アジア映画研究会(第3期 第4回)開催のお知らせ【2月2日】

アジア映画研究会会員/日本映像学会会員各位
「日本映像学会アジア映画研究会(第3期第4回)開催のお知らせ」

アジア映画研究会(第3期第4回/通算第37回)を下記のとおり開催します。

日時:2021年2月2日(火)18時~20時
(ZOOMによるオンライン開催:事前申込制)
申込:1月28日(木)締切
下記URLより所定のフォームにご記入の上,お申込みください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfdlAN3wFZCo3coXHJ6fMRhQ8Z1HZfpzV9sv3tOThCcX3UqSA/viewform?usp=pp_url

内容:
発表:阿部範之(同志社大学)
2000年代の台湾映画産業と『海角七号』(30分+討議)

要旨:『海角七号―君想う、国境の南』(魏徳聖監督、2008年)は、台湾映画市場における中国語映画最大のヒット作として知られる。このフィルムが登場する以前の台湾では、ハリウッド映画が市場を席巻する一方、台湾映画は観客の支持を得られず、製作数、興行成績ともに低迷していた。こうした中で、エドワード・ヤン監督の『カップルズ』(1996年)の助監督などを経て、『ダブル・ビジョン』(陳国富監督、2002年)の製作に大きく関わった魏徳聖(ウェイ・ダーション、1969年~)は、初の商業映画監督作としてこのフィルムを撮り、興行的に大成功を果たす。本発表では、3月刊行予定の論文の内容を基礎に、魏徳聖の経歴や、このフィルムの製作過程などを追った上で、2000年代の台湾映画産業の変化の道筋を探る。

報告:馬然(名古屋大学)・秋山珠子(神奈川大学)(30分+討議)
『華語独立映像観察/ Chinese Independent Cinema Observer』創刊号:現代日本と中国独立映画文化の関連性をめぐって

要旨:欧米とアジアに拠点を置く複数の中国映画の研究者、キュレーター、評論家たちによって設立された中国独立映画アーカイブ/CIFA(est2019)は、今年バイリンガル・ジャーナル『華語独立映像観察/ Chinese Independent Cinema Observer』を発刊し、中国語圏の独立映画及び映像文化、特に中国大陸のインディペンデント映像文化に焦点を当てます。2月発行の創刊号では、中国のインディペンデント映画文化の発生と発展は決して「孤島」ではないという視点から、中国のインディペンデント映画と現代日本の映画文化との関連性を描き出します。 本発表は、共同責任編集者である馬と秋山が、今号のテーマと内容を俯瞰し、紹介するものです。

皆様のご参加をお待ちしております。

2月座長:韓燕麗

2020年度 西部支部研究例会および支部総会のご案内【1月24日】

2020年度 第1回 西部支部研究例会および支部総会のご案内

西部支部では、研究例会および支部総会を下記の通り開催いたします。会員の皆様のご参加をお待ちしています。
なお、西部支部の研究例会および支部総会は、従来は対面方式により開催してまいりましたが、新型コロナウィルス感染防止の観点から、今回は Zoom によるオンライン方式にて開催することになりました。参加を希望される方は、下の参加方法をご参照いただき、あらかじめご連絡をいただきますようお願いいたします。

日時: 2021年1月24日(日) 15:00-18:10
方法: Zoomによるオンライン開催
参加方法:下記メールアドレスに「ご所属」「ご氏名」を本文に含め、メールにてご返信ください。追って Zoom の招待URLを送付させていただきます。
kuroiwamail.kyusan-u.ac.jp
締切: 1月24日(日) 12:00(正午)までに、メールにてご連絡ください。
担当: 九州産業大学芸術学部 黒岩俊哉

(1)研究例会 15:00-17:00
発表1:短編映画『Keep Moving』について─デジタル技術を駆使した映像表現
発表者:二羽恵太 (九州産業大学芸術学部)
要旨:『Keep Moving』は、発表者が2020年に制作した短編映画作品である。本作は九州産業大学創立60周年記念イベント「さよならからの遭遇」(2020年4月)において公開されており、イベント会場である体育館をモチーフに制作されている。一方、発表者のこれまでの作品の特徴は、非現実的な世界観をデジタル技術を駆使した映像で作り上げながらも、テーマは現代的なものを扱っており、本作でも同じ構造となるようアプローチした過程や表現方法について発表する。

発表2:デザイン教育における動画を活用したオンライン授業について
発表者:岩田敦之 (九州産業大学芸術学部)
要旨:令和2年度、新型コロナウィルス感染症の影響により、九州産業大学芸術学部ソーシャルデザイン学科でもオンライン授業が開始されることとなった。デザイン分野におけるオンライン授業の方式やツールの選定をするにあたり、発表者の研究分野であり、より対面に近いと考えられる動画の活用を念頭に計画を行った。様々な状況下にある学生の学習機会を保障しつつ、より効果の高いデザイン教育を提供するべく、WEBサイトによる情報提供を軸とし、導入教育ではYouTubeによるライブ配信型、実践教育ではzoomによる双方向型を採用した。今回の発表では、実際に1年間実施した授業方法の解説を行いながら、学生アンケートなどによる教育効果の検証や、今後の展開について報告を行う。

発表3:福岡と映画とアジアの30年
発表者:西谷郁 (西南学院大学非常勤講師・アジア映画研究)
要旨:福岡市は「アジアの玄関口」として、30年にわたり「福岡アジア文化賞」や「アジアフォーカス・福岡映画祭(後に福岡国際映画祭)」をスタートし、全国の地方行政としては珍しく、映画を通した文化行政を展開してきた。
最初の約10年はアジアの映画の収集を専門に行い、福岡市総合図書館にアジア映画の収蔵を行うなど、文化重視の企画を実施していたが、2007年、映画祭の初代ディレクターの佐藤忠男氏が勇退すると、新ディレクターの梁木靖弘氏の下で、経済重視の映画祭へ、大きく舵を切っていく。
その背景として、福岡市が主催する文化イベントや政策にも採算性を重視するようになったことが要因として考えられる。
こうした文化から経済へとアジアの視点が変化していくプロセスを日本の文化政策の特徴との関係に注目し、映画祭プログラミング・チームの一員として、福岡市総合図書館 映像ホール・シネラプログラム部会委員として2007年以降携わってきた筆者の立場から、30年にわたる福岡市の対アジア映画の文化政策を体系的に言説分析することで、アジア映画に関する文化政策の未来像を考察する。

(2)支部総会 17:10-18:10

以上