関西支部第64回研究会【12月17日】

関西支部第64回研究会(12月17日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第64回研究会を開催いたします。
会員の皆様には奮ってご参加下さいますようお願い申し上げます。

日時:平成23年12月17日(土) 午後2時より
会場:大阪芸術大学 ほたるまちキャンパス

研究発表1:大野一雄の「手」の動き――『ラ・アルヘンチーナ頌』『O氏の肖像』映像分析――
発表者:関西学院大学大学院 博士後期課程 藤田明史
要旨:大野一雄(1906-2010)は、1980年代以降、国内外の公演で絶賛され、土方巽と並ぶ舞踏の創始者として知られる。先行研究で明らかにされた彼の舞踏の様式は、自ら体験した出来事を発展させ、作品を構成するというものであった。では、大野の舞踏における身体の特徴とはいったい何であろうか。先行研究をふまえたうえで、発表者は大野が踊る際の「手」の動きに注目する。研究生に語った言葉をまとめた著書『稽古の言葉』内で大野は自らの「手」について多くの言葉を残している。本発表は大野の舞台映像と、一時期舞台から離れ映像作家と作り上げた映像作品の両者を用いて、彼の身体の特徴と言えるであろう「手」の動きが言葉からどのような形で作品に表現されたか考察を行いたい。

研究発表2:北野武の映画における暴力の様相 -映画『その男、凶暴につき』を中心に
発表者:大阪大学大学院文学研究科 博士後期課程2年 裵泰秀(べ・テス)
要旨:日本の映画監督、北野武の映画には外見上、暴力が過度に流れている。
1989年に発表したデビュー作『その男、凶暴につき』は、2010年までに北野武が監督した15本の長編映画のうち、自ら脚本を書いてない唯一の作品である。しかし、本人が脚本を書かなくてもこの作品には、以後の北野武映画に一貫して現れる暴力の様相をすでに十分、見ることができる。 本作には、北野武の描く暴力の本質が暴き出されていると思う。
 本発表では、北野武の映画を論じるに先立って、『その男、凶暴につき』以前の、日本映画の中に現れた暴力の様相を確認しておきたい。 特に北野武が自ら多くの影響を受けたと認めている日本暴力映画の代表的な監督、深作欣二の代表作『仁義なき戦い』(1973)を中心に分析しよう。そうすれば、北野武が描いている暴力の様相が、どういう環境の中から誕生したのかが分かるからである。ついで、映画『その男、凶暴につき』に現れた暴力の様相と、それを操作する北野武の演出術の分析を通して、映画の中の暴力が表現しているもの、それを明らかにするつもりである。

大阪芸術大学 ほたるまちキャンパス
大阪市福島区福島1-1-12 堂島リバーフォーラム3F TEL 06-6450-1515

アクセス:JR 環状線「福島駅」より徒歩約10分、JR 東西線「新福島駅」(2番出口)より徒歩約5分、阪神本線「福島駅」(3番出口)より徒歩約5分、大阪市営地下鉄四つ橋線「肥後橋駅」(3または4番出口)より徒歩約10分、京阪中之島線「中之島駅」(6番出口)より徒歩約3分
※会場には駐車場がございませんので公共の交通機関をご利用下さい。
詳しくは http://www.osaka-geidai.ac.jp/geidai/annai/shisetsu/hotarumachi.html

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)


報告:会報第158号(2012年4月1日)5頁