2015年日本映像学会西部支部研究例会開催のお知らせ
西部支部では,下記のとおり,研究例会を開催いたします。
会員の皆様のご参加をお待ち申し上げております。
なお,例会終了後に支部総会の開催を予定しております。
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日時:2015年11月28日(土) 15:00-17:00
会場:九州産業大学17号館6階 601教室(〒813-0004 福岡県福岡市東区松香台2丁目3−1)
1)「評論としての映像音響詩―”Reassenbly”」
発表者:中村滋延(九州大学大学院芸術工学研究院)
《Reassembly》は「映像音響詩」と名付けられた映像付きの電子音響音楽である。私は、この作品において小津安二郎の歴史的名作《東京物語》の卓越性を音響と映像によって表現しようとした。一種の「評論」である。
《東京物語》には物語の基本構造が明確に存在する。それは「行って帰る」という構造である。この構造には「(東京に)行く前」と「(東京から)帰った後」、「こちら側(=尾道)」と「あちら側(=東京)」という対比関係がある。
《Reassembly》は、2時間15分の上映時間の《東京物語》を、その構造を保持したまま6分間に縮小し、映像とともに音響が物語の中の対比関係を豊かに彩っている様子を表現した。しかし素材は原作のままではあり得ず、また対立関係の彩り方はより象徴的になり、それは《東京物語》にインスパイヤされた完全なる「新作」である。
2)【学生発表】「服飾の自己表現と心の関係性を描いた2DCGアニメーション—The Choice is Yours」
発表者:田中梨咲
(九州産業大学芸術研究科博士前期課程 造形表現専攻デザイン領域2年)
服装(服飾)とは着ている人物の内面や個性が表れた表象であろう。身につける人物の感情で服装は変化し、服によって感情が変化する。さらにそこに他者の目が加わることにより、服自体の意味が変化することもある。人にとって服を選ぶ理由は様々である。好きな色や形、素材や動きやすさなど、目的や時と場所に応じた服を、人は常に選択している。人が自分を表現するにあたり、服は極めて身近な存在である。服装はその人の内面の鏡であり、自分を表現するツールであると考えても良い。
本研究では、服と自己表現、そして心理的な関係性を調査し、いくつかのケースを検討しながらユニークな2DCGアニメーションを制作する。
3)【学生発表】「フィルムサウンド分類法の整理 ―直近20 年間の邦画分析を通して―」
発表者:三好悠介(九州大学芸術工学部)・中村滋延
映画分析の一環として、1950 年代以降様々な分類基準を持つフィルムサウンドの分類法が提案されてきた。その中でもボードウェルとトンプソンの提唱する「音の次元」、シオンの提唱する「改訂版三等分円モデル」の2つが現在多く使用されている。しかし、それら多様な分類法には統一された見解は示されておらず、体系的な映画音響分析の手法は未だ確立されていない。本発表の目的は、邦画作品分析を通して前述の2つの分類法の対応関係、分析における不整合点を検討し,その結果と他の先行分類法をもとに音響的要素全てを包括できる新しい分類モデルの構築を目指していくことである。
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会場案内
九産大は敷地が広いため、国道3号線の正門よりも、JR九産大前駅側の北門の方が比較的近くなります。
キャンパスマップ http://www.kyusan-u.ac.jp/guide/map/campus.html
アクセスマップ http://www.kyusan-u.ac.jp/guide/map/access.html
以上
問い合わせ先
日本映像学会西部支部
代表 伊原久裕
e-mail:ihara@design.kyushu-u.ac.jp
〒815-8540福岡市南区塩原4-9-1
九州大学芸術工学部内