jasias のすべての投稿

アジア映画研究会(第3期第15回)公開イベントのお知らせ【2月1日-4日】

アジア映画研究会(第3期第15回)公開イベントのお知らせ【2月1日-4日】

「イラン映画を福岡の宝物に(AIFM)」プロジェクト東京上映会
モフセン・マフマルバフ監督作品セレクション
デジタルリマスター版上映とオンライントーク
◎会期:2023年2月1日(水)~2月4日(土)
◎会場:アテネ・フランセ文化センター(御茶ノ水・水道橋)
◎料金:webページ参照 
 ※「日本映像学会会員」または「アジア映画研究会会員」は無料。当日受付にて別添「日本映像学会会員 アジア映画研究会会員の皆様」に必要事項を記入して提出ください。
【開催趣旨】
アジア映画研究会は本年度3回目の公開イベントとして、「イラン映画を福岡の宝物に(AIFM)」プロジェクト実行委員会、アテネ・フランセ文化センターと共催で「モフセン・マフマルバフ監督作品セレクション デジタルリマスター版上映とオンライントーク」を開催します。
アジアフォーカス・福岡(国際)映画祭(1991~2020)で上映されたアジア映画の収集と保存を行い、日本とアジアの国々との文化交流の一翼を担って来た福岡市総合図書館。そのコレクションの中には多くのイラン映画の名作が含まれています。映画祭が終了した現在、その志を継続すべく立案されたのが「イラン映画を福岡の宝物に(AIFM)」プロジェクトです。今回は、福岡市総合図書館に寄託・寄贈されることとなったモフセン・マフマルバフ監督の4作品をデジタルリマスター版で上映。マフマルバフ監督のオンライントークも予定しています。なお、最終日には、アボルファズル・ジャリリ監督の『グリーン、ホワイト、レッド—イラン映画の歴史を求めて』を特別上映します。当研究会はオンライントーク等の運営に参加します。
主催:「イラン映画を福岡の宝物に(AIFM)」プロジェクト実行委員会
   アテネ・フランセ文化センター
共催:日本映像学会アジア映画研究会
協力:福岡市総合図書館
   コミュニティシネマセンター
   映画美学校
   スモールトーク

web頁&チラシ画像:http://www.athenee.net/culturalcenter/program/ma/makhmalbaf.html

【スケジュール】
2月1日(水)                                                          
14:20 『サラーム・シネマ』(90分)
16:20 『ワンス・アポン・ア・タイム、シネマ』(92分)
18:00 トーク:四方田犬彦(映画誌・比較文学研究者)
19:30 『パンと植木鉢』(78分)
2月2日(木)                                                          
14:40 『タイム・オブ・ラブ』(70分)
16:20 『サラーム・シネマ』(90分)
18:00 トーク:市山尚三(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)
19:30 『ワンス・アポン・ア・タイム、シネマ』(92分)
2月3日(金)                                                            
14:30 『パンと植木鉢』(78分)
16:20 『ワンス・アポン・ア・タイム、シネマ』(92分)
18:00 トーク:ショーレ・ゴルパリアン(映画プロデューサー)
19:30 『サラーム・シネマ』(90分)
2月4日(土)                                                           
15:30 プレゼンテーション:山口吉則(「イラン映画を福岡の宝物に(AIFM)」プロジェクト代表)/特別上映『グリーン、ホワイト、レッドーイラン映画の歴史を求めてー』(75分)
17:30 『タイム・オブ・ラブ』(70分)
19:00 オンライントーク:モフセン・マフマルバフ(映画監督)
司会:石坂健治(日本映像学会アジア映画研究会代表)

【監督プロフィール/作品解説】
モフセン・マフマルバフ(Mohsen Makhmalbaf)
1957年にテヘランの貧しい下町に生まれる。弁護士である義父の影響を受けて15歳で高校を中退し、パーレビ王朝打倒の反体制運動に加わる。17歳の時に警察官から銃を奪おうとナイフで襲い逮捕される。未成年であったため死刑を免れ、イスラム革命で釈放されるまで4年半の獄中生活を送る。革命後は政治活動から離れて文化活動に転じ、作家、ラジオ・プロデューサー、映画監督として活躍。革命後のイラン映画ニューウェーブの創始者の一人となる。
イラン政府による検閲に抗議し、2005年の大統領選挙後にイランを離れる。現在、映画監督、脚本家、プロデューサーとして活躍し、世界で最も影響力のある映画監督の一人である。2015年に第72回ベネチア国際映画祭でロベール・ブレッソン賞を受賞。
作家としては「イランのスタインベック」とも呼ばれ、著書に『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』『闇からの光芒 マフマルバフ、半生を語る』(共著)等がある。
主な映画作品は『ボイコット』(85)『ザ・ペドラー/行商人』『サイクリスト』(89)『タイム・オブ・ラブ』(91)『ワンス・アポン・ア・タイム、シネマ』(92)『サラーム・シネマ』(95)『ギャッペ』(96)『パンと植木鉢』(96)『キシュ島の物語(99)『カンダハール』(01)『独裁者と小さな孫』(14)

『タイム・オブ・ラブ』TIME OF LOVE
1991年/カラー/70分/DCP
脚本・編集・監督:モフセン・マフマルバフ
撮影監督;マームード・カラリ
音響:ジャハンギール・ミルシェカリ
出演:シバ・ゲレデ、アブドルラフマン・パレイ、マンデレス・サマンジラール、アケン・トゥンジ、ジャラール・コスローシャヒ
主人公グゼルをめぐる3つの恋愛物語。グゼルと夫であるタクシー運転手、グゼルの愛人とある老人の4人が同様なシチュエーションからスタートして、それぞれの心の世界の変化によって全く異なった物語へと展開していく。トルコのイスタンブールで撮影され、95年のカンヌ映画祭「ある視点」部門で上映された。

『ワンス・アポン・ア・タイム、シネマ』ONCE UPON A TIME, CINEMA
1992年/カラー/モノクロ/92分、英語タイトル/DCP
脚本・編集・監督:モフセン・マフマルバフ
撮影監督:ファラジ・ヘイダリ
音楽:マジッド・エンテザミ
メイクアップ:アブドラ・エスカンダリ
音響: アーマド・アスカリ
出演:エザトッラー・エンテザミ、メーディ・ハシェミ、モハマド・アリ・ケシャヴァルズ、アクバル・アブディ、ファテメ・モタメドアーリヤ
1900年、ガージャール朝の第5代国王の時代にイランに映画が紹介される。映画を見てヒロインに恋をした国王は、スクリーンから飛び出してきた女優を追いかけ回し、俳優になることを熱望するが…。喜劇仕立ての映画の中にイラン映画史における名作の断片をふんだんに取り入れ、イラン映画の歴史に対してオマージュを捧げた作品。

『サラーム・シネマ』SALAAM CINEMA
1995年/カラー/81分(日本上映版90分)/DCP
脚本・編集・監督: モフセン・マフマルバフ
撮影監督:マームード・カラリ
音響:ネザムディン・キアエ
音楽:シャハルダッド・ロハニ
出演:アザデ・ザンゲネ、マリアム・ケイハン、フェイゾラ・ゲシュラギ、ハミド・ゲシュラギ、ハムド・ゲシュラギ
マフマルバフ監督が「映画生誕100年を記念して俳優志望の人々を題材とした映画を作る」と新聞に公告を出すと、オーディション当日数千人の人々が殺到して大混乱となる。監督は既にその模様を撮影し始めていたのだ。参加者は監督の前で、歌い、泣き、笑い、機関銃乱射により倒される演技をしていく。

『パンと植木鉢』A MOMENT OF INNOCENCE
1996年/カラー/78分/DCP
監督・脚本・編集・出演:モフセン・マフマルバフ  
撮影監督:マームード・カラリ
音響:ネザムディン・キアーイ
音楽 :マジッド・エンテザミ
出演:ミルハディ・タイエビ、アリ・バクシー、アマル・タフティ、マリアム・モハマド・アミニ、モハラム・ゼイナルザデ
マフマルバフ監督は高校を中退してパーレビ王朝打倒の反体制運動に加わり、17歳の時に警察官から銃を奪おうとナイフで襲うが失敗し逮捕される。監督と警察官本人が、20年前に二人の人生を運命的に結びつけた重要な事件を映画で再現する。個人史、ドキュメンタリー、フィクションの絶妙な組み合わせによる作品。

グリーン・ホワイト・レッドーイラン映画の歴史を求めて』GREEN,WHITE,RED
2015年/カラー/75分/DCP
監督/脚本/編集:アボルファズル・ジャリリ
撮影監督:メーディ・イルベイギ
音響:モスタファ・ファゼリ
スチル:キアン・アバスアバディ
出演:マーヤ・デヘガニ、ファルディン・シャーホセイニ
主人公は映画大学の最終学期に在籍しており、卒業論文の準備をしなければならない。彼女はボーイフレンドを故郷に訪ねて、彼が持つイラン映画史の本をすべて借りてテヘランに戻る。列車の中で本を読んでいると、革命前からの映画史における傑作のシーンが次々と目に浮かんでくる。2015年に釜山映画祭が企画した作品の完全版。

アボルファズル・ジャリリAbolfazl Jalili
1957年イラン中央部のサヴェー生まれ。70年代から8ミリで自主映画製作を始め、イランテレビに入ってドキュメンタリーや短編映画を作る。第3作の『かさぶた』(87)で注目を集め、後にイラン映画を代表する監督のひとりとなった。主な作品に『春へ』(85)『ダンス・オブ・ダスト』(92)『7本のキャンドル』(95)『トゥルー・ストーリー』(96)『少年と砂漠のカフェ』(01)『ハーフェズ ペルシャの詩』(2007)。

※全作品日本語字幕
※全作品デジタルリマスター版
※トークは本特集のチケットをお持ちの方はご入場になれます。
※先着順/入替制(整理券は当日初回の20分前から販売いたします)

会場&お問合せ:
アテネ・フランセ文化センター(御茶ノ水)
東京都千代田区神田駿河台2-11 アテネ・フランセ4階
(JR/地下鉄 御茶ノ水・水道橋駅より徒歩7分)
TEL.03(3291)4339(13:00―20:00)
http://www.athenee.net/culturalcenter/
Email:infor@athenee.net

入場申込書は、下記よりダウンロードください。
https://drive.google.com/file/d/1zefIth504ca2fzkKCteH189ivVyBjpWG/view?usp=share_link

映像人類学研究会第4回研究会【2月19日】のお知らせ

日本映像学会映像人類学研究会第4回研究会(2023年2月19日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会映像人類学研究会第4回研究会をオンライン(Zoom)にて開催いたします。会員に限らず多くの方の参加をお待ちしております。
ドキュメンタリー映画 『ぼけますから、よろしくお願いします。』の監督であり、ドキュメンタリー作家の信友直子氏をお迎えして、セルフドキュメンタリーにおける介護の問いを通して、自身と身内を被写体にすること、さらに、エイジズム、アンコンシャス・バイアスなどの問題を考えてみたいと思います。

概要:参加者の皆さんには、ゲストスピーカー(信友直子氏)が制作した上記の作品『ぼけますから、よろしくお願いします。』の公式サイト:http://www.bokemasu.com/の中にある予告編を事前にご覧頂き、当日はこの作品にまつわる講演を信友氏から頂き、その後、参加者で活発な意見交換、ディスカッションを行いたいと思います。

日時:2023年2月19日(日)14時00分〜16時00分
形式:Zoomを使ったオンライン開催
参加費:無料
どなたでも参加できます。学生さんも歓迎です。
出入り自由ですので、お気軽にお申し込みください。若手制作者、若手研究者の方で興味がある方も是非ご参加ください。

参加申し込み方法:下記 Googleフォームや映像人類学研究会宛のメールでお申し込みください。参加者リスト作成などの準備のため、締め切りは2月13日(月)0:00厳守とさせていただきます。
Googleフォーム:https://forms.gle/QWwp3E6U6RwDAPRRA
メールでのお申し込み、お問い合わせ: visualanthropology2021gmail.com

『ぼけますから、よろしくお願いします。』劇場公開:2018年11月3日
作品概要:テレビディレクターの信友直子氏が、故郷の両親を撮影し反響を呼んだドキュメンタリーに、追加の取材と再編集をして映画化。80代後半で認知症になり自身の異変に戸惑う母と、95歳で家事と介護を担う父の姿を、葛藤しながら離れて暮らす娘の視点で映し出す。長年連れ添ってきた両親の日常を、ドキュメンタリー制作者の視点で真っすぐに見つめる。
作品情報:https://www.cinematoday.jp/movie/T002…
製作・配給: ネツゲン
製作・配給: フジテレビ
製作・配給: 関西テレビ
ねらい:本研究会でとりあげる『ぼけますから、よろしくお願いします。』の前にも信友氏は『おっぱいと東京タワー 私の乳がん日記』にて自らの病を主題にしたセルフドキュメンタリーにより、数々の賞を受賞するなど高い評価を得ている。自身のプライベートな領域に踏み込み、ドキュメンタリーを創るというそのスタイルのパワーはどこから生まれてくるのか。映像を通して人間を描き出すプロセスにおける表現の手法や被写体との距離感をめぐる関心は、映像人類学における主要な課題のひとつである。
本研究会では「セルフドキュメンタリーで食べていく覚悟」と題して、信友氏が実際にドキュメンタリー制作をする中で体感したさまざまな葛藤や(自身が介護をしながら仕事を続けてゆけるのかといった)悩みを通して、ドキュメンタリー制作者としての在り方、介護や認知症などの社会問題、さらに、エイジズム、アンコンシャス・バイアスなどについても考えてみたい。

ゲストスピーカー略歴
信友直子 / ドキュメンタリー作家
1961年 広島県呉市生まれ
1984年 東京大学文学部英文科卒業
1986年 映像制作の仕事を始める
      フジテレビを中心にドキュメンタリー番組を100本以上制作
      テーマは北朝鮮拉致問題、ひきこもり、ネットカフェ難民など、
      社会的なものから、市井の人の人間ドキュメンタリーまで様々。
2009年 自らの乳がん闘病をまとめたセルフドキュメンタリー番組
      「おっぱいと東京タワー~私の乳がん日記~」で
      ギャラクシー賞奨励賞、ニューヨークフェスティバル銀賞など受賞
2018年 認知症の母と老老介護する父を娘の視点で描いたドキュメンタリー映画
      「ぼけますから、よろしくお願いします。」公開
      20万人を動員する大ヒットに。
      令和元年度文化庁映画賞文化記録映画大賞など受賞
2019年 映画の舞台裏を描いた書籍「ぼけますから、よろしくお願いします。」
      新潮社より出版
2022年 第2弾書籍「ぼけますから、よろしくお願いします。おかえりお母さん」出版
2022年 第2弾映画「ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~」公開

司会:本研究会メンバー(田淵俊彦、中垣恒太郎)

式次第(予定)
14時00分〜 開会の挨拶、映像研究会のこれまで(第1回~第3回)の活動についての報告
14時15分〜 ゲストスピーカー・信友氏による講演「セルフドキュメンタリーで食べていく覚悟」
15時15分〜 参加者との意見交換
16時00分頃 終了

映像人類学研究会代表:田淵俊彦

第9回ドキュメンタリードラマ研究会【2月4日】

日本映像学会会員各位

下記の通り、研究会を開催いたします。

第9回ドキュメンタリードラマ研究会
「ドキュメント・バラエティの先駆作を探る
――『アメリカ横断ウルトラクイズ』『世界ウルルン滞在記』制作者に聞く」

日時:2023年2月4日(土)14時〜17時30分
場所:専修大学神田校舎1号館102教室
 アクセス:神保町駅(地下鉄/都営三田線、都営新宿線、半蔵門線)出口A2より徒歩3分
 主催:日本映像学会ドキュメンタリードラマ研究会、専修大学人文科学研究所

【概要】

ドキュメント・バラエティの先駆作として、『アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ「木曜スペシャル」、1977-98、テレビマンユニオンの関与は第11回の1987年まで)は、クイズ番組の形をとりながら、「知力、体力、時の運」のキャッチフレーズ、「敗者」に向けられた罰ゲームなど、特定のシチュエーションに置かれた人間ドラマ(人間ドキュメンタリー)の演出に特色がありました。

『アメリカ横断ウルトラクイズ』(50分ダイジェスト版)を参考上映した後、『アメリカ横断ウルトラクイズ』(第1回~第10回)の演出に携わられた白井博氏をお招きし、その試みについてテレビメディア史の観点からお話を伺います。

白井氏は、『アメリカ横断ウルトラクイズ』の前年にも『米建国200年記念・夢と冒険! アメリカ大横断 奇跡の7人大成功』(日本テレビ「日曜スペシャル」1976年7月)として、キャンピングカーでアメリカ大陸を横断するという壮大なスケールの旅番組を手がけられており、さらに『アメリカ横断ウルトラクイズ』以降も、紀行ドキュメンタリー・バラエティ番組『地球ZIGZAG』(1989-94、TBS系列)、『世界ウルルン滞在記』(1995-2007、TBS系列)のプロデューサーをつとめられています。テレビバラエティ史およびリアリティ番組の先駆的番組の試みを振り返りながら、テレビメディアの特質を探っていくことにします。

*参加無料、学生の参加歓迎。
*事前申込みなしでも参加できます。
*資料の用意の関係で事前申込みいただけると助かります。

【ゲスト登壇者】

白井 博  氏 (テレビマンユニオン取締役副会長) 
今野 勉  氏 (テレビマンユニオン最高顧問)
丸山 友美 氏 (福山大学人間文化学部メディア映像学科専任講師)

【プログラム】
14時00分〜『アメリカ横断ウルトラクイズ(ダイジェスト版)』(50分)参考上映
15時00分〜 白井博氏に聞く「『アメリカ横断ウルトラクイズ』とテレビメディアの可能性」
16時10分~ 討論
17時30分  終了予定

【問い合わせ先】
参加申込みgoogleform
https://forms.gle/SzkG2SsGi1GyNcEU6

本研究会Webサイト
https://docudoraeizo.wixsite.com/documentarydorama

ドキュメンタリードラマ研究会(代表:杉田)メール
docudoraeizogmail.com

「インターリンク:学生映像作品展[ISMIE]2022」オンライン開催のお知らせ

日本映像学会会員各位

今年で第16回となる「インターリンク:学生映像作品展[ISMIE]2022」を映像表現研究会主催にて開催いたします。
昨年・一昨年に引き続き、特設サイト(https://sites.google.com/view/ismie2022/)にて参加校教員による推薦作品を共有し、Zoomにて情報交換を行うオンラインでの研究会を行います。

会員諸氏や作者のみならず、在学生の方にも是非ご覧頂きたいと思っております。
詳細は以下をご参照ください。

【参加校一覧】
イメージフォーラム映像研究所
大阪芸術大学
京都精華大学
尚美学園大学 芸術情報学部 情報表現学科
情報科学芸術大学院大学[IAMAS]
成安造形大学 情報デザイン領域
東京工芸大学芸術学部
名古屋学芸大学大学院 メディア造形研究科 / 名古屋学芸大学 メディア造形学部 映像メディア学科
日本大学 芸術学部(本年度幹事校)
文教大学情報学部メディア表現学科

【推薦作品の視聴】
12月25日(日)から、ISMIE2022特設サイト(https://sites.google.com/view/ismie2022)にて各校推薦作品を公開します。
※公開は2023年1月29日(日)までです。

【研究会概要】
日時:2023年1月29日(日)10:00〜12:00
会場:Zoom
事前に、各校推薦作品をご覧になった上でご参加ください。
参加する推薦教員から自校と他校の作品について講評を行い、その後、議論を行います。
ISMIE2022特設サイト(https://sites.google.com/view/ismie2022/)にて参加申込みを受け付けております。
研究会前日までに申込みいただいた方には、当日メールにてZoomへの参加リンクをお送りします。
また、研究会当日にISMIE2022特設サイトにもZoomへの参加リンクを設置します。

以上です。
みなさまのご参加をお待ちしております。

日本映像学会映像表現研究会
ISMIE 2022 事務局
〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
日本大学芸術学部映画学科(研究室A)
担当:奥野邦利/野村建太/山﨑汐音

アナログメディア研究会主催:実験映画を観る会 vol.2【12月18日】

実験映画を観る会 vol.2

2022年12月18日(日曜日)
12時40分:開場
13時~15時30分:
プログラム1  日本の実験映画その2
15時~15時30分:休憩
15時30分~17時30分:
プログラム2 欧米の実験映画+西村智弘作品
会場:小金井市中町天神前集会所
〒184-0012 東京都小金井市中町1 丁目7-7
武蔵小金井駅南口から徒歩約14 分
https://loco.yahoo.co.jp/place/g-Zs8NitBrVqI/?bm=sydd_spt_slo_p_ttl&fbclid=IwAR0HiYzZBxTODBuiVJA9eB2eL3uEVJnTNpBywfYOp7hVKz41OWYwkC9XTsU

入場無料
[お申込み]
参加無料・事前登録制・定員56名(先着順)
こちらからお申し込みください https://forms.gle/95krohrqjUtRSGnC6

〈実験映画を観る会〉は、フィルム作品をフィルムで上映し、解説とともに鑑賞する実験映画(アンダーグラウンド映画)の入門的な上映会である。松本俊夫が1960年代前半に主宰した〈実験映画を見る会〉の意志を受け継ぎ、国内外の実験映画を紹介することを目的にしている。
今日、実験映画をフィルムで観る機会はほとんどなくなった。しかし、フィルムで制作された作品はフィルムで観ることを前提につくられており、それはDVDやインターネットで見ることことはまったく異なる体験なのだ。わたしたちは、実験映画を本来あるべき姿で上映することで、実験映画がもつ魅力を引き出したいと考えている。大好評だったvol.1に続く第二弾は、国内外の実験映画とともにアナログメディア研究会のメンバーのフィルム作品を紹介する。(西村智弘)
講師:太田曜、西村智弘
略歴:
太田曜:実験映画制作、研究。日本映像学会アナログメディア研究会代表。
西村智弘:映像評論家。著書『日本のアニメーションはいかにして成立したか』(日本アニメーション学会賞、森話社、2018)、共編著『アメリカン・アヴァンギャルド・ムービィ』(森話社、2016)、他。
プログラム①:日本の実験映画その2(合計66分)
松本俊夫『石の詩』1963年/25分/カラー/サウンド
渡辺哲也『コーヒーを飲む』1972年/15分/カラー/サウンド
出光真子『AT YUKIGAYA 2』1974年/10分/カラー/サウンド
奥山順市『我が映画旋律』1980年/6分/カラー/サウンド
伊藤高志『BOX』1982年/8分/カラー/サウンド
松本俊夫『リレーション』1982年/9分/カラー/サウンド
プログラム② 欧米の実験映画+西村智弘作品(合計52分)
マン・レイMAN RAY『ひとで』「L’ÉTOILE DE MER」1928年/15分/モノクロ/サウンド
ジョージ・グリフィンGeorge Griffin 『TRIKFILM Ⅲ』1973年/4分/カラー/サウンド
フランク&キャロライン・ムーリス Frank and Caroline Mouris 『CONEY』1975年/5分/カラー/サウンド

西村智弘『虹の生成』1989年/8㎜Film/3分/カラー・サイレント
『分割による習作(1 旋回の通路、2 梢の瞬間)』1990年/10分/8㎜Film /カラー/サウンド
『青い手すりのある石段』1990年/ 7分/8㎜Film/カラー/サウンド
『じゃんけん』1992年/8ミリフィルム/3分/8㎜Film/カラー/サウンド
『青い歩道橋』2002年/5分/カラー/サウンド
(表記がないものは16㎜Film)

問い合わせ先:
日本映像学会アナログメディア研究会
analogmediazoomgmail.com
主催:
日本映像学会アナログメディア研究会
https://www.facebook.com/analogmedia
8ミリフィルム小金井街道プロジェクト
http://shink-tank.cocolog-nifty.com/perforation/
協力:東京造形大学、阿佐ヶ谷美術専門学校、伊藤純子

関西支部第95回研究会【12月10日】及び関西支部総会

日本映像学会関西支部第95回研究会(12月10日)及び関西支部総会のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第92回研究会を開催いたします。対面にて実施いたしますが、リモート(Zoom)併用で行ないます。関西支部会員に限らず多くの方の参加をお待ちしています。

日時:2022年12月10日(土)午後2時より4時頃まで。
会場:大阪芸術大学 7号館51教室
リモート参加を希望される方は12月9日午前中までに下記リンク(Google form)から申し込みをお願いします。研究会前日にZoom招待をメールにてお送りいたします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScRYe4n9TuEQ_cP4F7D19QpyDBTAHr-2L83A0ZclNlLMH5kJQ/viewform

研究発表1:「もの」から意味を剥がすイメージ:1960年前後の松本俊夫と勅使河原宏
発表者:神戸大学国際文化学研究科 大谷晋平会員
要旨:
 本発表は、松本俊夫と勅使河原宏による、被写体に対する固定観念を解体する1960年頃の映画活動について考察するものである。
 1950年頃より安部工房や花田清輝らのアヴァンギャルド芸術運動、「具体」や「実験工房」など、文学、美術、音楽、映画などの分野横断的な芸術運動が盛んになり、松本と勅使河原の映画もこうした運動の一部に位置づけられてきた。彼ら(特に松本)は、1950年代後半より、映画が戦時中に戦意高揚や、1950年代の共産党のプロパガンダに用いられ、映画人がそれらに無節操に追従してきたことを批判し、人間が疎外される状況を作家が主体的に探究してそれに抗える映画表現を目指して同時代のアヴァンギャルド芸術と共鳴した。
ただ、ここで重要なのは、あくまで理念の共有という観点から彼らがアヴァンギャルド運動の上に位置付けられてきた点である。例えば松本は、そうした時代的な潮流の上で、「前衛記録映画論」において、「もの」に付随する意味が映像によって変容させられ得る可能性について議論を展開したが、具体的にその論に沿う映画表現とはどのようなものであり、スクリーンで提示されたイメージは終戦から1960年頃の日本映画史的にいかに位置付けられるのだろうか。
 こうした疑問を念頭に、本発表では、松本によるイメージに関する具体的な方法論を整理しつつ、彼に共鳴し、草月シネマテークなどでも共に活動した勅使河原の『砂の女』(1964)を中心に、「もの」に付随する意味を変容させる/させないイメージのあり方を考察するが、そこでは、我々が普段目にする物の非日常的なイメージを提示して観客を惹きつける、科学映画の系譜が浮かび上がるだろう。すなわち、被写体の非日常的なイメージを用いて自由主義・民主主義教育を意図した占領下の教育映画をも射程に含めつつ、本発表では松本らによる被写体とイメージ、そしてイデオロギーの連関をめぐる活動を戦後日本映画史においていかに位置付けられるのか、その概観について検討する。

研究発表2:〈千年シアター〉と1980年代関西の自主上映文化
発表者:神戸映画資料館研究員 田中晋平会員
要旨:
 〈千年シアター〉は、小川プロダクションによる『1000年刻みの日時計―牧野村物語―』(1986年)を上映するため、1987年夏の京都に土と藁と丸太を用いて建設され、一ヶ月後に解体された仮設の劇場である。本発表では、〈千年シアター〉が設立された過程を、残存する資料(記録映像含む)と証言から辿り直す。その建設に参加した関西における自主上映グループと当時の小川プロの映画がどのように協働していったかを考察し、転換期にあった1980年代の映像文化の実態に迫りたい。
 当時大阪で景山理たちが発行してきた『映画新聞』(1984年創刊)は、誌面にて『1000年刻みの日時計』が完成に至るまでの連載、また〈千年シアター〉の建設の詳細、さらにその全国各地での上映のプロセスについても報告を掲載しており、当時の小川プロと上映グループの関係を考えるための重要な資料として活用できる。また、〈千年シアター〉のドキュメンタリー映像も、『京都鬼市場・千年シアター』(1987年)など複数存在している。発表内では、こうした記録映像の一部にも言及しながら、小川プロの映画上映の変遷、およびローカルな上映文化に与えた影響を検討していく。

・研究会終了後、同会場にて2021年度日本映像学会関西支部総会を行います。4時半頃開始予定。

会場:大阪芸術大学7号館51教室
近鉄南大阪線「喜志」駅下車スクールバスまたは金剛バス(近つ飛鳥博物館博物館前行き)東山(芸大前)下車
交通アクセス:https://www.osaka-geidai.ac.jp/guide/access
キャンパスマップ:https://www.osaka-geidai.ac.jp/guide/access/campus

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内(大橋)
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
email:eizoukansaigmail.com

東部支部研究発表会開催のお知らせ【12月3日】

このたび東部支部では対面での研究発表会を開催することになりました。
当日はどなたでも聴講いただけます。
事前予約などはございませんので会場に直接お越しください

詳細は以下の通りです。

開催日時:2022年12月3日(土)12時30分〜17時40分

会場:日本大学芸術学部(東京都練馬区旭丘2-42-1)A棟A-301教室

発表時間35分・質疑応答10分 合計45分

プログラム(予定)

①12時30分〜13時15分
・朝倉 由香利(日本大学大学院芸術研究科)
 発表タイトル:楽曲《夢二のテーマ》が使用された二つの映画 ―『花様年華』と『夢二』―
②13時20分〜14時05分
・王 馨怡(名古屋大学人文学研究科映像学分野)
 発表タイトル:「身体を再考する:『へんしんっ!』(2020年)と『あなたとの再会』(2021年)における身体障がい」
③14時10分〜14時55分
・Werner Steffan (ヴェルナー シュテファン)(日本大学大学院芸術学研究科)
 発表タイトル:『日本特撮の悪のヒーロー:影のアーキタイプとその発展に関する研究』

14時55分〜15時15分休憩

④15時15分〜16時
・GONG ZHU(キョウ シュ)(東京工芸大学)
 発表タイトル:映画『12人の優しい日本人』における脚本家の受難=情熱
⑤16時05分〜16時50分
・SEMSEDDIN EVGIN(日本大学大学院芸術研究科)
 発表タイトル:『お嬢さんの乾杯』における家族の図像
⑥16時55分〜17時40分
・石毛みさこ(日本大学芸術学部放送学科助教)
 発表タイトル:連続テレビ小説のあゆみとこれからの展望

主催:日本映像学会東部支部
問い合わせなどは
東部支部担当:安部 裕
メール:abe.yutakanihon-u.ac.jp
までお願いいたします。

写真研究会 2022年 第9回研究発表会開催のお知らせ【11月23日】

******************************
日本映像学会  写真研究会
2022年 第9回研究発表会開催のお知らせ
******************************
日本映像学会会員各位

写真研究会の研究発表会を、新型コロナウイルス感染拡大防止のため下記のとおりオンラインにて開催致します。皆様のご参加をお待ちしております。

日本映像学会写真研究会
代表  佐藤守弘

【日時】
2022年11月23日(水・祝) 18:00開始 20:30終了予定(日本時間)*オンラインによる開催。

【参加方法】
*事前申し込み制
会議システムzoom を利用して開催いたします。下記URL にあるフォームから事前にお申し込み下さい。
いただいたメールアドレスにzoom のID とパスワードをお送りいたします。
申し込みURL https://forms.gle/b2eE8Zuvh1qnWkYCA

【発表 ・発表内容・座談会】
発表1
「物質としての肉体:中平卓馬と写真家論」
ダニエル・アビー(カリフォルニア大学ロスアンゼルス校大学院美術史科博士課程)

座談会
「ゲルハルト・リヒター展(東京国立近代美術館/豊田市美術館)を語る」
司 会:土屋誠一(沖縄県立芸術大学)
登壇者:中村史子(愛知県美術館)、橋本一径(早稲田大学)ほか

【研究発表の要旨】
発表1
「物質としての肉体:中平卓馬と写真家論」
ダニエル・アビー(カリフォルニア大学ロスアンゼルス校大学院美術史科博士課程) 

写真史は主に、「写真とは何か?」という存在論的な問いを続けてきた。本発表において重視することは「写真」という客体ではなく、「写真家」という主体である。したがって本発表では、写真史的な考察に際して存在論ではなく現象学という別の方法論を提案したい。通例、主体への関心は、脱政治的な論拠となりがちである。しかし中平卓馬(1938−2015)の作品を例示するならば、写真家という主体を論ずることの政治性が明るみに出るであろう。

現象学は人間の肉体的な感覚を研究する手法である。60年代以降、現象学は美術史の一つの方法論として認められてきており、作品を見る鑑賞者との関係について問う手段として扱われてきた。その場合現象学の方法論的な適用は、鑑賞者と作品の間に生まれる意味という範囲を超えることはない。しかし、現象学というのは意味だけではなく、世界と肉体の関係そのものについて考究し、いかに肉体的な感覚が「外部」あるいは「他者」と絡んでいるかを示すものでもある。そうであるならば、現象学は政治的な側面も持ちうるであろうか。

現象学的に考えれば、写真家はあくまで肉体的な主体である。『プロヴォーク』1号で中平と多木浩二が「言葉がその物質的基盤、要するにリアリティを失」っていると語ったのはよく知られていることである。ところが、言葉の安定性がなくなれば、どんな物質が代わりに現れるだろうか? 本発表では肉体そのものが立ち現れると主張する。中平や多木は、肉体について考えるのに伴って、積極的に写真家そのものを考えるようになっていく。

当時、『プロヴォーク』で現象学者のメルロー=ポンティを引用したのも、偶然ではないように思われる。実際に、60年代後半において肉体というのは政治的な意味を持っていた。日向あき子が唱えた「肉体的思考」が示しているように、肉体は反文化的な可能性を持っていることが学生運動から李禹煥に至るまで通用していた。「プロヴォーク」の政治性は「1968年」に関連があるとよく指摘されるが、運動よりも肉体への関心にあったのではないかと思う。

この政治的な肉体が中平の『プロヴォーク』2号で発表された作品にも現れている。これら10枚の写真は世界と肉体の間を仕切れない境界線そのものがインデックスされている。いかに肉体が物質として言葉と交代しても、肉体そのものには内面的な同一性がない。しかし写真を通じて、世界と肉体との曖昧な、ブレた関係性が浮かび上がるのである。本発表では、中平の肉体的な写真と歴史の共振を分析しながら、写真史の新たな方法論の提案を試みる。

座談会
「ゲルハルト・リヒター展(東京国立近代美術館/豊田市美術館)を語る」
司 会:土屋誠一(沖縄県立芸術大学)
登壇者:中村史子(愛知県美術館)、橋本一径(早稲田大学)ほか

今年の6月から10月初頭まで東京国立近代美術館で行われた「ゲルハルト・リヒター展」は多くの観客を集めて閉幕し、現在では豊田市美術館に会場を移して来年の1月まで開催される予定である。リヒターの作品を集めた回顧展としては、2005年から06年にかけて金沢21世紀美術館と川村記念美術館で行われて以来ということで、今回の展示には、開催前から大きな期待が寄せられていた。また、今回の展示には、ここ10年以内に制作された作品——写真プリントに油絵の具を塗った〈オイル・オン・フォト〉シリーズなど——が多く展示され、彼の旺盛な制作活動を強く印象付けた。

リヒターは、大まかには画家として位置づけられる芸術家であるが、1960年代の〈フォト・ペインティング〉から、近作の〈オイル・オン・フォト〉まで、写真と絵画の境界を融解させるような作品が多く見られるのは周知のことであろう。またプライヴェートな写真やファウンド・フォトを張り交ぜた〈アトラス〉シリーズも思い起こされる。さらにはガラスなどの反射を利用したさまざまな作品は、根元的な意味で映像的な作品であるとも言えよう。もちろん、今回の展覧会の話題の中心であった4点の絵画《ビルケナウ》は、アウシュヴィッツ第2収容所(ビルケナウ)で隠し撮りされた4枚の写真が秘められている。

今回の写真研究会では、このように写真イメージと絵画を往還する——《ビルケナウ》の写真複製も展示されていたことも思い起こそう——リヒターと、その大回顧展を議論の俎上に挙げた座談会を企画した。問題を提起するのは、キュレーターとして自らも写真の枠を超えるような展覧会を数多く企画してきた中村史子と、先述の4枚の写真について書かれたディディ=ユベルマン『イメージ、それでもなお』(平凡社、2006)の日本語訳を手掛けた橋本一径の両名である。そこで提起された問題を巡って、土屋誠一の司会のもと、自由に討議を繰り広げたいと考えている。
*******************************
以上
日本映像学会写真研究会
代表 佐藤 守弘
同志社大学文学部
〒602-8580 京都市上京区今出川通烏丸東入

アジア映画研究会(第3期第14回)開催のお知らせ【12月6日】

アジア映画研究会(第3期第14回/通算第47回)を下記のとおり開催します。
久しぶりのオンライン研究会ですので、ふるってご参加いただければ幸いです。
日時:2022年12月6日(火)18時~20時
場所:Zoomによるオンライン開催/事前申込制
申込:12月1日(木)締め切り

下記URLより事前登録してください。 登録後、ZOOMミーティングのアドレスが届きます。
https://docs.google.com/forms/d/1TlERjKcX6Jn3gtmxb55nUftgsIKM9vXpck2YAGHlMCU/edit

<内容>
①発表:拓 徹(大阪大学大学院人文学研究科)
【インド映画黎明期の作家P.C. バルアー:その再評価に向けて】
<要旨>P.C. バルアー(Pramathesh Chandra Barua、1903~51)は、インド北東部(現アッサム州最西部ガウリープル)出身の映画監督・俳優であり、インド初のメジャーな国産ヒット映画として時代を画した『デーヴダース』(Devdas、ベンガル語版1935;ヒンディー語版1936)を作り上げた人物として知られている(監督しただけでなく、ベンガル語版では主演も務め、また彼自身の人生がこの作品の物語をなぞったという意味では、作品を体現した)。本発表では最初に、インドにおける映画興行と映画制作初期の歴史の概要をたどり、バルアー作品の文化的・社会的コンテクストについて確認する。
そのうえで、バルアーという、おそらくインド映画史上最初のメジャーな「作家」の特徴と性格について論じてみたい。バルアーの映画作品は、広い意味で今日言うところの「ボリウッド映画」(=ほぼヒンディー語映画)の源流に位置づけられる。そして、ボリウッド映画の性格について論じる際、インド内外でよく用いられるのが「(欧米映画の)リアリズムvs.(ボリウッド映画の)メロドラマ性」という図式である。ボリウッド映画の嚆矢として後世に大きな影響を与えたバルアーの『デーヴダース』はこのため、広い意味でボリウッド的メロドラマ性の源流と考えられることが多いが、本発表では、バルアー作品の主な特徴は反メロドラマ性にあることを作品の分析から導き出し、この特徴に表れた映画作家バルアーの姿とその意味について考察を試みる。
【座長松岡より】
P.C.バルア―の監督作『Devdas』(1936/ヒンディー語/英語字幕付/132分)は下記のYouTubeアドレスで見られます。バルア―自身も、ヒロインのパロが後妻として嫁ぐ先の息子として出演しています。途中広告が入るのが難点ですが、音声、画像共にまずまずですので、ご覧になってみて下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=8RgNcEC-IR0&t=1120s
 
②発表:高倉 嘉男(インド映画研究家、豊橋中央高等学校校長)
【「インド映画」の誕生~マルチプレックス革命とOTT革命】
<要旨>多くの日本人が誤解してきたことだが、「インド映画」という単一の産業は存在しない。なぜならインドには多数の言語があり、映画がトーキー化して以降、インドの映画産業は言語ごとに独立して発展してきたからである。つまり、いわゆる「インド映画」と呼ばれるものの実態は、インド各地で言語ごとに作られている映画産業の総体なのである。インド映画の専門家は一般に「○○語映画」という呼び方を好む。
しかしながら、近年インドにおいて「Pan-Indian Films(汎インド映画)」という用語が盛んに飛び交うようになり、ここに来て、一般の日本人が想像してきた架空の「インド映画」が実体を伴いつつある。
そこに至るまでの大まかな過程を、世紀の変わり目に起こったマルチプレックス革命から直近のOTT革命まで触れながら、私見を交えて解説する。

12月座長:松岡環