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第12回クロスメディア研究会【7月28日】

第12回クロスメディア研究会開催のお知らせ

下記の通り、第12回クロスメディア研究会を開催します。

開催日時:2018年7月28日(土) 14:00 – 17:00
開催場所:東京工芸大学芸術学部1号館B2F ビデオスタジオ
アクセスマップ https://www.t-kougei.ac.jp/access/
キャンパスマップ https://www.t-kougei.ac.jp/guide/campus/nakano/
以下研究会の概要です。

日本映像学会クロスメディア研究会夏季スペシャル企画
映像と美術のあいだ

美術パフォーマンス記録映像による対談
アーティスト 池田 一氏

企画主旨
アーティスト池田一氏をお向かえして氏の80年代のパフォーマンス記録映像を会場で上映しながら対談を行っうことで当時の記憶の想起とともに、今現在への連続性を確認する。そしてその連続性の切断面から映像と美術の関係の現在を探る。

内容:ビデオスタジオで記録映像の上映とともに対談 。

進行:李 容旭(東京工芸大学芸術学部映像学科教授)
資料代 500円(25部限定)
事前予約不要。

池田 一氏は、30 年以上にわたって、地球環境問題、特に水に関する問題と強く結びついたアートワークを展開してきた。水は地球の中のもっとも重要な資源であると確信する彼は、国際会議、コミュニティー活動、パブリック・パフォーマンス、インターラクティブなインスタレーションを通じて、水の保全の問題について地球規模の意識を高めることに、生涯を捧げてきている。広く「池田ウオーター」として知られる水のプロジェクトを、持続可能な未来の実現に向けて、世界各地で実現。環境問題を強く意識した一連の作品を通じて、環境ア−トやアースアートをリードする先駆的なアーティストのひとりとして、国内外で高い評価をもつ。
1943 年大阪生れ。京都大学工学部高分子化学修士課程卒業
http://www.ikedawater.com/jp/index.html

日本映像学会クロスメディア研究会
代表 李 容旭
〒164-8678東京都中野区本町2-9-5
東京工芸大学芸術学部映像学科内
e-mail:lee@img.t-kougei.ac.jp

「若手研究者海外派遣事業」応募期間の延長のお知らせ(早稲田大学演劇映像学連携研究拠点)【7/20必着】

日本映像学会会員各位

5月16日に配信いたしました「若手研究者海外派遣事業公募」(早稲田大学演劇映像学連携研究拠点)につきまして、応募期間延長のお知らせが届いております。

早稲田大学演劇映像学連携研究拠点では、2018(平成30)年度の若手研究者海外派遣事業の応募期間を延長いたしました。

・助成対象:2018年8月中旬〜11月末に海外における研究発表を予定している若手研究者(35歳以下、上限25万円)
・申請締切:2018年7月20日(金)必着

審査結果の発表は7月下旬頃を予定しております。

公募要領の詳細は以下のURLをご覧ください。
http://www.waseda.jp/prj-kyodo-enpaku/enhancement/H30_kaigai.html

早稲田大学演劇博物館演劇映像学連携研究拠点事務局
kyodo-enpaku@list.waseda.jp

以 上 

日本映像学会事務局
〒176-8525
東京都練馬区旭丘2-42-1
日本大学芸術学部内

関西支部第84回研究会【6月23日】

日本映像学会関西支部第84回研究会(6月23日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第84回研究会を開催いたします。会員の皆様の参加をお待ち申し上げます。

日時:平成30年6月23日(土)午後2時より
会場: 京都大学 吉田南キャンパス 総合人間学部棟 1B09

研究発表1: 『彼岸花』の二つの修正入台本に見られる京都弁の修正
発表者:伊藤弘了 京都大学 人間・環境学研究科 博士後期課程
要旨:小津映画の台本をめぐる先駆的な研究に、宮本明子が里見弴による『早春』(1956年)の修正入台本を分析したものがある。宮本は、小津が里見に『早春』の台本の修正を依頼した主たる理由として、関西弁の登場人物の存在を挙げている。トーキー初期の作品以来、小津映画には方言を話す人物が頻繁に登場する。この点について、正清健介は、小津映画における方言が「疑似方言」であり、少なくともトーキー初期から『東京物語』(1953年)までの作品では、リアリティを重視していなかった点を指摘している。しかし、『早春』の修正入台本にくわえて、実は『彼岸花』(1958年)には、主として京都弁の修正が施された二種類の書き込み台本が残っており、この時期の小津がむしろ方言のリアリティにこそこだわっていたことがうかがえる。仮に小津が『早春』以降の作品で方言に対する考え方を転換したのだとすれば、それはいかなる要因によるもので、映画にどのような効果をもたらしているだろうか。

研究発表2:メディアの変化と東映―映画からテレビへの移行と現在
発表者:荒木慎太郎 花園大学 文学部 創造表現学科 非常勤講師
要旨:活版印刷が発明されてから現在まで、メディアはテクノロジーと密接に関係しながら変化を行ってきた。新しいメディアは古いメディアの機能を内包し、テレビという強力なメディアですらインターネットという新しいメディアの中にコンテンツを配信し、新たな取り組みを行っている。このような変化は、テクノロジーとメディアの変化が起こる度に繰り返されてきた。テレビが新しいメディアであった頃、娯楽の中心として最盛期であった映画も例外ではない。
 本発表では、映像メディアの誕生から現在のインターネットを活用したデジタルメディアまでのメディアの変容と要素を簡単に整理した上で、映画からテレビへと娯楽の中心が変化した時代に東映が行った柔軟な経営について述べ、映画・テレビドラマ・特撮・アニメ・テーマパークと多様なコンテンツと蓄積を持つ東映の現在を考察する。

〒606-8501 京都府京都市左京区吉田二本松町
京都大学 吉田南キャンパス 総合人間学部棟 1B09

アクセス
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/yoshida/map6r_ys.html
会場はキャンパスマップの84の建物の地下です。

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
email:eizou@osaka-geidai.ac.jp

2018年度第2回アジア映画研究会【6月6日】

日本映像学会アジア映画研究会(第4回)開催のお知らせ
アジア映画研究会(第2期第4回/通算第23回)を下記のとおり開催します。

日時:2018年6月6日(水) 18:00-20:00
会場:国際交流基金・御苑前オフィス7階アジアセンター(702-703会議室)
〒160-0004 東京都新宿区四谷4-16-3-7F
(東京メトロ丸ノ内線 四谷三丁目駅 2番出口 から徒歩8分)
アクセスマップ https://www.jpf.go.jp/j/access/map.html

内容:
「スロー・シネマは観客の身体をどう考えてきたか——アピチャッポン、ラヴ・ディアスの映像実践を中心に」
発表者:中村紀彦(ゲスト/アジア映画研究会会員) 45分+討議

2010年代から欧米圏の映画批評・研究で活発に議論されてきたスロー・シネマ(Slow Cinema)という概念は、さまざまな可能性を含みもって展開してきた。その一方で、スロー・シネマの妥当性についての審議は国外で熱を帯び続けているが、国内での本格的な紹介や議論はまだない。そこで発表者は、東南アジア圏の映像作家(とりわけアピチャッポン、ラヴ・ディアスら)の実践から、スロー・シネマの展開可能性を探ってみたい。物語展開の希薄さ、ミニマルな画面構成、日常性の強調、そしてきわめて長尺であることが特徴的なスロー・シネマは、相当な身体的負担を観客に与えるだろう。その反面、この作品群はあたかも観客の存在を無視して成立しているかのようでもある。こうした一連のスロー・シネマは、いかなるかたちで観客の存在を戦略的に考慮あるいは無視し、いかに観客の身体性を要請あるいは排除してきたのだろうか。

「バディと同性愛の狭間に――韓国映画の最前線」
発表者:夏目深雪(ゲスト/アジア映画研究会会員) 45分+討議

昨年公開された『お嬢さん』はそのエロティックでありながら清々しいレズビアン描写が話題を呼んだ。今年に入ってからは『ザ・キング』『名もなき野良犬たちの輪舞< ロンド>』と、男たちのバディものの傑作が続いている。元々同性愛描写に寛容ではなかった韓国社会の地殻変動を感じるとともに、バディものといっても、香港映画などと較べると明らかにBL色が強いなど、新しい動きが垣間見える。レズビアン≠フェミニズム、BL≠ホモセクシュアリティ、そしてホモソーシャルな韓国社会。既存のジェンダー理論及び共同体を覆そうとするかのような韓国映画の勢いの源泉を探る。韓国映画が繋がりの強い同性同士、或いは同性愛そのものの表象を通して、表現しようとしていることは何なのか。それらは何を撃とうとしているのか。
———————-

ご参加についていくつか注意点がございます。

<19時までにご来場の方>
御苑前オフィスビルの正面玄関からお入りいただき、直接7階アジアセンターフロアまでお越しください。

<19時以降ご来場の方>
19時以降はビルが施錠されます。今回は19時から座長である夏目が発表の予定ですので、申し訳ございませんが、19時以降のご来場は対応できませんので悪しからずご了承ください。

<出欠について>
国際交流基金の会場の都合で、前日までに参加者全員のお名前と、所属・役職(または職業)を報告する必要があります。参加をご希望の方は「調整さん」でおこないますので、下記のサイトへ行き、「出欠を入力する」をクリックしてください。

「表示名」にお名前と、コメント欄に所属・役職(または職業)を入力、○(出席)△(不明)×(欠席)のいずれかを選ぶ。最後にコメントがあれば入力してください。
出席の方は、前日6/5(火)18:00までにお願いします。
https://chouseisan.com/s?h=5df297ca37c649efb9a11c0807894d60

以上

日本映像学会アジア映画研究会
代表 石坂健治
〒215-0014
神奈川県川崎市麻生区白山2丁目2−1
日本映画大学内

日本映像学会第44回大会【5月26・27日】

日本映像学会会員各位

新緑が眼に沁みる季節となりました。
いよいよ、明日26日(土)正午より、第44回大会を開催いたします。
お陰様をもちまして、例年にないほどの多数の研究発表・作品発表のお申し込みをいただきました。
大会実行委員会一同、会員の皆様のふるってのご参加を、心よりお待ちししています。

・大会プログラム最新情報
https://drive.google.com/file/d/1KXL2FYmpPFVCGZt2KjkyUsmDj9J9QSs7/view

・第3通信PDF(会場アクセス等)
https://drive.google.com/file/d/1hhBd1eJ4QNNtR2lHbTz9awVBQhvdCMkX/view

以上
日本映像学会第44回大会実行委員会
https://eizo2018.jimdo.com/
〒164-8678
東京都中野区本町2-9-5
東京工芸大学芸術学部映像学科内

会報第182号を発行しました。

会報第182号(2018年4月1日)を発行しました。
以下のPDFよりお読みください。

JASIAS_NewsLetter182
会報第181号

PDFがウィンドウに表示されない(画面が真っ白や真っ黒等)ときは、
ウィンドウ右下端のサイズ調節をマウスで動かして調節してみてください。
ウィンドウの幅のサイズが会報の幅のサイズより大きいときなどに、
PDF表示画面が出ずに真っ白や真っ黒の画面になることがあります。
また、文字が一部しか表示されないときは、URL表示のそばにあるリロードボタンをクリックしてみてください。


会報への会員による投稿につきましては以下の投稿規定をお読みのうえ、末尾の連絡フォームによりご連絡ください。のちほど担当よりご連絡申し上げます。

日本映像学会 会報 投稿規定(2017年10月 理事会決定)

1.投稿資格

(1) 投稿の時点で正会員の資格を有していること。

(2) 投稿者本人が執筆者であること。共著の場合は、投稿者が筆頭執筆者であり、必ず他の共著者全員の承認を得た上で投稿しなければならない。

2.投稿内容

(1) 映像に関する研究を推進し、広く映像文化の向上に寄与するもの(「日本映像学会会則」第2章第4条にもとづく)。

(2) 未発表のもの。二重投稿は認めない。投稿者自身の既発表論文や口頭発表と関連がある場合には、そのことを必ず明記すること。

(3) 投稿者は、自らが著作権を有しない著作物や図版などを引用するに際しては、著作権法(第32 条第1項)が定める引用の条件に則って行なうものとし、必要な場合はその著作権所有者の許諾を得なければならない。

3.字数

(1) 字数は自由(1ページは2,400字程度・複数ページも可)

(2) 図版を添付する場合には、図版の大きさを文字数に換算し、全体の文字数に含める。

4.体裁

(1) 完成原稿であること。

(2) メール本文に、題名、執筆者名、住所、電話番号、Eメールアドレス、所属等を記すこと。なお、総務委員会が原稿を確認し、事務局からEメールで「原稿受付」の通知をする。

5.提出方法

(1) 電子データをメール添付で事務局に送信すること。

(2) メール本文にOSの種類とソフト名(Wordもしくはテキスト)を明記すること。

6.投稿先

E-mail: jasias@nihon-u.ac.jp

7.校正

著者校正は初校のみとし、以後は総務委員会が行なう。

8.著作権

会報に発表された研究報告等の著作権は日本映像学会に帰属する。他の著作に転載する場合には、事務的な手続きのため、事前に文書等で学会に連絡し、転載する際に、会報への掲載に関する基本的な書誌情報を明記すること。

9.締切

投稿は随時受け付ける。

10.その他

(1) 掲載の可否については、総務委員会が決定する(一部改稿を求めることもある)。また、「採否の通知」は事務局からEメールで送信する。

(2) 投稿原稿掲載部分はPDF電子版会報の内としてホームページ上で一般公開

以上

2018年度研究会活動費助成の公募について(応募期間:2018年4月1日~4月30日)

2018年度研究会活動費助成の公募について

研究会活動費助成の公募
2018年度、本学会は映像に関する研究・活動の活性化を図るために、研究会が企画・運営する研究活動に対して研究会活動費助成の公募をします。
有意義と期待される研究活動や、継続的な研究活動を続けている研究会、および新規発足の研究会による研究活動の奨励を目的とし、研究会活動費助成の公募をします。
応募された「研究会活動費助成申請書」については審査委員会による研究・活動計画内容、実施の実現性などについて厳正な審査のうえ、助成対象となる研究・活動計画を決定します。
・応募期間:2018年4月1日~4月30日
・応募資格:各支部に所属する研究会の代表者
・公募内容:研究会が企画・運営する研究会活動費として今年度は一種類の助成金を交付します。今年度は学会予算上の都合で昨年より総額が減少しておりますがご理解のほどよろしくお願いいたします。(作品賃借料については会員の作品は含まない)
予算額: ¥80,000以内(4件程度) (総額¥320,000程度)
・審査結果の通知:2018年5月中旬
・助成金の交付:審査結果にもとづき助成金額を通知します。原則として年度末に領収書と引き換えに交付します。事情により事前の交付についても柔軟に対応する用意があります(総務扱い)。
・研究会活動の結果の報告書の提出:基本的に年度末 3月31日(学会報、大会などでの公表)を予定しておりますが、予算の配布時期によって変更の場合があります。
・研究会活動費の運用についての報告:基本的に年度末 3月31日(学会報、大会などでの公表)を予定しておりますが、予算の配布時期によって変更の場合があります。
*なお、申請内容に食い違いが生じたものや、実施できなかったものについては、報告と助成金の返還を求める場合があります。

「研究会活動費助成申請書」について
応募する研究会の代表者は記入票(研究会活動費助成申請書.xlsx)及び予算案を学会ホームページ(https://jasias.jp/archives/4095)よりダウンロードし、必要事項を記入のうえ映像学会事務局・研究企画委員会宛に送ってください。(電子メールの場合の送信先アドレス: jasias@nihon-u.ac.jp

*「研究会活動費助成申請書」の記入内容については記入票をご覧ください。

xlsx.ico

記入票:研究会活動費助成申請書.xlsx

docx.ico

予算案.docx

以上

日本映像学会研究企画委員会
〒176-8525
東京都練馬区旭丘2-42-1
日本大学芸術学部内

 

2018年度第1回アジア映画研究会【4月4日】

日本映像学会会員各位

アジア映画研究会(第4回)開催のお知らせ

アジア映画研究会(第2期第4回/通算第22回)を下記のとおり開催します。
日時:2018年4月4日(水)18:00-20:00
会場:国際交流基金・御苑前オフィス7階アジアセンター(702-703会議室/席数30)
〒160-0004 東京都新宿区四谷4-16-3-7F
(東京メトロ丸ノ内線 四谷三丁目駅 2番出口 から徒歩8分)
アクセスマップ https://www.jpf.go.jp/j/access/map.html

今回は報告1件、講演1件です。

①報告「『アジア三面鏡2018』ミャンマー撮影報告」
    石坂健治会員(日本映画大学/東京国際映画祭)30分+討議

②講演「アジアとの共同製作を振り返る~プロデューサーの立場から」
    井関惺氏(映画プロデューサー)、聞き手:石坂健治 45分+討議

①は国際交流基金と東京国際映画祭が共同製作中のアジア3か国オムニバス映画『アジア三面鏡2018』の製作部に所属する発表者が、3月にヤンゴン(ミャンマー)で進行中の松永大司監督の撮影現場に立ち会った報告。
②は同じ『アジア三面鏡2018』の統括プロデューサーをつとめる井関惺(いせきさとる)氏に、アジア諸国との共同製作に関わってきた豊富な経験談をお話しいただく。井関氏は、大島渚『戦場のメリークリスマス』、黒澤明『乱』、陳凱歌『始皇帝暗殺』、ウェイン・ワン『スモーク』、ジェイコブ・チャン『墨攻』などを製作。日本を代表する国際派プロデューサーである。

———————-
ご参加についていくつか注意点がございます。

<19時までにご来場の方>
御苑前オフィスビルの正面玄関からお入りいただき、直接7階アジアセンターフロアまでお越しください。

<19時以降ご来場の方>
19時以降はビルが施錠されます。ご来場の都度、中から職員がお迎えに参りますので、到着次第、座長あてにご連絡ください。(4月座長:石坂)

<出席について>
国際交流基金の会場の都合で、前日までに参加者全員のお名前とご所属を報告する必要があります。
参加をご希望の方は「調整さん」でおこないますので、下記のサイトへ行き、「出欠を入力する」をクリックしてください。
「表示名」にお名前(フルネーム)を入力、○(出席)△(不明)×(欠席)のいずれかを選び、コメントの欄にご所属などをご記入ください。
出席の方は、前日4/3(火)18:00までにお願いします。
https://chouseisan.com/s?h=67cc06cd4dbe4af3bbf26c50d559ad7b

以上

アジア映画研究会
代表 石坂健治
〒215-0014
神奈川県川崎市麻生区白山2丁目2−1
日本映画大学内

関西支部第83回研究会【3月24日】

日本映像学会関西支部第83回研究会(3月24日)開催のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第83回研究会を開催いたします。研究会終了後には懇親会も予定しております。会員の皆様の参加をお待ち申し上げます。

日時:平成30年3月24日(土)午後2時より
会場:大阪経済大学 E31教室(座席数168)

研究発表1:増村保造作品の、“妻”に対する男たち――『清作の妻』と『華岡青洲の妻』をめぐって
発表者:関西学院大学 中村聡史会員
要旨:増村保造の作品が、女性に対する強権的、暴力的、支配的なふるまいを示す、男性的あるいは男性優位的な側面を強く持ったものであるということは明らかなように思われる。なぜなら増村の作品において女たちは捨てられ(『親不孝通り』、『妻は告白する』、『妻二人』)、利用され(『黒の試走車』、『陸軍中野学校』、『しびれくらげ』)、飼育・調教され(『痴人の愛』、『盲獣』)、そして犯される(『赤い天使』、『セックス・チェック 第二の性』、『でんきくらげ』、『御用牙 かみそり半蔵地獄責め』)からである。にもかかわらず増村保造の作品は「印象としてはほとんどが女の映画というふうに見える」(山根貞男『増村保造 意志としてのエロス』)。それは増村保造が描く女性たちが、そうした男たちによる支配や暴力に対して必ずしも従順ではなく、時に抵抗し、時に反逆し、時には逆に支配するような、主体的で、強い女性であるからである。彼女たちは強烈で鮮烈な印象を鑑賞者に与え、これまでの増村をめぐる言説では、そうした「増村的女性」(そして、その象徴としての若尾文子)についてのものが中心的であった。つまり「増村的男性」が議論の中心となることは少なかったのである。
 本発表は、そうした状況をふまえたうえで『清作の妻』(1965年)および『華岡青洲の妻』(1967年)を取りあげ、女性主人公に対する男たち(“妻”の“夫”すなわち清作と華岡青洲)をとおした増村保造論を展開するものである。

研究発表2:実験工房におけるインターメディアの試み
発表者:大阪経済大学人間科学部 北市記子会員
要旨:本発表では、1950年代に活躍した前衛芸術家集団「実験工房」の活動に焦点をあて、多角的な視点からの分析を試みる。
 実験工房は、美術・音楽・舞台芸術・写真などの、既存の芸術の諸領域を横断的に融合する「インターメディア」の試みをいち早く実践したグループとして知られているが、新たなテクノロジーによって生み出された素材やメディアを積極的に表現に取り入れるそのアプローチは、現代のメディアアートに通ずるものである。こうした実験工房の活動について、今回は特に中心メンバーの一人である山口勝弘の動向や言説に照らし合わせながら分析を進めるが、そこでは前衛の旗手・岡本太郎が提唱する「対極主義」の概念との関連性が浮かび上がってくる。また、山口自身が真にインターメディアな表現として位置づけるオートスライド作品『試験飛行家W.S.氏の眼の冒険』(1953)に着目し、オーディオ・ヴィジュアルな表現を通して表出する先駆的思考(機械を通して人間を表現すること)について考察する。

大阪経済大学 〒533-8533 大阪市東淀川区大隅2-2-8
TEL:06-6328-2431(代表)
アクセス
 ・阪急京都線「上新庄」駅、徒歩約15分
 ・地下鉄今里筋線「瑞光四丁目」駅、徒歩約2分
 ・市バス「大阪経大前」「大経大正門」下車すぐ
 交通アクセス http://www.osaka-ue.ac.jp/profile/access/
 大阪経済大学周辺マップ http://www.osaka-ue.ac.jp/profile/access/areamap/

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
email:eizou@osaka-geidai.ac.jp

2017年度第1回写真研究会【3月20日】

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日本映像学会 写真研究会
2017年度第1回研究発表会開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位

写真研究会の研究発表会を下記のとおり開催致します。
皆様のご来場をお待ちしております。

日本映像学会写真研究会
代表 前川 修

・日時===========================
 2018年3月20日(火曜日)14:30開始-18:00終了予定
 発表後に質疑応答の時間があります。

・会場===========================
 同志社女子大学今出川キャンパス 楽真館R006教室(座席数44)
 〒602-0893 京都府上京区 今出川通寺町西入
 最寄り駅:地下鉄烏丸線「今出川駅」
 交通アクセス
 http://www.dwc.doshisha.ac.jp/access/imadegawa/index.html#p3
 キャンパス案内図
 http://www.dwc.doshisha.ac.jp/access/imadegawa/campusmap.html

発表者・発表内容:
 報告1 舘かほる氏(神戸大学人文学研究科博士前期課程)
  「内なる他者の身体表象――鳥居龍蔵の千島アイヌ調査写真をめぐって」
 報告2 笠間悠貴会員(明治大学理工学研究科博士後期課程)
  「さかさ双眼鏡と蜃気楼――渡辺兼人の80年代初期作品と風景論を辿る」

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発表要旨

舘かほる(神戸大学人文学研究科博士課程前期課程)
「 内なる他者の身体表象――鳥居龍蔵の千島アイヌ調査写真をめぐって――」

 本発表では写真を用いた先駆的な調査で知られる人類学者、鳥居龍蔵の撮影した写真表象について考えてみたい。とくに彼が千島アイヌ調査で撮影した写真、その身体表象を素材にすることで、そこにどのようにして内なる他者としてのアイヌが表象されていたのかを探りたい。

 本発表ではまず、北海道開拓以降にアイヌが日本でどのように政治的に位置づけられていたのかを確認し、そのうえで当時の日本の人類学がアイヌをどのように「内なる他者」として写真資料を用いて表象していたのかを検討する。鳥居の人類学調査は、日本の旧植民地であった台湾、満州、樺太など、日本の周縁の民族を対象としたものであった。その調査の目的は、日本人の起源を突きとめることであった。当時の日本の人類学では大森貝塚の石器発見を発端とした、アイヌと日本人の起源(=大森貝塚で発掘された石器時代人)との関係をめぐる論争が起きていた。それがコロポックル論争である。鳥居の研究もまた、結果的にアイヌに及ぶことになり、特に千島アイヌを日本人の起源として注目し、調査を行っていった。

 鳥居の千島アイヌに対する理論的な構えを考える上で、当時の対アイヌ政策の文脈と人類学の言説におけるアイヌの立場の関係は重要である。鳥居が千島アイヌを対象に調査をおこなった1890年代から1910年代当時アイヌは人類学において言説構築のために身体的・文化的差異を強調されていた。しかしそれと同時にアイヌは明治政府から公布されるあらゆる同化政策の対象でもあり、彼らは文化的慣習の実践を禁止されていた。つまり当時のアイヌは、同化政策が進められる一方で、人類学的に特権的な対象として日本人との差異を強調されながた扱われていたのである。それは鳥居にとっても同様にアイヌは同化政策の対象となりうる他者でありながら、同時に自文化の起源(あるいはそれに近い)民族でありうるという考えの基に認識されていたのである。これはつまり、自己(日本)のなかに属しながらも他者として自己と区別される対象、すなわち内なる他者ということができるだろう。

 発表の後半では、次に鳥居が撮影した千島アイヌの写真表象およびその枠組みとなる理論を明らかにする。ここで重要なのが形質人類学という骨格の特徴によって民族の分類を行う方法であり、鳥居もこの分類のために用いる写真を多く残している。このような写真による身体の表象方法は欧米にその先行例をみることができる。それはアラン・セクーラが示したようにフランシス・ゴールトンやアルフォンス・ベルティヨンがおこなった犯罪者や病人といった社会的な他者を表象する方法である。さらに身体を写真によってアーカイヴすることで社会的他者の領域を画定し、自己との断絶をおこなうのである(Allan Sekula,”The Body and Archive,” October, Vol. 39(Winter, 1986), p. 7)。こうした欧米の方法はたしかに日本の人類学でも輸入され、実践されている。しかし、日本の人類学においては、自己の源泉を求めるために内なる他者の身体を写真でアーカイヴするのである。そうして形成されたアーカイヴがどのような意味をもち、そこで写真はどのような機能をもっていたのかについて考察していきたい。

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笠間悠貴(明治大学大学院理工学研究科建築都市学専攻総合芸術系博士後期課程)
「さかさ双眼鏡と蜃気楼――渡辺兼人の80年代初期作品と風景論を辿る」

 金井美恵子との共著『既視の街』で第7回木村伊兵衛写真賞を受賞し、現在まで30年以上ほぼ毎年展覧会を開催してきた写真家・渡辺兼人の80年代の写真作品と、本人による初期の写真論を辿る。スクエア・フォーマットで切り取られたモノクロの風景写真には、どこで撮影されたのかを伝える情報、例えば目印となる建物や、特徴的な地形、地名を示す文字などが注意深く避けられている。また、仰角や俯角を用いることもほとんどなく、カメラはアイレベルから水平に対象に向かっている。その端正な構図からは、はっきりとした意思を持って撮られたことが伝達される一方で、その目的や動機を読み解くことは非常に困難である。そのため、シャッターが切られたというその事実だけが際だって前景化している。こうした渡辺の写真を評するのにこれまで用いられてきた「何も写っていない」という言われ方や、「不在感」に関して、実証的に論じる。

 本発表は三つの側面から渡辺作品を考察する。まず、銀座ニコン・サロンで1981年に開催された展覧会「既視の街」、それに続いてツァイト・フォト・サロンで1982年から84年まで3年連続で開催された展覧会「逆倒都市(さかさとし)」に出品された風景写真の撮影場所を、そのフレームの中の極めて少ない情報と、1970年代の航空写真を照らし合わせることで特定していく。渡辺はこれまで、自身の作品がどこで撮影されたかを明記したことはなく、場所を特定する作業は作家の意図に対して逆行することになるが、写真には必ず時間と場所が伴うものであるという信念で、50点以上の場所を探し当てた。ただそれはあくまでも場所を解き明かすこと自体に目的があるのではなく、撮影された場所が作品にとってまた作家にとってどういう意味を持つのかを明らかにしたい。次に、「既視の街」は金井美恵子によるテクストと組み合わされ発表された経緯があるため、小説としての側面にも注目する。渡辺の写真は、物語の中に描かれる主人公が見た夢の場面と連動している。新潮社版『既視の街』(1980年)のレイアウトや物語に着目し、写真とテクストがどのような関係を結び、「既視感」を構築するのかを考証する。最後に、雑誌『芸術生活』1974年3月号の特集「謎の写真家アッジェの世界」に寄せた渡辺の論考「存在の乱反射」を検証し、写真に対する渡辺の主張、構想、興味に触れる。この論考で渡辺は、蜃気楼をモチーフにした江戸川乱歩の奇怪小説『押絵と旅する男』を取り上げ、蜃気楼や双眼鏡の像といった光学現象の顕在化と、写真を潜在的に支えている光学的な構造をパラレルに捉え、写真における被写体の存在と、撮影者の立場について検討している。以上を分析することで、渡辺作品の重層的な世界に迫り、写真に内在する撮影された場所と時間が、鑑賞者によってどのように受容されるのかを探求したい。

以上
日本映像学会写真研究会
代表 前川修
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神戸大学人文学研究科 前川修研究室