日本映像学会関西支部第84回研究会(6月23日)のお知らせ
下記の通り日本映像学会関西支部第84回研究会を開催いたします。会員の皆様の参加をお待ち申し上げます。
日時:平成30年6月23日(土)午後2時より
会場: 京都大学 吉田南キャンパス 総合人間学部棟 1B09
研究発表1: 『彼岸花』の二つの修正入台本に見られる京都弁の修正
発表者:伊藤弘了 京都大学 人間・環境学研究科 博士後期課程
要旨:小津映画の台本をめぐる先駆的な研究に、宮本明子が里見弴による『早春』(1956年)の修正入台本を分析したものがある。宮本は、小津が里見に『早春』の台本の修正を依頼した主たる理由として、関西弁の登場人物の存在を挙げている。トーキー初期の作品以来、小津映画には方言を話す人物が頻繁に登場する。この点について、正清健介は、小津映画における方言が「疑似方言」であり、少なくともトーキー初期から『東京物語』(1953年)までの作品では、リアリティを重視していなかった点を指摘している。しかし、『早春』の修正入台本にくわえて、実は『彼岸花』(1958年)には、主として京都弁の修正が施された二種類の書き込み台本が残っており、この時期の小津がむしろ方言のリアリティにこそこだわっていたことがうかがえる。仮に小津が『早春』以降の作品で方言に対する考え方を転換したのだとすれば、それはいかなる要因によるもので、映画にどのような効果をもたらしているだろうか。
研究発表2:メディアの変化と東映―映画からテレビへの移行と現在
発表者:荒木慎太郎 花園大学 文学部 創造表現学科 非常勤講師
要旨:活版印刷が発明されてから現在まで、メディアはテクノロジーと密接に関係しながら変化を行ってきた。新しいメディアは古いメディアの機能を内包し、テレビという強力なメディアですらインターネットという新しいメディアの中にコンテンツを配信し、新たな取り組みを行っている。このような変化は、テクノロジーとメディアの変化が起こる度に繰り返されてきた。テレビが新しいメディアであった頃、娯楽の中心として最盛期であった映画も例外ではない。
本発表では、映像メディアの誕生から現在のインターネットを活用したデジタルメディアまでのメディアの変容と要素を簡単に整理した上で、映画からテレビへと娯楽の中心が変化した時代に東映が行った柔軟な経営について述べ、映画・テレビドラマ・特撮・アニメ・テーマパークと多様なコンテンツと蓄積を持つ東映の現在を考察する。
〒606-8501 京都府京都市左京区吉田二本松町
京都大学 吉田南キャンパス 総合人間学部棟 1B09
アクセス
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/yoshida/map6r_ys.html
会場はキャンパスマップの84の建物の地下です。
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