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大会発表申込みページ公開のお知らせ<日本映像学会第51回全国大会(神戸大学)>

日本映像学会会員各位

日本映像学会第51回全国大会の大会申込ページを公開いたしました。

〇発表の申込期限は、2025年2⽉13⽇(木)です。
〇発表の申込は第51回大会発表申込ページよりフォーム入力でお願いいたします。
第51回大会発表申込ファイル(Microsoft Word形式)←ここからダウンロードできます。
(上記からダウンロードした指定のフォーム以外の申し込みは受け付けません)

日本映像学会第51回全国大会実行委員会
委員長 板倉史明(神戸大学)
大会ウエブサイト:https://jasias.jp/eizo2025
大会メールアドレス:kobe-convention51jasias.jp

日本映像学会第51回全国大会(神戸大学)<2025年5月31日・6月1日>について

日本映像学会第51回大会のウエブサイトを開設いたしました。
https://jasias.jp/eizo2025
大会発表申し込みは、2月13日(木)締め切りです。
(尚、⼤会ホームページからダウンロードした指定のWordファイル以外の申し込みは受け付けません)。
<大会第二通信>は、後日、公開予定です。
少々お待ちくださいませ。

日本映像学会第51回全国大会実行委員会
委員長 板倉史明(神戸大学)
大会ウエブサイト:https://jasias.jp/eizo2025
メールアドレス:kobe-convention51jasias.jp

映像玩具の科学研究会第四回【2月9日・3月29日】のお知らせ

映像玩具の科学研究会第四回を、2月9日(日)と3月29日(土)の2日間に渡り、横浜市民ギャラリーあざみ野で開催します。

「フレンチティシュー型のステレオカードを作ってみよう!」
*フレンチティシュー型ステレオカードとは、下記のようなステレオカードです。
https://toyfilm-museum.jp/exhibition/card/320.html

参加を希望される方は、下記フォームからお早めに申し込みください。
https://forms.gle/XLh5XFMftf1GPuQw5

「あざみ野フォト・アニュアル2025 横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 眼の技法 色・空間・動きのイメージ」2025年1月25日(土)~2月23日(日・祝) https://artazamino.jp/event/photoannual2025-collectionに合わせての開催です。
アトリエを提供していただくことができました。

進行(予定)
1回目 2月9日(日) 13時〜
横浜市民ギャラリーあざみ野日比谷学芸員による展覧会解説、展覧会見学、早稲田大学細馬宏道先生によるステレオ写真についてのレクチャー、次回までに撮影しておく宿題解説、懇親会
2回目 3月29日(土) 11時or13時集合(検討中) 撮影したステレオ写真のデータを持参して、制作、鑑賞会、懇親会

定員になり次第募集を終了、こちらから発送するメールを持って参加決定とさせていただきます。

研究会のfacebookページです。イベントやワークショップ、展示などの告知にお使いください。
https://www.facebook.com/groups/srgvt

映像玩具の科学研究会
橋本典久

「インターリンク:学生映像作品展[ISMIE]2024」オンライン開催のお知らせ

日本映像学会会員 各位

今年で第18回となる「インターリンク:学生映像作品展[ISMIE]2024」を映像表現研究会主催にて開催いたします。
11月30日(土)、12月1日(日)に対面で実施した名古屋会場に引き続き、オンラインでの開催となります。
特設サイト(https://sites.google.com/view/ismie2024)にて参加校教員による推薦作品を共有し、Zoomにて情報交換を行うオンラインでの研究会を行います。

会員諸氏や作者のみならず、在学生の方にも是非ご覧頂きたいと思っております。
詳細は以下をご参照ください。

【参加校一覧】
愛知県立芸術大学
イメージフォーラム映像研究所
桜美林大学 芸術文化学群 ビジュアル・アーツ専修
大阪経済大学
大阪芸術大学
大阪電気通信大学
九州産業大学芸術学部芸術表現学科
京都芸術大学 大学院
京都精華大学
尚美学園大学
情報科学芸術大学院大学[IAMAS]
椙山女学園大学
成安造形大学 情報デザイン領域
玉川大学芸術学部
東京工芸大学芸術学部
名古屋学芸大学メディア造形学部 / 大学院メディア造形研究科【本年度幹事校】
日本大学芸術学部【本年度幹事校】
文教大学情報学部メディア表現学科
北海道教育大学 芸術・スポーツ文化学科

【推薦作品の視聴】
12月11日(水)から、ISMIE2024特設サイト(https://sites.google.com/view/ismie2024)にて各校推薦作品を公開します。
※公開は2025年1月31日(金)までです。

【研究会概要】
日時:2025年1月12日(日)10:00〜12:00
会場:Zoom
事前に、各校推薦作品をご覧になった上でご参加ください。
参加する推薦教員から自校と他校の作品について講評を行い、その後、意見交換を行います。
ISMIE2024特設サイト(https://sites.google.com/view/ismie2024)にて参加申込みを受け付けております。
研究会前日までに申込みいただいた方には、当日メールにてZoomへの参加リンクをお送りします。
また、研究会当日にISMIE2024特設サイトにもZoomへの参加リンクを設置します。

以上です。
みなさまのご参加をお待ちしております。

日本映像学会映像表現研究会
ISMIE 2024 事務局
〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
日本大学芸術学部映画学科(研究室A)
担当:奥野邦利/芦谷耕平/柳澤奏海

アジア映画研究会(第3期第26回)開催のお知らせ【12月21日】

アジア映画研究会会員/日本映像学会会員各位
「日本映像学会アジア映画研究会(第3期第26回)開催のお知らせ」
アジア映画研究会(第3期第26回)を下記のとおり開催致します。
日時:2024年12月21日(土)14:00~16:00  ZOOMによるオンライン開催

下記URLより事前登録してください。会議前日にミーティング参加に関する情報の確認メールをお届けします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSddSCwrpPrxkzM3JT1aXDqnbX33dlHX9kZx5EIjniu_dqLW3w/viewform?usp=pp_url

タイムテーブル
14:00~14:30
■報告:松岡 環(アジア映画研究者、字幕翻訳者)
 「日本におけるインド映画公開の現状と問題点」
■要旨
2022年10月に公開されたインド映画『RRR』(2019)は、本年7月で興行収入24億円というかつてない大ヒットとなり、その余波が現在も続いている。また、2024年のインド映画公開本数は19本で、過去最高を記録した。そこに見られるのは日本では従来なかった興行形態であり、その背景にはインド映画独特の事情があるが、そこには問題も潜んでいる。インド映画ブームの現状と問題点を報告する。

14:30~14:40 全体討論

14:40~15:40
■報告:森長 恵梨(インド映画研究者、WEB・動画制作者)
 「サタジット・レイの世界」
■要旨
20世紀インドを代表する映画監督として、世界的に広く知られるサタジット・レイ。グラフィックデザインを始め、小説、音楽なども幅広く手掛けた作家としての全体像を紹介し、国際的な評価の所以についても考察する。

15:40~16:00 全体討論

■座長よりひと言
サタジット・レイ(1921.5.2ー1992.4.23)は、日本で公開された作品数が最も多いインド人映画監督です。「オプー三部作」と呼ばれる『大地のうた』(55)、『大河のうた』(56)、『大樹のうた』(59)始め、『大都会(ビッグ・シティ)』(63)、『チャルラータ』(64)、『株式会社ザ・カンパニー』(71)、『遠い雷鳴』(73)、『ミドルマン』(75)、『チェスをする人』(77)、『ピクー』(80)、『遠い道』(81)、『家と世界』(84)、『見知らぬ人』(91)が、今はなき岩波ホールで劇場公開されたほか、『音楽ホール(音楽サロン)』(58)、『主人公』(66)、『グーピーとバーガの冒険』(69)が映画祭等で上映されています。また近年、デジタルリマスター版が次々と作られるようになり、サタジット・レイ作品の映画祭での上映やOTTでの配信が増えてきていることをご存じの方も多いと思います。森長惠梨さんは以前からサタジット・レイ研究を続けてきており、この機会に森長さんの研究発表を通して、彼の全体像を捉えていただければと思います。

皆様のご参加をお待ちしております。
12月座長:松岡 環

第1回 「映像身体論」研究会【12月15日】

第1回 日本映像学会「映像身体論」研究会「導体になることーー情動、交感、ASMR」

本研究会は、近年興隆する映像身体論の潮流を検討し、従来の美学・芸術学が対象化してこなかった「brain tingles(脳のうずき)」や「head orgasm(頭のオーガズム)」等の映像がもたらす「快/不快」情動、あるいはインターフェイスの視/触覚的側面について理解を深めることを目的とし、多様な学術分野から代表的な論者をお招きして、意見交換を進めてまいります。

第1回のオンライン公開研究会では、「映像身体論」の系譜を確認すると共に、北海道大学の野澤俊介先生から「導体になることーー情動、交感、ASMR」と題して、ご講演をいただく予定です。ご関心のある方はどうぞ奮ってご参加ください。

【日時】2024年12月15日(日)14:00-16:00(日本時間)
【会場】オンライン(無料)
【参加方法】
参加を希望される方は、名前、所属を明記の上、下記アドレスまで問い合わせください。
head.orgasmgmail.com

【定員】
20名(※先にお申し込みの方を優先的にご案内いたします。)

【プログラム】
趣旨説明:難波阿丹(聖徳大学)
講演:野澤俊介(北海道大学)

14:00-14:30 趣旨説明:難波阿丹(「映像身体論」研究会代表、聖徳大学)
14:30-15:30 講演:野澤俊介(北海道大学)「導体になることーー情動、交感、ASMR」
15:30-16:00 質疑応答

【使用言語】日本語
【主催】日本映像学会「映像身体論」研究会
【助成】科研費「触覚的な「快」情動によるアテンション管理の研究:ASMR動画を題材として」(研究代表:難波阿丹、研究課題番号24K15927)


 

中部支部2024年度第2回研究会【12月15日】

中部支部では、下記の通り中部支部 第2回研究会をオンライン(Zoom)にて開催いたします。
中部支部会員に限らず多くの方の参加をお待ちしています。

中部支部会員以外の方は事前登録をお願いしております。
参加希望の方は下記リンク(Googleフォーム)にて事前申し込みをお願いします。
申し込み締め切りは12月12日(木)、研究会前日にZoomリンクをメールにてお知らせいたします。
https://forms.gle/jp1Bt4eS1w3nmQPb9

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2024年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第2回研究会
日時:2024年12月15日(日)(13:30 開始)
会場:オンライン(Zoom)
担当校:静岡文化芸術大学

◎研究会スケジュール(予定)
 13:20 – 第2回研究会 受付開始
 13:30 – 開会あいさつ
 13:35 – 14:35 研究発表(2件)
 休憩
 14:50 – 15:50 招待講演(1件)
 15:50 – 16:20 ディスカッション
 16:20 – 閉会あいさつ

◎招待講演(トークイベント形式)

横断型アートアニメーション作家・榊原澄人

要旨:
榊原氏は1990年代後半から、ビデオ、インスタレーション、アニメーション作品などを幅広く制作してきた。彼の作品は具象的でありながらも、従来の意味での物語性は持たず、「時間の圧縮」「モーションの反復」「モチーフの変転」「原画と動画」といったアニメーションの特性を、媒体の命題として掲げている。また、その活動は短編映像作品にとどまらず、フリップブックとキネティック・アートを組み合わせた最新作では、彫刻的要素も取り入れられ、アートとアニメーションの境界を横断する新たな表現が試みられている。
本講演では、静岡文化芸術大学のブルベス・ジェローム氏を聞き手として、榊原氏のこれまでの作品とその創作過程、そしてアニメーションと現代美術の境界を行き来する創作活動についてお話しいただく。

ゲスト紹介:
榊原 澄人(さかきばら すみと)
1980年 北海道十勝生まれ。15歳で渡英後、2003年文化庁芸術家海外派遣生として英国王立美術大学院(Royal College of Art)アニメーション科修士課程を修了。 長野県北信山麓在住。国内では、文化庁メディア芸術祭大賞受賞作品「浮楼」、DOMANI展(2015)にて注目を浴びた「É IN MOTION No.2」、スパイラル30周年記念展「スペクトラム」で発表された「Solitarium」をはじめとするアニメーション映像作品で知られ、美術館やギャラリー展示など現代美術の文脈でも活動を広げる作家。2021年長野県立美術館改装後初のこけらおとしの展覧会として発表された作品『飯縄縁日』は26mのパノラマ投影インスタレーションとして現在も常設展示されている。

◎研究発表(2件)

「当事者」から考えるクィア映画上映空間
和田 栄美 (名古屋大学大学院人文学研究科映像学分野・専門 |博士前期課程1年)
要旨:
クィア理論とアイデンティティポリティクスの間に存在する「クィアジレンマ」や、英語圏のクィア理論をどの程度まで日本社会のクィア的実践を考える上で参照すべきかに関しては、様々な議論が展開されてきた。本発表では、日本語特有の「当事者」という言葉をキーワードに、「セクシャルマイノリティ当事者」を脱構築に解釈する場としてクィア映画上映空間を捉え直し、その空間から派生するネットワークや親密圏の形成について考察する。

『コンフィデンスマンJP』に見るポストフェミニズム:新自由主義経済とフロネシス
渡邉 ゆき(オタゴ大学人文学部 メディア・フィルム・コミュニケーション学科|講師)
要旨:
本発表は、ポストフェミニズムの見地から最近の映画三部作『コンフィデンスマンJP』(2018年、2020年、2022年)の女性主人公像を検証する。詐欺師3人組のリーダーであるダー子(長澤まさみ)は、「フロネシス」(Kupfer, 2023)の概念を体現する実践的な知恵を駆使し、国内外の悪徳詐欺師やマフィアから大金を奪いながら、バブル時代のような派手な生活を楽しむ。戦中戦後の男性中心社会が築いた日本の国際的地位が衰退する中、この女性像を通して、新自由主義経済とその歪みの中で生まれた女性への期待と不安を考察する。

◎補足情報
日本映像学会中部支部 幹事会
※幹事メンバーのみ
会場:オンライン(Zoom)
時間:12:30 – 13:00

2024年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第2回研究会

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研究会は学会員でない方も聴講可能です。
興味がありそうな方に、お知らせいただければ幸いです。

ただし、今回はオンライン開催のため、中部支部会員以外の方は事前登録をお願いしております。下記より事前に登録いただくようにご案内ください。
https://forms.gle/jp1Bt4eS1w3nmQPb9

以上、よろしくお願いします。

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日本映像学会 中部支部事務局
email: msaitonuas.ac.jp (齋藤)

第3回東部支部研究発表会開催のお知らせ【12月21日】

日本映像学会東部支部では、下記のように、研究発表会を開催いたします。会員の皆様のご参加をお待ちいたします。

第3回日本映像学会東部支部研究発表会

日時:2024年12月21日(土)13時~
会場:東京工芸大学芸術学部1号館2階、1204教室
(東京都中野区本町2-9-5)
主催:日本映像学会東部支部
お問い合わせ:西村安弘(東部支部代表理事・東京工芸大学)
nishimurimg.t-kougei.ac.jp

プログラム
①13:10 発表者:WU YINGWEI(日本大学大学院芸術学研究科芸術専攻博士後期課程)
「田中登『実録阿部定』考察〜「純真な女」から「妖女」へ流動するファムファタール〜」
②14:00 発表者:白嗣民(東京工芸大学大学院研究生)
「篠田正浩の『美しさと哀しみと』におけるレズビアン表象 語りの手法とジェンダー・パフォーマティヴィティについての考察」
③14:50 発表者:・氏名:GONG ZHU(東京工芸大学大学院芸術学研究科博士後期課程)
「誰がスオミの話をするのか 『スオミの話をしよう』の精神分析的考察」

※発表時間30分:質疑応答10分

関西支部第101回研究会【12月21日】及び関西支部総会

日本映像学会関西支部第101回研究会(12月21日)および関西支部総会のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第101回研究会を開催いたします。関西支部会員に限らず多くの方の参加をお待ちしています。
オンラインでの参加を希望される方は、研究会前日までに下記グーグル・フォームに記入送信願います。当日メールにてZoom参加リンクをお送りいたします。
https://forms.gle/V9wmJuRjhmkp7skH9

日時:2024年12月21日(土)午後2時00分より4時30分頃まで。
会場:大阪芸術大学7号館51教室

研究発表1:鈴木清順問題共闘会議再訪―自主上映史の視座から―
発表者:田中晋平会員 日本大学研究員 
要旨:
1968年、日活による鈴木清順監督の突然の契約打ち切りと、東京のシネクラブ研究会が予定していた同監督の特集上映に対する作品貸し出し拒否に端を発して抗議活動が起き、〈鈴木清順問題共闘会議〉が結成された。鈴木清順による日活との裁判闘争の支援と作品封鎖の解除を求めたその活動に関して、本発表では、主に自主上映史の視座からの再考を試みる。〈清順共闘〉に関連する資料に基づき、インディペンデントな上映活動の担う可能性が、当該期においてどのように捉えられていたかを検討するのが狙いである。
 1960年代は日本における映画産業の衰退が進んだ時代だが、戦後の非商業的上映活動の転換期としても、先行研究で位置付けられてきた。製作・配給・興行のシステムを築いてきた旧来の映画産業側に対し、勃興した新たな映画運動、すなわち観たい映画を自らの手で上映する自主上映グループやシネクラブの活動が衝突して生じた鈴木清順問題は、時代を象徴する出来事としても事後的に把握されてきた。『鈴木清順全映画』(立風書房、1986年)で上野昻志は、「それまでの、作る側中心にしか展開しなかった映画運動を、見る側へ開いてゆく大きな力になった」(同書、224頁)とシネクラブ研究会などの活動を位置付け、〈清順共闘〉について論じている。
 ただし、当時の〈清順共闘〉での討論記録や映画雑誌に掲載された関連する論考や座談会、新聞記事などを確認すると、鈴木清順の映画を観るための上映活動のみが議論されていたわけでは全くない。映画産業内の労働者の権利や著作権の問題、五社体制のオルタナティブとなる映画の創造と批評運動のありかたなど、さまざまな論点が噴出していた。そのため、「観客の“映画を観る自由”」、「〈観る権利〉を確立せよ!」といった表現は散見されるものの、自主上映の活動の可能性や意義について議論が尽くされていたとは、むしろ言い難い面がある。しかし、〈清順共闘〉で中核的役割を果たした大島渚に対し、その政治主義的側面を批判した上で、映画運動/観客運動としての固有の問題を探った松本俊夫のテキストなど、注目すべき論点は提示されていた。自主上映史の視座から整理すれば、政治運動に従属する「運動の映画」ではなく、(鈴木清順の作品含め)映画と観客の関係から形成されるべき「映画の運動」として自主上映を捉える主張、あるいはその萌芽を認めることができる。こうした論点を、〈清順共闘〉に関連する言説から掘り起こす作業を進め、作品封鎖に対抗し、観る権利を唱えた上映活動への認識、その可能性の一端に迫りたい。

研究発表2:『トーク・トゥ・ハー』の劇中映画『縮みゆく男』とクールベの『世界の起源』
発表者:伊集院敬行会員 島根大学
要旨:
ペドロ・アルモドバルの『トーク・トゥ・ハー』(2002)には『縮みゆく男』という劇中映画が登場する。この映画は主人公ベニグノが見た映画で、劇中、彼はその内容を語りながら眠れる美女アリシアをマッサージしている。しかし、そうしているうちにベニグノは興奮し、ついに超えてはいけない一線を越えてしまう。だがそれは画面に映し出されることはない。なぜならこの『縮みゆく恋人』のある場面がベニグノの卑劣な行為を覆い隠すからである。その場面とは、恋人の科学者アンパロの作った痩せ薬のせいでペニスサイズにまで縮んでしまったアルフレドが、眠っている彼女の膣に滑り込んでいくというものである。
 『トーク・トゥ・ハー』が論じられるとき、一般にこのシーンは、「トーク・トウ・ハー」というセリフとともに、アリシアをレイプしたベニグノに対して我々鑑賞者を同情と反感、好意と嫌悪、賞賛と非難に引き裂く仕掛けとして考察されることが多い。
 だが、精神分析的な視点で見るならこのシーンは、フロイトが「快感原則の彼岸」(1920)で論じたエロスとタナトスの分かちがたい関係を見ることもできる。そしてそうだとすれば、劇中映画でアルフレドが眠っているアンパロの膣に潜り込むときの構図が、クールベの『世界の起源』(1866)を思わせるものであることは重要である。なぜなら『世界の起源』の最後の所有者はジャック・ラカンであり、彼が『世界の起源』を、アンドレ・マッソンがそれをもとにして描いた風景画で覆い隠したことは、『精神分析の四基本概念』で論じられる「眼差し」を説明する図を連想せるからである。そこで本発表は『トーク・トゥ・ハー』の精神分析的解釈を通し、『縮みゆく恋人』もまた、ラカンの装置におけるマッソンの線画のように、「眼差し」を隠していることを明らかにする。

研究会会場:大阪芸術大学7号館51教室

・研究会終了後、同会場にて2024年度日本映像学会関西支部総会を行います。4時半頃開始予定。

交通アクセス:https://www.osaka-geidai.ac.jp/guide/access
近鉄南大阪線「喜志駅」下車 大阪芸術大学スクールバス(無料・随時発車)

構内マップ:https://www.osaka-geidai.ac.jp/guide/access/campus

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内(大橋)
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
email:eizouosaka-geidai.ac.jp

「インターリンク:学生映像作品展[ISMIE]2024」【名古屋会場/11月30日-12月1日】開催のご案内

映像表現研究会主催「インターリンク:学生映像作品展 [ISMIE] 2024」(名古屋会場)開催のご案内

映像表現研究会が主催する「インターリンク:学生映像作品展 [ISMIE] 2024」名古屋会場のお知らせです。

名古屋会場は、11月30日[土]、12月1日[日]に愛知芸術文化センターで開催される「ムービング・イメージ・フェスティバル / MIF 2024」のプログラムとして実施します。
各校で選抜された作品の上映と、近隣の芸術系大学や映像系専門学校より選出された特別上映プログラム、参加校教員等による公開トークを予定しています。
会員諸氏や作者のみならず、在学生の方にもご覧頂きたいと思っております。
入場無料です。是非お誘い合わせの上、ご来場ください。

<名古屋会場:ムービング・イメージ・フェスティバル(MIF)2024 共催>
日 時:2024年11月30日(土)、12月1日(日)開催
会 場:愛知芸術文化センター 12階 アートスペースA

11月30日[土]13:00〜17:30頃
-ISMIE 代表作品プログラムA (約65分)
-ICAF2024 実行委員セレクションA(約50分)
-ISMIE 代表作品プログラムB (約70分)
-名古屋特別プログラムA + 出品者挨拶(約50分)

12月01日[日]13:00〜17:30頃
-ISMIE 代表作品プログラムC + 出品者挨拶(約80分)
-ICAF2024 実行委員セレクションB + 出品者挨拶(約55分)
-名古屋特別プログラムB + 出品者挨拶(約45分)
-参加校教員による公開トーク

詳細は以下のURLよりご確認ください。
https://sites.google.com/view/movingimagefestival

愛知芸術文化センターへは、
地下鉄東山線または名城線「栄」駅下車、オアシス21経由にて徒歩3分
名鉄瀬戸線「栄町」駅下車、オアシス21経由にて徒歩2分
https://www.aac.pref.aichi.jp/access.html

以上
日本映像学会映像表現研究会
ISMIE 2024 事務局
日本大学芸術学部映画学科(研究室A)
担当:奥野邦利
名古屋会場担当:伏木 啓