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2014年度第2回(第11回)映像テクスト分析研究会【6月21日】

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日本映像学会 映像テクスト分析研究会 
2014年度第2回(11回)研究発表会 開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位
  
映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。
今回はヒッチコックの『ロープ』(1948)に関する発表2本です。
みなさまのご参加をお待ちしています。
  
日本映像学会映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之
   
■日時===========================================
2014年6月21日(土曜日)15:00開始~18:30(終了予定)
  
■会場===========================================
成城大学3号館1階312教室
(小田急線「成城学園前」駅北口より徒歩5分)
〒157-8511東京都世田谷区成城6-1-20
交通案内 http://www.seijo.ac.jp/access/index.html
  
■発表者・表題===============================
小河原あや(成城大学)
「ヒッチコック『ロープ』における長廻し移動撮影、映画空間、
精神の遍歴——バザン対ロメール&シャブロルの議論を再読する」 
木村建哉(成城大学)
「神を演じる「同性愛者/全体主義者≒共産主義者」:
(対抗)アンチ・クリスト映画としてのヒッチコック『ロープ』」
  
■発表要旨
小河原あや(成城大学)
「ヒッチコック『ロープ』における長廻し移動撮影、映画空間、
精神の遍歴——バザン対ロメール&シャブロルの議論を再読する」
ヒッチコックの『ロープ』は一本の映画全体を、基本的にカメラ移動と長廻しで撮影し、目立たないように8回のカットつなぎを入れて作られた作品である。この長廻しについて、アンドレ・バザンは古典的な切り返しの連続に過ぎないと批判した(“Panoramique sur Hitchcock”, 1950)。しかしバザンに反対したエリック・ロメールとクロード・シャブロルは、バザンが評価したウェルズらのディープ・フォーカスこそは、古典的な切り返しと同様に物語上重要な事物を観客が順に観ていく空間に過ぎないのであり、『ロープ』において新しいのは「時空間における連続性の感覚」なのだと論じた(Hitchcock, 1957)。これらの議論を再読しつつ、本発表は、『ロープ』の中で①一つの部屋から別の部屋へと主人公達が移動するところ、②切り返しに準じる仕方で諸事物・顔が映しだされて行くところ、③長廻しの中で実は「視線つなぎ」が為されているところ、の三つの映像表現を中心に分析する。それによって、長廻し移動撮影で構築される空間全体と、その中に生きる人物の精神とがいかに共鳴して示されているか、ひいては時空間の連続性が現実主義、サスペンス、そして主人公達の精神の遍歴といかに一体であるかを考察するのが、目的である。
 そこからさらに本発表は、1.バザンの議論が諸持物の均質的な存在という外面・身体性に焦点を当てているのに対して、ロメールとシャブロルは身体的存在の向こうに浮かび上がる精神の在り方を重視していること、2.バザンはそのような存在を論じる時に、基本的にフレーム構成を変えぬ一ショット内の空間を見ているのに対して、ロメールとシャブロルは存在と、フレームを変えていく空間との関係を問題にしていることに注目して、「映画とは何か」を空間の観点から問う。

木村建哉(成城大学)
「神を演じる「同性愛者/全体主義者≒共産主義者」:
(対抗)アンチ・クリスト映画としてのヒッチコック『ロープ』」
ヒッチコック『ロープ』(1948年)においては、既に多くの論者(e.g. ロメール&シャブロル、ドナルド・スポトー)が指摘しているように、ブランドン(ジョン・ドール)とフィリップ(ファーリー・グレンジャー)という二人の若い殺人者達が同性愛関係にあることは、プロダクション・コードを憚って暗示されるに止まっているにはせよ、かなり明瞭に見て取ることが出来る。
 これに加えて、発表者は、彼ら二人が、神を恐れず、自らが神に成り代わろうとする(神を演ずる)「全体主義者≒共産主義者」として表象されていることを明らかにする。
 発表者は更に、ヒッチコックが観客を感情移入へと導くのは、探偵役のルパート・カデル(ジェームズ・スチュアート)に対してではなく、殺人者二人に対してであること(言い換えれば、主人公はルパートではなく、彼ら二人であること)、又、殺人の罪責は本来ルパートにあり、殺人者二人にはないこと(主人公ではないにもかかわらず、映画の中心はルパートであり、言い添えればもう一人のある人物であること)が映画において示されていることを明らかにする。
 こうした分析を通じて、『ロープ』が、単に犯罪が露見して犯罪者達が処罰されることになる映画ではなく、むしろ反キリスト者(アンチ・クリスト)であることの不可避性(神を信じることの不可能性)と、にもかかわらず最終的にはアンチ・クリストであることの不可能性(神を信じずにいることの不可能性)とをともに描いた、(対抗)アンチ・クリスト映画であることが判明するであろう。

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お問合せ先:
日本映像学会 映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之
〒352-8558 埼玉県新座市北野1-2-26
立教大学現代心理学部映像身体学科
e-mail:hideyukin■rikkyo.ac.jp(■を@に変えて下さい)


報告:会報第168号(2014年10月1日)43頁

日本映像学会第40回大会(沖縄県立芸術大学)のご案内【6月7・8・9日】

日本映像学会第40回大会は沖縄県立芸術大学を主催校として、6月7・8・9日に開催されます。
詳しくは第3通信PDF
https://jasias.jp/wp-content/uploads/2014/05/JASIAS40_3rdInfo.pdf
をご覧ください。

なお、今後の最新情報は、大会実行委員会ホームページ
http://jasias-okinawa4.webnode.jp/
をご参照ください。

第5回ヴィデオアート研究会【5月24日】

第5回ヴィデオアート研究会(5月24日)開催のお知らせ

日時:2014年5月24日(土)13:00-16:00

会場:co-lab渋谷アトリエ2F 会議室3
http://co-lab.jp/locations/shibuya-atelier/access_shibuya-atelier
(当日は入り口の鍵が施錠されております、お手数ですが遅れていらっしゃる方は下記瀧にご連絡ください)

内容:イヴォンヌ・シュピールマン「マトリクス現象」「ヴァスルカの習作」
(『ヴィデオ 再帰的メディア』から)におけるヴィデオアート研究の分析

本研究会は、ヴィデオアートのアカデミックな研究と、制作や展示現場のフィールドワークを交互に行なう方針で発足されました。第三回でおこなった イヴォンヌ・シュピールマンの『ヴィデオ』から、技術的知識がないと比較的難解とされる部分の読解を行なうこととなりました。またアコンチ研究の際に見れなかった、デニス・オッペンハイムの作品の紹介も行なう予定です。

参加者は事前に資料をお渡しいたしますので、下記連絡先、瀧までご連絡ください。

予定出席者

パネリスト:
「マトリクス現象」(『ヴィデオ 再帰的メディアの美学』p.107-110)箇所について
河合 政之氏(東京造形大学・東北芸術工科大学非常勤講師)

「ヴァスルカの習作」(『ヴィデオ 再帰的メディアの美学』p.110-114)箇所について
角尾 宣信氏(東京大学大学院総合文化研究科表象文化論 博士課程)

進行:瀧 健太郎 会員(ビデオアートセンター東京代表)

お問合せ:
日本映像学会ヴィデオアート研究会
代表 瀧健太郎
e-mail:taki.kentarou@ebony.plala.or.jp
ビデオアートセンター東京
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町42-6 co-lab 渋谷アトリエ内
tel:○8○-4355-1721


報告:会報第167号(2014年7月1日)7頁

関西支部第72回研究会【5月10日】

日本映像学会関西支部第72回研究会(5月10日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第72回研究会を開催いたします。

日時:平成26年5月10日(土) 午後2時より
会場:神戸芸術工科大学 3号棟クリエイティブセンター2F (3204教室)

研究発表1:スクリーンの拡大とその余波 ―ワイドスクリーン映画の導入にともなう撮影様式の変化について
発表者:北浦寛之会員(国際日本文化研究センター)
要旨:日本の映画産業がライバルの新興映像産業であるテレビ産業の勃興に対して採った最大の技術的対策が、1957年より始まったワイドスクリーン映画の製作である。アメリカではすでに1953年に20世紀FOX社が、シネマスコープというワイドスクリーンの規格を公開し、日本でも、その技術を応用した東映スコープや東宝スコープといったスコープ映画が普及を見る。スコープ映画は従来の縦横比1:1.37だったスクリーンが、アナモフィック・レンズという特殊なレンズの効果で、縦横比1:2.35とおよそ1.7倍横に拡大したものであり、小さなテレビ画面では不可能な映像的興奮を観客に提供することで人気を獲得していった。
 しかしながら、こうしてテレビ産業との攻防の余波から誕生したスコープ映画は、映画製作においては大きく二つの問題を産み落としてしまう。第一に、構図の問題。従来のスクリーンでの仕事に慣れ親しんだ製作者の中には、スクリーンの拡大で、構図の取り方に戸惑いを覚える者がいた。第二に、奥行きの生成について。キャメラに装着されたアナモフィック・レンズの影響で、パン・フォーカスが困難になってしまったのだ。こうした問題に、映画製作者はどう挑んでいったのか。本発表では、ワイドスクリーン(スコープ映画)の導入により沸き起こった問題を踏まえながら、それにいかに製作者が対応し、新たな撮影スタイルを確立していったのかを考察していく。

研究発表2:「回遊する思考:山口勝弘展」からみる創造的行為について
発表者:八尾里絵子会員(甲南女子大学メディア表現学科)
要旨:本報告は、2013年10月に神戸芸術工科大学で開催した「回遊する思考:山口勝弘展」を軸に、山口勝弘の「今」について言及する。
 メディアアートのパイオニアである山口は、言わずと知れた前衛芸術家集団「実験工房」のメンバーの一人である。実験工房はここ数年、世界各地で再評価がなされており、回顧展の開催数も目立っている。しかしここでは、50年代から90年代の第一線で活躍した山口の姿ではなく、21世紀における現在進行形の表現活動に着目する。
 2001年、山口は突然脳卒中で倒れ、その後は不自由な身体となったにも関わらず、創作行為とその発表への意欲が滞ることはない。我々(*)は、2010年の山口からの一通の手紙をきっかけに、彼から直接依頼を受け作品制作に携わってきている。その共同作業を進める中で、山口の作品制作の初期段階における想像力とそれを展開するスピードの速さや、スケールの大きなモチーフ選びが極めて独創的である事に気付く。そしてこれこそが、山口の創造的行為の根源であると考え、それを展覧会の名称である「回遊する思考」と呼ぶことにした。
 この、創造のプロセスと新作を含む近年の作品群の表現傾向を互いにリンクさせながら、あえて近視眼的なアプローチからの分析を試みる。そして、実験工房時代の飽くなき探究心を85歳となった今もなお抱き続けるアーティストの実像に迫る。
(*)本研究は、JSPS科研費23520195による共同研究である。

会場:神戸芸術工科大学 3号棟クリエイティブセンター2F (3204教室)
兵庫県神戸市西区学園西町8-1-1
神戸市営地下鉄「学園都市」駅下車南に向かい徒歩五分 大学正門スロープを登り、守衛室を左に見てロータリーを横切り10段程の階段を上り左前方オレンジの壁のある建物(3号棟)
http://www.kobe-du.ac.jp/about/access/

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)


報告:会報第167号(2014年7月1日)4頁-5頁

2014年度第1回(第19回)映像理論研究会【5月17日】

2014年度第1回(第19回)映像理論研究会の御案内

 2014年度第1回(第19回)映像理論研究会を下記の要領で開催します。約6年振りの開催となります。皆様の御来聴をお待ちしております。

日時:5月17日(土)15:00-18:30
場所:成城大学7号館722教室
※733教室から722教室へ変更されました。
(小田急線「成城学園前」駅北口より徒歩5分)

〒157-8511東京都世田谷区成城6-1-20
交通案内 http://www.seijo.ac.jp/access/index.html

発表者及び論題
木下耕介(群馬県立女子大学)「映像の人称を再考する――FPS、GoPro、ファウンド・フッテージ、そして『湖中の女』――」
中村秀之(立教大学)「ドゥルーズは『シネマ』で何をやったのか――映画的思考の思惟学(ノオロジー)について――」

発表要旨

木下耕介「映像の人称を再考する――FPS、GoPro、ファウンド・フッテージ、そして『湖中の女』――」
 映像の人称の問題は複雑である。例えばブルース・カウィンはかつて自著において、ベルイマンやゴダール、レネ、ウェルズ、黒澤らの作品―アメリカ映画研究ではしばしば〈芸術映画(art film)〉と分類されるもの―を対象にこの問題に取り組んだが、その結論は些かあいまいだった。彼は視覚的ないし光学的問題(POVショットであるかなしかといった問題)と物語情報の分類の問題(誰かの主観的想像・思考の内容なのか、それとも物語世界内の客観的出来事なのか)との関係を追求せず(ジャン・ミトリもこの問題を混同した)、ただ後者に関しては、登場人物ないし映画作家の心中の想像や思考を表す映像として「心中の光景(mindscreen)」という語を提案するにとどまった。
 以来、おそらくはこういった厄介さもあって、また映画理論自体が、この発想の前提となっているところでもある、自ら長く依拠してきた言語学的方法論から距離を置くようになったこともあって、映像を人称で分類するという思考法はさほど重要視されてはこなかった。
 しかしながら今日では、各種映像・情報機器の普及により、映像の人称の問題が再浮上するような事態が到来している。例えば巷では、FPS(First Person Shooter、すなわち一人称の射撃ゲーム)と呼ばれる、徹底してPOVショットにより構成されるコンピューター・ゲームが人気を博している。また、Go Proのような小型高性能カメラの普及と動画投稿サイトの流行は、パルクールと呼ばれる危険な都市部でのフリーランニング(建物の屋根から屋根へ飛び移ったり、高層建築用のクレーンに命綱なしでぶら下がったりする)などの疑似体験的POVシークエンスを流通させている(この映像はFPSにも吸収・模倣されている)。これらはいずれも、「一人称の」映像と呼ばれてもやむないものだ。
 また映画の世界では、ファウンド・フッテージ・フィルムと呼ばれるジャンルが隆盛を見せている。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』The Blair Witch Project (1999)がおそらく嚆矢となり、『パラノーマル・アクティビティ』Paranormal Activity (2007)や『クローバーフィールド/HAKAISHA』Cloverfield  (2008)のヒットにより確立されたこのジャンルもまた、凄絶な事件の被害者が残した記録映像(found footage)という体裁から、「一人称の」映像と呼ばれてもおかしくないように思われる。
 ではこういった映像はどのような意味で「一人称」と呼ばれるのか?本発表ではこの問題に取り組む。その際、言語のモデルが暗黙に前提としてきた話者=発信者中心のモデルに立脚するのではなく、認知主義の理論を援用しながら、観るものを中心とした理論モデルの構築を試みたい(カウィンもこのことの重要性には言及している)。さらに本発表では、提案するモデルの検証として、有名なロバート・モンゴメリの『湖中の女』Lady in the Lake (1947)を分析することを考えている。

中村秀之(立教大学)「ドゥルーズは『シネマ』で何をやったのか――映画的思考の思惟学(ノオロジー)について――」
 本発表は、ジル・ドゥルーズの『シネマ』に対する新しい読み方を提案する。ドゥルーズは『シネマ1*運動イメージ』の序文で、本書は映画史ではなくイマージュとシーニュについての分類の試みであると宣言した。これを受けて、歴史と分類学の関係についてはときに議論がなされてもきたが、同じ序文でドゥルーズが『シネマ』におけるイマージュの位置を示唆していることには意外にも注意が払われてこなかった。すなわち、「偉大な映画作家たち」は概念の代わりにイマージュ=運動やイマージュ=時間によって思考する、という言明である。してみると、『シネマ』は「偉大な映画作家たち」の「思考」を彼らがそのための手段ないし素材として用いるイマージュを分類することで明らかにしようとした企てということにならないか。実際、ドゥルーズは『運動イメージ』刊行時のインタビューでこう語った。「私が考えていたのは映画について哲学するということではなく、記号の分類を通して映画を、映画自体のために考えるということでした。〔略〕私が述べているのはごく単純なこと、つまり偉大な映画作家には思考があり、映画を作るとはいきいきとした創造的な思考の問題であるということです」(「観客としての哲学者の肖像」)。別のところでは「映画は常に思考のイメージを構築しようとつとめてきたし、思考のメカニズムの表現をこころがけてきた」と書いている(「想像界への疑義」)。そして、「さまざまな思考のイメージを調べていく研究」を、ドゥルーズ自身は「思惟学(ノオロジー)」と呼ぶ(「哲学」)。『シネマ』におけるドゥルーズの哲学的思考の第一義的な対象は、映画作品ではなく、「偉大な映画作家たち」の創造的な映画的思考とその条件なのである。したがって『シネマ』は「映画的思考の思惟学(ノオロジー)」の企てにほかならない。本発表はこのような観点から、さしあたり『運動イメージ』前半の議論の構成を再検討し、これまで必ずしも明確に捉えられてこなかった諸問題を一貫したパースペクティヴのもとで理解することを試みる。すなわち『運動イメージ』は、まず『創造的進化』に依拠して〈運動の思考〉を基礎づけ、自然的知覚と映画的知覚を区別し(第1章)、次いでバーチ的なパラメーター分析を通して〈映画的思考〉の本質をモンタージュとして確立し(第2章)、その映画的思考=モンタージュの諸傾向を主にサイレント期の映画作家たちを対象に分類し(第3章)、さらに『物質と記憶』にもとづいて、映画的思考の素材であり条件であるイマージュ=運動とその変種の演繹的発生を論じる(第4章)。イマージュとは物質的素材であり、シーニュとはその素材に形式を付与する表現的機能を担った特別なイマージュである。こうして、映画的思考の条件の演繹と条件づけられた思考の差異化の過程を追求する『シネマ』は、ドゥルーズ特有の超越論的経験論の実践、「新しい感性学」の企てとして読むことができる。

問い合わせ先:木村建哉(映像理論研究会代表) kimura02■seijo.ac.jp(■を@に変えて下さい)

以上

日本映像学会映像理論研究会
代表 木村建哉
〒157-8511
東京都世田谷区成城6-1-20
成城大学文芸学部内

第4回ヴィデオアート研究会【4月19日】

第4回ヴィデオアート研究会(4月19日)開催のお知らせ

日時:2014年4月19日(土) 14:30-17:00
会場:渋谷勤労福祉会館2F会議室 洋室1
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kinro.html

内容:台湾關渡美術館チーフキュレーターの呉達坤(ウー・ダークン)さんをゲストに、彼が主宰する開催中のAAA「アジア・アナーキー・アライアンス」 展とともに、 展覧会の組織・また作品関する解説などをお聞きしたいと思います。

AAA「アジア・アナーキー・アライアンス」展は特にヴィデオだけの展示というわけでは有りませんが、キュレーター自身がヴィ デオ作家の経歴があり、展示にいくつか映像作品が入っています。 研究会会場の階下、トーキョーワンダーサイト渋谷ほかワンダーサイト本郷でも行なっております。研究会前に展示をご覧頂ければよりキュレーターとのセッションが深まるかと思います。
http://www.tokyo-ws.org/archive/2014/02/S0308.shtml

ゲスト講師略歴: http://www.tokyo-ws.org/creator/w/post-285.shtml

予定出席者
呉達坤(ウー・ダークン、台湾關渡美術館チーフキュレーター)
司会・進行:瀧 健太郎会員(ビデオアートセンター東京代表)

お問合せ:
日本映像学会ヴィデオアート研究会
代表 瀧健太郎
e-mail:taki.kentarou@ebony.plala.or.jp
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町42-6 co-lab 渋谷アトリエ内
ビデオアートセンター東京


報告:会報第167号(2014年7月1日)6頁

会報第166号を発行しました。

会報第166号(2014年4月1日)を発行しました。
以下のPDFよりお読みください。

JASIAS_NewsLetter166
会報第166号

PDFがウィンドウに表示されない(画面が真っ白や真っ黒等)ときは、
ウィンドウ右下端のサイズ調節をマウスで動かして調節してみてください。
ウィンドウの幅のサイズが会報の幅のサイズより大きいときなどに、
PDF表示画面が出ずに真っ白や真っ黒の画面になることがあります。
また、文字が一部しか表示されないときは、URL表示のそばにあるリロードボタンを
クリックしてみてください。

2014年度第1回映像テクスト分析研究会【4月12日】

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日本映像学会 映像テクスト分析研究会
2014年度第1回研究発表会 開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位

映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。みなさまのご来場をお待ちしています。

日本映像学会映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之

■日時==============================
2014年4月12日(土曜日)14:00開始~18:00(終了予定)

■会場==============================
立教大学 池袋キャンパス 1203教室(本館[1号館]2階)
*正門を入って正面の建物です。
〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1
JR各線・東武東上線・西武池袋線・
東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線
 「池袋駅」下車。西口より徒歩約7分。
交通アクセスマップ
キャンパスマップ

■発表者・表題・概要===============================
発表者①:河野真理江(立教大学大学院博士後期課程)
表題:『君の名は』論――「すれ違い」メロドラマの通俗性とマゾヒズムについて
概要:1950年代から1960年代にかけて、「すれ違い映画」と呼ばれた映画群は、日本映画における「メロドラマ」のなかでもとりわけポピュラーな存在であったと言える。映画『君の名は』が、その先駆的かつ象徴的な作品であることは疑いようがない。しかしそうした大衆文化史的な重要性のみならず、『君の名は』は、日本映画に限定されないメロドラマ映画、とりわけすれ違い(missed meeting)を主題とする作品が持つ強力な通俗性を考慮するうえでも、興味深い問題を提示する。この映画は、賞賛であれ、非難であれ、あらゆる観客の感情を動揺させ、なんらかの強い印象で惹き付けた。
本発表では、『君の名は』三部作のテクスト分析を通じて、メロドラマ映画におけるこのような通俗性が、登場人物のマゾヒズム的なパフォーマンスや、それを観る観客のマゾヒズム的な経験と関連している可能性について議論する。

発表者②:中村秀之(立教大学教授)
表題:歴史の関を越える――『虎の尾を踏む男達』(1945/1952)の神話・事実・寓意
概要:黒澤明の『虎の尾を踏む男達』が撮影中に敗戦を迎え、完成後もGHQから上映を禁止されて公開まで数年を要した事情は、監督自身の著作『蝦蟇の油』の内容が「事実」と見なされ、そのまま流布してきた。しかし、その記述の肝心な点のほとんどは他の当事者の証言や同時代の記録と食い違っている。本発表の前半では、複数の関連資料にもとづいて「神話」を解体し、特に製作の開始は「八月十五日」以後の可能性がきわめて大きいことを示す。次いで、このようなコンテクストを踏まえて『蝦蟇の油』の当該部分に徴候的読解を施し、映画『虎の尾を踏む男達』との間テクスト的連関について仮説的な視点を提示する。そして発表の本体である後半では、具体的なテクスト分析を通して、この映画に特有のイメージの運動全体が天皇や国家をめぐる「寓意」的な解釈に開かれていることを論じる。

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お問合せ先:
日本映像学会 映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之
〒352-8558 埼玉県新座市北野1-2-26
立教大学現代心理学部映像身体学科

報告:会報第167号(2014年7月1日)7頁

第3回ヴィデオアート研究会【3月25日】

第3回ヴィデオアート研究会(3月25日)開催のお知らせ
 
日時:2014年3月25日(火)11:00-15:00
会場:東京大学 駒場キャンパス18号館2階 院生研究作業室
駒場 キャンパス までのアクセスはこちら
 
内容:イヴォンヌ・シュピールマン「機器、自己反省、パフォーマンス」(『ヴィデオ 再帰的メディア』から)におけるヴィデオアート研究の分析
 
本研究会は、ヴィデオアートのアカデミックな研究と、制作や展示現場のフィールドワークを交互に行なう方針で発足されました。前々回におこなった ロザリンド・クラウス「ヴィデオ ナルシシズムの美学」分析から、更に近年のヴィデオアート研究を行なうということで、シュピールマンの『ヴィデオ』から同じくヴィト・アコンチを扱っている章を抜き出し、研究会を行うこととします。
 
参加者は事前に資料をお渡しいたしますので、下記連絡先、瀧までご連絡ください。
 
予定出席者
パネリスト:今村 純子会員(女子美術大学・武蔵野美術大学非常勤講師)
       河合 政之氏(東京造形大学・東北芸術工科大学非常勤講師)
       角尾 宣信氏(東京大学大学院総合文化研究科表象文化論 博士課程)
       齋藤 理恵会員(早稲田大学大学院文学研究科博士課程)
       原島 大輔氏(東京大学大学院総合文化研究科表象文化論博士課程)
       岸みづき氏(東京造形大学非常勤講師)
進行:瀧 健太郎会員(ビデオアートセンター東京代表、早稲田大学川口芸術学校講師)
 
お問合せ:
日本映像学会ヴィデオアート研究会
代表 瀧健太郎
〒333-0844 埼玉県川口市上青木3丁目12-63
早稲田大学川口芸術学校内
tel:080-4355-1721

報告:会報第167号(2014年7月1日)6頁

2013年度第2回アニメーション研究会【3月22日】

日本映像学会 アニメーション研究会
研究発表会開催のご案内
 
早春の候、益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、日本映像学会アニメーション研究会(2013年度第2回)を下記の如く開催いたします。 
是非ご参加くださいますようご案内申し上げます。
 
日本映像学会アニメーション研究会代表 横田正夫
 
■日時
 平成26年(2014年)3月22日(土曜日)13:00~18:00
 
■会場
日本大学文理学部 3409教室(3号館4階:エレベータをご利用ください)
※3201教室→3409教室へ変更となりました。
〒156-8550 東京都世田谷区桜上水3-25-40
京王線 下高井戸あるいは桜上水下車、徒歩8分
交通アクセスマップ http://www.chs.nihon-u.ac.jp/access/
 
■プログラム
 13:00~14:00
表題:キャラクターを成立させる技術と映画の視点
発表者:足立加勇会員
発表要旨:アニメ、マンガにおけるキャラクター製作の方法論は、キャラクターと消費者の関係の変化を反映している。当発表では、この関係の変化を視野に入れ、キャラクターの製作法とその映像作品への影響を論じる。
 
14:10~15:10
表題:世界10ヶ国におけるアニメ・マンガ消費の実態
ゲスト発表者:薄葉彬貢氏(『世界アニメ・マンガ消費行動レポート』の著者)
要旨:日本のアニメやマンガは海外で人気を博しているというのは本当だろうか。
その実態を解明すべく、2012年10月から2013年3月にかけてアメリカやスペイン、アラブ首長国連邦等の世界10ヶ国の学生1800人に対してアニメやマンガに関する消費行動についてのアンケート調査を行なった。結果は惨憺たるもので、違法アップロードサイトが日常的に利用されていることは然ることながら、回答者の大半が日本で当時放送されていたアニメを見ていなかった。また、海外では日本で出回っている情報の大半が把握されておらず、そもそもどんな新番組が放送されるのかすらも知られていないことが明らかになった。更に購買環境については、日本と比べて購入可能な商品が限られ、店頭販売の方法や告知などにも問題が散見され、10カ国中どの国も例外なくアニメ視聴が消費に発展していなかったのである。この調査により、海外のファンが「お金は使いたくないけれどアニメは好き」というスタンスであることを改めて認識するに至った。そして、何故日本と海外で消費者にここまで違いが生まれてしまったのか、どうすれば海外のファンはお金を使うようになるのかについて、情報の観点から私なりの私見を交えつつ、発表したいと思う。
 
15:20~16:20
表題:アニメーション監督今 敏という生き方と作品における表現の連鎖:文化資源に基づく一考察
ゲスト発表者:藤原正仁氏(専修大学)
要旨:今 敏監督は、生前に、漫画やアニメーションといった作品のみならず、絵コンテやイラスト、パンフレットなどの関連資料の他、日誌、Blog、インタビュー記事、口述、書籍などの多様なメディアを通して、人や作品をより深く理解するための手がかりとなる貴重な資料を遺している。そこで、本報告では、これらの資料の発掘、収集、整理、保存、再構成、考証を通して、アニメーション監督今 敏という生き方と作品における表現の連鎖について考察し、新たな分析視角や知見の導出を試みる。これまであまり着眼されてこなかった多種多様な資料を資源化し、それらを総合的に考察することは、時代背景、社会、文化、技術、表現、作家、スタッフ、作品といった多元的な視点やそれらの連関などについての意味生成につながり、今 敏研究のより一層の発展が期待される。
 
16:30~17:30
表題:脳内世界の歩き方 ~2014・聖地巡礼再考~
ゲスト発表者:原田央男氏(東洋大学文学部通信教育非常勤講師)
要旨:本来は宗教の聖地への巡礼を意味する「聖地巡礼」は、近年、まんがやアニメの舞台となる場所をファンが訪ねる用語としても使われるようになり、今世紀に入ってそちらの意味での「聖地巡礼」現象が多発するようになった。映画やテレビのロケ地を訪ねる行為は、舞台となる場所とドラマとが密接な関係を持つ「男はつらいよ」のような御当地映画によってすでに定着してはいたものの、実写と異なる画像(まんが)や映像(アニメ)の舞台(モデルとなった場所)をファンが訪ねる行為は、それとは一線を画すものとして考える必要がある。発表者は2010年発売の「アニメ&コミック 聖地巡礼NAVI」(飛鳥新社)の企画・編集に携わったことからその現象に注目するようになり、現実世界と空想世界が交わるそのような「聖地」についての考察を行ってきた。今回はその途中経過報告として、アニメから発する「聖地巡礼」の現状を報告すると共に、「現実は最高の虚構(フィクション)である」とする、まんが・アニメのファンの心理析をも試みる。
 
17:40~18:00
全体的討論
 
 
■参加申込 
どなたでも参加できますが、資料作成の都合上、3月20日までに下記までお申し込み頂けますと助かります。なお申込み無しでのご参加の場合、配布資料をご用意できない場合がございますので、予めご了承ください。
 
■参加申込・問合せ先
日本映像学会アニメーション研究会
代表 横田正夫
〒156-8550 東京都世田谷区桜上水3-25-40
日本大学文理学部心理学研究室(横田正夫)
Tel: 03-5317-9720 Fax: 03-5317-9427

報告:会報第166号(2014年4月1日)11頁