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日本映像学会第40回大会(沖縄県立芸術大学)のご案内【6月7・8・9日】

日本映像学会第40回大会は沖縄県立芸術大学を主催校として、6月7・8・9日に開催されます。
詳しくは第3通信PDF
https://jasias.jp/wp-content/uploads/2014/05/JASIAS40_3rdInfo.pdf
をご覧ください。

なお、今後の最新情報は、大会実行委員会ホームページ
http://jasias-okinawa4.webnode.jp/
をご参照ください。

第5回ヴィデオアート研究会【5月24日】

第5回ヴィデオアート研究会(5月24日)開催のお知らせ

日時:2014年5月24日(土)13:00-16:00

会場:co-lab渋谷アトリエ2F 会議室3
http://co-lab.jp/locations/shibuya-atelier/access_shibuya-atelier
(当日は入り口の鍵が施錠されております、お手数ですが遅れていらっしゃる方は下記瀧にご連絡ください)

内容:イヴォンヌ・シュピールマン「マトリクス現象」「ヴァスルカの習作」
(『ヴィデオ 再帰的メディア』から)におけるヴィデオアート研究の分析

本研究会は、ヴィデオアートのアカデミックな研究と、制作や展示現場のフィールドワークを交互に行なう方針で発足されました。第三回でおこなった イヴォンヌ・シュピールマンの『ヴィデオ』から、技術的知識がないと比較的難解とされる部分の読解を行なうこととなりました。またアコンチ研究の際に見れなかった、デニス・オッペンハイムの作品の紹介も行なう予定です。

参加者は事前に資料をお渡しいたしますので、下記連絡先、瀧までご連絡ください。

予定出席者

パネリスト:
「マトリクス現象」(『ヴィデオ 再帰的メディアの美学』p.107-110)箇所について
河合 政之氏(東京造形大学・東北芸術工科大学非常勤講師)

「ヴァスルカの習作」(『ヴィデオ 再帰的メディアの美学』p.110-114)箇所について
角尾 宣信氏(東京大学大学院総合文化研究科表象文化論 博士課程)

進行:瀧 健太郎 会員(ビデオアートセンター東京代表)

お問合せ:
日本映像学会ヴィデオアート研究会
代表 瀧健太郎
e-mail:taki.kentarou@ebony.plala.or.jp
ビデオアートセンター東京
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町42-6 co-lab 渋谷アトリエ内
tel:○8○-4355-1721


報告:会報第167号(2014年7月1日)7頁

関西支部第72回研究会【5月10日】

日本映像学会関西支部第72回研究会(5月10日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第72回研究会を開催いたします。

日時:平成26年5月10日(土) 午後2時より
会場:神戸芸術工科大学 3号棟クリエイティブセンター2F (3204教室)

研究発表1:スクリーンの拡大とその余波 ―ワイドスクリーン映画の導入にともなう撮影様式の変化について
発表者:北浦寛之会員(国際日本文化研究センター)
要旨:日本の映画産業がライバルの新興映像産業であるテレビ産業の勃興に対して採った最大の技術的対策が、1957年より始まったワイドスクリーン映画の製作である。アメリカではすでに1953年に20世紀FOX社が、シネマスコープというワイドスクリーンの規格を公開し、日本でも、その技術を応用した東映スコープや東宝スコープといったスコープ映画が普及を見る。スコープ映画は従来の縦横比1:1.37だったスクリーンが、アナモフィック・レンズという特殊なレンズの効果で、縦横比1:2.35とおよそ1.7倍横に拡大したものであり、小さなテレビ画面では不可能な映像的興奮を観客に提供することで人気を獲得していった。
 しかしながら、こうしてテレビ産業との攻防の余波から誕生したスコープ映画は、映画製作においては大きく二つの問題を産み落としてしまう。第一に、構図の問題。従来のスクリーンでの仕事に慣れ親しんだ製作者の中には、スクリーンの拡大で、構図の取り方に戸惑いを覚える者がいた。第二に、奥行きの生成について。キャメラに装着されたアナモフィック・レンズの影響で、パン・フォーカスが困難になってしまったのだ。こうした問題に、映画製作者はどう挑んでいったのか。本発表では、ワイドスクリーン(スコープ映画)の導入により沸き起こった問題を踏まえながら、それにいかに製作者が対応し、新たな撮影スタイルを確立していったのかを考察していく。

研究発表2:「回遊する思考:山口勝弘展」からみる創造的行為について
発表者:八尾里絵子会員(甲南女子大学メディア表現学科)
要旨:本報告は、2013年10月に神戸芸術工科大学で開催した「回遊する思考:山口勝弘展」を軸に、山口勝弘の「今」について言及する。
 メディアアートのパイオニアである山口は、言わずと知れた前衛芸術家集団「実験工房」のメンバーの一人である。実験工房はここ数年、世界各地で再評価がなされており、回顧展の開催数も目立っている。しかしここでは、50年代から90年代の第一線で活躍した山口の姿ではなく、21世紀における現在進行形の表現活動に着目する。
 2001年、山口は突然脳卒中で倒れ、その後は不自由な身体となったにも関わらず、創作行為とその発表への意欲が滞ることはない。我々(*)は、2010年の山口からの一通の手紙をきっかけに、彼から直接依頼を受け作品制作に携わってきている。その共同作業を進める中で、山口の作品制作の初期段階における想像力とそれを展開するスピードの速さや、スケールの大きなモチーフ選びが極めて独創的である事に気付く。そしてこれこそが、山口の創造的行為の根源であると考え、それを展覧会の名称である「回遊する思考」と呼ぶことにした。
 この、創造のプロセスと新作を含む近年の作品群の表現傾向を互いにリンクさせながら、あえて近視眼的なアプローチからの分析を試みる。そして、実験工房時代の飽くなき探究心を85歳となった今もなお抱き続けるアーティストの実像に迫る。
(*)本研究は、JSPS科研費23520195による共同研究である。

会場:神戸芸術工科大学 3号棟クリエイティブセンター2F (3204教室)
兵庫県神戸市西区学園西町8-1-1
神戸市営地下鉄「学園都市」駅下車南に向かい徒歩五分 大学正門スロープを登り、守衛室を左に見てロータリーを横切り10段程の階段を上り左前方オレンジの壁のある建物(3号棟)
http://www.kobe-du.ac.jp/about/access/

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)


報告:会報第167号(2014年7月1日)4頁-5頁

第4回ヴィデオアート研究会【4月19日】

第4回ヴィデオアート研究会(4月19日)開催のお知らせ

日時:2014年4月19日(土) 14:30-17:00
会場:渋谷勤労福祉会館2F会議室 洋室1
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kinro.html

内容:台湾關渡美術館チーフキュレーターの呉達坤(ウー・ダークン)さんをゲストに、彼が主宰する開催中のAAA「アジア・アナーキー・アライアンス」 展とともに、 展覧会の組織・また作品関する解説などをお聞きしたいと思います。

AAA「アジア・アナーキー・アライアンス」展は特にヴィデオだけの展示というわけでは有りませんが、キュレーター自身がヴィ デオ作家の経歴があり、展示にいくつか映像作品が入っています。 研究会会場の階下、トーキョーワンダーサイト渋谷ほかワンダーサイト本郷でも行なっております。研究会前に展示をご覧頂ければよりキュレーターとのセッションが深まるかと思います。
http://www.tokyo-ws.org/archive/2014/02/S0308.shtml

ゲスト講師略歴: http://www.tokyo-ws.org/creator/w/post-285.shtml

予定出席者
呉達坤(ウー・ダークン、台湾關渡美術館チーフキュレーター)
司会・進行:瀧 健太郎会員(ビデオアートセンター東京代表)

お問合せ:
日本映像学会ヴィデオアート研究会
代表 瀧健太郎
e-mail:taki.kentarou@ebony.plala.or.jp
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町42-6 co-lab 渋谷アトリエ内
ビデオアートセンター東京


報告:会報第167号(2014年7月1日)6頁

会報第166号を発行しました。

会報第166号(2014年4月1日)を発行しました。
以下のPDFよりお読みください。

JASIAS_NewsLetter166
会報第166号

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2014年度第1回映像テクスト分析研究会【4月12日】

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日本映像学会 映像テクスト分析研究会
2014年度第1回研究発表会 開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位

映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。みなさまのご来場をお待ちしています。

日本映像学会映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之

■日時==============================
2014年4月12日(土曜日)14:00開始~18:00(終了予定)

■会場==============================
立教大学 池袋キャンパス 1203教室(本館[1号館]2階)
*正門を入って正面の建物です。
〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1
JR各線・東武東上線・西武池袋線・
東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線
 「池袋駅」下車。西口より徒歩約7分。
交通アクセスマップ
キャンパスマップ

■発表者・表題・概要===============================
発表者①:河野真理江(立教大学大学院博士後期課程)
表題:『君の名は』論――「すれ違い」メロドラマの通俗性とマゾヒズムについて
概要:1950年代から1960年代にかけて、「すれ違い映画」と呼ばれた映画群は、日本映画における「メロドラマ」のなかでもとりわけポピュラーな存在であったと言える。映画『君の名は』が、その先駆的かつ象徴的な作品であることは疑いようがない。しかしそうした大衆文化史的な重要性のみならず、『君の名は』は、日本映画に限定されないメロドラマ映画、とりわけすれ違い(missed meeting)を主題とする作品が持つ強力な通俗性を考慮するうえでも、興味深い問題を提示する。この映画は、賞賛であれ、非難であれ、あらゆる観客の感情を動揺させ、なんらかの強い印象で惹き付けた。
本発表では、『君の名は』三部作のテクスト分析を通じて、メロドラマ映画におけるこのような通俗性が、登場人物のマゾヒズム的なパフォーマンスや、それを観る観客のマゾヒズム的な経験と関連している可能性について議論する。

発表者②:中村秀之(立教大学教授)
表題:歴史の関を越える――『虎の尾を踏む男達』(1945/1952)の神話・事実・寓意
概要:黒澤明の『虎の尾を踏む男達』が撮影中に敗戦を迎え、完成後もGHQから上映を禁止されて公開まで数年を要した事情は、監督自身の著作『蝦蟇の油』の内容が「事実」と見なされ、そのまま流布してきた。しかし、その記述の肝心な点のほとんどは他の当事者の証言や同時代の記録と食い違っている。本発表の前半では、複数の関連資料にもとづいて「神話」を解体し、特に製作の開始は「八月十五日」以後の可能性がきわめて大きいことを示す。次いで、このようなコンテクストを踏まえて『蝦蟇の油』の当該部分に徴候的読解を施し、映画『虎の尾を踏む男達』との間テクスト的連関について仮説的な視点を提示する。そして発表の本体である後半では、具体的なテクスト分析を通して、この映画に特有のイメージの運動全体が天皇や国家をめぐる「寓意」的な解釈に開かれていることを論じる。

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お問合せ先:
日本映像学会 映像テクスト分析研究会
代表 中村秀之
〒352-8558 埼玉県新座市北野1-2-26
立教大学現代心理学部映像身体学科

報告:会報第167号(2014年7月1日)7頁

第3回ヴィデオアート研究会【3月25日】

第3回ヴィデオアート研究会(3月25日)開催のお知らせ
 
日時:2014年3月25日(火)11:00-15:00
会場:東京大学 駒場キャンパス18号館2階 院生研究作業室
駒場 キャンパス までのアクセスはこちら
 
内容:イヴォンヌ・シュピールマン「機器、自己反省、パフォーマンス」(『ヴィデオ 再帰的メディア』から)におけるヴィデオアート研究の分析
 
本研究会は、ヴィデオアートのアカデミックな研究と、制作や展示現場のフィールドワークを交互に行なう方針で発足されました。前々回におこなった ロザリンド・クラウス「ヴィデオ ナルシシズムの美学」分析から、更に近年のヴィデオアート研究を行なうということで、シュピールマンの『ヴィデオ』から同じくヴィト・アコンチを扱っている章を抜き出し、研究会を行うこととします。
 
参加者は事前に資料をお渡しいたしますので、下記連絡先、瀧までご連絡ください。
 
予定出席者
パネリスト:今村 純子会員(女子美術大学・武蔵野美術大学非常勤講師)
       河合 政之氏(東京造形大学・東北芸術工科大学非常勤講師)
       角尾 宣信氏(東京大学大学院総合文化研究科表象文化論 博士課程)
       齋藤 理恵会員(早稲田大学大学院文学研究科博士課程)
       原島 大輔氏(東京大学大学院総合文化研究科表象文化論博士課程)
       岸みづき氏(東京造形大学非常勤講師)
進行:瀧 健太郎会員(ビデオアートセンター東京代表、早稲田大学川口芸術学校講師)
 
お問合せ:
日本映像学会ヴィデオアート研究会
代表 瀧健太郎
〒333-0844 埼玉県川口市上青木3丁目12-63
早稲田大学川口芸術学校内
tel:080-4355-1721

報告:会報第167号(2014年7月1日)6頁

2013年度第2回アニメーション研究会【3月22日】

日本映像学会 アニメーション研究会
研究発表会開催のご案内
 
早春の候、益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、日本映像学会アニメーション研究会(2013年度第2回)を下記の如く開催いたします。 
是非ご参加くださいますようご案内申し上げます。
 
日本映像学会アニメーション研究会代表 横田正夫
 
■日時
 平成26年(2014年)3月22日(土曜日)13:00~18:00
 
■会場
日本大学文理学部 3409教室(3号館4階:エレベータをご利用ください)
※3201教室→3409教室へ変更となりました。
〒156-8550 東京都世田谷区桜上水3-25-40
京王線 下高井戸あるいは桜上水下車、徒歩8分
交通アクセスマップ http://www.chs.nihon-u.ac.jp/access/
 
■プログラム
 13:00~14:00
表題:キャラクターを成立させる技術と映画の視点
発表者:足立加勇会員
発表要旨:アニメ、マンガにおけるキャラクター製作の方法論は、キャラクターと消費者の関係の変化を反映している。当発表では、この関係の変化を視野に入れ、キャラクターの製作法とその映像作品への影響を論じる。
 
14:10~15:10
表題:世界10ヶ国におけるアニメ・マンガ消費の実態
ゲスト発表者:薄葉彬貢氏(『世界アニメ・マンガ消費行動レポート』の著者)
要旨:日本のアニメやマンガは海外で人気を博しているというのは本当だろうか。
その実態を解明すべく、2012年10月から2013年3月にかけてアメリカやスペイン、アラブ首長国連邦等の世界10ヶ国の学生1800人に対してアニメやマンガに関する消費行動についてのアンケート調査を行なった。結果は惨憺たるもので、違法アップロードサイトが日常的に利用されていることは然ることながら、回答者の大半が日本で当時放送されていたアニメを見ていなかった。また、海外では日本で出回っている情報の大半が把握されておらず、そもそもどんな新番組が放送されるのかすらも知られていないことが明らかになった。更に購買環境については、日本と比べて購入可能な商品が限られ、店頭販売の方法や告知などにも問題が散見され、10カ国中どの国も例外なくアニメ視聴が消費に発展していなかったのである。この調査により、海外のファンが「お金は使いたくないけれどアニメは好き」というスタンスであることを改めて認識するに至った。そして、何故日本と海外で消費者にここまで違いが生まれてしまったのか、どうすれば海外のファンはお金を使うようになるのかについて、情報の観点から私なりの私見を交えつつ、発表したいと思う。
 
15:20~16:20
表題:アニメーション監督今 敏という生き方と作品における表現の連鎖:文化資源に基づく一考察
ゲスト発表者:藤原正仁氏(専修大学)
要旨:今 敏監督は、生前に、漫画やアニメーションといった作品のみならず、絵コンテやイラスト、パンフレットなどの関連資料の他、日誌、Blog、インタビュー記事、口述、書籍などの多様なメディアを通して、人や作品をより深く理解するための手がかりとなる貴重な資料を遺している。そこで、本報告では、これらの資料の発掘、収集、整理、保存、再構成、考証を通して、アニメーション監督今 敏という生き方と作品における表現の連鎖について考察し、新たな分析視角や知見の導出を試みる。これまであまり着眼されてこなかった多種多様な資料を資源化し、それらを総合的に考察することは、時代背景、社会、文化、技術、表現、作家、スタッフ、作品といった多元的な視点やそれらの連関などについての意味生成につながり、今 敏研究のより一層の発展が期待される。
 
16:30~17:30
表題:脳内世界の歩き方 ~2014・聖地巡礼再考~
ゲスト発表者:原田央男氏(東洋大学文学部通信教育非常勤講師)
要旨:本来は宗教の聖地への巡礼を意味する「聖地巡礼」は、近年、まんがやアニメの舞台となる場所をファンが訪ねる用語としても使われるようになり、今世紀に入ってそちらの意味での「聖地巡礼」現象が多発するようになった。映画やテレビのロケ地を訪ねる行為は、舞台となる場所とドラマとが密接な関係を持つ「男はつらいよ」のような御当地映画によってすでに定着してはいたものの、実写と異なる画像(まんが)や映像(アニメ)の舞台(モデルとなった場所)をファンが訪ねる行為は、それとは一線を画すものとして考える必要がある。発表者は2010年発売の「アニメ&コミック 聖地巡礼NAVI」(飛鳥新社)の企画・編集に携わったことからその現象に注目するようになり、現実世界と空想世界が交わるそのような「聖地」についての考察を行ってきた。今回はその途中経過報告として、アニメから発する「聖地巡礼」の現状を報告すると共に、「現実は最高の虚構(フィクション)である」とする、まんが・アニメのファンの心理析をも試みる。
 
17:40~18:00
全体的討論
 
 
■参加申込 
どなたでも参加できますが、資料作成の都合上、3月20日までに下記までお申し込み頂けますと助かります。なお申込み無しでのご参加の場合、配布資料をご用意できない場合がございますので、予めご了承ください。
 
■参加申込・問合せ先
日本映像学会アニメーション研究会
代表 横田正夫
〒156-8550 東京都世田谷区桜上水3-25-40
日本大学文理学部心理学研究室(横田正夫)
Tel: 03-5317-9720 Fax: 03-5317-9427

報告:会報第166号(2014年4月1日)11頁

第2回ヴィデオアート研究会【2月25日】

第2回ヴィデオアート研究会開催のお知らせ

日時:2014年2月25日(火) 11:00-15:00
会場:阿佐ケ谷美術専門学校521教室
アクセス:東京都杉並区梅里1-3-3
http://www.asabi.ac.jp/access.php

内容:「ヴィデオアート展示・映像祭のオーガナイズという視点から」
 本研究会は、ヴィデオアートのアカデミックな研究と、制作や展示現場のフィールドワークを交互に行なう方針で発足されました。今回は、東京都写真美術館で開催されていた恵比寿映像祭の上映プログラマー、碓井千鶴さんをお迎えし、ヴィデオアート展示の舞台裏や、映像祭参加の作家の取り組みにより深い関心を寄せつつ、ヴィデオアートを見せる現場についての実地調査・研究として開催したいと思います。

予定出席者
ゲストパネリスト:碓井千鶴氏(恵比寿映像祭上映プログラマー)
パネリスト:今村 純子会員(女子美術大学・武蔵野美術大学非常勤講師)
       河合 政之氏(東京造形大学・東北芸術工科大学非常勤講師)
       角尾 宣信氏(東京大学大学院総合文化研究科表象文化論 博士課程)
       西尾 千尋会員(東京大学大学院学際情報学府博士課程)
       原島 大輔氏(東京大学大学院総合文化研究科表象文化論博士課程)
       岸みづき氏(東京造形大学非常勤講師)
進行:瀧 健太郎会員(ビデオアートセンター東京代表、早稲田大学川口芸術学校講師)

お問合せ:
日本映像学会ヴィデオアート研究会
代表 瀧健太郎
e-mail:taki.kentarou@ebony.plala.or.jp
〒333-0844 埼玉県川口市上青木3丁目12-63
早稲田大学川口芸術学校内
tel:080-4355-1721


報告:会報第166号(2014年4月1日)7頁-8頁

関西支部第71回研究会【3月1日】

日本映像学会関西支部第71回研究会(3月1日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第71回研究会を開催いたします。

日時:平成26年3月1日(土) 午後2時より
会場:立命館大学映像学部 松竹スタジオ2F 教室

研究発表1:物語の幻影に抗して—小津安二郎の作品における「話法の形成」について—
発表者:京都造形芸術大学大学院・学術研究センター特別研究員 金東薫氏
要旨:芸術作品の制作において、現実の再現、対象の再現はストーリーテリングを生む。そして、そこに幻影が生じるのである。映画史的な観点から、ジャンルとしての劇映画の確立過程は、現実の再現による叙事空間の構築過程でもあった。映画監督、小津安二郎は、幻影の再現に没頭している劇映画の歴史的な流れに抵抗し続けた。しかし、小津は、決してフレームの転覆を図った前衛映画作家ではなかった。彼はいつも劇映画における物語、つまり再現性を意識していて、それをいかに扱うかで絶えず苦労していたからである。
 小津安二郎は晩年、6編のカラー作品を残した。そして、「現実の色」を 手に入れた小津映画は、むしろ現実の再現に対する脅迫から意図的に離れていた。現実をより完璧に再現できる手段を手に入れることで、小津映画はむしろ現実から離れていく。この矛盾は一体、何に起因しているのであろうか。
①新しい明日への期待感と、まだ形の定まらない状況に対する可能性をもはらんだ不安が表裏一体となって漂う時代としての 1920 年代。活動写真から映画へ、時代における新しい映画の成立と若手映画人としての当時の小津安二郎について考察。
②産業としての劇映画における幻影性の加速化そして、世界恐慌とそれに伴う社会状況の急変が小津映画にもたらした影響について考察。
③トーキー化以降、当代の主流の劇映画と小津の映画における「現実性」と「再現性」について考察。
④小津の映画演出における規範(カノン)の成立とその背景について考察。演出において、変数を避けて、常数で表現しようとする彼の傾向。つまり、inputに対するoutputの過程を簡潔な公式として成立していく小津映画の姿とその背景にある原因を考察。
⑤カラー化以降、小津映画において、さらに強化された物質性、つまり美術、小道具(材料)への執着について考察。そこには世俗的な物質趣向を通して超越的な精神性を追求した中世美術に通じる原理が働いている。
 1920 年代に映画界へ入った小津にとって、社会的な状況にせよ世間におけるジャンルとしての劇映画の確立過程にせよ、その後の時代の流れは予測の範囲を超えるものであったであろう。
 劇映画の映画史的な成長期に、新進気鋭の若手監督や押しも押されぬ巨匠として、いつもその中心に君臨しながらも、一度も主流の劇映画に相応しい叙事空間を作らなかった、あるいは、作ることができなかった小津安二郎。確かに、彼は巨匠であり、映画史において欠かすことのできない監督の一人である。しかしそれは、彼が天才であったからではない。むしろ、自分の映画を映画史的な観点から見つめることができ、その中で、自分の映画がどうあるべきか模索し、独自の解決法を見 出すことができたがゆえに、彼はあのような素晴らしい作品を残すことができたのであろう。

研究発表2:大阪万博論争からみる『家族』(70、山田洋次)と『少年』(69、大島渚)の呼応性
発表者:立命館大学映像学部 冨田美香会員
要旨:本報告は、前衛芸術や映像メディアの分野から再評価が近年おこなわれている大阪万博(日本万国博覧会)に着目し、日本映画史の領野にとって大阪万博のムーブメントとはなんだったのか、その検証を試みるものである。
 大阪万博は、日本にとって悲願の成就であり、戦中および戦後日本のナショナリズムのキーワードでもあった「科学振興と文化日本」の到達点を国内外に明示する場となった。その「科学と文化」を代表する映画・映像界からは、第一線で活躍する作家や映画人たちが大阪万博に動員あるいは積極的に参画をし、その結果、万博参加側と反博側との大論争が展開されたことは周知の事実である。従来、この論争やパビリオン映像、大阪万博への批判を直接的に表現した作品としても名高い『家族』(70、山田洋次)に関する個別の論評は多々あるが、他分野と同様に、日本映画の歴史軸からこの大阪万博をめぐる個々のムーブメントを総体的にとらえ直す試みも必要であろう。
 以上の問題意識から、本報告では、大阪万博をめぐる同時代の日本映画のムーブメントについて、論争、産業、映画作品の三つの視点から考察する。考察をとおして、同時代的な評価および批判点、映画界の大阪万博への関与と機能、『家族』と『少年』(69、大島渚)の類同性と対称性にみる共通した批判性、を明らかにしたい。

会場とアクセス:立命館大学映像学部 松竹スタジオ 2F 教室
京都市右京区太秦堀ヶ内町12-9 株式会社松竹撮影所本館2F
JR嵯峨野線「太秦」下車 徒歩約6分 または嵐山本線「帷子ノ辻」下車 徒歩約3分

*撮影所の見学はできません。撮影所正門から本館2Fへお進みください。

以上

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)


報告:会報第166号(2014年4月1日)3頁