関西支部第81回研究会【6月11日】

日本映像学会関西支部第81回研究会(6月11日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第81回研究会を開催いたします。会員の皆様の参加をお待ち申し上げます。

日時:平成29年6月11日(日)午後2時より
会場:大阪芸術大学スカイキャンパス (あべのハルカス24階)

研究発表1:ヨーロッパ・アメリカ文学と、その末裔作家ルーカスの創造物
発表者:神戸芸術工科大学 東義真会員
要旨:映画作家ジョージ・ルーカスが脚本監督した*Star Wars*について多角コンテクストで捉え、監督の思想に迫る。その立ち位置を確認する。この思想を米国におけるTranscendentalist、エマソンの主張と、自然と一体になるフォースの考えとの関連性を軸に検証する。さらに監督の伝記と映画作品との関連性から、そのパーソナリティに迫り、ルーカスのライフワーク2大シリーズ『スター・ウォーズ』と『インディ・ジョーンズ』に見られる人類学を、比較神話学者ジョセフ・キャンベルの神話的雛形・汎神論と関連付けて述べる。この大河絵巻が改心の物語をテーマにしているというヨーロッパ文学のコンテクスト上にあることを示す。同時に、その枠組を超え、多元文化主義を打ち出しグローバルメッセージを提示していることを確認する。思想的一貫の他のルーカス映画も検証する。彼は次第に人類学理解を深め文化多元主義を持論とし、多くの人類集団共存の映像的メッセージを確立したのである。私自身も映像作家としては彼のアイディアに連なる。

研究発表2:スタン・ヴァンダービーク カルチャー・インターカムと拡張映画
発表者:大阪芸術大学映像学科 大橋勝会員
要旨:スタン・ヴァンダービーク(映画作家・メディアアーティスト、1927-1984)の仕事は、初期のコラージュアニメーション、マルチ・プロジェクションによる拡張映画、ケン・ノールトンとの共作によるコンピュータ・アニメーション、ヴィデオアートなど多岐にわたっている。特にニューヨーク、ストーニーポイントでのレジデンス作品「ムーヴィードローム」は、制作・生活・発表が一体となった他に例のないプレゼンスであった。本発表では、それらに通底する作家の思想を作品と発言を手掛かりに探っていく。ヴァンダービークの仕事は、ネオダダ的な即物性・即興性と、新しいテクノロジーに依拠するメディアアートをつなぐ性格を有しているが、その背後には現代文明に対する批判とユートピア的思考がある。これをヴァンダービークの用いる「カルチャー・インターカム/Culture Intercom」という語を中心に考察していく。生前の影響力に比して、没後忘れられた感のあるヴァンダービークであるが、その思想は現代のメディア状況を予言するものであり、あらためて今日的な意味を問い直すことを試みる。

〈会場アクセス〉
大阪芸術大学スカイキャンパス
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス24階
JR「天王寺」駅、大阪市地下鉄「天王寺」駅下車すぐ
アクセスマップ http://www.osaka-geidai.ac.jp/geidai/guide/campus/skycampus.html#access
B1よりシャトルエレベーターに乗り、17階オフィスロビーにて、オフィスエレベーターに乗り換えて下さい。

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
email:eizou@osaka-geidai.ac.jp