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関西支部第98回研究会【12月23日】及び関西支部総会

日本映像学会関西支部第98回研究会(12月23日)および関西支部総会のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第98回研究会を開催いたします。関西支部会員に限らず多くの方の参加をお待ちしています。

日時:2023年12月23日(土)午後2時00分より4時30分頃まで。
会場:神戸女学院大学 文学館2階 L-28教室

研究発表1:「芸術的フランス映画」、あるいは「フランスの芸術映画」のデータ分析
―Cahiers du cinéma誌にある46作品を対象にして―
発表者:畔堂洋一会員 大阪公立大学非常勤講師
要旨:
本発表では、「芸術的フランス映画」、あるいは「フランスの芸術映画」とは、具体的にどのような映画であるのかということを、データサイエンスの視点から分析していくことを目標とする。本発表の意義を2点述べておく。1点目は、データサイエンスの視点から「芸術的」であると表されやすいフランス映画の解像度を上げることによって、映画作品を構成する一要素として、漠然として漂っている「芸術性」を明確にしていく一助になると考えられる。2点目は、映画にある「芸術性」を明確にすることにより、日本の映画支援、とりわけ「芸術性」を打ち出そうとする映画に対する支援の方針を決定づける雛形になりうることである。日本の映画支援といえば、映画監督の是枝裕和らにより「日本版CNCの設立を求める会」が2022年に立ち上げられた。「日本版CNC」は、フランスの映画産業支援機関であるCNCをモデルに構想されており、商業性に劣る芸術映画の製作、普及にも広く支援の網が張られるようなシステムを取り入れようとしている。本発表は、「日本版CNC」を設立するにあたって、先に触れたように、芸術映画に対する支援のありかたに対する一つのモデルを示すことができる。
分析について簡単に説明すると、フランスの映画批評サイト「AlloCiné」に掲載されている、それぞれの作品によせられたコメント(全5463コメント)をスクレイピングにより集めてコーパスを作成し、フリーソフトウェア「KHcoder」を使用してテキストマイニングを実施した。そして、次の頁に掲載している図1(【共起ネットワーク図】抽出語)、と図2(【共起ネットワーク図】抽出語x外部変数〈ランク〉)を得ることができた。図1は、コーパスから抽出した100語から1000語の名詞(N:Nom)と形容詞(AQ:Adjectif Qualicatif)から作成したものであり、図2は、図1に外部変数(ランク:映画評価にかかる星0.5から5.0)をかけあわせて作成したものである。本発表は、図1と図2について解釈していくことが主な内容となる。具体的には、図1に関しては、クラスターの分類を通してコーパス全体の特徴を概観し、図2に関しては、外部変数(ランク)を導入したことで変化した共起ネットワーク図から、特徴的なクラスター、あるいは抽出語をとりあげ、分析を深めていく。分析対象の選定基準、「芸術的フランス映画」と「フランスの芸術映画」という用語の説明、個々の具体的な映画作品の情報などの前提事項についても、可能な限り述べていく。

研究発表2:映画『理性に還る』に見るブリコラージュ的制作方法とオブジェ性
発表者:大橋勝会員 大阪芸術大学映像学科
要旨:
マン・レイの映画作品Le Retour à la Raison(理性に還る)が公開されて100年が経つ。ダダの示威行動「髭の生えた心臓の夕べ」(1923年7月6日、パリ、テアトル・ミシェル)で上映するため、トリスタン・ツァラに請われて本作は制作される。ツァラはマン・レイの映画上映をクレジットしたイヴェント告知のチラシを先に印刷してしまっており、催し間近で作品依頼をする。マン・レイはこれに応えるため、撮影を必要としないレイヨグラフの手法を映画フィルムに応用する。これに若干の撮影済みフィルムを繋ぎ合わせて、映画『理性に還る』はイヴェントに間に合わせて作られた。発表者は本作の特徴をブリコラージュと捉え、その内容の精査を試みる。
ブリコラージュ(bricolage)はフランス語動詞「bricoler」の名詞形で、「ありあわせのものを寄せ集めて作る」「繕う」などの意があり、それを行なう者を「bricoleur」という。合理的・計画的な近代西洋的思考法による生産と異なるこれを、クロード・レヴィ=ストロースは『野生の思考』において「具体の科学」と指摘した。
合目的の作為を否定するダダの姿勢と、ブリコラージュの思考法には親和性があり、ファウンド・オブジェという形態はそのことを明快に示している。『理性に還る』はダダの無目的な発想と、予期せぬ事態に対処するブリコラージュ的思考の融合であることを確認する。

研究会会場:神戸女学院大学 文学館2階 L-28教室

・研究会終了後、同会場にて2023年度日本映像学会関西支部総会を行います。4時半頃開始予定。

交通アクセス:https://www.kobe-c.ac.jp/access
※最寄駅は阪急今津線「門戸厄神」駅です。駅から大学正門まで徒歩で約8分、正門を入ってから急な坂道を約8分登ります。
※タクシーで来校される場合は、阪急神戸線「西宮北口」駅からご乗車のうえ、大学の「西門」から入構し、車道用の坂道を登りきったところで降車してください。
※自家用車の乗り入れはできません。自家用車で来校される場合は近隣のコインパーキングをご利用ください。

構内マップ:https://www.kobe-c.ac.jp/campuslife/map
※会場のある「文学館」はマップの「13」の建物です。

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内(大橋)
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
email:eizouosaka-geidai.ac.jp

「インターリンク:学生映像作品展[ISMIE]2023」【名古屋会場/12月2日-3日】開催のご案内

映像表現研究会主催「インターリンク:学生映像作品展[ISMIE]2023」(名古屋会場)開催のご案内

映像表現研究会が主催する「インターリンク:学生映像作品展[ISMIE]2023」名古屋会場のお知らせです。
名古屋会場は、12月2日(土)、12月3日(日)に愛知芸術文化センターで開催される「ムービング・イメージ・フェスティバル / MIF 2023」のプログラムとして実施します。

各校20分以内(2作品以内)又は30分以内(1作品)で選抜された作品の上映と、近隣の芸術系大学や映像系専門学校より選出した特別上映プログラム、参加校教員等による公開トークを予定。

会員諸氏や作者のみならず、在学生の方にもご覧頂きたいと思っております。
入場無料です。是非お誘い合わせの上、ご来場ください。

<名古屋会場:ムービング・イメージ・フェスティバル(MIF)2023 共催>
日 時:2023年12月02日(土)、03日(日)開催
会 場:愛知芸術文化センター 12階 アートスペースA

12月02日[土]13:00〜18:00頃
-ICAF 2023 実行委員セレクション A
-ICAF 2023 実行委員セレクション B
-名古屋特別プログラム A + 出品者挨拶
-ISMIE 代表作品プログラム A + 出品者挨拶

12月03日[日]13:00〜18:30頃
-ISMIE 代表作品プログラム B + 出品者挨拶
-ISMIE 代表作品プログラム C + 出品者挨拶
-名古屋特別プログラム B + 出品者挨拶
-名古屋特別プログラム C + 出品者挨拶
-公開トーク(参加校教員より)

詳細は以下のURLよりご確認ください。
https://sites.google.com/view/movingimagefestival

愛知芸術文化センターへは、
地下鉄東山線または名城線「栄」駅下車、オアシス21経由にて徒歩3分
名鉄瀬戸線「栄町」駅下車、オアシス21経由にて徒歩2分
https://www.aac.pref.aichi.jp/access.html

以上

日本映像学会映像表現研究会
ISMIE 2023 事務局
日本大学芸術学部映画学科(研究室A)
担当:奥野邦利/野村建太
名古屋会場担当:伏木啓

アナログメディア研究会主催:実験映画を観る会 vol.6【11月26日】

実験映画を観る会 VOL-6
宮崎淳作品特集上映
日時:2023年11月26日 日曜日 15時から上映
場所:小金井市中町天神前集会所
〒184-0012 東京都小金井市中町1丁目7-7
https://www.mapion.co.jp/phonebook/M13007/13210/21331137107/
武蔵小金井駅南口から徒歩約14分
参加は予約制です。予約フォームにご記入ください。
https://forms.gle/P26gwELG53u1QEJEA
上映作品の詳細なども研究会Facebook  twitter にアップ予定
参加資料代千円(当日現金でお支払い下さい)
スケジュール
14時45分開場
15時 〜 17時 上映 解説
17時 〜 17時15分 休憩
17 時15分 〜 17時45分 トーク 宮崎淳・石川亮 & 質疑応答
実験映画を観る会は、フィルムで制作された実験映画をフィルムで上映することをコンセプトに、これまで5回行ってきた。第6回目は、映像作家宮崎淳作品の特集上映。16mmフィルムでの上映と作家による解説、石川亮とのトーク&質疑応答が予定されている。

宮崎淳作品解説
106分 1時間46分
上映作品(上映順)

■『降水確率』1994年/16mm/カラー/10分/サイレント
この時期数年にわたって、多重露光のテクニックを使って作品を作り続けていた。大雑把なテーマと構成だけを決めて、そこに当てはまる被写体(あるいは光景)に出会いそうな場所をウロウロと歩く。うまく行く時もあれば、空振りの時もある。いずれにせよ、こうした撮影スタイルは天気に大きく左右される。そのこと自体をテーマとして、『降水確率』と名付けた作品である。

■『RAPID FIRE』1996年/16mm/カラー/11分(別音源によるサウンド上映)
出演:カリノ 音楽:足立ハルキ、古谷弘毅
都市を丸ごと映像化する!と言う無謀な試みによって作られたジェットコースター・ムービー。映像の洪水が、見る者の視覚に挑みかかる。この作品も多重露光のテクニックを使って作られているが、この場合はほとんどがアドリブで、まるでフリージャズの気まぐれなセッションのようだった。と言ったらミュージシャンが怒るだろうか。

■『FLIP LIGHT CRUISER』1998年/16mm/白黒&カラー/11分/サウンド
出演:カリノ 音楽:足立ハルキ、古谷弘毅
夜の街を進む、スチルカメラのモータードライブで捉えた白黒の視点。都市を写す、現代のフリップ・ブック(パラパラアニメ)。制作手法は、まず白黒で撮影した写真をサービス版でプリントし、カラーの16mmフィルムで一コマずつ再撮影。さらに多重露光で実際の風景を重ねて撮影した。そのため、この作品は白黒とカラーのハイブリッド映像になっている。

■『BORDER LAND』1999年/16mm/カラー/15分/サウンド
音楽:足立ハルキ、古谷弘毅、イリヤ・ラミエル
これは一万年の寿命を持った宇宙人の視点だろうか。あるいは、やがて滅びるかも知れぬ文明へのレクイエムだろうか。足立ハルキによる重厚なサウンドトラックが、SF映画をも思わせる壮大なクライマックスへと見る者を誘う。この作品は一コマずつ長時間露光(バルブ撮影)で撮影している。現在のデジタルカメラは自動で撮影できるが、この頃のカメラは一コマ一コマシャッターを押さなければならなかった。それは一種の「苦行」に近く、何かを悟ったような気分になったものだ。

■『TIME SCAPE』2001年/16mm/カラー/16分/サウンド
音楽:Four Color リレコ:佐々木雅之
誰もいない真夜中でさえ、風が吹き、雲が流れる。カメラは息を潜めて、それを見つめる。まるで地球の自転さえ、その身に感じ取ろうとするかのように。この作品は『BORDER LAND』同様、長時間露光で撮影している。ただし『BORDER LAND』がSF的世界観を狙っていたのに対して、この作品では時間の経過そのものを表現しようと試みた。

■『FRONTIER(フロンティア)』2003年/白黒/23分/サウンド
音楽:Four Color リレコ:佐々木雅之
2004年、第57回カンヌ国際映画祭 監督週間“若い視点賞”受賞作品
白黒の映像で、ただ淡々と団地が映し出される。団地は世界中どこにでもある。これは国境を越えた我々団地世代への、言葉を超えたメッセージである。時折コマ撮りとスローモーション撮影が加わるだけで、あとはタネも仕掛けもない。かつて夢見た未来をとうに追い越してしまった今でさえ、団地はまだそこにある。だが、さすがにそろそろ再開発の時期を迎えているようだ。そしてそこが、また新たなフロンティアになっていくのだろう。

■『光の庭 〜BRILLIANT GARDEN 2004〜』2004年/16mm/カラー/20分/サウンド
淡々と、晴れた日の風景を映し出した作品。もはやコマ撮りも影を潜めた。視覚だけに限って言えば、我々の世界は“光のさざ波”に過ぎない。硬質な直射日光の反射が、我々に世界の輪郭を与えてくれる。もしかして目的は撮影ではなく、“その場に立つこと”そのものなのかも知れない。撮影とは、それを正当化する手段なのだ。

● 宮崎 淳(みやざきじゅん)
1965年生まれ。映像作家。1988年、東京造形大学での卒業制作『Ring Android』がイメージフォーラム・フェスティバル(IFF)’88にて大賞を受賞。1990年に制作した『真空氷』IFF’91がエクスペンタル・イマジネーション賞を受賞。その後も作品の発表を続け、2004年『FRONTIER』が第57回カンヌ国際映画祭 監督週間にて「Regards Jeunes(若い視点)」賞を受賞。
1988年グラフィックデザイン事務所に入社し、印刷物のデザインと広告制作に携わる。1992年にフリーとなり、ミュージック・ビデオクリップの制作により映像業界に参入。その後CS放送局の依頼を受け、スポーツ番組やBBCドキュメンタリー番組、海外ドラマや映画専門チャンネルのプロモーション映像を演出/編集。近年は科学番組や企業VP、博物館等の大型映像の脚本/監督を手がけることが多い。
〈フィルモグラフィー〉
■『Ring Android』1988年/8mm/カラー/45分
■『真空氷』1990年/8mm/カラー/24分
■『発生触』1992年/16mm/カラー/8分
■『天演光』1993年/16mm/カラー/11分
■『降水確率〜Chance of rain〜』1994年/16mm/カラー/10分
■『PLASTIC TEAR』1995年/16mm/白黒/5分
■『RAPID FIRE』1996年/16mm/カラー/11分
■『FLIP LIGHT CRUISER』1998年/16mm/カラー/11分
■『BORDER LAND』1999年/16mm/カラー/15分
■『MOTIONPHOTOGRAFFITI』2000年/VTR/カラー/9分
■『TIME SCAPE』2001年/16mm/カラー/16分
■『A LITTLE PLANET ~小さな惑星~』2002年/白黒/7分
■『FRONTIER』2003年/白黒/23分
■『光の庭 〜BRILLIANT GARDEN 2004〜』2004年/16mm/カラー/20分
■『A RIVERSCAPE』2018年/デジタル/白黒/93分

●石川亮 フィルムによる映像作品/インスタレーション作品などを制作。 8ミリフィルム作品上映企画「! 8 – exclamation 8」や、自家現像ワークショップを企画運営している。 映像作家集団Spice films主宰。

主催:
日本映像学会 アナログメディア研究会
https://www.facebook.com/analogmedia
https://twitter.com/analogmedia2022
8ミリフィルム小金井街道プロジェクト
http://shink-tank.cocolog-nifty.com/perforation/
https://twitter.com/8mmfkkp

メディア考古学研究会(第2回)ダイジェスト映像公開のお知らせ

メディア考古学研究会(第2回)ダイジェスト映像公開のお知らせ

メディア考古学研究会では、先日9月16日(土)に板橋区立教育科学館で開催したメディア考古学研究会(第2回)「プリントメディアの科学観」のダイジェスト映像を下記サイトで会員向けに限定公開しております(2024年3月30日まで)。

プリントメディアの変遷、童謡レコード同期用の玩具映画の実演、新発見の紙フィルム「ツキボシフヰルム」の紹介、家庭トーキー発声映写器の修復の様子などをまとめた4分程度の短い動画ですので、ぜひご高覧ください。

メディア考古学研究会代表
福島可奈子

東部支部研究発表会開催のお知らせ【12月2日】

東部支部では昨年に引き続き支部研究発表会を開催することになりました。
当日はどなたでも聴講いただけます。
事前予約などはございませんので会場に直接お越しください

詳細は以下の通りです。

開催日時:2022年12月2日(土)13時〜17時

会場:日本大学芸術学部(東京都練馬区旭丘2-42-1)A棟A-301教室
(A棟は駅から一番遠い校舎です。西武池袋線江古田駅北口を出て右折し直進。一つ目の信号を渡って校舎沿いにしばらく直進してください。ファミリーマートを通り過ぎた先にある守衛所の横がA棟の入口になります。そこからお入りください)。

発表時間30分・質疑応答10分 合計40分

プログラム(予定)

① 13時〜13時40分
・GONG ZHU キョウ シュ(東京工芸大学大学院芸術研究科博士後期課程)
発表タイトル:「バック・ステージもの」と「楕円」型コメディの融合
――『ザ・マジックアワー』(2008)と『トゥ・クール・トゥ・キル』(2022)の比較

② 13時45分〜14時25分
・内山 翔太(京都大学大学院人間環境学研究科士後期課程)
発表タイトル:1920・30年代の日本における女性の映画経験

③ 14時30分〜15時10分
・銭 政印(日本大学大学院芸術学研究科)
発表タイトル:寺山修司の実験映画における海外芸術文化からの影響についてーアメリカの場合―

15時10分〜15時30分休憩

④ 15時30分〜16時10分
・金 秋雨(日本大学芸術学部美術学科助教)
発表タイトル:映像研究における鑑賞者研究の新たなアプローチの必要性:「non-syntax」の事例を通して

⑤ 16時10分〜16時50分
・石毛みさこ(日本大学芸術学部放送学科助教)
発表タイトル:連続テレビ小説『らんまん』が描いた現代社会へのメッセージについて

主催:日本映像学会東部支部
問い合わせなどは
東部支部担当:安部 裕
メール:abe.yutakanihon-u.ac.jp
までお願いいたします。

映像玩具の科学研究会第一回【12月16日】のお知らせ

日本映像学会映像玩具の科学研究会第一回 (2023年12月16日)のお知らせ

この度映像玩具の科学研究会は、下記の通り第一回会合を開催することとなりました。

タイトル アノーソスコープを科学する
内容 プラトーが1829年から1830年にかけて開発したアノーソスコープは、体験できる機会も少なく、機構についてなかなか理解しにくいところがあります。研究会第一回では3人程度の班で、アノーソスコープを実験できるキットを使用し、その仕組や現象について語り合っていただく機会を設けます。
講演会ではなく、参加者のみなさんで考えるワークショップ形式となります。

日時 2023年12月16日(土)13時から3時間程度を想定
会場 明治大学中野キャンパス高層棟208教室
参加費 無料
募集人数 10人〜30名程度
応募方法 Googleフォームより申請 https://forms.gle/XmfQDUyEDubC2864A
配信 なし

問い合わせ 映像玩具の科学研究会 橋本典久 hashimotozeroworks.jp

締め切り 2023年11月27日 24時 (応募状況により早期に締め切る場合もあります。)

映像玩具の科学研究会
代表 橋本典久(明治大学) 
構成員 草原真知子(早稲田大学 / デジタルハリウッド大學大学院) 小出正志(東京造形大学) 瀧健太郎(NPO法人ビデオアートセンター東京 / 東海大学)

活動の趣旨
主に19世紀に発明された映像玩具や、科学的研究に用いられた視覚装置の研究を通じて、視覚体験の歴史的な理解を深め、それらの研究結果を未来の視覚技術や教育に応用することを目的とする。
映像技術の進化や文化的な意義、見落とされがちなアートとしての側面についても再評価し、その知見を現代の視覚体験やメディア文化の活性化に繋げる。また、古典的な映像玩具の原理と最新のテクノロジーを統合し、映像体験や視覚研究の可能性を広げる。これらの研究成果を学会や教育分野に公開し、映像文化や視覚的な創造性の普及に貢献することを目指す。
本研究会では、視覚に関する理解と技術の発展を結びつけることにより、未来の世代においても視覚的な創造性を促進していく。

アジア映画研究会(第3期第21回)開催のお知らせ【12月5日】

日本映像学会会員 各位

《日本映像学会アジア映画研究会(第3期第21回)開催のお知らせ》

アジア映画研究会(第3期第21回/通算第54回)を下記の通り開催致します。
日時:2023年12月5日(火)18:00 – 20:00
ZOOMによるオンライン開催:事前申込制
申し込み締め切り:12月1日(金)
下記 URL より所定のフォームにご記入の上、お申し込みください。
https://docs.google.com/forms/d/1TlERjKcX6Jn3gtmxb55nUftgsIKM9vXpck2YAGHlMCU/edit

期日が近づきましたら、ミーティングIDなどを改めてお知らせする予定です。

【内容】
①発表(40分+討議)
萬宮健策(東京外国語大学)
「これは観てほしい!パキスタンの映画事情」
<発表要旨>
多言語多民族国家であるパキスタンの映画は、日本で上映されたことがあるごく一部の作品以外、ほぼ知られていないのではないか。本発表では、2000年代になって新たな段階に入ったといわれるパキスタンの映画事情を、印パ独立以降の状況と対比させつつ振り返り、その特徴を考える。また、日本で公開してもいいのでは、と思う作品をいくつか提案したい。

②発表(40分+討議)
南出和余(神戸女学院大学)
「バングラデシュ、アート映画のナショナリズムとグローバリズム」
<発表要旨>
1947年の印パ分離独立、1971年のパキスタンからの独立という近代以降二度の独立を経験してきたバングラデシュにおいて、映画は常に社会を示すツールを成してきた。映画の誕生においては現インド西ベンガル州と歴史を共有し、アート映画への造詣を維持しながら、東パキスタンからバングラデシュという枠のなかでは映画が「ベンガルムスリム」のナショナリズムを表象してきた。国内映画監督たちは映画監督としての登竜門の如く、誰もが一度は独立戦争を描く。21世紀に入ると、バングラデシュ海外移民の増加にともなって、映画は「バングラデシュ性(らしさ)」を維持しながらも、そのテーマやストーリーにおいてはグローバルオーディエンスが意識されるようになる。
日本で劇場公開されたバングラデシュ映画は未だ『メイド・イン・バングラデシュ』(ルバイヤット・ホセイン監督、2019年制作、2022年日本劇場公開)のみに限られるが、映画祭での上映作品は21本に及ぶ。これらの一部を紹介しながら、映画によるバングラデシュ社会のイメージ形成について考えてみたい。

【12月座長松岡より補足】

萬宮健策(まみや けんさく)氏は、東京外国語大学において実施されている映画の自主上映プログラム「TUFS Cinema」の南アジア部門において、藤井美佳氏(字幕翻訳家・アジア映画研究会会員)と共にこれまでにたくさんの作品を紹介してきました。下記サイトをご参照いただければと思いますが、研究会の直後にも、パキスタン映画とバングラデシュ映画の上映が予定されています。よろしければ、お申し込みの上お運び下さい。
https://www.tufs.ac.jp/tufscinema/

南出和余(みなみで かずよ)氏は、神戸女学院大学において学生たちと共に、大阪アジアン映画祭で上映されるバングラデシュ映画の字幕翻訳を担当してきました。『メイド・イン・バングラデシュ』もそのうちの1本で、パンドラの配給により、岩波ホールの最終年上映作品の一つとして昨年4月16日に公開されました。映画の公式サイトのアドレスアドレスを付けておきますので、予告編をぜひご覧下さい。
http://pan-dora.co.jp/bangladesh/

◎皆様方のご参加をお待ちしております!(12月座長:松岡環/アジア映画研究会代表:石坂健治)

2023年度 日本映像学会アニメーション研究会・映像心理学研究会 第2回合同研究会【12月2日】

2023年度 日本映像学会アニメーション研究会・映像心理学研究会 第2回合同研究会

日本映像学会アニメーション研究会と映像心理学研究会の合同究発表会を開催いたします。参加登録をしていただければ、どなたでも参加いただける会です。ご興味、ご関心がございましたら、是非ご参加くださいますようご案内申し上げます。

日本映像学会 映像心理学研究会・アニメーション研究会 代表:横田正夫

■開催概要

日時:2023年12月2日(土曜日)PM2:00~5:10
会場:日本大学文理学部百周年記念館会議室2

参加登録:参加をご希望される方は、11月30日(木曜日)までに下の参加登録フォームに必要事項をご記入ください。
https://forms.gle/yK5vVoZUZ1LUX5aB6
登録いただいたメールアドレス宛に登録受付完了のメールが送られます。メールが届かない場合は、お手数ですが運営の野村(nomura.works@gmail.com)までお問合せください。

■プログラム

2:00~3:10 映像心理学研究会(3:10~3:30 質疑応答)

「映像心理学」の授業で何を教えているのか ~運動知覚に関する講義内容を中心に~
日本大学 野村康治

要旨:発表者は日本大学芸術学部映画学科において「映像心理学」という科目を担当している。映像表現に関する専攻・コースを設置している高等教育機関の中でも「映像心理学」を開講している機関は稀有である。授業内容は科目開設以降の担当教員によって変化してきたが、現在は映像表現に関係する心理学的知見を広く取り上げている。その中では、映像制作者と知覚研究者との合同研究会において議論された「映像の動き」に関する問題についても言及している。本発表では、同科目の授業内容を概説し、さらに映像における運動知覚の問題をどのように取り上げているかを述べて研究と教育の連携について考察したい。また併せて「映像心理学」とは何かという問題についても考えてみたい。

3:40~4:50 アニメーション研究会(4:50~5:10 質疑応答)

体験史としてのアニメーション研究
東京造形大学 小出正志

要旨:アニメーション研究というディシプリンについて諸説がある。始まりをSociety for Animation Studies(SAS)の創設(1987)に求める意見もあれば、戦前に遡る見方もある。一方でアニメーション研究とAnimation Studiesを異なるものとする考え方もある。発表者は日本映像学会アニメーション研究会の再発足(1992)、日本アニメーション学会の設立(1998)、インター カレッジ アニメーション フェスティバル(ICAF)の創設(2002)、東京造形大学アニメーション専攻領域の開設(2003)などに関わり、日本の一時期におけるアニメーション研究に当事者として深い関わりを持つ。研究会発足30余年、学会設立25年、学科・専攻開設20年を経て、日本のアニメーション研究黎明期がどのようなものであったかを中心に、アニメーション研究とは何か、その草創についてなど、体験史の視点から総括する。

映像人類学研究会第5回研究会【11月12日】のお知らせ

日本映像学会映像人類学研究会第5回研究会(2023年11月12日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会映像人類学研究会第5回研究会をハイブリッド(対面およびZoomでのオンライン)にて開催いたします。
会員に限らず多くの方の参加をお待ちしております。
ドキュメンタリー映画 『Happy Ainu』の監督であり、ドキュメンタリー作家の山田裕一郎氏をお迎えして、「短編」「ネット」「地方」にこだわり、ドキュメンタリー作品を発信し続けることの意味と意義についてお話をしていただきます。

概要:参加者の皆さんには、ゲストスピーカー(山田裕一郎氏)が制作した上記の作品『Happy Ainu』を事前にご覧頂き(参加申し込み後に視聴URLを送らせていただきます)、当日はこの作品にまつわる講演を山田氏から頂き、その後、参加者で活発な意見交換、ディスカッションをおこないたいと思います。

日時:2023年11月12日(日)13時00分〜15時00分
形式:対面およびZoomによるオンラインの同時ハイブリッド開催

場所:桜美林大学東京ひなたやまキャンパス(東京都町田市本町田2600-4)
https://www.obirin.ac.jp/access/tokyohinatayama/
*オンラインでの参加を希望される方には、申し込み後にZoomの招待を送らせていただきます。

参加費:無料
どなたでも参加できます。学生さんも歓迎です。
お気軽にお申し込みください。若手制作者、若手研究者の方で興味がある方も是非ご参加ください。

参加申し込み方法:下記 Googleフォームからお申し込みください。ご質問、ご不明点がございましたら、以下のメールでお問い合わせください。参加者リスト作成などの準備のため、締め切りは11月10日(金)18:00厳守とさせていただきます。
Googleフォーム:https://forms.gle/x6NCJh3L873t8kwU7
メールでお問い合わせ: visualanthropology2021gmail.com

『Happy Ainu』(2020年)
作品概要:北海道の先住民族であるアイヌ。アイヌ語は今、消滅の危機にさらされている。母語として話す人は一人もいない。そんななか、YouTubeを使ってアイヌ語講座を発信する一人の大学生がいる。関根摩耶さん(21歳)だ。父の健司さん(49歳)は長年アイヌ語の復興に尽力してきたが、兵庫県出身でアイヌではない。ともに復興に取り組むものの、摩耶さんが幼いころからぶつかり合ってきた。そんな父娘の葛藤を追う。
ねらい:山田裕一郎氏は海外でドキュメンタリー映像を学び、現在は北海道で「地方発」のドキュメンタリーを発信している。その手法はネットである。ヤフーと契約して資金援助を受けながら作品を発表するという方法を採っている理由は何なのか?海外の映画祭に招かれるなど徐々に活躍の場を広げている山田氏。「ドキュメンタリーはテレビ局が作るもの」という常識を塗り替えたその「発想」と「着眼」に迫る。山田氏は語る。「人間の活力を描きたい」それはまさしく、映像人類学の真骨頂である。放送と配信、メディア激動期における作品発表のかたちを探り、映像制作の手法の多様性を模索してみたい。
ゲストスピーカー略歴
山田裕一郎/ドキュメンタリー作家
北海道出身のフィルムメーカー。
2004年、立命館大学法学部を卒業後、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校シネマ学部で実験映画を学び、同大学バッファロー校大学院メディアスタディ科では、ドキュメンタリーとダンス映像の制作を学び、2010年に帰国。2011年に北海道恵庭市にてヤマダアートフィルムを立ち上げる。主に、大学や専門学校、病院などの広報動画を制作しながら、短編ドキュメンタリー映画を制作している。2017年には東京都主催Beyond Awardにて、車いすソフトボールを取材した作品が優秀賞と観客賞を受賞。2018年には、札幌国際短編映画祭で「Choreographer/平原慎太郎の創作」がアミノアップ北海道監督賞を受賞した。
2019年からは、Yahoo!クリエーターズにも選ばれ、ショートフィルム部門のクリエーターとしても活動中。

司会:本研究会メンバー(田淵俊彦、中垣恒太郎)

式次第(予定)
13時00分〜 開会の挨拶、映像研究会のこれまで(第1回~第4回)の活動についての報告
13時15分〜 ゲストスピーカー・山田氏による講演(オンラインによる)
14時15分〜 参加者との意見交換
15時00分頃 終了

映像人類学研究会代表:田淵俊彦

ショートフィルム研究会第30回活動【11/10】のお知らせ

第30回活動「映画祭と作品、人がつむぐ現場性」

来る11/10(金)に映画祭をテーマとするとセミナーを実施いたします。予約不要です。ご都合よろしければぜひご参加ください。

詳細
https://theatercafe.jp/new/seminar2023/

登壇者 
山下宏洋 イメージフォーラム・フェスティバル ディレクター
藤田修平 東京情報大学総合情報学部准教授
新井佑季 立命館大学大学院文学研究科文化動態学専修博士課程前期課程

日時 2023年11月10日(金)開場14:30 開始15:00 終了18:00(予定)
会場 名古屋大学文系総合館7階カンファレンスホール

終了後に懇親会を予定しています。
参加希望の方は11/2までにご連絡ください。

本セミナーの目的は、作品と人、上映の場の関係性について、映画祭の現場性から考えることである。コロナ禍以降、映像視聴のオンライン化への移行が加速して久しい。とはいえ、最近の週末の映画館は大勢の来場者でにぎわっている。日本映画製作者連盟によれば、2019年まで右肩上がりだった映画館来場者数は、コロナ禍により激減したものの、人流の制限緩和が段階的に実施された2022年度においては、前年比130%以上の1億5,252万5,000人であった。さらに今年は、厚生労働省によれば、感染症法上のCOVID-19の位置付けが5類感染症に移行し行動制限が解除されて、感染防止対応が一般的な風邪のレベルになった。このような状況下で人々は再び街へ戻ってきている。一方、東京の岩波ホールを始めとする、各地域の独立系映画館の閉館が2021年頃から相次いでいる。さらに、COVID-19以前から、シネマコンプレックスのスクリーン数が増加し、作品配給の状況に変化がみられるようになった現在、かつては映画祭や独立系映画館を中心に流通してきた映画作品が、シネマコンプレックスやオンラインのサブスクリプション配信で鑑賞が可能な状況に移行した。このような複雑な状況の中、対面で映画鑑賞する意義や意味は何だろうか。本セミナーは、そうした映像を巡る現場性を再考する上で、一時的で非日常な時間と場所として現れる映画祭に注目していく。映画祭が開かれる際には、キーパーソンと作品、資金、場所、スタッフ、機材などのメディア環境、特に大きなものであれば公的機関の協力など、様々な要素が欠かせないといえる。その中でも今回は特に、作品と人と映画祭から考えていきたい。そのために今回は、映画祭企画者、映画制作者、映画研究者など異なる立場の登壇者の話を聴き、ディスカッションパネルを開くことでその現場性の意義と課題点、今後の可能性を考える。

企画 林緑子、新井佑季

主催 ショートフィルム研究会、名古屋大学融合フロンティアフェローシップ(アジア未来創造分野)