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2022年度 西部支部研究例会・総会のご案内【3月26日】

【日本映像学会西部支部 2022年度 研究例会・総会のご案内(3月26日(日))】

下記のとおり日本映像学会西部支部2022年度研究例会・総会を開催いたします。
対面のみでの実施です。
万障お繰り合わせの上ふるってご参加ください。

日時:2023年3月26日(日) 14:00~17:30
   (発表14:00~、総会17:00~)
場所:九州産業大学芸術学部17号館6階 デジタルラボ601
(九州産業大学アクセス https://www.kyusan-u.ac.jp/guide/summary/access.html

1)高 戈(九州産業大学大学院芸術研究科博士課程3年)作品発表
タイトル「映像インスタレーション作品『束縛』についての考察」
 『束縛』は、2022年に制作された、映像インタレーション作品で、人が二人座ることができるソファーと円形の光ファイバースクリーンで構成している。
 ソファーには、人が座る座面の左側に、8万本以上の光ファイバーを使い、人の尻のサイズに合わせた小さなスクリーンがある。ここには、ソファーの座面に人が座った跡の皺を一年間写真で撮影した映像が映っている。ソファーの皺からブラックホールへと変化する映像は、孤独の痕跡を表している。
 円形光ファイバースクリーンは、ソファーの前に置かれ、観客はソファーに座りながらリビングルームでテレビを観るように体験する。スクリーンは直径が80cm、50万本以上の光ファイバーを円形の金具で固定した。光ファイバーはその形の自由度から、象徴的な意味を表現できる。また光ファイバーの実験を行うなかで、光ファイバーそのものの美しさを発見したため、ソファーに加え円形のスクリーンも作ることにした。
 円形スクリーンにはプロジェクタによって映像が投影されている。光ファイバーは、片方の端から入った光を、もうひとつの端から一対一で出力するため、両側から同一の映像を観ることができる。この特性は、インターネットなどの光情報通信のインフラとして使用されている。今回の作品では、遠く離れた別の国同士が共有する、海底の光ファイバーケーブルの横断面を象徴しながら、情報データが互いに伝送される様子を象徴している。
 映像は、人が都市の中で歩いたり走ったりするシーンを360度カメラで撮影したものである。人が時計の針のように動く様子は、ハムスターホイールのなかのネズミのように、いくら走ったとしてもそこから逃れることができない様子を表している。
 ソファーと円形光ファイバースクリーンの映像は、時々入れ替わりながら繰り返す。この作品は現代の日常生活において、人がインターネットとスクリーンから離れられないことを表現している。

2)有吉末充(法政大学非常勤講師)研究発表
タイトル「アニメーション制作ワークショップのアクティブラーニングとしての効果」
 この30余年のあいだ、神奈川、京都、東京で児童、学生、大人向けのアニメ制作ワークショップを開催してきた。
 当初はアニメの制作技法の指導を目的にしていたが、現在はコミュニケーションを学ぶためのアクティブラーニングとしての側面を重視するようになった。
 この変化には、ふたつの要因がある。ひとつは、有吉の学校図書館司書として探求学習(調べ学習)の指導に参加した経験で、調べ学習として効果を上げるためには、これまでのような情報探索指導だけではなく、メディア表現法の指導も必要であること、そして「研究発表をより良い形で仕上げる」という課題の達成のためには指導者(教師、司書)と生徒間、生徒と生徒間のコミュニケーション、コラボレーションがなによりも重要であることの発見である。この経験は有吉が参加した日本図書館協会の情報リテラシー指導ガイドラインにも反映されている。もうひとつは継続的にワークショップに参加している児童、生徒の人間関係に大きな変化が現れたことの発見である。彼らは互いに協力したり批判したりすることを通して、次第に相互の人間関係を成長させ、目標の達成というゴールにこぎ着けたことによって、自己肯定感を獲得していったように見える。
 このような経験をもとに現在ではワークショップのプログラムを、チーム活動メインにし、そのメンバー間での話し合いを促し、その中で協力関係を作り出して、「限られた時間の中で作品を完成させる」という課題に取り組むためのアクティブラーニングとして組み立てる方向に変化させてきた。
 今回の発表では、これまでのワークショップのあり方の変化について総括し、最近の府中市でのワークショップでの成果もふまえて、今後の展開を探りたい。

3)佐藤慈(九州産業大学芸術学部)研究発表
タイトル「教育・研究分野におけるデジタルサイネージの可能性」
 デジタルサイネージは、屋外や店舗に設置された画像表示機器を通して、広告、販売促進、情報提供などを目的としたコンテンツを表示するシステムの総称である。人の注意を引きやすい動画やインタラクティブ性のあるコンテンツを利用できることから、従来のポスターや看板に代わる新しいメディアとして活用が広がっている。
 九州産業大学芸術学部では、地域の文化や産業の振興を目的とした産学連携活動において、学生が主体となってデジタルサイネージを制作するプロジェクトを実施してきた。例えば、学生によってリ・デザインされた博多人形の広報・宣伝を目的としたプロモーション動画および双方向型デジタルサイネージ、博多帯と着物のコーディネートをシミュレーションできるプロジェクション・マッピング、学生と大川市の家具メーカーのコラボレーションによって開発された商品の展示会場における接客コンテンツ、久留米織のデザイン嗜好調査を目的としたデザインシミュレーター、福岡の伝統的工芸品の魅力を若年層に伝えるための3DCGアニメーションなどが挙げられる。
 デジタルサイネージは、動画や音声の活用による訴求力の高さに加え、新しいデジタル技術を取り入れやすいことから、学生の技術力や応用力の向上などの教育効果も期待できる。また、コンテンツを企画するにあたり、地域の歴史や文化について調査する必要があるため、地域学習と技術修得の機会を統合的に提供することができる。さらに、さまざまなセンサーを活用して、視聴者に関するデータを収集することで、学生や連携企業・団体へのフィードバックも可能となってきた。今回の発表では、これまで実施したプロジェクトの成果について報告するとともに、教育・研究分野におけるデジタルサイネージの可能性について考察する。

4)斉 琛(九州産業大学大学院芸術研究科博士後期課程2年)作品発表
タイトル「ビデオアート作品『meta-』について」
 映像作品『meta-』は、7つのチャプターによるビデオアート作品である。実験映像のノンリニアな物語スタイルを継承しながら、ユングの提唱した「アニマ(anima)」と「アニムス(animus)」をテーマとしている。男性のたくましい肉体には、「アニマ anima」と呼ばれる女性像が内在し、女性の繊細な心には男性像「アニムス animus」が潜んでいるというものだ。アニマとアニムスは、ラテン語の「アニマ」(魂, soul)と、「アニムス」(精神, spirit)に由来するが、両者はある程度交換可能な概念として捉えられる。私たちの意識的な態度がどうであれ、無意識はしばしばそれと対立する見解を抱いており、無意識が異性の「人格」を担っていることを示唆する。
 またアニマは、無意識の中の男性と「陰」に関わる側面を表し、アニムスは、女性の潜在的な「陽」を表すと理解することができる。それらはどちらも「生命を越えたもの」として捉えられ、私たちのイメージの中である種の強力な印象形成の力を持つ。
 本作で使用したショットには、身体の写真と抽象的なイラストのコラージュや、生物実験室にあるヒト胚性細胞の映像などがある。各細胞の「性」は、分子間の複雑な相互作用のネットワークによって、決定され制御されていると考えられているが、前述の「アニマ」と「アニムス」の概念は、これらの原始的な生物細胞の振る舞いと重なり合う部分がある。この生物細胞には、男性と女性という区別を越えた多様性があり、バイナリな構造の世界の中でいかにしてジェンダーを超越し、自らの性差を覚醒させるかという潜在力を持っている。本作ではこれらの映像を、美的なモチーフとしてだけではなく、性差を超えた存在から、身体=無意識のコンセプトを表す象徴として用いている。

西谷 郁(西部支部研究会代表)
連絡先 日本映像学会西部支部
住所 〒815-8503 福岡市東区松香台2-3-1
九州産業大学芸術学部内(超 瑞)
e-mail xiguyugmail.com

映像テクスト分析研究会 2022年度(通算第22回)研究発表会【3月29日】

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日本映像学会 映像テクスト分析研究会
2022年度(通算第22回)研究発表会 開催のお知らせ
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日本映像学会会員各位

映像テクスト分析研究会の研究発表会を下記のとおり開催します。
対面のみでの開催です。みなさまのご参加をお待ちしています。

日本映像学会映像テクスト分析研究会
代表 藤井仁子

■日時===========================
2023年3月29日(水曜日)15時30分開始〜17時30分終了予定
発表後に休憩をはさんで質疑応答あり
※発表に先立ち13時から参考上映を行ないます(日本語字幕あり、VHS画質、126分)

■発表者==========================
藤井仁子(早稲田大学)

■会場===========================
早稲田大学 戸山キャンパス 36号館2階演劇映像実習室(283教室/定員60人)
〒162-8644 東京都新宿区戸山1-24-1
最寄り駅:地下鉄東京メトロ東西線「早稲田駅」、副都心線「西早稲田駅」
https://www.waseda.jp/flas/hss/access/

■表題・概要===============================
これはシナトラではない——伝記映画としての『抱擁』における俳優とキャラクターの相克

 戦後の低迷期を乗り越え鮮烈な復活を遂げた1950年代のフランク・シナトラにとって、最大の収入源が実は映画とテレビであったという事実はあまり注目されることがない。なかでも1957年に主演したチャールズ・ヴィダー監督『抱擁』(The Joker Is Wild)は、親友だったコメディアン、ジョー・E・ルイス(1902-1971)の伝記を原作とし、自ら映画化権を買ってパラマウントに売りこんだほどのシナトラにとって特別な野心作だった。今日ではもっぱら主題歌「オール・ザ・ウェイ」によってのみ記憶されているこの魅力的な細部に満ちたフィルムで、シナトラはもちろん主人公のルイスを演じているのだが、奇妙なことにそこにはシナトラその人の実人生が嫌でも二重写しになってくる。さらには〈影〉の主題、イメージと身体の分離の問題が絡んでくることで、事態はますます錯綜していくだろう。本発表は、フィクション映画における俳優の身体イメージと想像上のキャラクターとの競合関係にかんするジャン=ルイ・コモリのよく知られた議論を踏まえ、その特殊な一ケースとして『抱擁』を分析することを目指す。そして何より、これほど見応えのある一作がアメリカでも日本でもまともに評価されていない(ソフト化もされていない!)という現状への憤りを、一人でも多くの参加者と共有したいと願う。

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お問合せ先:
日本映像学会 映像テクスト分析研究会
代表 藤井仁子
〒162-8644 新宿区戸山1-24-1
早稲田大学文学学術院
e-mail: jinfujiiwaseda.jp

関西支部第96回研究会【3月11日】

日本映像学会関西支部第96回研究会(3月11日)のお知らせ

下記の通り日本映像学会関西支部第96回研究会を開催いたします。対面のみでの実施ですが、関西支部会員に限らず多くの方の参加をお待ちしています。

日時:2023年3月11日(土)午後2時30分より4時30分頃まで。
会場:大阪経済大学大隅キャンパス 

研究発表1:『みんなのうた』のアニメーターとアニメーションの特徴からみる子どもの歌
—1980年半ばから90年半ばまでの番組テキストの資料を参考に —      
発表者:ノートルダム清心女子大学 葉口英子会員
要旨:
本研究は、NHKが1961年から放送開始した音楽番組『みんなのうた』を対象に、1980年半ばから90年代半ばにかけての番組テキストの資料をもとに、この時期『みんなのうた』で活躍したアニメーターの創造性やアニメーションの種類や手法を明らかとする。
 NHK『みんなのうた』は、歌詞の字幕が挿入された映像を伴う1、2曲の歌で構成される5分間の隙間番組である。先行研究では、1970年初頭までは実写、アニメーション、シルエット、絵・スチールなど多様な映像表現が見られたことが明らかとなっている。とりわけアニメーションの場合、外部クリエーターを多く起用しており、初期の頃から常連の作家が存在していた。アニメーションが主流となった80年代半ばから90年代半ばにかけても、『みんなのうた』を手がける常連のアニメーターが数多く存在した。
 そこで本研究では、番組テキストの「アニメーター訪問」「アニメーター素顔のスケッチ」「うたのアトリエ」という連載記事に掲載された内容を、各アニメーターにみる創作の手法・アイデアをはじめ、制作過程や番組スタッフとのやりとりといった項目で整理し、この時期の『みんなのうた』のアニメーターやアニメ映像にみる特徴を分析した。
 今回の発表では、当時の『みんなのうた』のアニメーターやアニメーションの種類・手法を確認すると同時に、「うた」の音楽的要素とも照らし合わせ、当時の『みんなのうた』が音楽とアニメ映像によって子どもの歌をいかに表現したのか、検証する。

研究発表2:ジャンルとしてのデスゲーム考察 『イカゲーム』『今際の国のアリス』『バトル・ロワイアル』を題材として
発表者:神戸芸術工科大学芸術工学部まんが表現学科 泉政文会員
要旨:
 2021年Netflixにおいて全世界で大ヒットとなった『イカゲーム』の監督ファン・ドンヒョクはインタビューで、『ライアーゲーム』『賭博黙示録カイジ』などのデスゲームを扱った日本の漫画を読んでインスピレーションを得たとし、それらとの違いをこう語っている。「他の作品ではゲームが難しく複雑なので天才のような主人公が進行するが、『イカゲーム』は単純なので見る人がゲームよりも人に集中するようになるという点が違い」(WEBサイト「HANKYOREH」『ネトフリ1位「イカゲーム」監督「敗者たちを忘れちゃいけない」』2021.9)。『イカゲーム』公開の前年には日本のデスゲーム漫画を原作とする『今際の国のアリス』が同じくNetflixで公開され、確かに難解なゲームを主人公の才気でクリアしていく展開だった(2022年に第2シーズン公開で完結)。
 本発表ではジャンルとしてのデスゲームを規定する要素がなにかをこのジャンルに大きく影響を与えたとさ れる『バトル・ロワイアル』(2000年)を起点とし、登場キャラクターや、ストーリー展開などの共通項から、デスゲームをジャンルとして規定する要素をまず見出したい。また『イカゲーム』を紹介する日本の記事には「なぜ日本で『イカゲーム』は生まれなかったのか?」という論調のものがあった。これに対してデスゲームというジャンルが持つ社会的な意義についても考察したい。それはデスゲームというジャンル名にある“ゲーム”をどう捉えるのかの違いがあると思われる。最後に人がゲームをする様を見る視聴体験の現代性について考察したい。

研究会会場:大阪経済大学大隅キャンパス B館3階 B32教室
交通アクセス https://www.osaka-ue.ac.jp/profile/access/areamap/index.html
構内マップ https://www.osaka-ue.ac.jp/profile/facility/

日本映像学会関西支部事務局
〒585-8555大阪府南河内郡河南町東山469
大阪芸術大学映像学科内(大橋)
Tel: 0721-93-3781(内線3327)
email:eizouosaka-geidai.ac.jp

中部支部2022年度第2回研究会【3月5日】

2022年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第2回研究会
https://jasias-chubu.org/wp/?p=1084

日時:2023年3月5日(日)13:30より
会場:愛知県立芸術大学 新講義棟 大講義室
(〒480‒1194 愛知県長久手市岩作三ケ峯1‒114)
開催方式:対面

◎スケジュール(予定)
13:15 – 研究会 受付開始
13:30 – 開会あいさつ
13:35 – 14:05 研究発表
休憩
14:15 – 15:20 学生作品プレゼンテーション I
休憩
15:30 – 16:20 学生作品プレゼンテーション II
閉会

◎研究発表
角川映画の予告編とメディアミックス
北嶋玲子(名古屋大学大学院 人文学研究科 映像学専攻 修士課程2年)
要旨は、中部支部HPをご参照ください。
https://jasias-chubu.org/wp/?p=1084

◎学生作品プレゼンテーション
<参加校>(7校)
愛知淑徳大学 /情報科学芸術大学院大学 / 静岡理工科大学
椙山女学園大学 / 名古屋学芸大学 / 名古屋芸術大学 / 名古屋文理大学

作品については特設サイトをご参照ください。(12作品)
https://sites.google.com/view/jasias-chubu2022

学生プレゼンテーションでは、学生による自作解説(3分程度)と
質疑応答(5分程度)を行います。
当日、学生作品の上映は行いません。
事前に上記の特設サイトに掲載された作品の視聴を推奨します。

◎会場へのアクセス
http://bit.ly/3I6QwOy

<お車でお越しの方>
学内駐車場をご利用ください。(無料)
・東名高速道路 長久手ICから約5分

<公共交通機関でお越しの方>
・市営地下鉄東山線「藤が丘」駅下車、東部丘陵線(リニモ)に乗り換え「芸大通」駅下車 徒歩約10分
・市営地下鉄東山線「本郷」駅又は「藤が丘」駅からタクシーで約15分

研究会は入場無料、学会員でない方も聴講可能です。
興味がありそうな方にお知らせいただければ幸いです。

第53回映画文献資料研究会【3月11日】

「日本インディペンデント映画研究特別編 山川直人の発出departure」

企画概要:第53回の例会では、「日本インディペンデント映画研究特別編 山川直人の発出departure」(東京工芸大学芸術学部映像学科との共催)と題して、映画監督・東京工芸大学教授の山川直人会員をお迎えし、早大シネ研製作の『ビハインド』(1978)と商業映画デビュー作『ビリィ・ザ・キッドの新しい夜明け』(1986)の上映に併せて、70年代から80年代にかけての製作活動についてお話を伺います。
○山川直人(監督・東京工芸大学教授):1957年愛知県生まれ。1983年、早稲田大学教育学部卒業。在学中に早大シネ研で自主制作を開始、『ビハインド』(1978)がぴあオフシアターフィルムフェスティバルに入選。『イメージフォーラム』や『シナリオ』へ寄稿する一方、村上春樹原作の『パン屋襲撃』(1982)と『100%の女の子』(1983)を完成。パルコ製作の『ビリィ・ザ・キッドの新しい夜明け』(1986)で商業映画に進出し、松竹では大友克洋原作の『SO WHAT』(1988)を発表。TVドラマやCM、PVを多数手がけ、2011年東京工芸大学芸術学部映像学科教授に着任。2022年には、大学の講義をベースにしながら、名画の自作イラストを活用した『映画は生き方を教えてくれる 映画手法コレクション』(ジュピター出版)を刊行。

日時:3月11日(土)13時~17時(予定)
 第1部:映画『ビハインド(デジタル版)』
     映画『ビリィ・ザ・キッドの新しい夜明け』(参考上映)
 第2部:対談 山川直人
        高山隆一(東京工芸大学教授)
     進行:西村安弘(東京工芸大学教授)
会場:東京工芸大学藝術学部2号館B1 マルチメディア講義室
参加費:無料
事前申込制:先着50名
※参加を希望される方は、下記宛にお申し込みください。
nishimurimg.t-kougei.ac.jp
日本映像学会映画文献資料研究会(代表:西村安弘)
主催:東京工芸大学芸術学部映像学科、日本映像学会映画文献資料研究会

上映作品
『ビハインド』 BHIND(1978/早大シネ研/8mm→デジタル/60分)
  監督・脚本:山川直人
出演:伊藤清彦・石井葉子・室井滋 
   ・ぴあ オフシアターフィルムフェスティバル ’79入選
     ・1984 ベルリン国際映画祭招待

『ビリィ・ザ・キッドの新しい夜明け』THE NEW MORNING OF BILLY THE KID
(1986/PARCO・VAP/35mm/109分)
   製作:増田通二 / プロデューサー:森重晃 / 原案:高橋源一郎/ 撮影:高間賢治
脚本:高橋源一郎・山川直人 / 音楽:千野秀一・ZELDA / 監督:山川直人
出演:三上博史・真行寺君枝・室井滋・内藤剛志・石井章雄・原田芳雄・石橋蓮司
・1986 エジンバラ国際映画祭招待
    ・1986 シドニー現代日本映画祭招待
    ・1986 モントリオール・ヌーヴォーシネマ国際映画祭招待
    ・1986 ハワイ国際映画祭招待
    ・1986 高崎映画祭 グランプリ(新人監督賞)受賞
    ・1987 ロッテルダム国際映画祭招待
    ・1987 香港国際映画祭招待
    ・1987 バンクーバー国際映画祭招待
    ・1987 トロント国際映画祭招待
    ・1989 ベローナ国際映画祭(イタリア)招待
    ・1991 USフィルムツアー・アジア映画祭(EWC主催)招待

メディア考古学研究会(第1回)開催のお知らせ【3月11日】

メディア考古学研究会(第1回)開催のお知らせ【3月11日(土)】

メディア考古学研究会(第1回)を下記のとおり開催いたします。板橋区立教育科学館にて、当時の映像機器と実物史料をもちいた実演による研究発表会(対面)になります。館内入場無料、事前予約などはございませんので、会場に直接お越しください。皆様のご参加をお待ちしております。

日時:2023年3月11日(土)午後13時〜16時頃
会場:板橋区立教育科学館2階・教材製作室
https://www.itbs-sem.jp/event/detail?id=3407

〒174-0071東京都板橋区常盤台4-14-1
東武東上線 上板橋駅 北口下車 徒歩5分
https://www.itbs-sem.jp/access/

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東日本大震災から12年×関東大震災から100年
「「動く」装置でよみがえる戦前の天災と防災意識」

第一部 幻燈と印刷物で見る:明治の大水害と水難救護・衛生問題
解説:福島可奈子(早稲田大学)
実演:松本夏樹(大阪芸術大学)

第二部 活動写真と蓄音機で見聞きする:関東大震災後の復興と防災意識
進行・機械操作:山端健志(板橋区立教育科学館)
ゲスト:菊田鉄男(KWorx代表、電気システム技術者)

概要:
これまで日本は何度も未曽有の災害に襲われてきた。なかでも今から100年前に起きた関東大震災(1923年)は、首都機能を失わせかねないほどの大災害であった。だが政府主導の復興計画のもとで、かつての古い街並みは近代モダン都市へと生まれ変わり、1927年には日本初の地下鉄(上野‐浅草間)が開通した。また翌年には御大礼、1930年には復興祭がおこなわれ、壊滅状態だった東京はわずか5年ほどで復興を遂げた。明治期以降、人々に災害の恐怖を伝えて防災のあり方を示し、その復興を「見える」「聞こえる」形で後押ししたのが、当時の主要メディアである新聞、雑誌、写真、絵葉書、活動写真(映画)、レコードなどであった。
今回の研究発表会では、第一部で、幻燈や新聞が伝えた1896年の明治三陸大津波、雑誌や絵葉書写真による1896年と1910年の東京大水害、そしてその結果高まった水難救護と衛生意識について、当時の幻燈機をもちいてみていく。第二部では、関東大震災後の復興と防災意識のあり方が、それ以前とどのように変化したかを、実物の活動写真機や蓄音機レコードなどを動かしつつ体験的に検討する。

お問い合わせ先:
日本映像学会メディア考古学研究会
代表・福島可奈子
korogattahotmail.co.jp

アナログメディア研究会主催:実験映画を観る会 vol.3【2月26日】

実験映画を観る会 vol.3

■2023年2月26日日曜日 13時上映

■会場:小金井市中町天神前集会所〒184-0012 東京都小金井市中町1 丁目7-7
武蔵小金井駅南口から徒歩約14分
https://loco.yahoo.co.jp/place/g-Zs8NitBrVqI/

■資料代 1000円(会場でお支払いください)

■[お申込み]事前登録制・定員56名(先着順)
こちらからお申し込みください
https://forms.gle/pHRJNAwLBHRjdySv9

■12時40分開場
■13時〜14時30分 プログラム1:狩野志歩 フィルム作品 8mm 16mm 56分
■14時30分〜14時45分 休憩
■14時45分〜16時45分 プログラム2:太田曜 海外撮影映画 プログラム 79分
■16時45分〜17時 休憩
■17時00分〜18時00分 トーク:狩野志歩、太田曜、水由章、

●フィルムで制作された実験映画作品をフィルムで上映します。上映予定映画は全て16mmか8mmのフィルム作品です。

〈実験映画を観る会〉は、フィルム作品をフィルムで上映し、解説とともに鑑賞する実験映画(アンダーグラウンド映画)の入門的な上映会である。松本俊夫が1960年代前半に主宰した〈実験映画を見る会〉の意志を受け継ぎ、国内外の実験映画を紹介することを目的にしている。
今日、実験映画をフィルムで観る機会はほとんどなくなった。しかし、フィルムで制作された作品はフィルムで観ることを前提につくられており、それはDVDやインターネットで見ることことはまったく異なる体験なのだ。わたしたちは、実験映画を本来あるべき姿で上映することで、実験映画がもつ魅力を引き出したいと考えている。(西村智弘)

プログラム1:
狩野志歩 フィルム作品 8mm 16mm 56分
『浸透圧』 1997年 S-8 4分 18コマ/秒 マグネ音声
『うちへ』 1998年 S-8 5分 18コマ/秒 マグネ音声
『情景 Landscape』 1998年 S-8 13分 18コマ/秒 マグネ音声
『スチール STILL』1999年 S-8 15分 18コマ/秒 マグネ音声
『揺れる椅子 Rocking Chair』2000年 16ミリ13分 光学音声
『Lily in the Glass』2003年 16ミリ6分 光学音声

プログラム2:
太田曜 海外撮影映画 プログラム 79分
日本以外で撮影された作品
『UN RELATIF HORAIRE』1980年 16ミリ 2分 カラー サイレント
『UNE SUCCESSION INTERMITTENTE』1980年 16ミリ 2分カラー サイレント
『UN RELATIF HORAIRE No3』1980年 16ミリ カラー 3分 サイレント
『STÄDEL』1986年 16ミリ カラー 7分 サイレント
『5400Secondes』1987年 16ミリ カラー 10分 サイレント
『ANTONYM of CONCORD(E)』2005年 16ミリ カラー 9分 光学音声
『PILGR IMAGE of TIME』2008年 16ミリ カラー 13分 光学音声
『L’Image de la Pucelle 2』2013年 16ミリ カラー 12分 光学音声
『The Militia Campany of Captain Frans Banning Cocq』 2015年 16ミリ カラー 5分 光学音声
『Les Grands Boulevards』 2019年 16ミリ モノクロ 6分 光学音声(+別だし)
『ブライドピーク(Bride Peak) チョゴリザ 花嫁の峰』2021年8mm(24コマ/秒)10分 音声別だし

トーク:狩野志歩、太田曜、水由章、

狩野 志歩 (かのう しほ)
武蔵野美術大学映像学科卒業。イメージフォーラム付属映像研究所21期、22期修了。1990年代後半よりフィルム、ビデオを用いた映像作品、マルチチャンネル・インスタレーション、ライブパフォーマンスを国内外の映画祭、美術館等で発表している。
http://shihokano.info/

太田曜
1953年東京生まれ。実験映画制作、研究。パリ第8大学映画科で実験映画を、フランクフルトのシュテーデル美術大学でペーター・クーベルカから実験映画と料理を学ぶ。1982年第12回パリ青年ビエンナーレ展で上映以来国内外での上映多数。
http://www.tokyo100.com/ota/
https://www.facebook.com/yo.ota.18/

水由 章
1961年生まれ。1980年代から8mm、16mm映画フィルムで実験的映画作品を制作する。主な作品として『或る情景・都市河川』(1993)『瞬息』(1997)『水光色』(2002)『Perception』(2019)など。ミストラルジャパン代表として実験的映像作品の制作・配給・DVDリリースを行う。

問い合わせ先:日本映像学会アナログメディア研究会
analogmediazoom@gmail.com

主催:
日本映像学会アナログメディア研究会
https://www.facebook.com/analogmedia
8ミリフィルム小金井街道プロジェクト
http://shink-tank.cocolog-nifty.com/perforation/

第24回ヴィデオアート研究会【2月25日】開催のお知らせ

第24回ヴィデオアート研究会(2月25日)開催のお知らせ

日時:2023年2月25日(土)15:00-17:00
オンライン開催(ZOOM会議形式)

アクセス方法:
当日12時までに下記メールにご連絡頂ければ、ZOOMのアクセス先のURLをご返信致します。

内容:ナム・ジュン・パイク《Fuku/Luck,Fuku=Luck,Matrix》修復の現場から
本研究会は、ヴィデオアートのアカデミックな研究と、制作や展示現場のフィールドワークを交互に行なう方針で発足されました。今回はオンライン開催の研究会で、ブラウン管の経年劣化によってしばらく稼働停止となっていた、福岡キャナルシティ内設置のナム・ジュンパイク《Fuku/Luck,Fuku=Luck,Matrix》(1996)が一昨年修復されたことを受け、事業担当された溝口直美氏をゲストに作品再生の経緯についてお話しを伺いたいと思います。修復関係者の特別インタビュー映像もご覧いただきながら、メディアの特異性を利用したヴィデオアートやメディア芸術作品の修復・保存についての課題について考えていきます。

パネリスト: 溝口直美(株式会社エフ・ジェイエンターテインメントワークス キャナルシティ博多事業部)
1991年、千葉大学工学部工業意匠学科卒、福岡地所株式会社入社。1994年、キャナルシティ博多開発事業参画。2014年から現職でN.J.パイク作品修繕担当開始。

進行:瀧健太郎(ビデオアートセンター東京/学会員)

お問合せ:
日本映像学会ヴィデオアート研究会
代表 瀧健太郎
e-mail:taki.kentarouebony.plala.or.jp

会報第196号を発行しました。

会報第196号(2023年2月1日)を発行しました。
以下のPDFよりお読みください。

JASIAS_NewsLetter196

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会報への会員による投稿につきましては以下の投稿規定をお読みのうえ、末尾の連絡フォームによりご連絡ください。のちほど担当よりご連絡申し上げます。

日本映像学会 会報 投稿規定(2017年10月 理事会決定)

1.投稿資格

(1) 投稿の時点で正会員の資格を有していること。

(2) 投稿者本人が執筆者であること。共著の場合は、投稿者が筆頭執筆者であり、必ず他の共著者全員の承認を得た上で投稿しなければならない。

2.投稿内容

(1) 映像に関する研究を推進し、広く映像文化の向上に寄与するもの(「日本映像学会会則」第2章第4条にもとづく)。

(2) 未発表のもの。二重投稿は認めない。投稿者自身の既発表論文や口頭発表と関連がある場合には、そのことを必ず明記すること。

(3) 投稿者は、自らが著作権を有しない著作物や図版などを引用するに際しては、著作権法(第32 条第1項)が定める引用の条件に則って行なうものとし、必要な場合はその著作権所有者の許諾を得なければならない。

3.字数

(1) 字数は自由(1ページは2,400字程度・複数ページも可)

(2) 図版を添付する場合には、図版の大きさを文字数に換算し、全体の文字数に含める。

4.体裁

(1) 完成原稿であること。

(2) メール本文に、題名、執筆者名、住所、電話番号、Eメールアドレス、所属等を記すこと。なお、総務委員会が原稿を確認し、事務局からEメールで「原稿受付」の通知をする。

5.提出方法

(1) 電子データをメール添付で事務局に送信すること。

(2) メール本文にOSの種類とソフト名(Wordもしくはテキスト)を明記すること。

6.投稿先

E-mail: officejasias.jp

7.校正

著者校正は初校のみとし、以後は総務委員会が行なう。

8.著作権

会報に発表された研究報告等の著作権は日本映像学会に帰属する。他の著作に転載する場合には、事務的な手続きのため、事前に文書等で学会に連絡し、転載する際に、会報への掲載に関する基本的な書誌情報を明記すること。

9.締切

投稿は随時受け付ける。

10.その他

(1) 掲載の可否については、総務委員会が決定する(一部改稿を求めることもある)。また、「採否の通知」は事務局からEメールで送信する。

(2) 投稿原稿掲載部分はPDF電子版会報の内としてホームページ上で一般公開

以上


アジア映画研究会(第3期第16回)開催のお知らせ【2月7日】

アジア映画研究会[第3期第16回(通算49回)]を下記の通り開催いたします。

日時:2023年2月7日(火) 18:00 – 20:00
(ZOOMによるオンライン開催:事前申込制)
申し込み締め切り:2月3日(金)
下記URLより所定のフォームにご記入の上、お申し込みください。
https://forms.gle/nMd6ZwboPZp8EaEx8

    *    *    *    *    
「インドネシア映画再訪」

昨年の東京フィルメックスでは、インドネシア映画『自叙伝』がグランプリを受賞。また、新たな世代を牽引してきたカミラ・アンディニの作品も特別招待枠で上映されました。
これら2作品に代表されるように、ここ数年でこれまでになかったインドネシア映画の胎動が始まっているように思われます。2月のアジア映画研究会では、研究サイドと現場サイド、ふたつの方向から、インドネシア映画を再訪してみたいと思います。

報告1:
「インドネシア映画の変化を読む」
西 芳実[映画研究者・京都大学 東南アジア地域研究研究所准教授]

インドネシア映画はどこに向かいつつあるのか。2021年、2022年のインドネシア映画は、今を生きる若者たちの戸惑いを描いた『自叙伝』(マクブル・ムバラク)や『フォトコピー』(レガス・バヌテジャ)といった1990年代生まれの監督作品や、『復讐は私にまかせて』(エドウィン)や『ナナ』(カミラ・アンディニ)といった「時代もの」が国内外に鮮烈な印象を残した。
本報告では、ガリン・ヌグロホ以降のインドネシア映画の系譜にこれらの作品を位置づけるとともに、独立戦争やスハルト時代、1998年民主化といったインドネシア現代史が映画によってどのように語り直されようとしているのかを考えることで、インドネシア映画の現状と今後を探る。
[参考]
西芳実著『夢みるインドネシア映画の挑戦』英明企画編集、2021
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909151223 

報告2:
「現場から見る、インドネシア映画の現在・未来」
森永泰弘[サウンドデザイナー/サウンドアーティスト]

長らく東南アジアの映画制作を実践するなかで、インドネシア現代映画の中心人物たち、ガリン・ヌグロホ、カミラ・アンディニ、イファ・イスファンシャ、ヨーゼプ・アンギらと協働し作品を創ってきた。今回、彼らとの実践経験を通じて、いま現在のインドネシア映画の実情を、多角的な観点から語ってみたい。

2月座長:杉原賢彦