日本映像学会関西支部第77回研究会(3月26日)開催のお知らせ
下記の通り日本映像学会関西支部第77回研究会を開催いたします。会員の皆様の参加をお待ち申し上げます。
日時:平成28年3月26日(土)午後2時より
会場:京都精華大学 清風館1階 C−101
研究発表1:1960年~1980年代の国内個人制作アニメーションの相関について
発表者:森下豊美会員 京都精華大学大学院マンガ研究科博士後期課程/名古屋学芸大学非常勤講師
要旨:国内の個人によるアニメーション制作が始まったのは1917年、当時「楽天パック」の漫画家であった下川凹天による黒板アニメーションからだと言われている。またこれ以後徐々にアニメーション制作者も増えプロダクションシステムによる商業作品も作られていくが、1960年久里洋二、柳原良平、真鍋博を中心とした「アニメーション3人の会」が発足して以降、個人による実験性、芸術性を重視したアニメーションも増え、現在も美術系大学の学生及び出身者の作品を中心に、世界の名だたるアニメーション映画祭で日本作品は高い評価を得ている。しかしながら国内にはこれら映画祭で発表される作品以外にも現代美術、アマチュア作品(小型映画)など、違う評価軸を有する個人によるアニメーションやアニメーショングループがいくつか存在する(した)が、それぞれの相違や類似、または関連性の有無について言及する研究がほぼ無いのが現状である。
本発表では、個人制作アニメーションがさかんになり始めた1960年~1980年代の違う歴史や評価軸を有するいくつかのアニメーショングループ及びその相関関係を考察しながら、国内個人制作アニメーションの全体像を俯瞰する。
研究発表2:身近なものへの視線と「女の子写真」についての一考察
発表者:荒川美世子会員 武庫川女子大学
要旨:本発表は1990年代に大きなムーブメントを起こした「女の子写真(ガーリーフォト)」を軸に、その前後の写真文化との関係性を探るものである。
「女の子写真」の撮影者たちのほとんどは、10代後半から20代にかけてのキャリアが浅い女性たちで占められている。にもかかわらず、彼女たちの作品は ’96年前後を中心として多くの雑誌で取り上げられ、写真界の主要な新人賞を次々と受賞していった。「女の子写真」が登場する背景には、以下の三つがあげられる。まずは、’70年代から ’80年代にかけて、カメラの使用が容易になったという技術的な側面。写真を志す女子学生の増加。さらには「プリクラ」によるポートレートの交換文化が発生したことである。これらの背景によって生まれた「女の子写真」という親和的な写真文化は2000以降から現在にかけて、どのように変化し、存在しつづけているのだろうか。本発表では、その背景や特徴を試論的に捉えなおし、後発の写真への影響と、それ以前に同様の特徴をもつ写真の有無について探っていく。
[会場アクセス]
京都精華大学 〒606-8588 京都市左京区岩倉木野町137 Tel:075-702-5131(代表)
叡山電鉄「京都精華大前駅」徒歩すぐ または
地下鉄「国際会議場駅」下車 3番出口右に30mのスクールバス専用バス停よりスクールバス(約10分)
http://www.kyoto-seika.ac.jp/about/access/
以上
日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)