京都府京都市左京区岩倉木野町137
京都精華大学芸術学部内


報告:会報第169号(2015年1月1日)12頁-13頁

第8回クロスメディア研究会【11月29日】

第8回クロスメディア研究会開催のご案内

第8回クロスメディア研究会を下記のごとく開催します。
会員の皆さんのご参加をお待ちしております。

開催日時:2014年11月29日(土)14:00−17:00
開催場所:尚絅学院大学4号館3階4-328講義室
〒981-1295 宮城県名取市ゆりが丘4-10-1
TEL:022-381-3300(代表)/FAX:022-381-3325
交通アクセス http://www.shokei.jp/general/access.php
キャンパスマップ http://www.shokei.jp/campuslife/map.php

【研究発表プログラム】
タイトル:社会芸術から社会起業へ
発表者:河合明会員(河合孝治、芸術メディア研究会)
概要:人は誰もが「戦争、災害、格差」という社会問題を克服したいと思っていることだろう。しかし、もし「戦争、災害、格差」がなくなったら、案外「少しは戦争、災害、格差あった方がまだましだった」と思うかもしれない。なにしろ我々は「いつだって大変な時代を」演出しているのだから。(そういえば、広告代理店の社訓に「混乱をつくりだせ」「無駄遣いさせろ」というのがある)従ってどうぜ理想国家などやってこないことを考えれば、ヨーゼフ・ボイスの「人間は誰でも芸術家である。」という言葉や仏教の即身成仏「誰しも元から覚っている」という言葉は、我々の生き方にとって大切な示唆となるのかもしれない。それはまず自己に「気づく」ことでもある。

タイトル:プログラミング教育に係る諸問題
発表者:名手久貴会員(東京工芸大学芸術学部)
概要:人の動作や位置を検出するモーション・センサー・デバイスのプログラム開発環境の一般化 が進んでいる。これは、ゲームで使用されているモーション・センサー・デバイスのソフトウエア開発に必要なプログラムをまとめたソフトウ エア・ディベロップメント・キットが公に配布されていることが大きい。このため、芸術系の学生を含めた幅広い層の人々が開発できる環境に あり、ソフトウエア開発に素養のある芸術系の学生は、これらのデバイスを利用したインスタレーション作品を発表している。しかし、モー ション・センサー・デバイスを利用した作品のアイデアがあり、製作したいが、プログラミングという問題の為に、考え出したアイデアを実現 できずにいる学生も多くみられる。本発表では、事例を通じて、芸術系学生がソフトウエア開発のどのようなところでつまずくのかについて検討するとともに、現在の開発環境自体の問題についても考察する予定である。

タイトル:児童・幼児と音楽について(一)
発表者:斎藤恵氏(大妻女子大学)
概要:児童・幼児の音楽世界を季節や自然との関連から考えてゆく。
(1)発表者のこれまでの研究と本発表の動機・目的
(2)他者の研究成果について
(3)西欧と日本のクラシック作品における四季について
(4)ポピュラー音楽における四季について
(5)四季(春・夏・秋・冬)に関する童謡・唱歌について
(6)日本の愛唱歌における四季について
(7)日本の歌謡曲における季節について
(8)考察
(9)まとめ:結論・展望
(10)付記:大学の授業について(映像あり)。

タイトル:プログラミング手法による映像表現の特性検討
発表者:李容旭会員(東京工芸大学芸術学部)
概要:コンピュータのプログラミング手法による映像表現は1960年代に始った。当初はXY軸の座標変換による位置情報のバリエーションによって構築されたグラフィックスイメージの並列化=アニメーション的手法が中心であった。ここにZ軸=奥行きの空間概念がコンピュータに導入され3次元空間の形成が可能となり現在のコンピュータグラフィックスの礎となった。今回の考察ではコンピュータプログラミング手法が映像表現にもたらした幾つかの特徴を提示し検討する。

タイトル:二次元からの変容 ~日本のPOPカルチャーを越えて~
The change from two dimensions“Japanese pop-culture : History and future”.
発表者:三橋純会員(横浜芸術大学)
概要:2020年東京オリンピック開催にあたり、従来までサブカルチャーと呼ばれていたものを売り物にしていこうとする流れがある。日本人は戦後マンガやゲーム、アニメを始めとする表現をどう見てきたのか。2000年を迎え『スーパーフラット』や『日本ゼロ年』から宣言され、サブからメインに押し上げられた文化は何を得て何を失おうとしているのか。その源流と経緯を考察する。

タイトル:テレビCMでの広告塔スポーツ選手と商品イメージ
発表者:柴岡信一郎会員(日本ウェルネススポーツ大学)・渋井二三男氏(城西短期大学)
概要:テレビCM制作において客観的な視点を確立するために、視聴者はテレビCMに登場するスポーツ選手に対してどのようなイメージを抱いているかについて、主成分析・因子分析により考察した。テレビCMはスポーツ選手イメージを商品イメージに重ね合わせることで強いメッセージを発信する。発信したい商品イメージによって起用されるスポーツ選手は選択される。スポーツ選手は自身の競技実績を基にした安心感や信頼感、力強さを元々有しているので、これらのイメージがそのままCMのイメージとなる。競技実績に裏付けされた「本物」のイメージは説得力、臨場感がある。

タイトル:マーティン・スコセッシとデイヴィッド・リンチが表す狂気の論考 
発表者:山下史朗会員(アート批評)
概要:この論考はマーティン・スコセッシとデイヴィッド・リンチのテクストが表す狂気が如何に表現されるかを考察する。スコセッシとリンチに物質社会の狂気が表さ れる。この狂気は3つの様相に分けられる。一つは物質社会の人々が外界との関係を築くよりも、心的なものを満足することで生まれる狂気である。また一つ は、その社会における主人公の自己と自己ならざるものとの葛藤である。そしてもう一つは、主人公の意識におさまらない心の過程や外界に顕れるその力動であ る。三つの狂気は織り成され、何が自身の心に浮かんだものなのか、どこから先が外界の現実なのかを曖昧にし混沌とさせる。主人公は内奥に在る生というカオ スを激しく露出させ、自律性を再び築くべく始源的な物質を掴むべく霊知を顕わす。スコセッシとリンチは音と映像でそうした狂気を表すのである。

タイトル:古典的デクパージュに基づいた動画像の感性情報処理アルゴリズムの提案
発表者:百束朋浩会員(東京工芸大学芸術学部)
概要:本研究では、古典的デクパージュと知られる1940年代までのハリウッド映画で培われた撮影技法・編集技法の特徴に基づいた感性情報処理アルゴリズムの提案をする。従来の画像解析では物理レベルでの性質に着目し、パターン認識や画像処理、境界検出などを解析手法が知られている。しかしこれらの方法ででは意味レベル・感性レベルにおけるセグメンテーションは非常に困難であった。しかし、多くの場合これらの解析では、人間介在することで、セグメンテ−ション化容易になることがよく知られている。そこで、古典的デクパージュと呼ばれる基礎的な映像技法にもとづき、セグメンテーション化の辞書とパターンを用意し、画像特徴空間の意味解析をするアルゴリズムを提案する。

【問い合せ先】
日本映像学会クロスメディア研究会
代表 李 容旭
〒164-8678東京都中野区本町2-9-5
東京工芸大学芸術学部映像学科
lee@img.t-kougei.ac.jp 
Tel&Fax 03-5371-2717 

【会場問い合せ先】
尚絅学院大学表現文化学科 広瀬愛
〒981-1295 宮城県名取市ゆりが丘4-10-1
a_hirose@shokei.ac.jp
TEL:022-381-3300(代表)/FAX:022-381-3325

なお、研究会終了後および翌日に市内の寺社、せんだいメディアテーク http://www.smt.jp/ の見学を予定しています。集合場所・タイムテーブル等詳細は上記研究会へお問い合わせください。

以上


報告:会報第169号(2015年1月1日)5頁-11頁

ショートフィルム研究会共催「人形アクション映画撮影会inシアターカフェ(飯塚貴士監督の映像制作ワークショップ)」【11月8・9日】

日本映像学会ショートフィルム研究会
第7回活動 飯塚貴士監督の映像制作ワークショップ開催のお知らせ

会期名 人形アクション映画撮影会inシアターカフェ
期日 2014年11月8日(土)、9日(日)13:00-20:00
内容 映像制作ワークショップ
参加費 1500円(2日間)
定員 10名
会場 シアターカフェ(〒460-0011愛知県名古屋市中区大須二丁目32-24、マエノビル2階)
主催 シアターカフェ
http://www.theatercafe.jp/schedule/events/icalrepeat.detail/2014/11/08/1069/-/in.html
共催 日本映像学会ショートフィルム研究会

フィギュアや人形、ミニチュアセット等を使用し、人形劇と特撮映画が合わさったような短編映画を制作している、飯塚貴士監督の映画制作ワークショップを開催する。屋内の様々な場所を使用し、人形主体の映像作品として、ストーリー構成から撮影までをグループで行う。アナログな手法による人形劇映画の制作方法を学ぶことを通じて、1本の短編映画ができるまでを体験してもらう。

■展示
会期名 「飯塚貴士監督の小部屋」
期日 2014年11月8(土)-11月24日(月)13:00-21:00
会場 シアターカフェ(〒460-0011愛知県名古屋市中区大須二丁目32-24、マエノビル2階)
入場無料、1ドリンク500円
内容 飯塚監督の監督作品{MEGA3}を中心に、映画制作素材(メモ、脚本、絵コンテ、イメージボード等) 、撮影素材(フィギュアや小物、セットなど)、飯塚監督がこれまでに影響を受けた物(本、オブジェなど)、スチールなどを展示。

■飯塚貴士氏プロフィール
1985年生まれ。2008年、地元・牛久市でワッヘンフィルムスタジオを立ち上げ、インディペンデント映画制作を行う。人形とミニチュアセット、昔ながらの特撮技法を用いた作風が特徴で、監督、脚本、撮影、美術、音楽、登場人物の声をほぼ一人で行っている。主な作品は「エンカウンターズ」「GREATROMANCE」など。

以上

日本映像学会ショートフィルム研究会
代表 林緑子
〒460-0011
愛知県名古屋市中区大須二丁目32-24、マエノビル2階
シアターカフェ 内


報告:会報第169号(2015年1月1日)17頁-18頁