日本映像学会会員各位
第44回映画文献資料研究会のお知らせ
日本映像学会映画文献資料研究会では、下記のように研究例会を開催いたします。会員の皆様のご参加をお待ちしています。
記
「轟夕紀子は新劇から何を獲得したか?」
第1部:参考上映
『勝利の日まで』(1945年、成瀬巳喜男監督、15分)
『人生劇場 第2部 残侠風雲篇』(1926年、佐分利信監督、110分)
第2 部:研究発表「轟夕紀子は新劇から何を獲得したか?」
発表者:山口博哉氏(映画史家)
轟夕紀子は宝塚少女歌劇で演技の基礎を身につけましたが、そこからリアリズムを基調とする映画的演技に転換することに大変苦しみました。その克服のため1943年から1953年にかけて新劇に意欲的に出演し、少女歌劇的演技からの脱却を模索しました。
その演技の転換がどのようなものであったかを検証するためには、戦争末期に出演したオールスター映画『勝利の日まで』で、少ない出番の中でどのような演技を披露したのか、また戦後の1953年に安定した映画的演技を披露した『人生劇場 第2部』でどのような成果を披露したかを検証する必要があります。
この2作品を比較することで、轟夕紀子が新劇からどのような演技術を獲得したかが明らかになるでしょう。
日時:2018年2月10日(土)13:00 ~ 16:00
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター試写室
(東京都中央区京橋3-7-6)
アクセスマップ:http://www.momat.go.jp/fc/visit/information_map/
主催:日本映像学会映画文献資料研究会(代表:西村安弘)
参加費:無料・事前申し込み制(例会の後に、有志による懇親会を予定)
※会場準備のため、2月2日(金)までに、下記のメールアドレスに申込をお願いします。
申込先:西村安弘(東京工芸大学)nishimur@img.t-kougei.ac.jp
※当日は、12:50までに、フィルムセンター1階エントランスにご参集ください。
発表者紹介:山口博哉(やまぐち・ひろや)
1970年生まれ、大阪出身、映画史家。
17才で轟夕紀子の大ファンとなって以来、30年にわたり取材や資料収集を通じて轟の研究を続け、ライフワークとしている。次第に興味の幅を広げ、映画監督の春原政久や島耕二などの研究にも着手、日本映画史全般を専門とする。これまで1400冊の映画書、2600 冊の映画雑誌を調査し、110人の映画関係者を取材。独学で映画史を学び、現在は在野の映画史家として活動。生業はヨガ・インストラクター。
轟夕紀子および日本映画史の研究についてとったノートは現在72冊目。轟夕紀子研究の成果を私家版として発表した著書は9冊、また2008年からフリーペーパー「月刊トドロキ・ユキコ」(2000)を発行している(最新号は36号)。
その他、共著として「原節子のすべて」(2012年、新潮社)があり、新聞寄稿やメディア取材など多数。
轟夕紀子生誕100年&没後50年にあたる2017年には、各種の記念イベントを主催。ラピュタ阿佐ヶ谷の轟夕紀子特集上映、兵庫県宝塚市立中央図書館の轟夕紀子展、宝塚映画祭の轟夕紀子特集上映などにも係わる。
日本映像学会の映画文献資料研究会では、2008年7月12日に轟夕紀子について、2013年12月7日には春原政久について研究発表をしている。
2018 年には「轟夕起子伝記」「轟夕起子フィルモグラフィー」の出版を予定。
以上
日本映像学会映画文献資料研究会
代表:西村安弘
東京都中野区本町2-9-5
東京工芸大学芸術学部映像学科内