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第55回映画文献資料研究会【10月28日】

第55回映画文献資料研究会のお知らせ

日本映像学会映画文献資料研究会では、下記のように、研究例会を開催いたします。会員の皆様のご参加をお待ちいたします。

「ネオレアリズモ再考 ベルクソニスムと現象学」

発表者:西村安弘(東京工芸大学)
発表主旨:ネオレアリズモ映画において、アンドレ・バザンとジル・ドゥルーズの理論は接続できるのか?「現実にひとつの全体性」を認めるアメディ・エイフルを参照しながら、バザンは既存の自然主義や真実主義が意識のあり方よりも主題の選択に関わっていたのに対し、ネオレアリズモが「全体意識による現実の全体描写」だと説明する。「それ(ネオレアリズモ)は現象学である」と躊躇なく認めるバザンは、しかしながら、『ウンベルト・D』(1952)が「「持続」の映画」だとも断定する。バザンのネオレアリズモ論の中では、現象学とベルクソン哲学は対立するものではなく、二つの極として共鳴し合っている。その一方、ベルクソン哲学とパースの記号論に依拠するドゥルーズは、イマージュの分類学の試みの中で、運動イマージュと時間イマージュを弁別し、ネオレアリズモを時間イマージュの代表と見なす。運動イマージュは知覚イマージュ、情動[=感情]イマージュ、行動イマージュに三分されるが、知覚イマージュの分析過程の中で、ベルクソン哲学と現象学とを対比し、「自然的知覚にある特権を与えている」いう理由から、後者の方法は斥けられてしまう。
20世紀のフランスの思想史を俯瞰すると、ベルクソニスムと現象学は、長年のライヴァル関係にあったように見える。戦前派のベルクソンに対し、実存主義のジャン=ポール・サルトル及び知覚の現象学のモーリス・メルロ=ポンティが対峙した。ところが構造主義のクロード・レヴィ=ストロースがサルトルに反対し、マルティン・ハイデッガーの現象学的解体から脱構築の概念を創出したジャック・デリダが、レヴィ=ストロースのルソー主義を更に批判した。ドゥルーズ(及びフェッリクス・ガタリ)にとって、デカルト、カント、フッサールの系列は、自我(エゴ)、主体または意識を出発点(アルキメデスの点)として演繹的・推論的に体系を積み上げようと試みる主観主義、自我中心主義の哲学であるの対して、スピノザと(『物質と記憶』(1896)以後の)ベルクソンの系列は、それらが生成されるもの(出発点でも到達点でもなく、作用され作用するネットワークの中継点)として直観される哲学であろう。ところが、岡田温司の『ネオレアリズモ イタリアの戦後と映画』(2022)は、図像学的な方法に頼りながら、アメリカの美術批評家クレメント・グリーンバーグに通じるという「メディウム・スペシフィックの理念」を導入し、バザンとドゥルーズに共通する「解釈の参照枠」になっていると主張することで、二人の映画理論の接続を試みる。
日本独自に編纂された『グリーンバーグ批評選集』(2006)を繙いてみても、「メディウム・スペシフィック」の定義は見当たらないが、グリーンバーグがモダニズムの本質を「ある規律そのものを批判するために―それを破壊するためにではなく、その権能の及ぶ領域内で、それより強固に確立するために―その規律に独自の方法を用いること」と見なしていることは判る。興味深いことに、グリーンバーグのこのモダニズム論を参照しつつ、映画史におけるバザンの理論を位置付けた映画書が既に存在している。デイヴィッド・ボードウェルの『映画様式の歴史について』(1997)である。「基礎的な物語」や映画史の「標準版」といった概念を用いて映画様式の歴史を再考するボードウェルは、映画におけるモダニズムの理念をリッチョット・カニュードの「第七芸術宣言」(1911)に集約させながら、これを擁護・定義する「標準版」の歴史に対し、「標準版」を批判的に統合するバザンのリアリズム映画理論を「弁証法的なプログラム」と呼ぶ。そして1960年代以降の新しい波を射程におさめるノエル・バーチの理論を、「モダニズムへの回帰」である「対抗的プログラム」と見なした。つまり、バザンを「モダニストにしてフォーマリスト」と形容する岡田とは対照的に、ボードウェルは戦前に開花したモダニズムと1960年代に回帰したモダニズムの狭間に、トーキー映画の到来によってリアリズムへと先祖帰りした映画の新しい理論を創出したアンチ・モダニストとしてバザンを置くのである。
今発表では、ベルクソニスムと現象学の関係に留意しつつ、ネオレアリズモ映画においてバザンとドゥルーズの理論を接続する可能性について再検討してみたい。

日時:2023年10月28日(土)15時~17時00分(予定)
会場:東京工芸大学芸術学部1号館1階ゼミ7
東京都中野区本町2-9-5
主催:日本映像学会映画文献資料研究会(代表:西村安弘)
連絡先:nishimurimg.t-kougei.ac.jp
※申込不要

会報第198号PDF公開版を掲載しました。

会報第198号(2023年10月1日)を発行しました。
以下のPDFよりお読みください。[ペーパーによる完全版は会員配布]

JASIAS_NewsLetter198

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ウィンドウ右下端のサイズ調節をマウスで動かして調節してみてください。
ウィンドウの幅のサイズが会報の幅のサイズより大きいときなどに、
PDF表示画面が出ずに真っ白や真っ黒の画面になることがあります。
また、文字が一部しか表示されないときは、URL表示のそばにあるリロードボタンをクリックしてみてください。


会報への会員による投稿につきましては以下の投稿規定をお読みのうえ、末尾の連絡フォームによりご連絡ください。のちほど担当よりご連絡申し上げます。

日本映像学会 会報 投稿規定(2017年10月 理事会決定)

1.投稿資格

(1) 投稿の時点で正会員の資格を有していること。

(2) 投稿者本人が執筆者であること。共著の場合は、投稿者が筆頭執筆者であり、必ず他の共著者全員の承認を得た上で投稿しなければならない。

2.投稿内容

(1) 映像に関する研究を推進し、広く映像文化の向上に寄与するもの(「日本映像学会会則」第2章第4条にもとづく)。

(2) 未発表のもの。二重投稿は認めない。投稿者自身の既発表論文や口頭発表と関連がある場合には、そのことを必ず明記すること。

(3) 投稿者は、自らが著作権を有しない著作物や図版などを引用するに際しては、著作権法(第32 条第1項)が定める引用の条件に則って行なうものとし、必要な場合はその著作権所有者の許諾を得なければならない。

3.字数

(1) 字数は自由(1ページは2,400字程度・複数ページも可)

(2) 図版を添付する場合には、図版の大きさを文字数に換算し、全体の文字数に含める。

4.体裁

(1) 完成原稿であること。

(2) メール本文に、題名、執筆者名、住所、電話番号、Eメールアドレス、所属等を記すこと。なお、総務委員会が原稿を確認し、事務局からEメールで「原稿受付」の通知をする。

5.提出方法

(1) 電子データをメール添付で事務局に送信すること。

(2) メール本文にOSの種類とソフト名(Wordもしくはテキスト)を明記すること。

6.投稿先

E-mail: officejasias.jp

7.校正

著者校正は初校のみとし、以後は総務委員会が行なう。

8.著作権

会報に発表された研究報告等の著作権は日本映像学会に帰属する。他の著作に転載する場合には、事務的な手続きのため、事前に文書等で学会に連絡し、転載する際に、会報への掲載に関する基本的な書誌情報を明記すること。

9.締切

投稿は随時受け付ける。

10.その他

(1) 掲載の可否については、総務委員会が決定する(一部改稿を求めることもある)。また、「採否の通知」は事務局からEメールで送信する。

(2) 投稿原稿掲載部分はPDF電子版会報の内としてホームページ上で一般公開

以上


メディア考古学研究会関連のオンラインイベントのお知らせ(〜10月23日)

メディア考古学研究会関連のオンラインイベントのお知らせ(〜10月23日)

昨年秋に山端健志会員(板橋区立教育科学館研究員、メディア考古学研究会構成員)が新たに発見し、メディア考古学研究会で学術調査をおこなってきた、大阪朝日新聞社撮影『関東大地震』第一報(35ミリフィルム、748呎)が、朝日新聞とNHKで大きく報道されました。新発見部分を含む、関東大震災直後の津波被害とその救護活動の様子を克明に記録した、国内最初の貴重な映像であるとして、先月27日の『朝日新聞』(東京・大阪)朝刊1〜2面、9月1日のNHK「ニュースウオッチ9」で取り上げられました。
https://www.asahi.com/articles/ASR8V5Q13R8LUCVL01R.html

https://www.nhk.jp/p/nw9/ts/V94JP16WGN/blog/bl/pKzjVzogRK/bp/px5DglnRWJ/

そして新発見フィルム全編を見ながら詳細解説をおこなうオンラインイベントが、朝日新聞社主催で開催されました。朝日デジタル有料会員限定イベントではありますが、下記URLよりぜひご視聴ください。

記者サロン「見つかった国内最古の津波被害映像 関東大震災フィルム発見者が語る」
https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11012048

【出演者】 山端健志(板橋区立教育科学館研究員)
      松本夏樹(映像文化史研究家、大阪芸術大学非常勤講師)
      福島可奈子(武蔵野美術大学非常勤講師)
      黒田健朗(朝日新聞文化部記者)

公開日時:2023年9月23日(土)〜10月23日(月)23時59分

お問い合わせ先:
日本映像学会メディア考古学研究会
代表・福島可奈子
korogattahotmail.co.jp

東部支部発表会【12月2日】

<東部支部研究発表会のお知らせ>

昨年度に引き続き、今年度も東部支部の研究発表会を以下の要領で開催します。

【日時】12月2日(土)午後
【場所】日本大学芸術学部江古田校舎
    東京都練馬区旭丘2丁目42番地1号
【発表形態】口頭発表(作品発表も含む)
      発表時間30分・質疑応答10分 計40分
【発表人数】4名程度を想定

発表希望者は
11月6日(月)17時までに
・氏名
・所属
・発表タイトル
・発表概要(800文字程度)
をword、PDFなどに明記の上
安部 裕(日本大学芸術学部放送学科)
abe.yutakanihon-u.ac.jp
宛にメールで送信してください。

※完全対面での開催です。オンラインの併用はいたしません。特段の事情がある方は別途ご相談ください。

アジア映画研究会(第3期第20回)共催イベントのお知らせ【10月13日】

アジア映画研究会(第3期第20回)共催イベントのお知らせ

日本映像学会アジア映画研究会は10月例会として、下記のとおり神奈川大学主催国際交流イベント「『ルオルオの青春』上映会+ディスカッション」に共催します。
(10月座長:秋山珠子(神奈川大学))

『ルオルオの青春』上映会+ディスカッション
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台所のダンス 居間のファンタジー
――パンデミック下の開かれた密室
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日時: 2023年10月13日(金)
13:30-15:10 『ルオルオの青春』(2023)上映+舞台挨拶
15:20-17:00 ディスカッション
会場: 神奈川大学みなとみらいキャンパス1F米田吉盛記念ホール
ゲスト: 洛洛(ルオルオ)(『ルオルオの青春』監督)、李新月(リー・シンユエ)(編集、監督、映画祭コーディネーター)
ディスカッサント:ミツヨ・ワダ・マルシアーノ(京都大学大学院文学研究科)
司会・通訳:秋山珠子(神奈川大学外国語学部中国語学科)
主催: 神奈川大学外国語学部中国語学科
共催: 日本映像学会アジア映画研究会、JSPS基盤研究(C) 23K00224「パンデミック時代の非公式文化生産―中国インディペンデント・ドキュメンタリーの位相」(研究代表者 秋山珠子)
協力: 山形国際ドキュメンタリー映画祭
*参加無料、申込不要

詳細はこちらから
https://m.facebook.com/events/1433348180542282

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開催趣旨:
世界を覆ったパンデミック下、隔絶された空間のなかで、異なる国や地域の人々の想像/創造はどのように発露し、どのようにシェアされていったのでしょうか?
今回お招きするのは、コロナ禍後、本格的な映像制作を始めた二人の中国人女性映像作家。退職後カメラを手にした洛洛(ルオルオ)氏は、父と孫娘をケアする日常を豊かな表現の場に変える連作ドキュメンタリーで2度にわたって山形国際ドキュメンタリー映画祭入選を果たし、李新月(リー・シンユエ)氏は、洛洛監督作品の編集や自身の映像制作を行いながら、個人映像の新たなプラットホームとして注目を集めるオンライン映画祭「母親影展」の企画・運営に携わっています。世代も居住地域も隔たったかれらは、コロナ禍の厳しい都市封鎖のなかでどのように出会い、どのように想像/創造を共有していったのでしょうか?
洛洛監督最新作『ルオルオの青春』(2023)を手がかりに、パンデミック以降の表現と共創のアクチュアリティを、ミツヨ・ワダ・マルシアーノ氏をディスカッサントに迎え、新たな視点から探索します。
上映作品:
『ルオルオの青春(洛洛的青春)』(中国/2023/93分/監督:洛洛/山形国際ドキュメンタリー映画祭2023 アジア千波万波公式出品)

父や孫の世話を焼きながら10代の頃の日記を手繰るルオルオ。仲間と繋がり、家族を巻き込みながら、コロナ禍で引きこもった家に「表現の喜び」が溢れる。

登壇者:
⚫︎ 洛洛(ルオルオ)
1962年四川省米易県に生まれ育つ。同世代の女性の多くがそうであるように、結婚、出産、仕事、子育て、老親の介護、退職というコースをたどったのち、2019年、アートコレクティブ「CCDワークステーション」と出会い、民間の記憶を記録する「メモリープロジェクト」に参加。2020年初め、映像撮影と編集を学び始め、デビュー作『ルオルオの恐れ』(2021)を制作、山形国際ドキュメンタリー映画祭アジア千波万波に入選。『ルオルオの青春』(2023)は、「ルオルオの人生」シリーズ第2作。

⚫︎ 李新月(リー・シンユエ)
1996年生まれ。2018年まで湖北省の大学に通い、卒業後は北京で編集アシスタントを務め、2020年に故郷ハルビンに戻り、以後同地で活動を続ける。2021年に「CCDワークステーション」へのオンライン参加を機に個人映像制作を開始、2022年に『ルオルオの青春』の編集およびオンライン映画祭「母親影展」の企画・運営に参加。現在監督デビュー作『新月』を制作中。

⚫︎ ミツヨ・ワダ・マルシアーノ
京都大学文学研究科教授。『ニッポン・モダン―日本映画1920・30年代』 (2008)、『デジタル時代の日本映画』(2010)、『「戦後」日本映画論』(編著、2012), 『〈ポスト3.11〉メディア言説再考』(編著、2019)、『No Nukes―〈ポスト3・11〉映画の力・アートの力』(2021)、Japanese Filmmakers in the Wake of Fukushima (2023) など出版多数。現在は女性によるドキュメンタリー映画の分析に取り組みながら、映画史の読み替え作業に取り組んでいる。

⚫︎ 秋山珠子
神奈川大学外国語学部中国語学科准教授。1990年代初めより中国語圏の映画監督・美術家らと多く親交を結び、研究・通訳・翻訳を通して彼らの活動に伴走する。編著に『華語独立影像観察』1「特集=現代日本と中国インディペンデント映画のコネクション(1989–2020)」(共編著、2021)、訳書に『侯孝賢の映画講義』(侯孝賢著、みすず書房、2021)、字幕翻訳に『鉄西区』(共訳、王兵監督、2003)他多数。

アナログメディア研究会主催:はらっぱ祭り 映像インスタレーション&ワークショップ【10/1・15・29・11/4・5】

はらっぱ祭り 映像インスタレーション&ワークショップ

8ミリフィルムで映像インスタレーションを作るワークショップです。フィルムで制作したインスタレーションを 第34回武蔵野はらっぱ祭り で上映します。

概要

第1回ワークショップ●現地下見と8ミリカメラ貸し出し
10月1日(日)17:00~20:00
場所:中町天神前集会所(東京都小金井市中町1丁目7)
会場となる都立武蔵野公園のはらっぱを下見したあとで、武蔵野はらっぱ祭りと映像インスタレーションについて紹介。8ミリ撮影機材の使い方の説明と練習、貸し出しをします。

第2回ワークショップ●自家現像と試写
10月15日(日)13:30~20:00
場所:中町天神前集会所(東京都小金井市中町1丁目7)
撮影したフィルムを自分の手で現像します。できたフィルムを簡易的に映写します。

第3回ワークショップ●フィルム編集
10月29日(日)13:30~20:00
場所:桜並集会所(東京都小金井市中町3丁目19-12 トミンハイム小金井中町1階)
映写機、編集機材などの使い方を説明。フィルムを編集してインスタレーション(ループ映写など)の準備をします。

作品発表!●映像インスタレーション
11月4日(土)9:00~21:00
11月5日(日)10:00~22:00
場所:都立武蔵野公園 くじら山周辺  映像インスタレーションは裏手の林の中で実施
制作したインスタレーション作品を第34回武蔵野はらっぱ祭りで発表します。上映は、両日とも日が暮れる頃から20時までとなります。
※武蔵野はらっぱ祭りは雨天決行ですが、映像インスタレーションは雨天中止です。

講師:太田 曜
 1953年東京生まれ。実験映画作家。パリ第8大学で実験映画を、フランクフルトのシュテーデル美術大学でペーター・クーデルカから実験映画と料理を学ぶ。日本映像学会 アナログメディア研究会

参加費用

●参加資料代
 1,000円
●インスタレーション代(実費)
 4,500円程度となる見込み
 ※撮影、編集、映写機材の貸し出し、モノクロ現像薬品、8ミリ用リール1個、白リーダーフィルム代と、発電機リース代とガソリン代などの分担費用も含みます。
●フィルム代(実費)
 4,200円 Kodakスーパー8 Tri-X 
 ※モノクロフィルムです。
定員:10名
※ワークショップは3回すべての参加とはらっぱ祭りでの発表が基本です。機材は貸し出しますので8ミリ未経験者でも参加できます。お持ちの機材での参加も歓迎です。
※現像だけの参加は出来ません。
申込み:2023年9月29日(金)までに下記の応募フォームよりお申込みください。
https://forms.gle/LoWD4dMwHgFqhxHH8
問い合わせ:
8mmkoganei★gmail.com 星のマークを@に入れ替えてお送りください。

主催 日本映像学会 アナログメディア研究会
   8mmFILM小金井街道プロジェクト

アナログディア研究会 FACE BOOK PAGE https://www.facebook.com/analogmedia
8mmFILM小金井街道プロジェクト URL. http://shink-tank.cocolog-nifty.com/perforation/

中部支部2023年度第1回研究会【9月23日】

2023年度 日本映像学会 中部支部支部 第1回研究会のお知らせ

中部支部では、下記の通り2023年度 中部支部支部 第1回研究会を開催いたします。
対面のみでの実施となりますが、中部支部会員に限らず多くの方の参加をお待ちしています。

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2023年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第1回研究会
https://jasias-chubu.org/wp/?p=1158

日時:2023年9月23日(土)(13:30 開始予定)
会場:中部大学 2522講義室(25号館2階)
〒487-8501 愛知県春日井市松本町1200番地

◎研究会スケジュール(予定)
 13:00 – 第1回研究会 受付開始
 13:30 – 開会あいさつ
 13:35 – 14:35 研究発表(2件)
 休憩
 14:50 – 15:50 招待講演(1件)
 15:50 – 16:20 ディスカッション
 16:20 – 閉会あいさつ
 休憩
 16:30 – 支部総会(研究会終了後に開催)

招待講演タイトル:
「映像人類学の話法-蛇行、創発、ジャズー」

要旨:
ストリートの、場末の酒場の、憑依や祭祀の現場の人々の濃厚なつながりややりとり、神や​​精霊とのジャムセッションに突き動かされて撮ってきた。いや、撮らされてきた。被写体は、こちらの意図、企図をまっこうから覆す存在である。また、視聴者も決して受動的ではなく、時には受け取ったイメージからさらなるイメージを創造し、応答し、私を揺さぶり続ける存在でもある。映像をめぐる世界は創発し続けるフリージャズだ。本講演では、主にエチオピアの音楽文化を対象に制作してきた作品や作品をめぐる議論を紹介しつつ、自らの映像話法、及びイメージをめぐる思考の変遷について省察的に考察したい。

【ゲスト紹介】
川瀬 慈(かわせ いつし)
1977年岐阜県生まれ。国立民族学博物館/総合研究大学院大学准教授。エチオピアの吟遊詩人の映像人類学研究を基軸に、アフリカと日本における芸能、宗教、祭祀等に関する映像作品の制作に従事する。主著に『ストリートの精霊たち』(世界思想社、2018年、第6回鉄犬ヘテロトピア文学賞)、『エチオピア高原の吟遊詩人 うたに生きる者たち』(音楽之友社、2020年、第43回サントリー学芸賞、第11回梅棹忠夫・山と探検文学賞)、詩集『叡智の鳥』(Tombac/インスクリプト、2021年)。国際ジャーナル TRAJECTORIAの編集及び、Anthro-film Laboratory の運営を行う。毎日放送番組審議会委員。
所属:国立民族学博物館、総合研究大学院大学

◎川瀬慈 上映会+ミニレクチャー
研究会とは別日になりますが、中部大学 人文学部 コミュニケーション学科が主催する関連イベントが企画されています。
日時:9/19(火) 13:35~15:05
場所:中部大学50号館1階 5011講義室
主催:中部大学 人文学部 コミュニケーション学科

◎研究発表(2件)
日本アニメと中国の関係ードラえもんを中心にー
趙 爽(名古屋大学 人文学研究科 博士前期課程2年)

要旨:
本発表では、アニメ流通とメディアの変容に注目し、『ドラえもん』を例に、その世代を超えた受容現象を通じて日本アニメと中国の関係を探求する。中国の多様なメディア・プラットフォームにおける『ドラえもん』の流通・受容を分析し、日本アニメ作品の表象とメディア流通における特徴は、中国における経済的・政治的な側面とどのように関わってきたのかを明らかにする。

撮影者のまなざし ~写真撮影の動機をめぐる映像3部作の考察~
樋口 誠也(名古屋学芸大学 メディア造形学部 映像メディア学科 助教)

要旨:
私たちは常に撮ろうとして見ているわけではなく、何かを見てしまった時にカメラを向ける。しかし、目の前の対象に目と意識を向けていたはずが、カメラを挟むことで、撮影者の意識はフレーム内をいかに構成するかという問題に置き変わる。そして、対象を画像(イメージ)へ変換する。写真撮影という、イメージを生成・収集する行為はどのような動機で起こっているのか、撮影者の立場から考察を試みた3つの作品について、発表・解説する。

◎補足情報
日本映像学会中部支部 幹事会
※幹事メンバーのみ
会場:2522講義室(25号館2階)(研究会会場と同じ)
時間:12:30 – 13:00

◎会場へのアクセス
https://www.chubu.ac.jp/about/location/

<お車でお越しの方>
・東名高速道路 春日井インターチェンジより約5分

<公共交通機関でお越しの方>
・JR中央本線「神領」駅北口「中部大学バスのりば」から名鉄バス中部大学線で約10分
・JR中央本線/愛知環状鉄道「高蔵寺」駅 北口 8番乗り場から名鉄バス「中部大学」行き
*バスの時刻表は、上記のURLから検索できます。
*9/23は休日ダイヤ運行

・バス利用でも自動車利用でも正門よりお入りください。
・自動車利用の場合は、正門にいる守衛に映像学会中部支部研究会参加の旨を伝えてください。

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日本映像学会 中部支部事務局
email: msaitonuas.ac.jp (齋藤)

メディア考古学研究会(第2回)開催のお知らせ【9月16日】

メディア考古学研究会(第2回)開催のお知らせ【9月16日(土)】

メディア考古学研究会(第2回)を下記のとおり開催いたします。板橋区立教育科学館にて、当時の映像機器と実物史料をもちいた実演による研究発表会(対面)になります。館内入場無料、事前予約などはございませんので、会場に直接お越しください。皆様のご参加をお待ちしております。

日時:2023年9月16日(土)
第1部10:30〜11:30 第2部12:30〜13:30 第3部 14:00〜15:00
(各回入退場自由、入替制)
会場:板橋区立教育科学館2階・教材製作室
https://www.itbs-sem.jp/event/detail?id=5730

〒174-0071東京都板橋区常盤台4-14-1
東武東上線 上板橋駅 北口下車 徒歩5分
https://www.itbs-sem.jp/access/

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「プリントメディアの科学観」
第1部 トーキーとアニメーションで学ぶ戦前の「タヌキ」童話の世界
解説:福島可奈子(早稲田大学)
実演:山端健志(板橋区立教育科学館)

第2部 体感する「プリントメディア」の文化的・技術的変遷
解説・実演:松本夏樹(大阪芸術大学)、福島可奈子(早稲田大学)

第3部 新発見の紙フィルム「発声映写器」と「ツキボシフヰルム」の復元保存について
司会進行・機械操作:山端健志(板橋区立教育科学館)
ゲスト:菊田鉄男(KWorx代表、電気システム技術者)

要旨:「プリントメディアの科学観」と題した第2回研究会では、まず第1部では、幻燈、玩具映画、紙フィルムや紙芝居といった「プリントメディア」のなかに登場する「タヌキ」像に焦点を当てる。そのイメージが『文福茶釜』や『証城寺の狸囃子』などの童話でどう扱われ、いかに変容してきたかについて検証するとともに、子供から大人まで、誰もが童心に帰って戦前の「タヌキ」の世界を追体験できる機会としたい。第2部では、近世から近代にかけての「プリントメディア」について、15世紀のキリスト教木版画から日本発明の紙フィルム、謄写版出版・芸術までの文化的・技術的変遷を中心に、松本夏樹コレクションの史料群のなかから具体的かつ体感的にみていく。第3部では、稀有な投影・活動する「印刷」メディアでありながら短命に終わった「紙フィルム」を取りあげる。なかでも、山端健志が新発見した家庭トーキー「発声映写器」と「ツキボシフヰルム」の復元保存活動と映像文化史的意義についてシンポジウム形式で話し合う。

お問い合わせ先:
日本映像学会メディア考古学研究会
代表・福島可奈子
korogattahotmail.co.jp

映像テクスト分析研究会 2023年度(通算第23回)研究発表会【9月26日】

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日本映像学会 映像テクスト分析研究会
2023年度(通算第23回)研究発表会 開催のお知らせ
******************************
日本映像学会会員各位

映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。
対面のみでの開催です。みなさまのご参加をお待ちしています。

日本映像学会映像テクスト分析研究会
代表 藤井仁子

■日時===========================
2023年9月26日(火曜日)17時00分開始〜18時30分終了予定
発表後に休憩をはさんで質疑応答あり

■発表者==========================
一之瀬ちひろ(東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程)

■会場===========================
早稲田大学 戸山キャンパス 36号館2階演劇映像実習室(283教室/定員60人)
〒162-8644 東京都新宿区戸山1-24-1
最寄り駅:地下鉄東京メトロ東西線「早稲田駅」、副都心線「西早稲田駅」
https://www.waseda.jp/flas/hss/access/

■表題・概要===============================
『リトアニアの旅の追憶』におけるイメージの曖昧さ

ジョナス・メカスの『リトアニアへの旅の追憶』は、27年ぶりに故郷リトアニアのセメニシュケイ村を訪れる様子を中心に構成されている。この作品は作家の身辺の出来事を、遊動する画面や不安定な露出、極端に短いショットなど、作家自身が手持ちカメラで撮影した映像によって構成されていることがひとつの特徴であり、このスタイルは出来事の客観的記録とは対極にある私的で個人的な「日記映画」として理解されてきた。本発表では、たとえ注意深く眺めても画面に映っている情景が実際のところ何であるか分かりにくいこれらの映像がソ連体制下のリトアニアという異常な状況を撮影対象としている点や、映画内に物語的時間を駆動させる要素の希薄なシークエンスが頻繁に見られる点、交錯する視覚要素と聴覚要素の複雑な組み合わせによって現れる時間の重層性といったもののもたらす意味を検討しながら、メカス作品を観るときにつねに私のうちに生じる、通常は作動しない映画への向き合い方の回路が開拓されていく感覚に、少しでも近づきたいと思う。

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お問合せ先:
日本映像学会 映像テクスト分析研究会
代表 藤井仁子
〒162-8644 新宿区戸山1-24-1
早稲田大学文学学術院
e-mail: jinfujiiwaseda.jp

日本映像学会メディアアート研究会【9/15-10/1】

 この度、日本映像学会メディアアート研究会では、愛知県立芸術大学との共催として、「AIと映像表現」を開催します。メディアアートをはじめ新しい美学についての研究者 秋庭史典が、映像表現とAIの関係性はどのような立ち位置となるのか”というテーマで、講演を行います。

 また、本学芸術資料館にて、-映像とメディアアート展-「移動と身体-知覚する表現へ」を開催いたします。

 東海地区を中心に活躍するメディアアーティストと研究者による映像における自己知覚をテーマにした作品の展示です。

 皆様のご参加をお待ちしております。

日本映像学会メディアアート研究会/愛知芸大芸術講座 「AIと映像表現」
日  時   2023年9月30日(土)14:00から16:00まで(質疑応答時間含む)
講 演 者   秋庭史典(名古屋大学大学院情報学研究科教授)
会  場   愛知県立芸術大学 芸術資料館演習室
住  所   〒480-1194 愛知県長久手市岩作三ケ峯1-114
主  催   愛知県公立大学法人 愛知県立芸術大学、日本映像学会メディアアート研究会
問 合 せ   愛知県立芸術大学 芸術情報・広報課 Tel.0561-76-2873
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日本映像学会メディアアート研究会展示
-映像とメディアアート展-「移動と身体-知覚する表現へ」

会  期  9月15日(金)~10月1日(日) ※金・土・日・祝のみ開館 12:00~17:00
展示作家  DTG〔大泉 和文(中京大学工学部)、加藤 良将(名古屋芸術大学)〕
      鈴木 浩之(金沢美術工芸大学)、大木 真人(JAXA地球観測研究センター)
      森 真弓 (愛知県立芸術大学)
      関口 敦仁(愛知県立芸術大学)
会  場  愛知県立芸術大学 芸術資料館
住  所  〒480-1194 愛知県長久手市岩作三ケ峯1-114
主  催  愛知県公立大学法人 愛知県立芸術大学
企  画  日本映像学会メディアアート研究会、関口 敦仁(愛知県立芸術大学)
入  館  無料
問 合 せ   愛知県立芸術大学 芸術資料館 Tel.0561-76-4698

チラシは、こちら