実験映画を観る会 VOL-12 『実験映画の保存について』
2025年2月16日日曜日 16時開始(15時45分開場)
場所:小金井市中町天神前集会所 〒184-0012 東京都小金井市中町1丁目7-7
https://www.mapion.co.jp/phonebook/M13007/13210/21331137107/
武蔵小金井駅南口から徒歩約14分
参加は予約制です。予約フォームにご記入下さい。
https://forms.gle/wR2Z7vq7MRaGaziA7
講演、解説の詳細なども研究会face book X 旧twitter にアップ予定
参加資料代 1.000円(当日現金でお支払い下さい)
実験映画を観る会ではこれまでフィルムで作られた実験映画をフィルムで上映して来ました。オリジナルのメディアで上映するのが本来の姿だと思うからです。ずっとこうした作品鑑賞を続けていくためには作品がオリジナルで長く保存されることが重要です。フィルムで作られた実験映画がフィルムでちゃんと保存されるということです。とはいえ、実験映画作品の多くは作家が個人的に保管、保存しています。もし何かあった時は作品の散逸、消失が懸念されます。適切ではない保管、保存での劣化、破損も考えられます。これは単に作家や観客だけの問題ではなく、実験映画作品という文化遺産をどうすれば未来に継承することが出来るのかという問題です。今回の実験映画を観る会では、専門家に講演、解説してもらい実験映画の保存について考えたいと思います。実験映画作品の参考上映もありますが、講演、解説が中心の勉強会です。講師にはフィルム・アーキビストのとちぎあきら氏、フィルム技術者の郷田真理子氏、作品の保存を検討中の実験映画作家太田曜、がそれぞれ発表します。そこでは国立映画アーカイブへの作品寄贈が実験映画の保存において、一つの有力な可能性であることを検証します。
■16時開始(15時45分開場)
■16時〜16時45分
その1:国立映画アーカイブが考える映画保存のありかたと実験映画 とちぎあきら」
日本における国立唯一の映画保存機関であり、グローバルなフィルムアーカイブ機関のコミュニティである国際フィルムアーカイブ連盟(FIAF)の会員でもある国立映画アーカイブには、その両面を反映した独自の収集方針を持っています。実験映画に関連する寄贈受入や購入による収集の実績、収蔵施設や収蔵後の運用などを紹介するとともに、実験映画を保存する意義を確認しながら、アーカイブのための具体的な提案を行います。
参考作品上映 11分 予定
■16時45分〜17時15分
その2:保存のためのフィルム調査と復元の課題 郷田真理子
コレクションを保存するために必要なフィルム調査について、国立映画アーカイブや神戸映画資料館を例に必要な作業内容を紹介します。また、保存に伴い必要となるフィルムの複製やデジタル化においては、経年劣化したフィルムの修復、公開当時の色再現といった技術的な課題があります。後世に制作者の意図が反映されたフィルムを残すために必要な情報は何か、現像所の作業をもとに解説します。
参考作品上映 『コーヒーを飲む』渡辺哲也 1972年 15分
■17時15分〜17時25分 休憩
■17時25分〜17時55分
その3:作品を保存してもらうために 太田曜
作家の立場から、フィルム原版を国立映画アーカイブに寄贈しようと思う時に直面する課題、問題点などについて。フィルム原版を国立映画アーカイブに寄贈し、保存してもらおうとする時に直面した課題は、プリントと異なり原版は上映では使わないのでしっかり管理整理されていないということだ。個別の作家によっても異なるとは思うが、作品の最も重要な大元である原板は意外にもぞんざい、粗雑に扱われていた。
参考作品上映 『Optical Sound Film』太田曜 2024年 6分
■17時55分〜18時25分
その4:鼎談 実験映画の保存について とちぎ、郷田、太田、他
質疑応答
とちぎあきら フィルムアーキビスト。『月刊イメージフォーラム』編集長、フリーランスを経て、2003年より14年間、東京国立近代美術館フィルムセンター(現・国立映画アーカイブ)主任研究員として、映画フィルムの収集・保管・登録、保存・復元・アクセス対応の責任者を務める。
郷田真理子 フィルム技術者。大学卒業後、NPO法人映画保存協会の活動、8mmフィルム現像所等で仕事を経たのち、東京国立近代美術館フィルムセンターで5年間フィルム調査に従事、2014年から2022年まで現株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービスにてタイミング、神戸映画資料館を含むフィルム調査などを担当。現在は川崎市市民ミュージアムに勤務。
太田曜 実験映画制作、研究 国立フィルムアーカイブに作品の原版を寄贈するべく準備中 作品のほぼ全ては16ミリ、まれに8ミリフィルムによって作られている。8ミリ作品はオリジナルポジのみ、16ミリフィルム作品でも自家現像作品などではオリジナルポジ一本しかないものもある。
主催:
日本映像学会 アナログメディア研究会
https://www.facebook.com/analogmedia
https://twitter.com/analogmedia2022
8ミリフィルム小金井街道プロジェクト
http://shink-tank.cocolog-nifty.com/perforation/
https://twitter.com/8mmfkkp