2018年度第1回アジア映画研究会【4月4日】

日本映像学会会員各位

アジア映画研究会(第4回)開催のお知らせ

アジア映画研究会(第2期第4回/通算第22回)を下記のとおり開催します。
日時:2018年4月4日(水)18:00-20:00
会場:国際交流基金・御苑前オフィス7階アジアセンター(702-703会議室/席数30)
〒160-0004 東京都新宿区四谷4-16-3-7F
(東京メトロ丸ノ内線 四谷三丁目駅 2番出口 から徒歩8分)
アクセスマップ https://www.jpf.go.jp/j/access/map.html

今回は報告1件、講演1件です。

①報告「『アジア三面鏡2018』ミャンマー撮影報告」
    石坂健治会員(日本映画大学/東京国際映画祭)30分+討議

②講演「アジアとの共同製作を振り返る~プロデューサーの立場から」
    井関惺氏(映画プロデューサー)、聞き手:石坂健治 45分+討議

①は国際交流基金と東京国際映画祭が共同製作中のアジア3か国オムニバス映画『アジア三面鏡2018』の製作部に所属する発表者が、3月にヤンゴン(ミャンマー)で進行中の松永大司監督の撮影現場に立ち会った報告。
②は同じ『アジア三面鏡2018』の統括プロデューサーをつとめる井関惺(いせきさとる)氏に、アジア諸国との共同製作に関わってきた豊富な経験談をお話しいただく。井関氏は、大島渚『戦場のメリークリスマス』、黒澤明『乱』、陳凱歌『始皇帝暗殺』、ウェイン・ワン『スモーク』、ジェイコブ・チャン『墨攻』などを製作。日本を代表する国際派プロデューサーである。

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ご参加についていくつか注意点がございます。

<19時までにご来場の方>
御苑前オフィスビルの正面玄関からお入りいただき、直接7階アジアセンターフロアまでお越しください。

<19時以降ご来場の方>
19時以降はビルが施錠されます。ご来場の都度、中から職員がお迎えに参りますので、到着次第、座長あてにご連絡ください。(4月座長:石坂)

<出席について>
国際交流基金の会場の都合で、前日までに参加者全員のお名前とご所属を報告する必要があります。
参加をご希望の方は「調整さん」でおこないますので、下記のサイトへ行き、「出欠を入力する」をクリックしてください。
「表示名」にお名前(フルネーム)を入力、○(出席)△(不明)×(欠席)のいずれかを選び、コメントの欄にご所属などをご記入ください。
出席の方は、前日4/3(火)18:00までにお願いします。
https://chouseisan.com/s?h=67cc06cd4dbe4af3bbf26c50d559ad7b

以上

アジア映画研究会
代表 石坂健治
〒215-0014
神奈川県川崎市麻生区白山2丁目2−1
日本映画大学内

関西支部第83回研究会【3月24日】

日本映像学会関西支部第83回研究会(3月24日)開催のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第83回研究会を開催いたします。研究会終了後には懇親会も予定しております。会員の皆様の参加をお待ち申し上げます。

日時:平成30年3月24日(土)午後2時より
会場:大阪経済大学 E31教室(座席数168)

研究発表1:増村保造作品の、“妻”に対する男たち――『清作の妻』と『華岡青洲の妻』をめぐって
発表者:関西学院大学 中村聡史会員
要旨:増村保造の作品が、女性に対する強権的、暴力的、支配的なふるまいを示す、男性的あるいは男性優位的な側面を強く持ったものであるということは明らかなように思われる。なぜなら増村の作品において女たちは捨てられ(『親不孝通り』、『妻は告白する』、『妻二人』)、利用され(『黒の試走車』、『陸軍中野学校』、『しびれくらげ』)、飼育・調教され(『痴人の愛』、『盲獣』)、そして犯される(『赤い天使』、『セックス・チェック 第二の性』、『でんきくらげ』、『御用牙 かみそり半蔵地獄責め』)からである。にもかかわらず増村保造の作品は「印象としてはほとんどが女の映画というふうに見える」(山根貞男『増村保造 意志としてのエロス』)。それは増村保造が描く女性たちが、そうした男たちによる支配や暴力に対して必ずしも従順ではなく、時に抵抗し、時に反逆し、時には逆に支配するような、主体的で、強い女性であるからである。彼女たちは強烈で鮮烈な印象を鑑賞者に与え、これまでの増村をめぐる言説では、そうした「増村的女性」(そして、その象徴としての若尾文子)についてのものが中心的であった。つまり「増村的男性」が議論の中心となることは少なかったのである。
 本発表は、そうした状況をふまえたうえで『清作の妻』(1965年)および『華岡青洲の妻』(1967年)を取りあげ、女性主人公に対する男たち(“妻”の“夫”すなわち清作と華岡青洲)をとおした増村保造論を展開するものである。

研究発表2:実験工房におけるインターメディアの試み
発表者:大阪経済大学人間科学部 北市記子会員
要旨:本発表では、1950年代に活躍した前衛芸術家集団「実験工房」の活動に焦点をあて、多角的な視点からの分析を試みる。
 実験工房は、美術・音楽・舞台芸術・写真などの、既存の芸術の諸領域を横断的に融合する「インターメディア」の試みをいち早く実践したグループとして知られているが、新たなテクノロジーによって生み出された素材やメディアを積極的に表現に取り入れるそのアプローチは、現代のメディアアートに通ずるものである。こうした実験工房の活動について、今回は特に中心メンバーの一人である山口勝弘の動向や言説に照らし合わせながら分析を進めるが、そこでは前衛の旗手・岡本太郎が提唱する「対極主義」の概念との関連性が浮かび上がってくる。また、山口自身が真にインターメディアな表現として位置づけるオートスライド作品『試験飛行家W.S.氏の眼の冒険』(1953)に着目し、オーディオ・ヴィジュアルな表現を通して表出する先駆的思考(機械を通して人間を表現すること)について考察する。

大阪経済大学 〒533-8533 大阪市東淀川区大隅2-2-8
TEL:06-6328-2431(代表)
アクセス
 ・阪急京都線「上新庄」駅、徒歩約15分
 ・地下鉄今里筋線「瑞光四丁目」駅、徒歩約2分
 ・市バス「大阪経大前」「大経大正門」下車すぐ
 交通アクセス http://www.osaka-ue.ac.jp/profile/access/
 大阪経済大学周辺マップ http://www.osaka-ue.ac.jp/profile/access/areamap/

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
email:eizou@osaka-geidai.ac.jp

2017年度第1回写真研究会【3月20日】

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日本映像学会 写真研究会
2017年度第1回研究発表会開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位

写真研究会の研究発表会を下記のとおり開催致します。
皆様のご来場をお待ちしております。

日本映像学会写真研究会
代表 前川 修

・日時===========================
 2018年3月20日(火曜日)14:30開始-18:00終了予定
 発表後に質疑応答の時間があります。

・会場===========================
 同志社女子大学今出川キャンパス 楽真館R006教室(座席数44)
 〒602-0893 京都府上京区 今出川通寺町西入
 最寄り駅:地下鉄烏丸線「今出川駅」
 交通アクセス
 http://www.dwc.doshisha.ac.jp/access/imadegawa/index.html#p3
 キャンパス案内図
 http://www.dwc.doshisha.ac.jp/access/imadegawa/campusmap.html

発表者・発表内容:
 報告1 舘かほる氏(神戸大学人文学研究科博士前期課程)
  「内なる他者の身体表象――鳥居龍蔵の千島アイヌ調査写真をめぐって」
 報告2 笠間悠貴会員(明治大学理工学研究科博士後期課程)
  「さかさ双眼鏡と蜃気楼――渡辺兼人の80年代初期作品と風景論を辿る」

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発表要旨

舘かほる(神戸大学人文学研究科博士課程前期課程)
「 内なる他者の身体表象――鳥居龍蔵の千島アイヌ調査写真をめぐって――」

 本発表では写真を用いた先駆的な調査で知られる人類学者、鳥居龍蔵の撮影した写真表象について考えてみたい。とくに彼が千島アイヌ調査で撮影した写真、その身体表象を素材にすることで、そこにどのようにして内なる他者としてのアイヌが表象されていたのかを探りたい。

 本発表ではまず、北海道開拓以降にアイヌが日本でどのように政治的に位置づけられていたのかを確認し、そのうえで当時の日本の人類学がアイヌをどのように「内なる他者」として写真資料を用いて表象していたのかを検討する。鳥居の人類学調査は、日本の旧植民地であった台湾、満州、樺太など、日本の周縁の民族を対象としたものであった。その調査の目的は、日本人の起源を突きとめることであった。当時の日本の人類学では大森貝塚の石器発見を発端とした、アイヌと日本人の起源(=大森貝塚で発掘された石器時代人)との関係をめぐる論争が起きていた。それがコロポックル論争である。鳥居の研究もまた、結果的にアイヌに及ぶことになり、特に千島アイヌを日本人の起源として注目し、調査を行っていった。

 鳥居の千島アイヌに対する理論的な構えを考える上で、当時の対アイヌ政策の文脈と人類学の言説におけるアイヌの立場の関係は重要である。鳥居が千島アイヌを対象に調査をおこなった1890年代から1910年代当時アイヌは人類学において言説構築のために身体的・文化的差異を強調されていた。しかしそれと同時にアイヌは明治政府から公布されるあらゆる同化政策の対象でもあり、彼らは文化的慣習の実践を禁止されていた。つまり当時のアイヌは、同化政策が進められる一方で、人類学的に特権的な対象として日本人との差異を強調されながた扱われていたのである。それは鳥居にとっても同様にアイヌは同化政策の対象となりうる他者でありながら、同時に自文化の起源(あるいはそれに近い)民族でありうるという考えの基に認識されていたのである。これはつまり、自己(日本)のなかに属しながらも他者として自己と区別される対象、すなわち内なる他者ということができるだろう。

 発表の後半では、次に鳥居が撮影した千島アイヌの写真表象およびその枠組みとなる理論を明らかにする。ここで重要なのが形質人類学という骨格の特徴によって民族の分類を行う方法であり、鳥居もこの分類のために用いる写真を多く残している。このような写真による身体の表象方法は欧米にその先行例をみることができる。それはアラン・セクーラが示したようにフランシス・ゴールトンやアルフォンス・ベルティヨンがおこなった犯罪者や病人といった社会的な他者を表象する方法である。さらに身体を写真によってアーカイヴすることで社会的他者の領域を画定し、自己との断絶をおこなうのである(Allan Sekula,”The Body and Archive,” October, Vol. 39(Winter, 1986), p. 7)。こうした欧米の方法はたしかに日本の人類学でも輸入され、実践されている。しかし、日本の人類学においては、自己の源泉を求めるために内なる他者の身体を写真でアーカイヴするのである。そうして形成されたアーカイヴがどのような意味をもち、そこで写真はどのような機能をもっていたのかについて考察していきたい。

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笠間悠貴(明治大学大学院理工学研究科建築都市学専攻総合芸術系博士後期課程)
「さかさ双眼鏡と蜃気楼――渡辺兼人の80年代初期作品と風景論を辿る」

 金井美恵子との共著『既視の街』で第7回木村伊兵衛写真賞を受賞し、現在まで30年以上ほぼ毎年展覧会を開催してきた写真家・渡辺兼人の80年代の写真作品と、本人による初期の写真論を辿る。スクエア・フォーマットで切り取られたモノクロの風景写真には、どこで撮影されたのかを伝える情報、例えば目印となる建物や、特徴的な地形、地名を示す文字などが注意深く避けられている。また、仰角や俯角を用いることもほとんどなく、カメラはアイレベルから水平に対象に向かっている。その端正な構図からは、はっきりとした意思を持って撮られたことが伝達される一方で、その目的や動機を読み解くことは非常に困難である。そのため、シャッターが切られたというその事実だけが際だって前景化している。こうした渡辺の写真を評するのにこれまで用いられてきた「何も写っていない」という言われ方や、「不在感」に関して、実証的に論じる。

 本発表は三つの側面から渡辺作品を考察する。まず、銀座ニコン・サロンで1981年に開催された展覧会「既視の街」、それに続いてツァイト・フォト・サロンで1982年から84年まで3年連続で開催された展覧会「逆倒都市(さかさとし)」に出品された風景写真の撮影場所を、そのフレームの中の極めて少ない情報と、1970年代の航空写真を照らし合わせることで特定していく。渡辺はこれまで、自身の作品がどこで撮影されたかを明記したことはなく、場所を特定する作業は作家の意図に対して逆行することになるが、写真には必ず時間と場所が伴うものであるという信念で、50点以上の場所を探し当てた。ただそれはあくまでも場所を解き明かすこと自体に目的があるのではなく、撮影された場所が作品にとってまた作家にとってどういう意味を持つのかを明らかにしたい。次に、「既視の街」は金井美恵子によるテクストと組み合わされ発表された経緯があるため、小説としての側面にも注目する。渡辺の写真は、物語の中に描かれる主人公が見た夢の場面と連動している。新潮社版『既視の街』(1980年)のレイアウトや物語に着目し、写真とテクストがどのような関係を結び、「既視感」を構築するのかを考証する。最後に、雑誌『芸術生活』1974年3月号の特集「謎の写真家アッジェの世界」に寄せた渡辺の論考「存在の乱反射」を検証し、写真に対する渡辺の主張、構想、興味に触れる。この論考で渡辺は、蜃気楼をモチーフにした江戸川乱歩の奇怪小説『押絵と旅する男』を取り上げ、蜃気楼や双眼鏡の像といった光学現象の顕在化と、写真を潜在的に支えている光学的な構造をパラレルに捉え、写真における被写体の存在と、撮影者の立場について検討している。以上を分析することで、渡辺作品の重層的な世界に迫り、写真に内在する撮影された場所と時間が、鑑賞者によってどのように受容されるのかを探求したい。

以上
日本映像学会写真研究会
代表 前川修
〒657-0013 兵庫県神戸市灘区六甲台町1−1
神戸大学人文学研究科 前川修研究室

中部支部2017年度第3回研究会【3月5日】

日本映像学会会員各位

2017年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第3回研究会
http://jasias-chubu.org/wp/?p=616

日時:2018年03月05日(月)13:30より
会場:名古屋学芸大学 メディア造形学部棟 MCB210教室(約80席)
   (愛知県日進市岩崎町竹ノ山57)

◎スケジュール
-13:30~13:35 開催校挨拶

-13:35~14:00 研究発表:梶川瑛里 氏|「重力と落下−−『くもとちゅうりっぷ』の空間表象と運動表現」
-14:05〜14:25 研究発表:村上将城 会員|「作品『landschaft』について」

-14:45~18:20頃 学生作品プレゼンテーション
 参加校:愛知県立芸術大学/愛知淑徳大学/情報科学芸術大学院大学[IAMAS]/椙山女学園大学/名古屋学芸大学/名古屋芸術大学/名古屋造形大学/名古屋文理大学 (五十音順)
 ※学生作品プレゼンテーションの詳細は、下記URLをご確認ください
  http://jasias-chubu.org/wp/?p=616

-18:30頃より  学内にて懇親会

◎研究発表

重力と落下——『くもとちゅうりっぷ』の空間表象と運動表現
梶川瑛里氏(名古屋大学大学院 文学研究科 博士課程前期課程)

要旨:1943年に製作された日本アニメーションの金字塔と言われる『くもとちゅうりっぷ』の受容には、相反する二つの意見が見られる。一方で、戦時下の状況にも関わらずアニメーションの美的表現、詩情性を突き詰めたと称賛されるが、他方近年の研究では、そのキャラクター表象が戦時下のイデオロギーに基づいていると指摘される。いずれにしろ、このアニメーション作品の中で、空間や身体という物理的側面からどのような意味が構築されているのかという問題は軽んじられてきた。しかし、『くもとちゅうりっぷ』に見られる物理的な空間や身体は、戦前および戦時下のアニメーション文化を色濃く映し出しているのみならず、戦後日本のアニメーションにも継承される表現技法と技術を示している点で、極めて重要なものである。
本発表では、『くもとちゅうりっぷ』を題材として、そのリアリズム的表現に注目すると同時に、アニメーションにおける重力という空間表象や落下運動の分析を行う。ディズニーやジブリのアニメーション作品との比較も交えながら、『くもとちゅうりっぷ』の日本アニメーション史上における意義を空間表象と運動表現の側面から捉え直していく。

作品「landschaft」について
村上将城会員(名古屋学芸大学 映像メディア学科 専任講師)

要旨:2006年より継続して写真作品「landschaft」を制作している。風景という言葉だけでは回収することのできない、人間の視覚によってとらえられる目の前の認識像 landschaft / 景観を写真で遺し、記録していく本作品を、これまでに制作したシリーズを踏まえて解説する。

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◎会場へのアクセス
<公共交通機関でお越しの方>
 東山線「上社」駅と、鶴舞線「赤池」駅より、スクールバスが出ています。
 両駅とも、大学までの時間は15分ほどとなります。
 乗車時に、車掌に「学会での来校の旨」お伝えいただくことで、乗車できます。
 スクールバスの時刻表は下記のPDFにてご確認ください。
 https://www.nuas.ac.jp/download/2017bustimetable_spring.pdf

<お車でお越しの方>
 はじめに正門入ってすぐの「守衛室」にお寄りください。
 来客用の駐車場位置について、守衛より説明があります。
 https://goo.gl/maps/MCTeanvsB2F2

以上
日本映像学会中部支部
http://jasias-chubu.org/wp/
〒470-0196
愛知県日進市岩崎町竹の山57
名古屋学芸大学メディア造形学部映像メディア学科内