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関西支部第38回夏期映画ゼミナール2016年【9月2・3・4日】

日本映像学会関西支部第38回夏期映画ゼミナール2016年
加藤泰特集 生誕100年
主催:日本映像学会関西支部・京都府京都文化博物館
*日本映像学会研究活動助成対象研究*

9月2日(金)
  午後1:30 ~
    開会の辞
  午後1:40 ~ 午後3:10
    『風と女と旅鴉』 1958年 90分 東映京都
  午後3:30 ~ 午後4:56
    『大江戸の侠児』 1960年 86分 東映京都
  午後5:15 ~ 午後7:00
    『阿部一族』(熊谷久虎監督) 1938年 105分 東宝

9月3日(土)
  午後1:30 ~ 午後2:53
    『瞼の母』 1962年 83分 東映京都
  午後3:15 ~ 午後4:41
    『人情紙風船』(山中貞雄監督) 1937年 86分 東宝
  午後5:00 ~ 午後6:21
    『素浪人罷通る』(伊藤大輔監督) 1947年 81分 大映(京都)
※会報第175号で案内しておりました上映作品のうち9月3日(土)上映の『丹下左膳余話 百万両の壺』は都合により『人情紙風船』に変更となりました。ご了承ください。

9月4日(日)
  午前10:30 ~午後0:09
    『幕末残酷物語』 1964年 99分 東映京都
  午後1:30 ~ 午後3:10
    『緋牡丹博徒お竜参上』 1970年 100分 東映京都
  午後3:30 ~ 午後6:00
    シンポジウム
      パネリスト:山根貞男(映画批評家)
      パネリスト:井川徳道(映画美術監督)
      パネリスト:石原昭(映画美術監督)
      パネリスト:北浦寛之(日本映像学会会員、国際日本文化研究センター助教)
      司会進行:小川順子(日本映像学会会員、中部大学准教授)
  午後6:00~午後6:10
    閉会の辞

会場:京都市中京区三条高倉 京都文化博物館
TEL075(222)0888 FAX075(222)0889 http://www.bunpaku.or.jp

[ 交通機関 ] ○地下鉄「烏丸御池駅」下車、5番出口から三条通を東へ徒歩約3分
○阪急「烏丸駅」下車、16番出口から高倉通を北へ徒歩約7分
○京阪「三条駅」下車、6番出口から三条通を西へ徒歩約15分
○JR・近鉄「京都駅」から地下鉄へ
○市バス「堺町御池」下車、徒歩約2分

参加費:一般、学生ともに1日 500円(※当日券でその日限り出入り自由)
学会会員は、1階にて入場券(500円)をお買い求めの上、3階フィルムシアター へお越しください。

問合せ先:〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内 日本映像学会関西支部事務局(遠藤・大橋)宛
TEL 0721(93)3781 内線:3327  FAX 0721(93)6396
Mail : eizou@osaka-geidai.ac.jp

参加希望の日本映像学会会員は8月31日までに予め 関西支部事務局 へメールか電話連絡をください。

以上

( PDF版チラシはこちらからダウンロードしてお使いください。)

第41回映画文献資料研究会【8月23日】

第41回映画文献資料研究会のお知らせ

日本映像学会映画文献資料研究会では下記のように研究例会として映画の上映会を開催いたします。会員の皆様のご参加をお待ちしています。

上映映画:極東キネマ作品『忍術戸隠八剣士』(1937年 山口哲平監督 雲井龍之介主演 58分)
上映後、忍術映画研究家マンス・トンプソン氏によるアフター・トークを予定しています。

日 時:2016年8月23日(火)13時~15時
会 場:東京国立近代美術館フィルムセンター 試写室
   (東京都中央区京橋3丁目7−6)
※会場の都合で、今回は事前申込制で、先着20名限定となっております。20名になり次第締め切らせて頂きます。参加をご希望の会員は下記メール・アドレスにお申し込み下さい。
申込先:kant515@rapid.ocn.ne.jp(本企画担当:田島良一)

以上

日本映像学会映画文献資料研究会
代表 西村安弘
〒164-8678
東京都中野区本町2-9-5
東京工芸大学芸術学部映像学科内

第10回クロスメディア研究会【8月23日】

第10回クロスメディア研究会開催のお知らせ

 第10回クロスメディア研究会の研究発表を下記のごとく開催します。今回は開催10回目を記念いたしまして韓国、ソウルでの開催になります。韓国の会員も多数参加予定です。発表者の募集も行っておりますのでご希望の会員は研究会代表へご連絡ください。

開催日時:2016年8月23日(火)10:00-18:00
開催場所:崇実大学校 韓国ソウル Soongsil University、文化館111号室 AHA創意センター     
369 Sang-doro, Dongjak-gu, Seoul, 大韓民国
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B4%87%E5%AE%9F%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%A0%A1
Soongsil University   http://eng.ssu.ac.kr/web/eng/home
アクセスマップ http://eng.ssu.ac.kr/web/eng/intro_f_02_02
キャンパスマップ
http://www.ssu.ac.kr/html/themes/kor/html/campusmap/campusmap.jsp

以下研究発表の発表確定者の概要です。

基調講演:波多野哲朗会員「21世紀、映像文化の行方(仮題)」

発表者:牛田あや美(京都造形芸術大学、会員)
「子ども雑誌にみる戦前の外地の表象」
 現在、「戦時下の漫画に描かれた戦地及び植民地の表象研究」を行っている。
今回の発表では、戦時下の子ども雑誌に掲載された「朝鮮」の表象をみる。ジャパン・ツーリスト・ビューロー(現JTB)が戦前・戦中において植民地への観光旅行を推奨し、本として出版もしている。戦前・戦中と政府の役人や資産家などは、外地へと旅行へ行き、大衆は職を求め、植民地下の朝鮮・中国・台湾などへ渡った。そのような状況下のもと、需要する読者であった子ども雑誌を中心に発表していく。

発表者:Lim Kyungran (School of Architecture, Soongsil university,ゲスト)
Discussion on Synesthesia Education for Creativity Thinking
 The meaning of ‘synesthesia’ activity is analyzed in terms of brain science, aesthetics and convergence education on the premise that various sense activities are associated with enhancement of convergent creativity. The education for brain activation is discussed through the ‘synesthesia’ instruction, and the synesthesia expressions and experiences which induce transference and communication of senses by the convergence of multi- senses are also discussed. The education program to which the synesthesia is applied should be developed in creativity education for the future talent education. This study intends to discuss case analysis and direction of the education program to which synesthesia experiences, thoughts and expressions for the creative convergence education are applied.

問い合わせ先
日本映像学会クロスメディア研究会
代表 李容旭
e-mail:lee@img.t-kougei.ac.jp
〒164-8678
東京都中野区本町2-9-5
東京工芸大学芸術学部映像学科内

ショートフィルム研究会主催「個人制作アニメーションの伝播と受容1」【7月24日】

ショートフィルム研究会第16回活動
地域における短編アニメーション制作研究講演
「個人制作アニメーションの伝播と受容1」開催のお知らせ

期日 2016年7月24日(日)15:00-17:00(予定)
会場 シアターカフェ(名古屋市中区大須二丁目32-24 マエノビル2階)
参加費 無料(会場での飲料注文は500円)
定員 20名
企画 森下豊美
主催・運営 日本映像学会ショートフィルム研究会

主旨 1960年に草月アートセンターで始まった作家による個人制作アニメーションの上映会は東京だけに留まらず、国内主要都市でも開催され、そのムーブメントは全国に広がった。当時の作品の上映と共に、当時アニメーション上映に携わった森卓也氏をゲストに名古屋での受容を検証する。
目的 個人制作の短編アニメーション制作者は美術系大学を中心に多くいるが、その歴史や系譜は知られていない。その源流を、当事者をゲストに周知する。

参考上映作品
「白い祭り」(7分/1964年)監督:宇野亜喜良
「セメダイン・ボンドと G17 号」(1979 年)監督:はらひろし

ゲスト 森卓也氏(評論家)
1933年 愛知県一宮市生まれ
1953年 南山大学中退
1956~1979年 尾西市役所勤務
著書:
1966年「アニメーション入門」(美術出版社)
1978年「アニメーションのギャグ世界」(奇想天外社)
1987年「シネマ博物誌」(平凡社)
1989年「アラウンド・ザ・ムービー」(平凡社)
1998年「映画 この話したっけ」(ワイズ出版)
2001年「映画 そして落語」(ワイズ出版)
2009年「定本 アニメーションのギャグ世界」(アスペクト)
2016年「森卓也のコラム・クロニクル⒈979-2009」(トランスビュー)
1966年~2002年 毎日映画コンクール選考委員(大藤賞、アニメーション映画賞)
キネマ旬報、中日新聞等に寄稿
「大百科事典」(平凡社)、「日本大百科全書」(小学館)、「20世紀アメリカ映画辞典」(カタログハウス)等に執筆。

以上
日本映像学会ショートフィルム研究会
代表 林緑子
〒460-0011
愛知県名古屋市中区大須二丁目32-24
マエノビル2階
シアターカフェ 内

第40回映画文献資料研究会【7月16日】

第40回映画文献資料研究会のお知らせ

日本映像学会映画文献資料研究会では、下記のように研究例会を開催いたします。会員の皆様のご参加をお待ちしています。

「山本喜久男著『日本映画におけるテクスト連関 映画史研究』出版について」

日本における比較映画史研究の泰斗・山本喜久男氏がこの世を去って16 年目の今年、氏の遺稿集『日本映画におけるテクスト連関 比較映画史研究』がようやく刊行されました。本書は、逝去の直前まで書き綴られてきた未刊行の論文を集成したもので、文部大臣賞受賞の先行書『日本における外国映画の影響 比較映画史研究』(1983)の続編ともいうべき性格をもつ、日本映画研究上の重要な著作といえるでしょう。しかし遺稿集の出版化作業では、予期せぬさまざまな問題が起こるのが通例です。今回は、論文の整理に携わった編集者という立場から本書完成までの経緯や具体的作業について発表します。

日 時:2016 年7 月16 日(土)15:00 ~ 17:00
会 場:東京工芸大学芸術学部1号館1101教室
    東京都中野区本町2-9-5
発表者:奥村賢会員(いわき明星大学教授)
    佐崎順昭会員(東京国立近代美術館フィルムセンター)
参加費:無料(例会の後に、有志による懇談会を予定しています。)
主 催:日本映像学会文献資料研究会(代表:西村安弘)
問合先:nishimur@img.t-kougei.ac.jp
※ご来場の際は、1 号館入り口の警備室で、入場証をお受け取り下さい。

以上
日本映像学会映画文献資料研究会
代表 西村安弘
〒164-8678
東京都中野区本町2-9-5
東京工芸大学芸術学部映像学科内

2016年度第1回(第14回)映像テクスト分析研究会【7月23日】

******************************
日本映像学会 映像テクスト分析研究会
2016年度第1回(通算第14回)研究発表会 開催のお知らせ
******************************
  
日本映像学会会員各位
   
映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。
今回は、待望の大著『溝口健二論――映画の美学と政治学』(法政大学出版局)
を上梓された木下千花会員をゲスト講師にお招きします。
「『溝口健二論』補遺―方法論としての「自由間接話法」と『噂の女』―」
と題して講演をしていただき、質疑応答と全体討論を行います。
会員のみなさまのご来場をお待ちしています。
  
日本映像学会映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之
  
■日時===========================
2016年7月23日(土曜日)13時開始~17時30分終了(予定)
13時~14時30分 参考作品上映
14時40分~17時30分 講演、質疑応答、全体討論(途中休憩あり)
   
■会場===========================
立教大学 新座キャンパス 6号館3階N636教室
〒352-8558 埼玉県新座市北野1-2-26
最寄り駅:東武東上線「志木駅」、JR武蔵野線「新座駅」
交通アクセスマップ
http://www.rikkyo.ac.jp/access/niiza/direction/
キャンパスマップ
http://www.rikkyo.ac.jp/access/niiza/campusmap/
*6号館は上記キャンパスマップで左(野球場の右)にあります。
   
■発表者==========================
発表者:木下千花(京都大学)
 
■表題・概要===============================
表題:『溝口健二論』補遺―方法論としての「自由間接話法」と『噂の女』―

概要:『溝口健二論』は、1930年から没年の1956年までの溝口の映画作品を演劇や文学、絵画など他メディアおよび女性の身体性との関係において捉えることで、この監督の映画的言説を記述・分析する新たな方法を模索した。溝口にとって音響は、映画に当然あってしかるべき要素ではなく「映画=サイレント映画」に加えられた他ミディアムであった。この認識から、1930年から数年間に亘るトーキーとの格闘の結果として長回しや縦の構図が立ち上がってくる過程を間メディア的実践とみなし、映画史と深く切り結ぶことが可能になった。さらに、内務省と占領軍による検閲の痕跡を映画テクスト上につぶさに跡づけ、ミディアムの自己同一性を担保しつつ統御する装置としての検閲との折衝において、国民国家の情動的な核であるジェンダーとセクシュアリティの問題が掛金となっていたことを明らかにした。フェミニズムと女性嫌い(ミソジニー)の並存を溝口の映画に見出す同書が試みたのは、女性の身体と主観=主体性を異物として横領する映画的言説として提示することである。
 ここでは、まず『溝口健二論』を「自由間接話法」を軸として整理することで、映画における語り(説話)、視線、「感情移入」、キャラクター概念などをめぐる議論との接続を図る。続いて、同書では本格的に論じることのできなかった『噂の女』(1954年、大映京都)をこの視座から分析し、映画史、歴史研究、映画理論、テクスト分析を結びつける方法論とその成果について、会場での討議の契機としたい。

******************************
お問合せ先:
日本映像学会東部支部 映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之
〒352-8558 埼玉県新座市北野1-2-26
立教大学現代心理学部映像身体学科
e-mail:hideyukin(a)rikkyo.ac.jp
mobile: ○8○-3770-5972

会報第175号を発行しました。

会報第175号(2016年7月1日)を発行しました。
以下のPDFよりお読みください。

JASIAS_NewsLetter175
会報第175号

PDFがウィンドウに表示されない(画面が真っ白や真っ黒等)ときは、
ウィンドウ右下端のサイズ調節をマウスで動かして調節してみてください。
ウィンドウの幅のサイズが会報の幅のサイズより大きいときなどに、
PDF表示画面が出ずに真っ白や真っ黒の画面になることがあります。
また、文字が一部しか表示されないときは、URL表示のそばにあるリロードボタンをクリックしてみてください。

第14回ヴィデオアート研究会【6月24日】

ヴィデオアート研究会 第14回研究会(6月24日)開催のお知らせ
日時:2016年6月24日(金)19:00-21:00
会場:co-lab渋谷アトリエ2F 会議室3
http://co-lab.jp/locations/shibuya-atelier/access_shibuya-atelier
(当日は入り口の鍵が施錠されております、お手数ですが遅れていらっしゃる方は下記連絡先の瀧にご連絡ください)

内容:ウルスラ・フローネ「フレームの消失:ヴィデオ・インスタレーションにおける没入と参加」講読
Ursula Frohne “Dissolution of the frame: Immersion and participation in video installation”

これまでマウリツィオ・ラツァラートやゲリラ・テレヴィジョンの回でも使用した “Art and the Moving Image: A Critical Reader”(Tate publishing, 2008年)から上記ウルスラ・フローネの論考の講読を行います。ダグ・エイケン、スティーヴ・マックィーン、ダグラス・ゴードン、ジャネット・カーディフ他90年代以降、現代美術に多く見られるようになったヴィデオ・インスタレーションを、フィルム映画や身体パフォーマンス、空間などの関係から位置づける論考です。

本研究会は、ヴィデオアートのアカデミックな研究と、制作や展示現場のフィー ルドワークを交互に行なう方針で発足されました。今回は未訳の文献から研究を進めてゆきたいと考えております。

(*会場座席数20席となります。参加希望の方は、事前資料なども御座いますの で下記連絡先、瀧までご連絡頂ければ幸いです。)

予定パネリスト:瀧 健太郎 (ビデオアートセンター東京・学会員)
進行:河合政之(東京造形大学・東北芸術工科大学非常勤講師・学会員)

お問合せ: 日本映像学会 ヴィデオアート研究会
代表 瀧健太郎
e-mail:taki.kentarou@ebony.plala.or.jp
ビデオアートセンター東京
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町42-6 co-lab 渋谷アトリエ内
tel ○8○- 4355-1721

藝術学関連学会連合第11回公開シンポジウム「ニュースを創り出すアートの力」【6月11日】

藝術学関連学会連合
第11回公開シンポジウム「ニュースを創り出すアートの力」開催のお知らせ

日時:2016年6月11日(土) 13:30-18:00(13:00開場)
会場:早稲田大学 戸山キャンパス 382教室(36号館3階/収容人員250名)
   (東京都新宿区戸山1-24-1)
入場無料/申し込み不要
http://geiren.org/news/2016/20160611.html

オーガナイザー
藤澤 茜(国際浮世絵学会・学習院大学)
武田 潔(日本映像学会・早稲田大学)

 芸術的な表現がどのようになされ、受容されてきたのか、という問題については、これまでにも様々な場で解釈がなされてきた。作品表現の中には、作り手や表現者の意思、個性以外にも多くの要素が含まれ、背景にある社会通念や社会情勢、政治的なメッセージ、同時代の流行などを読み解くことは作品を理解するための重要な作業となる。情報を伝達する「ニュース性」を持った作品は、絵画、写真、映像、音楽、演劇などにも数多くみられるものであり、こうした作品が生み出された状況や文化的環境に与えた影響について、多角的に検討することには大きな意義があると思われる。
 「ニュース性」をキーワードにすえると、様々な問題が浮かび上がってくるだろう。その作品が果たしたメディアとしての役割を明らかにすることも重要であり、その過 程で加わり得る人為的な操作を検証する必要も生じる。また時には、ニュース性を帯びるが故に、独特な表現が生まれる場合もある。例えば、幕府の出版統制を受け、浮世絵版画では規制の対象となり得る内容を描く場合に、別のものに置き換える作業を経てカモフラージュし、重層的にニュースを伝える。あるいは、報道写真についても、被写体や構図や撮影する瞬間の選択から、時に加えられる演出やキャプションの言葉に至るまで、伝えることと創ることにまつわる幾多の要因が介在する。
 客観的な事実の報道にとどまらず、一つの「作品」としてニュースが創出され、そこから新たな流行や世界観が生み出されることがある。こうした大きな流れを生み出すアートの力について、政治的な観点、あるいは戦争や災害等に特化するのではなく、ファッションや最新文化などの情報伝達にも積極的に目を向け、各方面から検討したい。

【プログラム】

開会の辞 (13:30-13:45)
挨拶 礒山 雅(藝術学関連学会連合 会長)
趣旨説明 藤澤 茜(国際浮世絵学会・学習院大学)
司会 武田 潔(日本映像学会・早稲田大学)

報告 (13:45-16:15)

「ニュースになった江戸文化 ―浮世絵が創る「時代の顔」―」
藤澤 紫(国際浮世絵学会・國學院大學)
 新興都市・江戸のメディアとして開花し、国内外を問わず今も多くの愛好者を有する浮世絵。とりわけ錦絵に代表される木版画は、庶民層の娯楽品のみならず、貴重な情報源として受容された。そこに選択された様々な主題は、まさに江戸庶民が求めた「ニュース」そのものと言える。今回は、「評判娘」、「死絵」、「鯰絵」の3点から、江戸の出版文化におけるビジュアル・イメージの役割を考える。

「語りの変遷 ―作られる白虎隊イメージ―」
川延 安直(東北芸術文化学会・福島県立博物館)
 戊辰戦争末期、敗走の末、飯盛山山腹から煙に包まれる城を見て絶望し、命を絶つ。このような白虎隊を巡る言説はどのように成立したのか。報道、伝聞、絵画化された資料が言説を作りあげていく。その過程について報告する。

「藤田嗣治《アッツ島玉砕》(1943)と「玉砕」の誕生」
長田 謙一(美術科教育学会・名古屋芸術大学)
 1943年5月29日、米軍に追い詰められた日本軍アッツ島守備隊は、最後の決死攻撃を挙行し全員戦死を遂げたとされた。大本営はそれを初めて「玉砕」と呼び大々的に報じたが、それを伝える画像はあろうはずもなかった。同年9月1日に発表された藤田嗣治《アッツ島玉砕》こそは、「一億国民の身体」に響くイメージ「玉砕」の誕生をつげるものとなった。

「見えるものは真か偽か」
小松 弘(日本映像学会・早稲田大学)
 例えば裁判における証拠能力という観点から見て、「映像」は一般的に視覚的に真実を表象していると考えられている。だが一方で、コンピュータによる映像技術の発展はSFX技術を駆使した最近の映画が作り出しているような視覚的真実からの隔たりを実現しているという意味で、偽(=似せ)を表象していることは一般的に明らかである。こうした映像の視覚的両義性を映画史の始まりを事例として説明しようと試みるのが本発表である。

(休憩10分)

「政吉ヴァイオリンがニュースになるとき」
井上 さつき(日本音楽学会・愛知県立芸術大学)
 発表者が鈴木ヴァイオリンの創業者である名古屋の鈴木政吉(1859‐1944)に関する調査研究を行う過程で、何がニュースとなり、その結果どのような展開が生じたか、その実例を紹介し、ニュース性と音楽学研究との関係について考える。

「音による出来事の表現の展開 ―録音コンテストの記録から―」
金子 智太郎(美学会・東京工芸大学)
 日本では60年代から70年代にかけて、録音装置が一般に普及していくなかで、いくつもの録音コンテストが開催された。本発表はこうしたコンテストの記録にもとづいて、音による出来事の表現が移り変わっていく経緯をたどる。

「萌芽的文化とアート概念の拡張 ―神戸ビエンナーレ、10年の試み―」
大森 正夫(意匠学会・京都嵯峨芸術大学)
 地域での芸術文化力による震災復興と、既存のアート概念の拡張をめざした「神戸ビエンナーレ」。ポピュラーカルチャーに不可欠な先取性と多様性に着目したコンペティションと展示作品の「ニュース性」について報告する。

討議 (16:30-17:50)

閉会の辞 (17:50-18:00)
挨拶 山﨑 稔惠(藝術学関連学会連合 副会長)

以上
日本映像学会
〒176-8525
東京都練馬区旭丘2-42-1
日本大学芸術学部内
e-mail:JASIAS@nihon-u.ac.jp

アナログメディア研究会「実験映画・実験アニメーション 35mm film特別上映プログラム」【5月29日】

アナログメディア研究会
実験映画、実験アニメーション35mm filmで上映
日本映像学会第42回大会@日本映画大学での企画です。

少数ながら三十五ミリフィルムで作られた、実験的な映画がありました。カンヌ国際映画祭やロッテルダム国際映画祭などで上映または受賞し、高い評価を得た作品を、三十五ミリフィルムで上映する希少な機会です。

日時:5月29日(日曜日)15時30分~16時40分
会場:日本映画大学白山キャンパス H202教室
(川崎市麻生区白山2-1-1)

主催:日本映像学会アナログメディア研究会
https://www.facebook.com/analogmedia
日本映像学会第42回大会についてはホームページでご確認下さい。
https://jasias.jp/conference/news_conf/2016main

上映作品 
『浮世物語』アラン・エスカル 24分
『FRONTIER』宮崎淳 23分
『3つの雲』辻直之 13分
合計60分
上映後に作家、関係者のトークあり

■浮世物語(Le conte du monde flottant)
35mm/カラー/ドルビーSRD/24分/1:1.85/2001年/フランス・日本
監督・脚本・ヴィジュアル・エフェクト:アラン・エスカル
撮影・照明:浜口文幸
出演:大橋可也、小林良也、中村優子、鈴木卓爾、中原和宏、他
プロデューサー:木部直之、水由 章
制作会社:MISTRAL FILM (フランス)
配給:ミストラルジャパン

受賞・上映歴
IMAGINA2002/グランプリ(モナコ)
クレモンフェラン国際短編映画祭2002/最優秀音楽賞(フランス)モントリオール・国際ヌーヴォシネマ&メディア・フェスティバル2001/デジタル映像大賞(カナダ)ロカルノ・ビデオ・フェスティバル2001/ヨーロッパ理事賞(イタリア)デジタルコンテンツ・グランプリ2001/NICOGRAPH CG賞&アート部門映像賞(日本)アヌシー国際アニメーション映画祭/メルボルン国際映画祭/サンダンス国際映画祭/ロッテルダム国際映画祭/広島国際アニメーション映画祭 他

解説
『浮世物語』は、1945年の広島、室町、平安という日本の三つの時代を交錯しながら、まるでキャンバスに画を描くように、1フレームごと映像を制作し続けた壮大な夢物語。構想・制作期間に5年、合成・編集に1年半(延べ2,000時間)を要した、グラフィカルな映像の数々。現実の世界と幻想の世界が入り交じるデジタル映像絵巻。

アラン・エスカル(ALAIN ESCALLE)
1967年南仏生まれ。’91年よりテクノロジーを駆使しながらスペシャル・エフェクト・アーティストとして活動する。映像をグラフィックとヴィジュアルの両面から探求したアラン独特の映像センスは、ピーター・グリーナウェイ監督や著名なCMディレクターとのコラボレーションも多い。『浮世物語』以降はルイ・ヴィトン、ランコムなど仏大手企業のCMを監督する一方、『THE BOOK OF DEAD』(2013)、『DA VINCI PROJECT』(2014)などの監督作品は、国際映画祭で多数上映されている。

■FRONTIER
35mm/モノクロ/モノラルサウンド/23分/1:1.33/2003年/日本
製作・監督・撮影・編集:宮崎淳 音楽:Four Color 協力:佐々木雅之

受賞歴
2004年、第57回カンヌ国際映画祭監督週間にて「Regards Jeunes(若い視点)」賞を受賞。
※この作品は、文化庁「日本映画海外映画祭等出品支援事業」に基づいて財団法人日本映画海外普及協会(ユニジャパン)が実施する「日本映画海外展開助成」を受けてカンヌ国際映画祭に出品されました。

解説
ストーリーを持たず、人物を追う事もなく、ただ団地の風景を映し出した映画。
風景だけを映し出す事で、どれだけ人を惹きつけ、強い印象の映画を作り出す事が出来るかを試みた作品である。

宮崎 淳(みやざきじゅん)
1965年生まれ。1988年、東京造形大学卒業。映像作家。
大学の卒業制作「Ring Android」がイメージフォーラム・フェスティバル(IFF)’88で大賞を受賞。1990年に制作した「真空氷」IFF’91でエクスペンタル・イマジネーション賞を受賞。ミュージック・ビデオクリップやTVCM等の監督/撮影/編集を経験した後、科学番組や企業VP、博物館等の大型映像の脚本/監督を手がける。
日本映像学会アナログメディア研究会 会員

■3つの雲
35mm/モノクロ/モノラルサウンド/13分/1:1.33/2005年/日本
監督・脚本・アニメーション:辻直之 音楽:高梨麻紀子

上映歴
カンヌ映画祭監督週間2005年/Media Scope An Evening with Naoyuki Tsuji MoMA 2007年(アメリカ)/AURORA国際映画祭2007年(イギリス、Norwich)

解説
3本の短いアニメ集。
1「呼吸する雲」
人間が、水蒸気のような気体だったら。人間が、皮膚によって区切られない浮遊する魂だったら。
2「雲を見ていたら」
主人公の男子生徒はノートに雲の絵をスケッチしていた。彼が描いていた雲に目が現れ、窓の外から睨みつけてきた。ノートに描かれた雲の絵が飛び出して、鼻から体の中に入り込む…。
3「雲から」
人々は柔らかい雲の上でひっそり静かに暮らしている。人々がうたたねをしている時に遠くでベルが鳴る。人々はそれを合図に、身支度をし下界に降りて行く…。
35mm版制作助成ユニジャパン

辻直之(つじ なおゆき)
実験アニメーター。1972年 静岡県静岡市生まれ1995年 東京造形大学彫刻専攻卒業。専門学校等での教員の仕事の傍ら、木炭で描くアニメーションフィルムを制作している。作品は、国内外の映画祭、美術館、ギャラリーなどでの展覧会に参加している。チラシや、イラストの仕事をすることもある。

以上
日本映像学会アナログメディア研究会
代表 西村智弘
〒166-0011 東京都杉並区梅里1-3-3
阿佐ヶ谷美術専門学校(担当:末岡一郎)